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未検証

断面図の描き方(GL・FL・基準高さの作図)

このページでできるようになること

Jw_cad で 断面図(建物を縦に切って中の構造と高さを見せる図) を、確認申請レベルの粒度から矩計図相当の詳細レベルまで描けるようになります。GL(地盤面)・1FL・2FL・天井高・軒高・最高高さといった 基準高さの組み立て方、平面図上の 切断位置(A-A' 断面)の取り方、外壁・床・天井・屋根の 重なりと納まり の作図、建具断面コマンドの活用、寸法・GL/FL記号の表記、立面図との整合チェックまで、断面図1本を仕上げるための実務手順を一通り押さえます。

背景: 断面図は建物の 高さ方向の設計判断(階高・天井高・小屋裏空間) がそのまま現れる図面です。平面図と立面図だけでは「住みやすさ」「天井の抜け感」「採光」「断熱」の判断ができません。実務では、平面図と並行して断面図を描き始めることで、階高・天井高・梁下寸法のミスを早期に発見できます。線・複線・複写・寸法・建具断面の各コマンド本体は他章に委譲し、ここでは「平面図のどこを切るか」「基準高さをどう組み立てるか」「外壁・床・屋根の納まりをどう描くか」に焦点を当てます。

注意: 本記事は Jw_cadで断面図・矩計図の作図を行う方法 の解説であり、建築基準法上の高さ算定(GL・軒高・最高高さ・天井高)の適法性を保証するものではありません

  • 軒高・最高高さ・地盤面(GL)の算定基準は、建築基準法・建築基準法施行令第2条・特定行政庁の取扱いで異なります(高低差3m超の地盤面の取扱い等)
  • 居室の天井高(建築基準法施行令第21条 2.1m以上)・階段寸法(建築基準法施行令第23条)・採光有効面積(建築基準法第28条)等の規制値は、用途・規模・特定行政庁の条例で異なります
  • 本記事に記載した木造2階建て住宅の階高2700〜3000mm・床下400〜500mm等の値は 設計検討の目安 であり、実際の設計値は構造計算・仕様規定・構造設計者・設計者の判断に従ってください
  • 断面図の高さ寸法・形状が法令適合(北側斜線・絶対高さ制限・日影規制等)と判断するのは、設計者・確認検査機関・特定行政庁の責任です
  • Jw_cadで描いた断面図は 設計検討・確認申請の参考添付 の用途であり、法令適合判定には別途斜線制限図・日影図・天空率算定書・構造計算書の作成と審査機関への事前協議が必要です

関連: 建築基準法施行令第2条(面積、高さ等の算定方法) / 建築基準法施行令第21条〜第23条(居室の天井高・階段の寸法) / 特定行政庁・指定確認検査機関への確認


断面図の基本ルール

断面図とは

断面図は、建物を 垂直に切断して切り口を真横から見た図 です。外観には見えない構造躯体・床下空間・天井ふところ・小屋裏・基礎の形状が現れます。確認申請の必須図書のひとつであり、施工時の 高さ管理・天井下地・梁伏せ・基礎深さ の判断資料としても使われます。

用語意味
GLGround Level。地盤面(建物が建つ地面の高さ)。断面図の基準ゼロ
1FL1階床高。木造在来で GL から 400〜500mm 程度上がる
2FL2階床高。1FL から階高(一般に 2700〜3000mm)上がる
CHCeiling Height。天井高。各階の床上面から天井下端までの距離
階高1FL から 2FL までの垂直距離。階高 = 天井高 + 床ふところ + 梁せい等
天井ふところ天井下地と上階床下地の間の空間。設備配管・梁が通る
軒高軒桁の上端の高さ。木造では 2階階高 + 軒桁高さ
最高高さ屋根の最も高い点(棟)の高さ。北側斜線・絶対高さ制限の判定基準
矩計図(かなばかりず)縮尺 1/30 や 1/50 の詳細断面図。仕上厚・下地・断熱まで描く

断面図と矩計図の違い

図面種別縮尺描く粒度
一般断面図(A-A' 断面等)1/100階高・天井高・梁下・屋根勾配の概形を表現
矩計図1/30〜1/50床・壁・天井・屋根の 層構成(仕上+下地+構造+断熱) まで描く

背景: 一般的に「断面図」と呼ぶときは 1/100 の概略断面、「矩計図」と呼ぶときは詳細断面を指します。確認申請には 1/100 の断面図を最低 2 本(直交する 2 方向)添付することが多く、矩計図は施工図・実施設計図として別途作成します。この記事は 1/100 の一般断面図 を主体に解説し、矩計図相当の詳細表現は派生パターンで触れます。

断面図の三大ルール

実務で守るべき基本は次の3点です。

  1. 基準高さ(GL・FL・天井高・軒高・最高高さ)を最初にまとめて引く
  2. 平面図上で「どこを切るか」を切断線で明示し、矢視で見る方向を示す
  3. 立面図と高さ整合を完全一致させる(GL・各FL・軒高・最高高さの数値が4面立面と断面で1mmたりとも食い違わない)

PERSCの推奨: 断面図は「Gp.3(断面図グループ)」に集約し、平面図(Gp.0)・立面図(Gp.2)と同じ縮尺(1/100)で描くのが定番です。レイヤ構成の全体像は 建築図面のレイヤ分け実践 を参照してください。


