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表計算(A群×B群・範囲内合計の一括計算)
このページでできるようになること
Jw_cadの「表計算」コマンドを使って、図面上に書かれた 複数の数値を一括して計算 し、結果を図面にそのまま書き込めるようになります。A群×B群・A群÷B群・A群−B群・A群+B群 の四則演算による2グループ計算、範囲内合計 によるグループ合算、小数桁 の調整、書込設定 による出力文字の調整までを通しで使えるようになります。電卓を別途立ち上げずに、Jw_cad上の数値を 計算→図面に追記 までワンストップで完結できます。
背景: 表計算は「数値=作図された文字データ」として扱う計測系コマンドです。作図ウィンドウ内に書かれた数字(文字コマンドや測定結果書込みで配置された数値)を選択して計算するため、計算したい数値は事前に図面に書込まれている必要 があります。
注意: 本記事は Jw_cadで数値の一括計算を行う方法 の解説であり、面積算定・容積率計算・数量集計の適法性を保証するものではありません。
- 建築面積・延床面積・容積対象面積の合算ルール(バルコニー・吹抜・PS・共用部の扱い)は、建築基準法施行令・特定行政庁の取扱いで異なります
- 表計算で算出した合計値・小計値が法令適合と判断するのは、設計者・確認検査機関・特定行政庁の責任です
- Jw_cadの表計算結果は 設計検討用・社内検算用 であり、確認申請添付の求積書・容積率算定書、公共工事の数量算定には別途専門業務(求積表の作図・専門ソフトでの再計算・発注者要領準拠の数量計算書)が必要です
関連: 建築基準法施行令第2条(面積、高さ等の算定方法) / 特定行政庁・指定確認検査機関への確認
このコマンドでできること
「表計算」は、作図ウィンドウ内の数値文字を選択して四則演算を行い、結果を図面に書き込むコマンドです。
| できること | 用途 |
|---|---|
| A群×B群(掛け算) | 個数×単価 / 幅×長さ など2グループの一括乗算 |
| A群÷B群(割り算) | 合計÷件数の平均算出 など |
| A群−B群(引き算) | 大枠面積−内部面積 などの差分算出 |
| A群+B群(足し算) | 部分集計+補正値 などの加算 |
| 範囲内合計 | 複数の図形面積の合算 / 数量集計 |
| 小数桁 | 結果表示桁数の調整(0〜4 / F=有効桁数) |
| 書込設定 | 結果文字の文字種・線色の調整 |
委譲: 文字コマンド側のCTRLキー押下による1セル計算(
123+456=形式)→ 文字(特殊文字・式計算) ※準備中。式計算(日影倍率・ヘロン公式・三斜面積・RC断面算定) → 式計算 ※準備中(並行執筆中)。自作計算式の作り方 → 式計算 自作計算式 ※準備中(並行執筆中)。
起動方法
| 起動方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「その他(A)」→「表計算(K)」 |
| ツールバー | 「その他(1)」ツールバー内の「表計」ボタンを左クリック |
| ショートカット | 既定では未割当(環境設定で割当可) |
要確認: メニューバー「その他(A)」→「表計算(K)」のラベル文言とキーアサインは実機で確認します。
画像準備中 — メニュー「その他」→「表計算」の表示
画像準備中 — ツールバー「その他(1)」内の「表計」ボタンの位置
コントロールバーの設定項目
表計算コマンドを起動すると、コントロールバーが専用項目に切り替わります。コントロールバーの左から順に、キーボードの 1〜9 キーが対応 しています(テンキーは非対応)。
| キー | ボタン | 機能 |
|---|---|---|
| 1 | A群×B群 | A群とB群の数値を掛け算 |
| 2 | A群÷B群 | A群とB群の数値を割り算 |
| 3 | A群−B群 | A群からB群を引く |
| 4 | A群+B群 | A群とB群を足す |
| 5 | 範囲内合計 | 選択範囲内の数値を合計 |
| 6 | 選択確定 | 範囲選択を確定 |
