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未検証

図形をソリッド化(円・連続線・円環・弓形)

このコマンドでできること

すでに作図された閉じた連続線円弧を選んで、ワンクリックで内側を塗りつぶす機能です。3点・4点指示で頂点を1つずつ指定する手動入力と違って、輪郭をクリックするだけで領域が自動認識されるので、複雑な部屋の塗り分け、配管断面の中抜きリング、開き戸の振れ角扇形、ロゴ抜きの円外側塗りなどを最速で仕上げられます。配置図で建物外形の連続線を一発塗り、平面図でアルコーブ付き居室を1クリック塗り、設備図でダクト・配管断面を円環ソリッドで表現する、といった「輪郭はもうあるから中だけ塗りたい」場面で出番が多いコマンドです。曲線属性化と組み合わせると、複数のソリッドをひとまとまりとして色変更・消去できるため、ゾーニング案A/B/Cの差し替えや、プレゼン用色塗り平面図の管理にも向いています。

背景: Jw_cadには「塗りつぶし」という独立コマンドがなく、多角形コマンドのソリッドモードにすべての塗り機能が集約されています。3点・4点の手動指示と「円・連続線指示」の自動指示が同じコントロールバー上で切り替わる設計のため、「すでにある図形を塗りたいだけ」のケースで操作の入口を見失いがちです。「任意」ボタン → 「ソリッド図形」チェック → 「円・連続線指示」ボタン、の3段階を押さえると、既存図形のソリッド化はぐっと身近になります。


ソリッド全般との関係

この記事は「既存図形をクリックして塗る」操作(円・連続線指示モード)と、その派生機能(円環・弓形・扇形・円外側・曲線属性化・線形/円周)に絞って解説します。3点・4点指示でゼロから塗りつぶしを描く方法、任意色設定の基本、矩形ソリッドとの使い分け、印刷時の色挙動などのソリッド全般は、専用記事に委譲します。

扱う場面解説記事
既存の円・連続線・円弧をクリックで塗るこの記事
3点・4点指示でゼロから塗る/任意色の基本/印刷挙動ソリッド(塗りつぶし図形)
長方形のソリッド塗り矩形コマンドの基本(始点・対角点)
斜線・目地パターンで塗るハッチング 1線(角度・ピッチ)
正多角形を線として描く(塗らない)正多角形の作図(中心→頂点・辺指定・辺寸法)
任意の連続点で多角形を描く(塗らない)任意多角形の作図 ※準備中

起動方法

既存図形のソリッド化は、独立したコマンドではなく「多角形コマンド」のソリッドモードの一機能です。多角形コマンドの起動方法はソリッド全般と共通です。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(2)」ツールバー内の「多角形」アイコンを左クリック
メニューバー作図」 → 「多角形」を左クリック

PERSCの推奨: 既存図形のソリッド化は、輪郭線を描き終えた後の「最後の仕上げ工程」で使うことが多いコマンドです。線・円・連続線などの作図系コマンドが集まる「作図(2)」ツールバーから起動できる動線にしておくと、線描きから塗りまでの切替がスムーズです。


ソリッド化モードへの切替(3段階)

多角形コマンドを起動した直後は「正多角形作図モード」になっています。既存図形のソリッド化を使うには、3段階の切替操作が必要です。

切替手順サマリー(全3ステップ)

#操作補足
1コントロールバーの「任意」ボタンを左クリック多角形作図 → ソリッド作図モードに切替
2ソリッド図形」チェックボックスにチェック塗り作図モードを確定
3円・連続線指示」ボタンを左クリック既存図形のクリック塗りモードに入る

注意: 「ソリッド図形」のチェックを入れずに「円・連続線指示」を押すと、コマンドの状態が中途半端になり期待した塗りが作図されません。必ずソリッド図形ON → 円・連続線指示ONの順に進めます。

背景: 多角形コマンドは「正多角形を線で描く」「任意多角形を線で描く」「3点4点指示で塗る」「既存図形をクリックで塗る」の4機能をひとつのコマンドに集約しています。コントロールバーのチェックとボタンの組み合わせで作図モードが決まる設計のため、初めて触ると「どのチェックを入れればよいか」で迷いがちです。塗り目的なら「任意」「ソリッド図形」を押した状態が起点、という覚え方が実用的です。

「円・連続線指示」のON/OFF表示

円・連続線指示」ボタンは押すたびにON/OFFが切り替わります。ONになるとボタンの見た目が押し込まれた表示になり、塗り対象を待ち受ける状態になります。OFFのときは3点・4点指示の手動モードとして動作します。