描き始める前の準備

準備1: 平面図と立面図がある程度固まっていること

断面図は 平面図から幅を、立面図から高さを それぞれ参照して描きます。少なくとも次の情報が確定している必要があります。

  • 通り芯と外壁芯の位置(幅の参照元)
  • 各階の階高(1FL・2FL の高さ)
  • 天井高(各室の天井下端高さ)
  • 屋根の形状と勾配
  • 軒の出の長さ
  • 基礎の種別(ベタ基礎/布基礎)と立上り寸法

平面図側の作業が未着手の場合は、先に 平面図作図の全体ワークフロー通り芯の描き方 を進めてください。立面図と並行作成する場合は 立面図の描き方 も参照してください。

準備2: 用紙サイズと縮尺の設定

断面図の標準的な組み合わせは平面図・立面図と同じです。

用紙縮尺用途
A31/100一般断面図(戸建住宅・小規模建築)
A21/100中規模住宅・小規模店舗の断面図セット
A21/50部分断面・矩計図
A11/30矩計図(外壁から屋根までの詳細断面)

縮尺の標準的な使い分けは 縮尺ルール を参照してください。

準備3: 書き込みグループとレイヤを設定

ステータスバーで書き込み先を Gp.3(断面図) に切り替え、断面図用のレイヤ構成を準備します。

レイヤ用途
0下書き・補助線(投影線・補助高さライン)
1基準線(GL・1FL・2FL・天井高・軒高・最高高さ)
2構造躯体(柱・梁・床スラブ・基礎)
3(外壁断面・内壁断面)
4天井(天井下地・天井仕上・天井ふところ)
5床仕上(フローリング・タイル・畳・床下地)
6建具(ドア・窓の断面・窓まぐさ・窓台)
7設備(配管・ダクト・配線の断面)
8寸法(高さ寸法・天井高寸法)
9文字・記号(仕上材記号・室名・FL記号・GL記号)
Aハッチング(断面の塗り表現)

PERSCの推奨: 補助線・投影線(平面図から幅を落とす点線、立面図から高さを引っ張る点線)はレイヤ 0 に分離して描き、清書時に非表示にします。断面図は重ね描きの情報量が多いため、補助レイヤの分離が効果を発揮しやすい図面です。

準備4: 平面図と立面図を断面図エリアの上下左右に配置

断面図を効率よく描くには、平面図を断面図エリアの真上に立面図を断面図エリアの隣(左右どちらか)に 配置して、幅と高さを真っ直ぐに投影できる位置関係にしておきます。

Tips: 平面図・立面図・断面図はそれぞれ別グループ(Gp.0/Gp.2/Gp.3)に置きつつ、同じ縮尺(1/100)にしておくと、グループをまたいで投影線で位置を引き写せます。グループの縮尺が違うと投影できないので注意してください。グループ間の参照表示は レイヤグループ操作 ※準備中 を参照してください。


断面図の描き方サマリー(全10ステップ)

#工程所要
1用紙・縮尺・書き込みレイヤを設定し、平面図と立面図を周囲に配置3分
2平面図に切断線(A-A' 切断記号と矢視)を入れる3分
3GL(地盤面)を水平線で1本引く1分
41FL・2FL・天井高・軒高・最高高さを複線で順次展開5分
5平面図から外壁・内壁の幅を投影線で落とす5分
6構造躯体(柱・梁・床・基礎)の見え線を清書15分
7屋根を勾配指定で作図し、垂木・野地板・軒先を描く10分
8建具(窓・ドア)を建具断面コマンドで配置10分
9床・天井・壁の仕上線と断面ハッチングを入れる10分
10高さ寸法・FL記号・GL記号・室名・図面名を付与10分

合計: 1本あたり 60〜90分 が目安です。テンプレ化と複写を活用すれば、2本目以降は1本目の半分の時間で仕上げられます。矩計図相当の詳細断面はこの3〜5倍の時間がかかります。


手順1: 断面位置(A-A' 断面)を平面図に明示する

1-1: 切断線の引き方

断面図は 建物のどこを切ったか を平面図上で明示しないと、図面どうしの対応関係が読み取れません。慣例として、平面図に 切断線(一点鎖線)と矢視記号(A→A') を描きます。

書き込みレイヤを平面図グループ(Gp.0)の レイヤ 8(記号) に切り替え、線属性を「線色 2(黒)・一点鎖線」にします。

  1. 平面図の上で、切断したい位置に 一点鎖線 を1本横切らせる
  2. 線の両端に 矢視記号(→) を付け、外側に「A」「A'」のような記号文字を配置

1-2: 切断線の決め方の実務指針

断面図にどこを通すかは、情報量が多い位置 を選ぶのが基本です。

切断位置の選び方理由
主階段・吹抜けを通す階段の段数・吹抜けの抜け感を表現できる
天井高が変わる境界を通す各室の天井高の違いが1図面で読める
屋根形状の変化点を通す切妻・寄棟・段違いの屋根が見える
玄関・水回り・主要居室を含む動線と設備の関係が示せる

背景: 確認申請では 直交する 2 方向 の断面図が最低限必要です。「A-A' 断面(南北方向)」「B-B' 断面(東西方向)」のように2本セットで作成し、それぞれの切断線を平面図に表記します。物件規模が大きい場合は3〜4本になることもあります。