| 7 | 小数桁 | 結果表示の小数桁を切替(0〜4 / F) |
| 8 | クリアー | 選択をリセット |
| 9 | 書込設定 | 出力文字の設定画面へ |
Tips: マウス操作だけでなく、1〜9のキーボードショートカット で各機能を呼び出せます。表計算を頻繁に使う場合は、左手で数字キーを押す方が高速です。
画像準備中 — 表計算コマンド起動直後のコントロールバー全体
A群×B群・A群÷B群・A群−B群・A群+B群(2グループ計算)
A群とB群の 2つの数値グループ に対して四則演算を行います。手順は4種すべて共通です。
手順サマリー(全6ステップ)
| # | 操作 | キー |
|---|---|---|
| 1 | コントロールバーの計算種別(×/÷/−/+)を左クリック | 1〜4 |
| 2 | A群の始点を指示 → 終点を 右クリック で確定 | — |
| 3 | A群の追加・除外(任意。終点を左クリックした場合のみ)→ 右クリックで確定 | — |
| 4 | B群の始点を指示 → 終点を 右クリック で確定 | — |
| 5 | 計算結果の書込み位置を左クリック(任意点)または右クリック(読取点) | — |
| 6 | A群とB群の対応する行同士で計算結果が作図される | — |
合計: おおむね数十秒で完結します。
詳細手順
ステップ1: 計算種別を選択
コントロールバーの「A群×B群」「A群÷B群」「A群−B群」「A群+B群」のいずれかを左クリックします。
画像準備中 — コントロールバーで計算種別を選んだ状態
ステップ2: A群の範囲選択
A群(最初のグループ)の数値を範囲選択します。
- 始点: 左クリック(または読取点なら右クリック)
- 終点: 右クリック で確定 / 左クリック で「追加・除外モード」へ
Tips: 終点を 左クリック すると、その後 追加・除外モード に入ります。個別の数値を左クリックして選択/非選択を切り替えてから、作図ウィンドウで右クリックして確定します。表の中で 不要な数値(タイトル文字や注釈) を除外したいときに便利です。
選択が確定すると、A群の数値が 選択色 に変わります。
画像準備中 — A群選択後の状態(数値が選択色に変わった様子)
ステップ3: B群の範囲選択
A群と同じ手順でB群を範囲選択します。終点は右クリックで確定します。
画像準備中 — B群選択後の状態
ステップ4: 結果の書込み位置を指示
計算結果の 書込み位置を左クリック(任意点)または右クリック(読取点) で指示します。指示した位置が「結果の数値の小数点の位置」 になります。
画像準備中 — 計算結果が図面に書込まれた状態
計算は「上から順番に対応」する
計算は A群・B群ともに上から順番 に対応付けて行われます。
| A群 | B群 | 計算(×の場合) | 結果 |
|---|---|---|---|
| 5 | 10 | 5 × 10 | 50 |
| 8 | 20 | 8 × 20 | 160 |
| 3 | 7 | 3 × 7 | 21 |
結果の 縦方向の位置はB群と同じ位置 に配置されるため、表形式に整えた数値群を計算する用途に向いています。
注意: A群とB群の 個数が一致しない と、計算が想定どおりに対応しません。事前にA群・B群の数値が揃った行数になっていることを確認してください。
範囲内合計
選択した範囲内のすべての数値を合計し、結果を作図します。
手順サマリー(全4ステップ)
| # | 操作 |
|---|---|
| 1 | コントロールバーの「範囲内合計」を左クリック |
| 2 | 始点を指示 → 終点を右クリックで確定 |
| 3 | 選択した文字の数と数値の合計が ステータスバーに表示 される |
| 4 | 結果の書込み位置を左クリック(任意点)または右クリック(読取点) |
詳細手順
「範囲内合計」(コントロールバー5番)を左クリック → 集計したい数値が含まれる範囲を 始点→終点(右クリック) で囲みます。確定するとステータスバーに 「文字の個数 / 数値の合計値」 が表示されます。