要確認: 「円・連続線指示」ボタンの正確な表記、ON時の見た目(押し込み表示/文字色変化)は実機で確認します。


円をクリックして塗る

すでに作図された円の輪郭をクリックすると、円の内側がそのまま塗りつぶされます。3点・4点を順に指示する手間がなく、最速の塗り方法です。

円をクリックで塗る手順

  1. 多角形コマンドを起動 → 「任意」 → 「ソリッド図形」にチェック
  2. 必要に応じて「任意色」をON、「任意■」ボタンから塗り色を設定
  3. 円・連続線指示」ボタンを左クリックしてONにする
  4. 塗りつぶしたい円の輪郭線をクリック
  5. 一発で塗りつぶしが完了する(「作図」ボタン不要)

Tips: 任意色の設定方法、書込線色との切替などソリッド色まわりの基本は ソリッド(塗りつぶし図形) を参照。色設定はソリッド種類によらず共通です。

元図形を残すか消すか(左右クリックの使い分け)

円をクリックする際のクリックの種類で、元の輪郭線(円)が残るか消えるかが変わります。

クリック元の円主な用途
左クリック残る輪郭線を活かしてプレゼン強調・ゾーニング表現
右クリック消える単色シルエットで表現(建具シンボル・敷地塗り・コンクリート断面)

Tips: 後から輪郭線が必要になった場合は、複線コマンドや属性取得から元の円情報を復元するのが面倒です。最初は左クリック(輪郭を残す)で塗り、不要だと判断したら線だけ後で消去する運用が安全です。


連続線で囲まれた範囲を塗る

直線・円弧で構成された閉じた連続線は、輪郭の一部をクリックするだけで内側がまとめて塗られます。複雑な部屋形状、変形敷地、不整形な配置エリアなどで、3点・4点指示では追いきれない範囲を一発で塗れる方法です。

連続線塗りの手順

  1. 多角形コマンドのソリッドモードに入る(「任意」→「ソリッド図形」)
  2. 必要に応じて任意色を設定
  3. 円・連続線指示」ボタンを左クリックしてONにする
  4. 塗りたい連続線の直線部分をクリック(左クリック=元線残し/右クリック=元線消去)
  5. 連続線で囲まれた領域全体が塗られる

連続線をクリックする位置のコツ

連続線は「直線と円弧で繋がった一続きの線分群」として認識されています。クリックする位置によって動作が変わるので、以下のポイントを押さえます。

  • 直線部分をクリック:連続線として認識され、囲まれた範囲が塗られる
  • 円弧部分をクリック:単独の円弧として認識され、円弧部分だけが塗られてしまう

つまり、連続線の中に円弧が含まれていても、クリックは直線部分で行うのが原則です。直線部分が短くてクリックしにくい場合は、画面表示を拡大してから狙うか、いったん直線部分を仮想的に伸ばして塗ったあとに整形する方法もあります。

注意: 線端どうしがきちんと閉じていない連続線は、思った範囲が塗られません。線の交点がわずかにずれて隙間が残っている場合、塗りつぶしがまったく実行されないか、隣の領域まで塗りが広がる場合があります。輪郭が閉じているか不安なときは、コーナー処理で角を整形してから塗る運用が確実です。

Tips: 「直線・円弧で繋がった連続線」と「ばらばらの線分が偶然つながって見えるだけの状態」は、見た目では区別がつかないことがあります。線が連続しているかを確認するには、いったん範囲選択コマンドで全体を囲んでから、ステータスバーの選択要素数を見る方法が手軽です。


円環(ドーナツ型)ソリッド

円の中央を中抜きにしたドーナツ型ソリッドを作図する機能です。配管断面の内径表示、リング状の建具・装飾、ダウンライトのシンボル、シンボルマークの輪取りなど、中空の円環を表現したい場面で使います。

円環ソリッドの手順

  1. 多角形コマンドのソリッドモードに入る(「任意」→「ソリッド図形」)
  2. 必要に応じて任意色を設定
  3. 「円・連続線指示」ボタンがOFF状態であることを確認する
  4. 円・連続線指示」ボタンを右クリックする
  5. 画面左上に「円環ソリッド」のモード表示が出ていることを確認
  6. 塗りつぶしたい円の輪郭をクリック
  7. 数値入力ダイアログが表示されたら中抜き部分の円の半径を入力して「OK」
  8. 中央が指定半径で抜かれた円環ソリッドが作図される