1-3: 矢視の方向の意味

矢視(→)は 断面を見る方向 を示します。矢印が指す向きに対して垂直に切った断面を、矢印の方向から見た図 = 断面図です。

矢視の方向断面図に描かれる内容
北向き矢視切断線より南側の部屋・南面外壁・南面開口部が描かれる
南向き矢視切断線より北側の部屋・北面外壁・北面開口部が描かれる
東向き矢視切断線より西側の部屋・西面外壁・西面開口部が描かれる
西向き矢視切断線より東側の部屋・東面外壁・東面開口部が描かれる

PERSCの推奨: 矢視の方向は 建物の主要な開口部(リビングの掃出し窓など)が見える向き に取ると、断面図の情報量が最大化されます。北向き矢視(南面が描かれる)にしておくと、リビングの掃出し窓・2階バルコニー・南庇が1枚に収まり、施主への説明材料としても有効です。


手順2: 基準高さ(GL・1FL・2FL・天井高・軒高・最高高さ)を引く

2-1: GL(地盤面)を水平に引く

書き込みグループを Gp.3(断面図) に切り替え、レイヤを レイヤ 1(基準線) に、線属性を「線色 2(黒)・実線」にします。

線コマンドを起動して「水平・垂直」をオンにし、画面上で GLとなる水平線を1本 引きます。長さは「断面図の総幅 + 寸法引出スペース」を確保します。

断面図の幅目安計算例
木造2階建て30坪(東西方向総幅 9000mm)GL 線の長さ 12000〜14000mm
木造2階建て40坪(東西方向総幅 11000mm)GL 線の長さ 14000〜16000mm

要確認: GL線の線色・線種は事務所により慣例が異なります。実機で標準テンプレを確認してください。立面図と断面図で同じ線属性を使うと、両図面の整合チェックが容易になります。

2-2: 1FL・2FL・天井高・軒高・最高高さを複線で展開

複線コマンドで GL から 垂直方向に複線 して、上方向に基準線を順次展開します。

最高高さ ─────────  GL+7500mm 程度
         (屋根頂部)
軒高     ─────────  GL+6500mm 程度(2階建て木造)
2階天井  ─────────  GL+5800mm 程度(2階FL+2500mm)
2FL      ─────────  GL+3300mm 程度
1階天井  ─────────  GL+2850mm 程度(1階FL+2400mm)
1FL      ─────────  GL+450mm 程度
GL       ─────────  ±0
基礎下端 ─────────  GL−400〜600mm 程度
基準線木造2階建ての慣例値(GL からの距離)
1FL400〜500mm(基礎立上り+土台)
1階天井1FL + 天井高 2400〜2500mm
2FL1FL + 階高 2700〜3000mm
2階天井2FL + 天井高 2400〜2500mm
軒高2FL + 階高 2700〜3000mm + 軒桁高さ 100〜200mm
最高高さ軒高 + 屋根頂部までの高さ(勾配と軒の出による)
基礎下端GL − 400〜600mm(地耐力・凍結深度による)

要確認: 基準線の標準値は構造(木造/RC/S)・地域・設計条件で大きく変わります。上記は一般的な木造2階建ての参考値です。立面図 立面図の描き方 と数値を完全一致させる必要があります。

複線コマンドの基本操作は 複線(ダブル線)の基本 を参照してください。

2-3: 基準線の左右端をそろえて延長

基準線は 建物の幅より少し長く 引きます。理由は通り芯と同じで、高さ寸法の引出基準として基準線端が必要だからです。

縮尺基準線の延長長さ目安
1/100建物幅の左右に 1000〜1500mm 延長
1/50建物幅の左右に 500〜1000mm 延長
1/30(矩計)建物幅の左右に 300〜500mm 延長

PERSCの推奨: 基準線の数値は立面図と断面図で 完全に同じ値 を使ってください。1mmでもズレると、確認申請の整合チェック時に指摘事項になります。可能なら立面図の基準線を範囲選択してコピーし、断面図エリアにペーストして使い回すのが安全です。


手順3: 平面図から外壁・内壁の幅を投影する

3-1: 投影線を補助レイヤに引く

書き込みレイヤを レイヤ 0(補助) に切り替え、線属性を「線色 1(水色)・点線」にします。点線は補助線・投影線の慣例的な線種です。

3-2: 平面図の切断線位置から下方向に投影線を引く

平面図の切断線(A-A')と外壁・内壁が交差する点から、断面図エリアに向けて投影線を落とします。

  1. 線コマンドを起動して「水平・垂直」をオン
  2. 平面図上で 切断線と外壁芯の交点 を右クリック(読取点)
  3. 真下にマウスを動かして、断面図エリアを越える位置で左クリック
  4. 同じ要領で 切断線と内壁芯(間仕切壁)の交点・柱位置・階段位置 から投影線を引く

Tips: 「水平・垂直」をオンにしておけば、マウスを下方向に動かすだけで真っ直ぐ垂直の投影線が引けます。投影線が多くなると見にくくなるので、線色 1(水色・細線)の点線にしておくのがコツです。

