Appearance
画像が印刷されない
このページで解決できること
Jw_cadの作図画面では画像(写真・キャプチャ・ロゴなど)が表示されているのに、印刷したら画像だけが抜けて線や文字しか出てこない、というトラブルを切り分けて解決できるようになります。原因として多い「画像同梱がされていない」「印刷範囲の外に画像がある」「基本設定で画像出力がOFFになっている」「PDF出力時のラスタ化問題」「画像レイヤが非表示」までを順に確認していきます。受け渡し先のPCで画像が出ない場合の対処も合わせて扱います。
こんな症状でお困りの方へ
- 画面では写真や画像が見えているのに、印刷物には線と文字しか出ない
- 画像があるはずの場所が真っ白で印刷される
- 自分のPCでは印刷できるが、データを渡した相手のPCでは画像だけ出ない
- PDF出力すると画像が抜けてしまう
- 画像のあった枠だけが残って、中身(写真)が出てこない
- ある画像は印刷されるが、別の画像は印刷されない
- 印刷プレビュー(赤枠表示)の段階では画像が見えるが、紙には出ない
画像準備中 — 画像が印刷されない代表的な症状(画面表示と印刷結果の比較)
背景: Jw_cadの画像挿入は「画像本体をJWWファイルに埋め込む」のではなく、初期状態では「PC内の画像ファイルへのパス(参照情報)だけを記録する」仕組みです。このため、画像ファイルが見つからない・参照先が変わった・画像出力が設定でOFFになっている、といった条件のいずれかで簡単に印刷から抜け落ちます。
主な原因
| # | 原因 | 起きる場面 |
|---|---|---|
| 1 | 画像同梱がされておらず、参照先の画像ファイルが見つからない | 受け渡し先のPCで印刷/元画像を移動・削除した後 |
| 2 | 画像が赤い印刷範囲枠の外にある | 大きな図面で画像だけ枠外に置いた/用紙サイズ変更後 |
| 3 | 基本設定の「画像は印刷しない」がONになっている | 線画優先で印刷したい設定が残っている/設定ファイル流用後 |
| 4 | 画像のあるレイヤが非表示・非表示書込レイヤ扱いになっている | レイヤ整理中/別ファイルから流用したレイヤ構成 |
| 5 | PDF出力(仮想プリンタ)の画像対応設定が不足 | CubePDF・Microsoft Print to PDF への出力時 |
| 6 | プリンタドライバ側の画像出力設定(線画モード等) | 業務用大判プリンタ/古いレーザープリンタ |
| 7 | BMP以外の形式を強引に挿入したが、表示用キャッシュだけが残っている | 拡張プラグインで JPG/PNG を挿入後にプラグインを外した |
背景: 上の頻度は、PERSC編集部が読者からの相談を整理した体感順です。1(画像同梱漏れ)と 2(印刷範囲外)の2つで相談の相当数を占める印象があります。まずこの2つから当たれば多くのケースは解決します。
対処方法
注意: 削除・初期化・解除(プリンタドライバ設定変更・画像同梱解除を含む)を行う前に、必ず以下の 3 ステップ安全手順 を踏んでください:
- コピー退避: 対象
.jwwと参照画像ファイルを別フォルダにコピーバックアップします(例:案件A.jww→案件A_backup_2026-05-08.jww)- 検証: バックアップを別場所に置いた状態で、まず PDF プリンタ(Microsoft Print to PDF)で出力して画像が出るか切り分けます
- 対処: 上記2ステップを踏んだ上で、本記事の対処を実行
プリンタドライバ設定の変更は社内共用プリンタの他業務に影響します。設定を変える場合は元の値を必ずメモし、テスト印刷後に 元に戻す までを1セットで行ってください。
対処1: 画像同梱を実行する(最重要)
Jw_cadで画像を「挿入」しただけの状態は、画像ファイル本体ではなく「画像ファイルの保存場所(パス)」を記録しているだけです。受け渡し先のPCでは元の画像ファイルが無いため、印刷時にプリンタへ送るデータが空になり、結果として画像だけが抜けます。
手順
- メニューバー「編集」→「画像編集」をクリックします
- コントロールバーに画像編集用の項目が並びます
- コントロールバーの「画像同梱」ボタンをクリックします
- 確認ダイアログが表示されるので「OK」をクリックします
- 画像データがJWWファイル内に取り込まれます