その後、書込み位置を指示 すると、その位置に合計値が作図されます。書込み位置が 小数点の位置 になるのは2グループ計算と同じです。
画像準備中 — 範囲内合計でステータスバーに合計が表示された状態
画像準備中 — 範囲内合計の結果が図面に書込まれた状態
Tips: 範囲内合計は 複数の面積測定結果を合算 する用途に最適です。例: 各居室の床面積を 面積測定 で出してから、範囲内合計で「合計床面積」を一発算出する流れ。
小数桁
計算結果に表示する 小数点以下の桁数 を切り替えます。コントロールバー7番(または「小数桁」ボタン)をクリックする毎に 0 → 1 → 2 → 3 → 4 → F → 0… と循環します。
| 設定 | 表示例(5÷3 の場合) |
|---|---|
| 0 | 2 |
| 1 | 1.7 |
| 2 | 1.67 |
| 3 | 1.667 |
| 4 | 1.6667 |
| F | 1.66667(有効桁数) |
背景: F(有効桁数)は、Jw_cadの内部精度に従った桁数で表示されます。設計図面では通常 2〜3桁 を使うことが多いですが、求積図のように高精度が要求される場面では F が選ばれます。
クリアー
範囲選択をリセットします。「A群を選んだけど別の範囲に変えたい」「途中まで進めたが最初からやり直したい」といった場合に クリアー(コントロールバー8番) を押すと、選択状態が解除されます。
Tips: 計算種別(×/÷/−/+)の選択ミスに気づいたときも、クリアー → 正しい種別を選び直し で素早くやり直せます。
書込設定
「書込設定」(コントロールバー9番)をクリックすると、コントロールバーが切り替わり、計算結果として書込む文字の設定 が行えます。文字種・線色など、出力結果の見た目を整える項目を調整できます。
画像準備中 — 書込設定モードのコントロールバー全体
要確認: 書込設定モードの正確な項目構成・各項目の挙動はバージョンにより差異がある可能性があります。実機で項目を確認します。
派生パターン
パターンA: 個数 × 単価で金額一覧
部材表で「個数(A群)」と「単価(B群)」を整理しておき、A群×B群 で 行ごとの金額 を一括算出します。続けて 範囲内合計 で総額を出せば、簡易見積表が完成します。
パターンB: 大枠面積 − 内部除外面積
求積図で 大枠面積(A群) と 内部に開いた除外面積(B群) を出しておき、A群−B群 で正味面積を一括計算します。3つ以上の除外がある場合は、先に範囲内合計で除外合計を出してから引き算するのも有効です。
パターンC: 合計 ÷ 件数で平均
数量データ群を 範囲内合計 で出してから、その合計値を別途求めた件数で A群÷B群 し、平均値を算出します。
パターンD: 寸法測定値の合算検算
長さ取得 や 距離指定点 で図面に書込んだ寸法を 範囲内合計 で再集計し、図面全体の通り芯間距離が指定どおりか 検算 できます。
実務での使い方 ★PERSC独自
求積図の自動集計
面積測定 で各居室・各室・各部位の面積を書込んだ後、表計算の 範囲内合計 で部位別合計を一発算出できます。「居室合計」「水回り合計」「収納合計」「総床面積」を順次合計すれば、求積表の数値部分が手計算なしで埋まる 流れになります。
部材数量拾いの即計算
部材表で「個数」「単価」「単重量」を文字コマンドで入力しておき、A群×B群 で 金額・総重量 を行ごとに一括算出します。表が10行20行と増えても、操作は同じ4ステップで完了します。
スリーブ・配管の数量集計
設備図面でスリーブ・配管の本数(A群)と1本あたり長さ(B群)を分けて書いておけば、A群×B群 で 総延長 が即時計算できます。続けて範囲内合計で全種別の総和も出せます。
確認申請用の合計面積算出
確認申請の図面では「延床面積」「容積率対象床面積」「建築面積」など、定義の異なる 合計面積を複数種類 算出する必要があります。表計算なら 同じ図面の数値を範囲を変えるだけで 各合計を出し直せるため、Excel連携不要で完結します。