3-3: 立面図から高さの参照ラインを引く

断面図の 窓まぐさ・窓台・天井高・梁下 などは、立面図と数値を一致させる必要があります。立面図の窓上端・下端から 横方向に補助線 を引いて、断面図上の建具配置基準にします。

PERSCの推奨: 投影線は 平面から下、立面から横 の二方向で引くと、断面図上で平面と立面の交点として位置が確定します。これで「平面図と幅が合わない」「立面図と高さが合わない」事故が原理的に発生しません。


手順4: 構造躯体(柱・梁・床・基礎)の見え線を清書する

4-1: 書き込みレイヤを「レイヤ 2(構造躯体)」に切り替え

書き込みレイヤを レイヤ 2 に、線属性を「線色 2(黒)・実線」に切り替えます。

要確認: 構造躯体の見え線は事務所により太線(線色 5)で描く慣例もあります。印刷時の見栄えを優先する場合は線色を上げてください。詳しくは 印刷時の線太さ標準 を参照。

4-2: 床スラブ・床梁の作図

各階の床は 構造的な厚み を持って描きます。木造在来軸組の場合の標準値:

部位厚み(参考値)
1階床(土台 + 大引き + 根太 + 合板下地 + フローリング)構造躯体だけで 100〜150mm 程度
2階床(梁 + 合板下地 + フローリング)構造躯体だけで 240〜300mm 程度(梁せいによる)
RC造スラブ150〜200mm(住宅)/200〜250mm(マンション)

切断線が 梁を切る位置 にある場合は、梁断面を実線で四角形に描きます。切断線が 梁を切らずに通り抜ける位置 にある場合は、奥に見える梁を見え線(破線)で描きます。

4-3: 柱・間柱の作図

切断線が柱を 切る位置 にあれば柱断面を、切らずに通り抜ける位置 にあれば奥の柱を見え線で描きます。

部位寸法(参考値)
木造管柱(120角)120×120mm
木造通し柱(120角)120×120mm
RC柱(住宅)600×600mm 程度
RC柱(マンション)800×800mm 程度

4-4: 基礎の作図

基礎は GL より下 に描きます。木造の標準的なベタ基礎の場合:

部位寸法(参考値)
基礎立上り高さ(GL から1FLまで)400〜500mm
基礎立上り厚さ150mm
ベース(フーチング)厚さ150〜200mm
ベース幅450〜600mm
根入れ深さ(GL から底まで)400〜600mm

布基礎の場合はベースが連続せず、柱位置に独立フーチングが入ります。

背景: 確認申請では基礎の配筋詳細までは断面図には描きません(別途「基礎伏図」「配筋詳細図」を作成)。1/100 の断面図では 基礎の外形と立上り高さ・根入れ深さ までで十分です。

4-5: 小屋組(軒桁・母屋・棟木・垂木)

屋根の構造体(小屋組)は、切断線方向によって見え方が変わります。

切断方向見える小屋部材
妻側(屋根の三角面が見える方向)軒桁の断面・母屋の断面・棟木の断面・垂木の見え線
平側(屋根の長辺方向)軒桁の見え線・母屋の見え線・小屋束・棟木
部位寸法(参考値)
軒桁105×210mm(4寸×7寸)
母屋105×105mm(4寸×4寸)
棟木105×120mm
垂木45×60mm(垂木間隔 455mm)
野地板12〜15mm(合板)

要確認: 小屋組の部材寸法は構造設計の指示により異なります。実物件では構造設計者の指示値を使用してください。


手順5: 屋根を勾配指定で作図する

5-1: 屋根勾配の入力

立面図と同じく、屋根は 〇/10 勾配(〇寸勾配) で表現します。

勾配角度(度数)用途
1/10(1寸勾配)約 5.7°緩勾配(陸屋根に近い)
3/10(3寸勾配)約 16.7°スレート屋根の最低勾配
4/10(4寸勾配)約 21.8°スレート・金属屋根の標準
5/10(5寸勾配)約 26.6°瓦屋根の標準

要確認: 屋根勾配の角度入力方法は実機で確認してください。線コマンドの「寸法」欄に「水平値,垂直値」をカンマ区切りで入力する方法、軸角設定で角度を変える方法、補助線を引いてからなぞる方法などがあります。立面図と同じ作図方法で揃えるのが安全です。詳しくは 立面図の描き方 の屋根勾配作図を参照。

5-2: 屋根構成の描画順序

屋根の断面は 複層構造 になっています。下から順に描きます。

  1. 軒桁(屋根を載せる横架材)
  2. 母屋・棟木(垂木を支える横架材)
  3. 垂木(屋根勾配方向に走る部材)
  4. 野地板(垂木の上に張る合板)
  5. 防水紙(アスファルトルーフィング)
  6. 仕上材(瓦・スレート・ガルバリウム鋼板など)

PERSCの推奨: 1/100 の一般断面図では、垂木1本ずつの断面まで描きません。屋根の総厚(屋根面の上面と下面の2本ライン) で表現し、詳細は矩計図に委ねます。1/30 以上の矩計図では各層を厚みで表現し、断熱材の位置も明示します。

5-3: 軒先・けらばの納まり

軒先(屋根の張り出し端)は、断面図でも立面図と同じく 600〜900mm(在来)/300〜450mm(最近の住宅) の軒の出を表現します。けらば(妻側の張り出し)は、屋根勾配と直交する方向の張り出しです。