Ctrl+Sで上書き保存します
画像準備中 — 「編集」→「画像編集」コントロールバーの「画像同梱」ボタンの位置
Tips: 画像同梱後にJWWファイルをテキストエディタで開いて先頭付近の画像情報を見ると、
^@BMで始まる行のパス記述が%temp%を含む形式に変化します。これは「JWWファイル内に画像本体を取り込んだ」印で、ファイルだけ受け渡しても画像が表示・印刷されるようになった証拠です。
PERSCの推奨: 画像を挿入したら、その時点で必ず「画像同梱」を実行してから保存する運用をおすすめします。同梱忘れは「データを送った先で印刷したら画像が出ない」という最頻トラブルの大半を占めます。同梱の手順詳細は 画像同梱と分離 ※準備中 で扱います。
注意: 画像同梱を実行するとJWWファイルのサイズが大きくなります。高解像度写真を多数同梱するとファイルが数十MBになることもあるため、メール添付前のサイズ確認を忘れないようにしましょう。
対処2: 印刷範囲枠の中に画像が入っているか確認する
赤い印刷範囲枠の外にある図形は印刷されません。画像も同じで、用紙の外にはみ出していると線や文字だけが印刷され、画像が抜けたように見えます。
確認手順
- メニューバー「ファイル」→「印刷(P)」(または
Ctrl+P)で印刷コマンドを起動します - プリンタ選択ダイアログで「OK」をクリックします
- 作図画面に赤い印刷範囲枠が表示されます
- 画像が赤枠の中に入っているか、目視で確認します
- 画像が枠外にあれば、コントロールバーの「範囲変更(R)」で枠を画像のある場所まで動かすか、画像側を移動させます
画像準備中 — 赤い印刷範囲枠と画像の位置関係(枠内/枠外の比較)
Tips: 画像が枠の境界線にまたがっている場合、はみ出した部分はカットされて印刷されます。画像全体を確実に出したい場合は、赤枠を画像が完全に収まる位置まで動かすか、画像のサイズを縮小します。
印刷範囲の動かし方や基準点の指定方法は 印刷コマンドの基本 で詳しく解説しています。
対処3: 基本設定「画像は印刷しない」のチェックを外す
Jw_cadの基本設定には、印刷時に画像をプリンタへ送るかどうかを切り替える項目があります。ここがONになっていると、画面表示はそのままで、印刷時だけ画像が省かれます。
手順
- メニューバー「設定」→「基本設定」をクリックします
- 基本設定ダイアログが開きます
- 「一般(1)」タブ(または「色・画面」タブ)を開きます
- 「画像は印刷しない」のチェック項目を探します
- チェックが入っていれば外し、「OK」で閉じます
- 再度印刷を実行して、画像が出るか確認します
画像準備中 — 基本設定ダイアログ「画像は印刷しない」のチェック項目
要確認: 「画像は印刷しない」項目が「一般(1)」タブにあるか「色・画面」タブにあるかは、バージョンにより配置が異なる可能性があります。実機(Version 10.02.1・2026/01/21公開)で正確な位置を確認の上、本文を確定させてください。
背景: この設定は、ドラフト段階の図面を「線画だけで素早く確認印刷したい」用途のために用意されています。一度ONにしたまま忘れると、本印刷時にも画像が出なくなるため、確認印刷後はOFFに戻す運用が安全です。
PERSCの推奨: 通常運用では「画像は印刷しない」はOFFのままにしておきましょう。線画だけ印刷したいときは、画像をいったん別レイヤに移動してそのレイヤを非表示にするほうが、設定の戻し忘れによる事故を避けられます。
対処4: 画像のあるレイヤを表示状態にする
画像が「非表示レイヤ」または「表示のみ可レイヤ」とは別の状態に切り替わっていないか確認します。レイヤ自体が非表示になっていると、印刷からも当然外されます。
手順
- 画面右側または下部のレイヤバーで、画像のあるレイヤ番号を確認します
- 該当レイヤのボタンが「非表示(空欄)」になっていれば、左クリックで「表示」状態に戻します
- 必要に応じて、画像のあるレイヤグループも表示状態にします
- 作図画面で画像が見えるようになったことを確認します
- 再度印刷を実行します
画像準備中 — レイヤバーで画像レイヤを表示状態に戻す場面
Tips: 画像がどのレイヤにあるか分からない場合は、画像をクリックして属性表示すれば所属レイヤが分かります。属性取得(メニューバー「設定」→「属性取得」または