「OFFから右クリック」が起動条件

円環ソリッドモードは、「円・連続線指示」ボタンがOFFのときだけ右クリックで起動できます。誤って先に左クリックしてONにしてしまうと、右クリックしても円環モードに切り替わりません。最初に左クリックでONにしてしまった場合は、もう一度左クリックしてOFFに戻してから、改めて右クリックします。

注意: 円環ソリッドのモード切替は「OFF状態のボタンを右クリック」が必須です。ONのまま右クリックしても何も起きないため、「右クリックしたのに円環モードに入らない」と感じたら、まずボタンの状態を確認してください。

数値入力で指定するのは「中抜き半径」

円環ソリッドの数値入力ダイアログで指定するのは「中抜き部分の半径」であり、ドーナツの幅ではありません。

  • 元の円が半径100mm、リングの幅を20mmにしたい場合 → 中抜き半径は 80mm(100 − 20)
  • 元の円が半径50mm、リングを細く(幅5mm)にしたい場合 → 中抜き半径は 45mm

背景: ドーナツの「幅」を直接指定する仕様にしていない理由は、内径と外径を独立して管理したい設備図・装飾図のニーズに合わせるためです。配管断面の内径表示では「外径100mm/内径80mm」のように内径そのものを記入することが多いので、半径指定のほうが寸法管理と整合します。

要確認: 円環ソリッド時の数値入力ダイアログのタイトル・項目ラベルの正確な文言は実機で確認します。


弓形・扇形ソリッド(円弧を指示する)

円・連続線指示」がON状態のとき、塗り対象に円弧を選ぶと、コントロールバーの「弓形」チェックボックスが有効化されます。チェックのON/OFFで、弓形ソリッドと扇形ソリッドが切り替わります。

弓形チェック結果形状
ON弓形ソリッド円弧と弦(端点をつなぐ直線)に囲まれた領域。レンズ形・かまぼこ型
OFF扇形ソリッド円弧と中心からの2半径に囲まれた領域。パイのスライス形

弓形・扇形の使い分け

  • 弓形(チェックON): 月形のシンボル、レンズ形の装飾、池や水盤の縁取り
  • 扇形(チェックOFF): 開き戸の振れ角表示、視野範囲、パイチャートのスライス、回転角度の図示

開き戸の振れ角を扇形ソリッドの薄い色で塗ると、扉の開閉軌跡が一目で伝わり、家具配置との干渉チェックがしやすくなります。建具表示の標準表現として実務でよく使われるパターンです。

要確認: 「弓形」「円外側」「円・連続線指示」を同時に有効化したときの作図結果(弓形と円外側のどちらが優先されるか)は実機で確認します。


円外側ソリッド(円の外を多角形で包む)

円・連続線指示」がON状態で、コントロールバーの「円外側」チェックボックスにチェックを入れて円を指示すると、円の外側を多角形で包む形でソリッドが作図されます。円の中身は塗らず、円の外周にぐるりと多角形の塗りが広がる動作です。

円外側ソリッドの用途

  • 円形ロゴや記号を背景色で抜きたい場面(円の外側だけを塗って、円の中はくり抜く)
  • ターゲットマーク・標的状の図形(中央の円が浮き上がって見える)
  • 塗りつぶしの中に「白抜きの円形シンボル」を配置したい場面

Tips: 円外側ソリッドはデータ上「多角形(角数の多いポリゴン)」として記録されます。円の輪郭そのものではなく、円を多数の頂点で近似した多角形で外側を塗る仕組みのため、ズーム表示で拡大すると外周に微妙な角が見えることがあります。実用上は印刷スケールでは目立たないレベルです。

要確認: 円外側ソリッドが円を何角形で近似しているか(頂点数)、ズーム時の見え方は実機で確認します。


線形・円周ソリッド(塗らないソリッド)

線形・円周」チェックボックスにチェックを入れて作図すると、塗りつぶされないソリッドを作図できます。形状はソリッド図形として記録されますが、塗り色が表示されない見た目になります。

用途

  • 後で色を変えたい範囲を「ソリッドの輪郭」として確保しておく
  • 曲線属性化と組み合わせて、複数のソリッドの外形を一括管理する
  • 図面上では見せたくないが、データ上はソリッドとして残しておきたい範囲