手順6: 建具(窓・ドア)を建具断面コマンドで配置する

6-1: 建具断面コマンドの起動

Jw_cad には 窓・ドアの断面表現を一発で描けるコマンド が組み込まれています。

  • メニューバー: 「作図」→「建具断面
  • ツールバー: 「作図(2)」ツールバーの「建断」ボタン
  • クロックメニュー: 作図ウィンドウ内で 4 時方向へ左ドラッグ中に右クリック

詳しくは 建具断面コマンド を参照してください。

6-2: 建具データの選択

コマンドを起動するとファイル選択ダイアログが開き、Jw_cad に標準で組み込まれた 建具断面 A〜C のフォルダが表示されます。フォルダ内には次のような建具データが格納されています。

  • 引違い窓・上げ下げ窓・FIX 窓の断面
  • 玄関ドア・室内ドアの断面
  • シャッター付き窓の断面

使いたい建具を 左ダブルクリック で選択します。

6-3: 内法・見込・基準点の指定

コントロールバーで建具の 内法寸法見込寸法 を入力し、基準点を指定します。

設定項目説明
内法建具の 開口寸法(縦・横の実寸)
見込建具の 奥行き寸法(壁の厚みに収まる寸法)
基準点変更建具の挿入基準位置(左上・中央・右下など多数のラジオボタン)

要確認: 「内法」「見込」「基準点変更」のUIラベルは実機で確認してください。建具断面では特に 見込(壁厚に対する建具の奥行き) の入力が重要で、立面コマンドにはない概念です。

6-4: 配置位置の指示

断面図上で、平面図から落とした 窓位置の投影線窓の高さ基準(窓まぐさ・窓台) の交点に基準点を合わせて配置します。

  1. 基準線とする線を左クリック(窓まぐさライン or 窓台ライン)
  2. 建具の 始点位置を左クリック or 右クリック(壁の片端)
  3. 終点位置までマウスを動かして 左クリック or 右クリックで配置確定

6-5: 窓まぐさ・窓台の補助線

窓の高さは平面図には描かれていないため、別途設定資料(高さ表) から断面図に直接補助線を引いて指示します。立面図と同じ高さを使うのが基本です。

建具窓台高さ(FL から)窓まぐさ高さ(FL から)
リビングの掃出し窓0mm(FL面)2000〜2200mm
居室の腰高窓800〜900mm2000〜2200mm
浴室・トイレの高窓1500〜1800mm2000〜2200mm
玄関ドア0mm2000〜2200mm

PERSCの推奨: 窓まぐさ(窓上端)の高さは 建物全体で統一(例: FL+2000mm)するのが一般的です。立面図と断面図と矩計図と建具表で全部同じ値を使うことで、施工時の納まりミスを防げます。


手順7: 床・天井・壁の仕上線とハッチング

7-1: 床仕上の断面表現

書き込みレイヤを レイヤ 5(床仕上) に切り替えます。床は 構造(合板下地)の上に仕上材 が乗る複層構造です。1/100 では総厚で表現し、矩計図では各層を分けて描きます。

床仕上仕上厚下地構成
フローリング12〜15mm構造用合板 24mm + 根太または剛床
55mm(厚畳)/15mm(薄畳)構造用合板 24mm
タイル(土間)10mm + 接着モルタルコンクリートスラブ
クッションフロア1.8mm + 接着剤構造用合板 12mm + 下地合板

7-2: 天井仕上の断面表現

書き込みレイヤを レイヤ 4(天井) に切り替えます。天井は 天井仕上(石膏ボード+クロス等)野縁(天井下地材) で構成され、その上に 天井ふところ という空間があります。

天井仕上仕上厚
石膏ボード(PB)+ ビニルクロス9.5〜12.5mm + クロス厚
化粧合板4〜9mm
木板貼り(無垢)15〜30mm

背景: 天井ふところは 設備配管・電気配線・梁 が通る空間です。一般に 200〜400mm 確保し、空調ダクトを通す場合は 500mm 以上必要になります。

7-3: 外壁・内壁の断面表現

書き込みレイヤを レイヤ 3(壁) に切り替えます。木造在来の外壁標準構成:

厚さ
外装仕上(窯業系サイディング)14〜16mm
通気胴縁18mm
透湿防水シート(厚みは線で表現せず)
構造用合板9mm
柱・間柱(断熱材も同層)105〜120mm
石膏ボード(PB)12.5mm
ビニルクロス(厚みは線で表現せず)

合計 160〜180mm の壁厚で 1/100 断面図に表現します。

7-4: 断面ハッチング

書き込みレイヤを レイヤ A(ハッチング) に切り替えます。断面の切断面(コンクリート・木材断面・断熱材)には、用途に応じてハッチングを入れます。

部位標準的なハッチング
コンクリート三角点(ドット)パターン
木材断面木目線(繊維方向の細線)
断熱材(グラスウール)波線または平行線
ALC・モルタル斜め線
地盤(GL より下)不規則ハッチング または三角ジグザグ

PERSCの推奨: 1/100 の一般断面図では、ハッチングを コンクリート部分と地盤のみ に絞るのが一般的です。木材・断熱材まで全部入れると印刷したときにうるさく見えます。1/30 以上の矩計図では全層をハッチングで表現します。