Tabキー)で対象画像の属性に切り替えると、現在のレイヤがレイヤバー上で点灯表示されます。
レイヤの表示・非表示の切り替えは レイヤの基本操作 ※準備中 を参照してください。
対処5: PDF出力時の画像出力設定を確認する
紙のプリンタには印刷できるが、PDF出力(CubePDF・Microsoft Print to PDF など仮想プリンタ)したときだけ画像が抜ける場合は、PDF側の設定で画像を出力対象から外している可能性があります。
CubePDF の場合
- Jw_cadから印刷実行 → プリンタとして「CubePDF」を選択して「OK」
- 印刷範囲を確認して「印刷(L)」を実行
- CubePDFのダイアログが開く
- 「詳細」または「その他」タブを開きます
- 「画像を圧縮する」「画像を含める」等の項目があれば、画像を含める設定にします
- 出力品質は「標準」または「高画質」を選択します
- 「変換」をクリックしてPDFを生成します
Microsoft Print to PDF の場合
特に画像出力を切り替える項目はないため、画像が抜ける場合はCubePDF など別の仮想プリンタを試してください。
画像準備中 — CubePDFダイアログの画像出力設定
Tips: PDF出力で画像がぼやける・荒くなる場合は、CubePDFの「画像のリサンプリング」設定をOFF、または出力解像度を高めに設定します。印刷物に画像を載せる場合の解像度感の目安は紙面1枚あたり200〜300dpi です。
PDF出力全般の手順は PDF出力 ※準備中 で扱います。
対処6: プリンタドライバの画像出力設定を確認する
業務用の大判プリンタや古いレーザープリンタでは、ドライバ側で「線画モード」「ベクター優先」のような設定が用意されており、これがONになっていると画像(ラスタデータ)がスキップされます。
確認手順
- メニューバー「ファイル」→「印刷(P)」
- 印刷ダイアログでプリンタを選択し、「プロパティ」をクリックします
- プリンタ設定ダイアログが開きます
- 「詳細設定」「グラフィック」「用紙/品質」等のタブを順に開きます
- 「ベクター優先」「線画モード」「HP-GL/2」のような項目があれば、「ラスター」「標準」「自動」など画像も含む設定に切り替えます
- 「OK」で閉じてから、印刷を実行します
画像準備中 — プリンタドライバのグラフィック設定(製品により異なる旨のキャプション)
背景: HP-GL/2 や線画モードはCAD図面の線をベクターデータとして高速に描画する仕組みで、写真や画像(ラスタデータ)は対象外になります。建築事務所の大判プロッタで「線画は出るが画像が出ない」相談は、多くの場合この設定が原因です。
注意: プリンタの設定項目は機種・ドライババージョンによって名称が異なります。マニュアルを参照するか、メーカーサポートに問い合わせて「ラスタ画像も印刷する設定」に切り替えてください。
予防策・再発防止 ★PERSC独自
「画像が印刷されない」は再発しやすいトラブルですが、運用ルールを3つ決めておけば大幅に減らせます。
1. 画像挿入と画像同梱は必ずセットで実行
画像を挿入した直後に「画像同梱」を実行する習慣をつけましょう。「あとで同梱しよう」と思って忘れたまま保存・受け渡しすると、相手側では参照切れで画像が抜けます。
PERSC編集部の運用では、「画像挿入 → 同梱 → 上書き保存」を1セットとしてマウスの右手・左手の動きまで固定化しています。同梱忘れの事故を物理的に減らせます。
2. 「画像は印刷しない」をデフォルトOFFにして基本設定を保存
基本設定の「画像は印刷しない」は、初期状態のOFFをそのまま維持し、確認印刷時だけ一時的にONにする運用に統一します。設定の変更は基本設定ダイアログ右下の「OK」で保存され、jw_win.jwf に書き込まれます。
社内で複数人がJw_cadを使う場合は、共通の jw_win.jwf を配布して全員のPCで同じ設定状態を維持すると、「自分のPCでは出るのに他の人のPCでは出ない」混乱を防げます。
3. 受け渡し前に「画像同梱チェック」をルーチン化
データを取引先・施工会社・社内別部署へ渡す前に、次のチェックを行います。
- JWWファイルを開き直して、画像が表示されているか
- メニューバー「ファイル」→「印刷(P)」で赤枠を出し、画像が枠内にあるか目視確認