PERSCの推奨: 面積測定の結果を表計算で集計する場合、書込み時に整然と縦並びに配置 しておくと、後の範囲選択がしやすくなります。点読み(右クリック)で書込み位置を整えるのがコツです。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 計算結果が想定と違う / 行がずれる
→ A群とB群の個数が一致していない か、並び順が想定と違う 可能性があります。表計算は「上から順番に対応」するため、A群が3個・B群が4個なら4行目のB群は計算に使われません。事前に A群とB群の個数と並びを確認 してください。
Q: タイトル文字や注釈まで合計されてしまった
→ 範囲選択時に 注釈まで含めてしまった ため、文字に含まれた数値(例: 「No.1」の「1」)が拾われた可能性があります。終点を 左クリックして追加・除外モードへ入り、注釈を個別に除外 してから右クリックで確定すると、対象数値だけを選べます。
Q: 計算結果の小数桁が想定と違う
→ コントロールバーの 「小数桁」ボタンの現在値を確認 してください。0〜4 / F のどれになっているかで結果表示が変わります。求積図のように高精度が必要なら F、見積で円単位なら 0 に切り替えます。
Q: ステータスバーに合計が表示されない(範囲内合計)
→ 選択範囲に 数値として認識される文字が1つも含まれていない か、選択範囲が確定していない可能性があります。範囲指定の終点を 右クリック で確定する手順を再確認してください。
Q: 書込み位置の左右がずれる
→ 書込み位置=小数点の位置 という仕様のため、整数部の桁数によって全体の見た目が変わります。複数行を縦並びで書込む場合は 書込み位置を毎回同じX座標 に合わせると、小数点が縦に揃って見栄えが整います。読取点(右クリック)で揃えるのが楽です。
Q: テンキーで1〜9を押しても切り替わらない
→ テンキーは非対応 です。本体側の数字キー(キーボード上部)で操作してください。
Q: 表計算と式計算の違いがわからない
→ 表計算 は「複数の数値を一括して四則演算する」コマンド、式計算 は「日影倍率やヘロン公式など、あらかじめ定義された複雑な計算式を実行する」コマンドです。単純な掛け算・足し算なら表計算、専門的な計算(日影・三斜面積・RC断面算定)なら式計算を使います。詳細は → 式計算 ※準備中(並行執筆中)。
Q: 文字コマンドのCTRL計算と表計算はどう使い分ける?
→ 文字コマンドのCTRL計算(123+456= の文字を書いてCTRL押下で書込)は 1セルだけ の計算に向き、表計算 は 複数の数値を一括 で扱う計算に向きます。表全体の集計なら表計算、ピンポイントの暗算代替ならCTRL計算を使い分けます。CTRL計算詳細は → 文字(特殊文字・式計算) ※準備中。
関連項目
- 面積測定(複雑形状・円弧含む) — 表計算前の面積算出
- 長さ取得(線長・2点長・間隔取得ほか) — 長さ数値の事前算出
- 測定コマンドの基本(距離・座標・角度測定) — 測定結果書込みの基本
- 距離指定点 — 距離指定での点配置
- 式計算(日影倍率・ヘロン公式・三斜面積・RC断面算定) ※準備中 — 専門計算
- 式計算 自作計算式の作り方 ※準備中 — 自作計算式
- 文字(特殊文字・式計算) ※準備中 — CTRL計算
- 求積図の作り方(座標法) ※準備中 — 表計算活用例
- 求積図の作り方(三斜法) ※準備中 — 求積図シナリオ
まとめ
- 表計算は「作図ウィンドウ内の数値文字を選択して一括計算」するコマンド
- 起動: 「その他」→「表計算」、またはツールバー「表計」
- 5種類の計算: A群×B群 / A群÷B群 / A群−B群 / A群+B群 / 範囲内合計
- コントロールバー左から 1〜9のキーボードショートカット が対応(テンキー非対応)
- A群・B群の計算は 上から順番に対応 するため、個数と並びを揃えておく
- 書込み位置 = 結果の小数点の位置 になる
- 小数桁は 0〜4 / F(有効桁数) で切替
- 範囲選択の終点を 左クリック すると追加・除外モード、右クリック で確定
- 求積図の合計、部材数量、設備の総延長など 数値の集計シーンで強力
- 専門計算(日影・ヘロン・三斜・RC断面)は 式計算 ※準備中 で対応