手順8: 高さ寸法・FL記号・GL記号・図面名を付与する

8-1: 高さ寸法を引く

書き込みレイヤを レイヤ 8(寸法) に切り替えます。断面図の高さ寸法は、建物の左側または右側 に縦方向で記入するのが慣例です。立面図と同じ要領で 全体寸法と階高分割の二段書き が標準です。

              ┌── 2200(最高高さ - 軒高)
最高高さ      │
軒高    ──── 3200(軒高 - 2FL)
2FL     ──── 2850(2FL - 1FL)
1FL     ──── 450 (1FL - GL)
GL      ──── 600 (GL - 基礎下端)
基礎下端

寸法コマンドの基本操作は 寸法(直線寸法)の基本 ※準備中 を参照してください。

8-2: 天井高(CH)の寸法

各階の 天井高(CH) は、断面図特有の寸法です。各室の床から天井下端までの距離を 室の中央付近に縦寸法で記入 します。

1階 リビング:    CH = 2400
1階 廊下:       CH = 2200
2階 主寝室:     CH = 2400
2階 子供室:     CH = 2400
2階 階段ホール: CH = 2200

8-3: FL記号と GL記号

書き込みレイヤを レイヤ 9(記号) に切り替えて、各基準ラインに記号を配置します。

記号配置位置表記
GL記号GL ライン左端または右端GL ±0」または三角形の地盤記号
1FL記号1FL ライン左端1FL +450
2FL記号2FL ライン左端2FL +3300
軒高記号軒高ライン左端軒高 +6500
最高高さ記号最高高さライン左端最高高さ +7500

8-4: 室名と仕上材記号

書き込みレイヤを レイヤ 9 のまま、各室の中央付近に 室名(リビング・主寝室・玄関等) を配置します。仕上材記号は、必要に応じて引出線で「天井: PB t=12.5 + クロス」「床: フローリング t=15 + 合板下地 t=24」のように表記します。

文字記入の操作は 文字記入の基本 を参照してください。

8-5: 図面名

断面図の下に 「A-A' 断面図 S=1/100」 のように、切断記号と縮尺を含めた図面名を配置します。複数の断面がある場合は、平面図の切断記号と完全に一致させます。


派生パターン

パターンA: 木造2階建て住宅の断面図(最も典型)

木造2階建て住宅で A-A'(南北方向) に切ると、玄関・LDK・主階段・2階居室・小屋裏が1枚に収まります。

主要要素配置の慣例
玄関土間1FL より 100〜200mm 下げ
LDK1FL 一段(CH 2400〜2500mm)
主階段段数 14〜15 段、踏面 220〜240mm、蹴上 180〜200mm
2階居室2FL 一段(CH 2400mm)
小屋裏空間軒高〜最高高さ間(収納や勾配天井に活用)

PERSCの推奨: 階段は断面図で 段数・踏面・蹴上が読み取れる ように描きます。階段室は法規上「天井高 1.4m 以下の小屋裏は床面積に算入しない」等の判定があるため、矩計図相当で詳細を描くことが多くなります。

パターンB: 矩計図(1/30 詳細断面)

矩計図は 1/30 や 1/50 の縮尺で描く 詳細断面図 です。1/100 断面図との違い:

要素1/100 断面図1/30 矩計図
床構成総厚で表現フローリング+下地合板+根太を分けて描く
壁構成総厚で表現サイディング+胴縁+合板+断熱材+石膏ボードを分けて描く
天井構成総厚で表現仕上+下地+野縁+断熱材を分けて描く
屋根構成上下面の2線仕上+ルーフィング+野地板+垂木+断熱材を分けて描く
基礎外形のみ配筋・防湿シート・捨てコンまで描く

背景: 矩計図は「外壁から屋根までの1セット」を1枚にまとめて描く慣例があります。建物の代表的な外壁部分を切り出して、構造・断熱・仕上の層構成を施工者に伝えるための図面です。確認申請には矩計図の添付は必須ではありませんが、実施設計図には必ず含まれます。

パターンC: RC造マンションの断面図

RC造は 陸屋根 + パラペット が標準で、木造との違いは次のとおりです。

要素RC造の特徴
屋根陸屋根(勾配なし)+ パラペット 600〜1000mm + 防水層
RCスラブ 150〜200mm(住宅)/ 200〜250mm(マンション)
階高一般に 3000〜3500mm(マンション住戸階)
天井二重天井(RCスラブ下に 200〜400mm の天井ふところ)
二重床(RCスラブ上に 100〜200mm の床下ふところで配管)
基礎直接基礎(独立フーチング・連続フーチング)or 杭基礎

パターンD: 確認申請用の簡略断面図

確認申請では 建物の高さ・斜線制限・天井高(居室は 2.1m 以上)の判定 が主目的のため、内部構造や仕上げ目地は省略してよいケースもあります。

  • GL・各FL・各天井高・軒高・最高高さ
  • 外壁・内壁の概略外形線
  • 屋根・基礎の概略
  • 開口部の位置(窓まぐさ・窓台高さ)
  • 北側斜線・道路斜線の制限ライン(必要時)
  • 高さ寸法・天井高寸法