- 画像同梱が済んでいるか不明なら、もう一度「画像同梱」ボタンを押す(同梱済み画像にもう一度同梱を実行しても問題ありません)
PERSCの推奨: 受け渡し直前に別フォルダにJWWファイルだけをコピーして、そのコピーを開いて表示確認するのが確実な方法です。元フォルダにある画像ファイルを参照しているだけなら、別フォルダのJWWファイルでは画像が表示されないため、同梱漏れが即座に判明します。
つまずきポイント・補足 ★PERSC独自
Q: 同梱したつもりなのに、相手のPCでは画像が出ない
→ 「画像同梱」ボタンを押した直後に上書き保存していない可能性があります。同梱の操作はメモリ上でファイル内部を書き換えるだけで、ディスクへの書き込みは「上書き保存(Ctrl+S)」で初めて反映されます。同梱 → 保存 までを1セットで実行してください。
Q: 画面では見えているのに、印刷プレビュー(赤枠表示)の段階で画像が消えている
→ 基本設定の「画像は印刷しない」がONになっているケースです。対処3を実施してください。赤枠表示の段階で消えている=印刷モードに入った時点で画像が除外されていることを意味します。
Q: PDFには出るが、紙には出ない
→ プリンタドライバ側の「線画モード」「ベクター優先」設定が原因の可能性が高いです。対処6を実施してください。逆に「紙には出るがPDFには出ない」場合は対処5(PDF側の設定)を疑います。
Q: 画像の枠(外形線)だけが印刷されて、中身(写真)が空白
→ 画像参照先のファイルが見つからない、または画像同梱されていない状態の典型的な症状です。対処1(画像同梱)を実施し、それでも改善しなければ画像挿入時の元ファイルが移動・削除されていないか確認します。
Q: ある画像は印刷されるが、別の画像は印刷されない
→ 画像ごとに「同梱済み」「同梱未済(参照のみ)」の状態が混在している可能性があります。古い同梱方法(旧バージョンで挿入した画像)は再度「画像同梱」を実行することで現行形式に揃います。すべての画像に対してもう一度「画像同梱」を押し、上書き保存してから再印刷してください。
Q: 受け渡し先で画像が表示されない(印刷以前の問題)
→ 同じく対処1(画像同梱)が必要です。表示も印刷も「JWWファイル内に画像本体が含まれているか」が前提条件で、表示が出ない場合は印刷も当然出ません。詳細は 画像が表示されない ※準備中 で扱います。
Q: BMP以外の画像(JPG/PNG)を挿入したい
→ 標準のJw_cadでは画像挿入はBMP形式のみ対応です。JPG/PNG をBMPに変換してから挿入するのが基本です。Windows標準の「ペイント」アプリで開いて「名前を付けて保存」→ ファイル形式を「24ビットビットマップ(.bmp)」にすれば変換できます。プラグインを使えば直接JPG/PNGを扱える場合もありますが、印刷・受け渡しでの安定性を考えるとBMPに統一する運用が安全です。
Q: 線色印刷オフ設定との関係はあるか
→ 線色ごとの印刷ON/OFFは線・文字に対する設定で、画像には直接影響しません。ただし、画像と一緒にある線・文字が印刷されないことを「画像が印刷されない」と認識しているケースもまれにあります。線が出ない場合は 印刷時に線が太すぎる・細すぎる ※準備中 を参照してください。
関連項目
- 印刷コマンドの基本 — 印刷の起動から実行までの基本フロー
- 画像同梱と分離 ※準備中 — 画像をJWWファイルに含める操作の詳細
- 画像が表示されない ※準備中 — 表示そのものが出ない場合
- PDF出力 ※準備中 — CubePDF / Microsoft Print to PDF
- 印刷時に線が太すぎる・細すぎる ※準備中
- 印刷範囲がずれる・はみ出す ※準備中
- レイヤの基本操作 ※準備中 — レイヤの表示・非表示
まとめ
- 画像が印刷されない症状の主因は「画像同梱漏れ」「印刷範囲外」「『画像は印刷しない』設定ON」の3系統で、相当数を占める印象
- 効果が大きい対処は対処1(画像同梱の実行+上書き保存)。受け渡しトラブルの大半はこれで解決
- 紙には出るがPDFに出ない/PDFには出るが紙には出ないケースは、出力先(仮想プリンタ/物理プリンタ)側の設定を疑う
- 再発防止は「画像挿入と同梱をセットで実行」「『画像は印刷しない』をデフォルトOFF維持」「受け渡し前にコピーで表示確認」の3点セット