Tips: 1/100 断面図は 確認申請用の最低粒度 として位置づけ、実施設計時に矩計図(1/30)を別途作成する2段階構成が実務的です。


実務での使い方 ★PERSC独自

平面図と並行で断面図を描く効果

平面図だけ描いて断面図を後回しにすると、階高・天井高・梁下寸法の不整合 が後工程で発覚しがちです。

実務では次の順序が効率的です。

  1. 平面図のラフ(スケッチレベル)
  2. 断面図のラフを並行作成(階高・天井高・小屋裏の高さ感を確認)
  3. 平面図の清書
  4. 立面図の作成
  5. 断面図の清書(平面・立面と整合チェック)
  6. 矩計図の作成(実施設計時)

PERSCの推奨: 断面図のラフは 手描きスケッチでも十分 です。階高・天井高・梁下空間の感覚をつかめば、平面図段階で天井高に無理のない設計判断ができます。CAD 化は清書段階からで間に合います。

断面図テンプレ JWW ファイル

事務所の標準として、木造2階建ての標準断面(基準線・基礎・床・屋根の概形)をまとめた 断面図テンプレ JWW ファイル を用意しておくと、新規物件の初期作業時間が大きく短縮されます。

断面図テンプレ JWW ファイルの作り方

  1. 標準的な木造2階建て(総2階・寄棟・切妻の3パターン)を仮想設計
  2. 基準線(GL・1FL・2FL・天井高・軒高・最高高さ)+ 基礎 + 標準床構成を作図
  3. レイヤ構成を整える(レイヤ 1 = 基準線、レイヤ 2 = 構造躯体、…の標準構成)
  4. テンプレ_断面_木造総2階_寄棟.jww」として保存
  5. 新規物件では、このファイルを「名前を付けて保存」で複製してから編集

詳しいテンプレ運用は レイヤテンプレート ※準備中 を参照してください。

立面図と断面図の整合チェック

立面図と断面図は 同じ建物の見え方違い なので、高さ系の数値はすべて一致する必要があります。

整合チェックの手順

  1. 立面図の GL・1FL・2FL・軒高・最高高さ を範囲選択して値を確認
  2. 断面図の対応する基準線を確認
  3. 数値が違えばどちらかが間違っているので修正
  4. 窓まぐさ・窓台の高さも同じ値で揃える
  5. 屋根勾配が同じ値で描かれているか確認

注意: 階高(1FL→2FL の距離)を変更すると、立面図・断面図・建具表のすべてに波及します。階高変更は 影響範囲が最も広い設計変更 であり、変更が決まった時点で全関連図面を一括修正する前提で着手してください。

矩計図への進化

1/100 の一般断面図ができたら、そのままレイヤ構成を残して 1/30 の矩計図に進化 させる運用が便利です。

  1. 1/100 断面図をコピー
  2. 別グループ(Gp.4 等)に貼り付けて縮尺を 1/30 に変更
  3. 各層の構成(仕上+下地+構造)を描き足す
  4. 断熱材・防水層・通気層をハッチングで表現
  5. 部材寸法(垂木 45×60、根太 45×45 等)を引出線で記入

PERSCの推奨: 矩計図は 建物の代表的な外壁断面 を1枚にまとめるのが一般的です。1階床から屋根まで縦長の図面になるため、A2 縦使いまたは A1 用紙が適しています。

確認申請用と施工図用の使い分け

断面図は 目的によって表現の濃淡を切り替える のが実務の効率化のコツです。

用途表現レイヤ運用
確認申請1/100 簡略版(外形・基準線・寸法のみ)仕上線・ハッチングレイヤを非表示
施主プレゼン1/100 詳細版(仕上+室名+家具シルエット)全レイヤ表示 + ハッチング着色
施工図(矩計)1/30 詳細版(全層構成)別グループで作成
構造打合せ構造躯体のみ抽出構造レイヤ + 寸法のみ表示

つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 平面図と断面図の幅が合わない

→ 投影線(点線)を平面図から断面図に下ろしたとき、「水平・垂直」がオフ になっていてわずかに斜めの投影線になっている可能性が高いです。線コマンドのコントロールバーで「水平・垂直」がオンになっているか確認してください。また、平面図と断面図のグループの縮尺 が一致しているか、ステータスバーの縮尺表示で確認します。Gp.0 が 1/100、Gp.3 が 1/100 で揃っていれば、投影線で位置が完全に一致します。

Q: 立面図と断面図の高さが合わない

→ 立面図と断面図は 完全に同じ基準線数値 を使う必要があります。立面図の基準線を範囲選択してコピーし、断面図エリアにペーストして使い回すのが安全です。手動入力で別々に描くと、数値の打ち間違いで 1mm〜10mm 単位のズレが発生します。確認申請の整合チェックで指摘事項になるのは、ほぼこのパターンです。

PERSCの推奨: 立面図と断面図を 同じ jww ファイル内 に配置すれば、基準線のコピペで整合確保が確実になります。図面が分かれているときは、立面図側を「読取」専用で開いて、基準線部分だけインポートする運用がおすすめです。

Q: 切断線の位置を変更したくなった

→ 平面図上の切断線を移動・追加するには、対応する断面図を 描き直す覚悟 が必要です。切断線を10cmズラすだけでも、切れる柱・梁・建具の数が変わり、断面図に映る要素が大きく変化します。設計初期段階に切断位置を確定し、清書段階で動かさないのが鉄則です。やむを得ず変更する場合は、変更前と変更後の両断面を保持して比較できるようにします。

Q: 屋根の勾配が立面図と断面図で食い違う

→ 屋根勾配は 立面図と断面図で同じ作図手法 を使ってください。立面図で「線コマンドの寸法欄に水平値,垂直値を入力」したなら、断面図でも同じ方法で描きます。軸角設定で角度入力した場合と、寸法欄で比率入力した場合で、丸め誤差が出ることがあります。

Q: 建具断面コマンドで配置した窓のサイズが立面図と合わない

→ 建具断面コマンドの「内法」欄に入力した寸法と、立面図側の建具内法寸法が コマンド間で自動同期されません。手作業で一致させる必要があります。建具リストを別途作成して、平面・立面・断面・矩計の4図面で同じ寸法を使うのが安全です。

詳しくは 建具図3点セットの描き方(平面・断面・立面) を参照してください。

Q: 天井ふところの高さが足りない

→ 天井ふところ(天井下地と上階床下地の間の空間)は、梁せい+設備の通り道 で決まります。一般的に 200〜400mm 確保しますが、空調ダクトを通す場合は 500mm 以上必要になります。断面図でこの空間が梁せいギリギリしかなければ、設備担当との調整が必要です。

背景: 天井ふところが足りないと、エアコンダクト・電気配線・給排水管が通せなくなります。木造では2階床梁のせい(一般に 240〜300mm)に対して、天井下地まで含めて最低 350mm は欲しいところです。

Q: 階段の段数が法規に合っているか分からない

→ 階段は 建築基準法で踏面・蹴上の最小値・最大値 が定められています(住宅は踏面 150mm 以上、蹴上 230mm 以下、住宅以外は基準が異なる)。断面図で 踏面 × 段数 = 階段の水平長蹴上 × 段数 = 階高 で検算してください。

部位住宅の標準値法規上の制限
踏面220〜240mm150mm 以上
蹴上180〜200mm230mm 以下
段数(階高 2900mm 想定)14〜16 段階高 ÷ 蹴上

要確認: 階段の法規寸法は用途・建物規模により異なります。共同住宅・店舗では戸建住宅と基準が違うため、設計者の責任で確認してください。

Q: 補助投影線が消し残った

→ 投影線(点線)を レイヤ 0(補助) に集約しておけば、清書後にレイヤ 0 を非表示にするだけで一括非表示にできます。誤って投影線を本線レイヤに描いてしまった場合は、「属性変更」コマンドでレイヤを 0 に移動します。

詳しくは 属性変更 ※準備中 を参照してください。

Q: GL より下の地盤表現がうるさい

→ 1/100 断面図では、GL 下のハッチングは 基礎の周辺だけ に絞って描くのが見やすいです。地盤を全面ハッチングすると、寸法線や記号が読み取りづらくなります。基礎の根入れ部分にだけ三角ジグザグを入れて、それ以外は省略する運用が一般的です。

Q: 矩計図と断面図のどちらを描けばいいか分からない

段階で使い分け ます。

  • 確認申請 → 1/100 断面図(最低 2 本、直交2方向)
  • 実施設計 → 1/30 矩計図を別途作成
  • 概略の打合せ → 手描きスケッチで十分

確認申請で矩計図を求められることはほぼありません。実施設計に入る段階で矩計図を起こし、施工者・大工棟梁との打合せ資料にします。

Q: 木造とRC造で断面図の描き方はどう違う?

→ 主要な違いは 屋根(木造=勾配屋根、RC=陸屋根+パラペット)床(木造=梁+合板、RC=スラブ)基礎(木造=ベタ基礎/布基礎、RC=直接基礎/杭基礎) の3点です。レイヤ構成は共通でも、ハッチングや部材寸法は構造別にテンプレを用意しておくのが効率的です。


関連項目


まとめ

  • 断面図は 建物を垂直に切断して切り口を真横から見た図。1/100 一般断面と 1/30 矩計の2段階で描き分ける
  • 基準高さの構成は GL・1FL・1階天井・2FL・2階天井・軒高・最高高さ が標準。立面図と完全に同じ数値を使う
  • 平面図に 切断線(一点鎖線)と矢視(A→A') を入れて、断面位置を明示する
  • 平面図から幅を 垂直投影線、立面図から高さを 水平参照線 で引き写すと、整合が取れる
  • 構造躯体は 木造=軸組、RC=スラブ+柱 で表現が変わる。基礎・床・梁・小屋組の標準寸法を押さえる
  • 屋根は 〇/10 勾配 を立面図と同じ作図手法で。垂木・野地板・仕上は1/100では省略、1/30では描き分け
  • 建具は 建具断面コマンド で内法・見込・基準点を指定して配置。立面図と寸法を一致させる
  • 床・天井・壁の仕上線とハッチングは、1/100 では総厚で簡略、1/30 矩計では各層を描く
  • 高さ寸法は 全体寸法と階高分割の二段書き。各室の天井高は別途記入
  • 立面図と断面図は 基準線のコピペ運用 で高さ整合を担保すると、確認申請の指摘がゼロになる
  • 矩計図は 実施設計段階 で別途作成。1/100 断面のレイヤ構成をそのまま使い回せる