背景: 「塗らないソリッド」は単独で使うとほぼ意味が見えませんが、後述の曲線属性化と組み合わせる前提で用意されています。範囲選択や属性変更で「ソリッドだけまとめて操作」したいときの足場として使います。

要確認: 「線形・円周」を有効にしたソリッドの画面表示・印刷時の見た目(線として残るのか、完全に非表示になるのか)は実機で確認します。


曲線属性化(複数ソリッドを1要素にまとめる)

曲線属性化」チェックボックスにチェックを入れて連続作図すると、2つ以上のソリッド図形が1つのまとまりとして扱われます。曲線属性が付くと、色変更・消去・複写・移動を1要素として一括操作できるようになります。

曲線属性化の利点

  • 複数のソリッドの色を一括変更できる
  • 複数のソリッドの消去が1クリックで済む
  • 複雑なゾーニング図・部屋色塗り平面図のグループ管理に向く
  • 範囲選択時に「ソリッドのまとまり」として認識される

使い方

  1. 多角形コマンドのソリッドモードに入る(「任意」→「ソリッド図形」)
  2. 曲線属性化」にチェックを入れる
  3. 任意色を設定(必要なら)
  4. 円・連続線指示」ON、または3点4点指示で複数のソリッドを連続作図
  5. 一連の作図が終わったら別のコマンドに切り替え、または曲線属性化のチェックを外す
  6. 一連で作ったソリッドは「曲線属性付き」の1要素として確定

部屋色塗り平面図での運用例

リビング・寝室・水回りの3部屋を曲線属性化でまとめて塗っておくと、後から「3部屋まとめて青系トーンに変更」「ゾーニング案A→Bに差し替えるためまとめて消去」といった一括編集が1操作で済みます。プレゼン色案を複数バージョン作る場合に、案ごとに曲線属性化グループを作っておく運用が便利です。

Tips: 曲線属性化のチェックは作図後も保持されるため、用が済んだら忘れずに外すのがコツです。チェックが入ったまま単発のソリッドを描き続けると、それまで作ったソリッドと意図せず1グループ化されてしまうことがあります。

要確認: 曲線属性化したソリッドに対して属性変更コマンドを使ったときに、まとめて色変更ができるかは実機で確認します。


既存ソリッドの色を後から変える(属性変更)

ソリッドはひとつの塗りつぶし図形として確定するため、線属性ダイアログでの線色変更は効きません。色を変えたい場合は、属性変更コマンドを使います。

属性変更でソリッド色を変える流れ

  1. 範囲選択コマンドで色を変えたいソリッドを囲む
  2. メニューバー「設定」→「属性変更」(または属性変更コマンド)を起動
  3. 任意色のチェック・色見本ボタンから変更後の色を指定
  4. 適用するとソリッドの塗り色が変わる

注意: 属性変更でソリッド色を変えるには、変更先がソリッド図形として認識されている必要があります。連続線をソリッド化していない状態では、属性変更を使っても線色しか変わらず塗りは現れません。

詳しい属性変更の使い方は 属性変更で線色・線種だけ変える ※準備中 を参照してください。

Tips: 曲線属性化でまとめておいたソリッドは、範囲選択でひとつのまとまりとして拾えるため、属性変更で一括色変更がしやすくなります。複数のソリッドを後から色変更する想定があるなら、最初の作図段階で曲線属性化をONにしておくと作業が楽です。


ソリッド化されたデータの扱い

「円・連続線指示」で塗ったソリッドは、見た目は元の円・連続線と一体に見えますが、データ上は次のように記録されます。

元図形作図したものデータ上の扱い
円ソリッド元の円(残す場合のみ)+ ソリッド図形(多角形近似ポリゴン)
連続線連続線ソリッド元の連続線(残す場合のみ)+ ソリッド図形(連続線形状ポリゴン)
円弧(弓形ON)弓形ソリッド弓形ソリッド図形
円弧(弓形OFF)扇形ソリッド扇形ソリッド図形
円(円外側ON)円外側ソリッド円の外周を包む多角形ソリッド
円(円環)円環ソリッド中抜き半径で穿たれたリング状ソリッド

ソリッドは「塗りつぶし図形」というひとつの要素として扱われるため、後から線単位で部分消去・伸縮することはできません。形を変えたい場合は、いったん消去して描き直すのが基本です。

背景: ソリッドは塗り表現専用のデータ型として独立しており、線属性(線色・線種)とは別系統で管理されます。線として描いた円・連続線と、ソリッドとして塗られた図形は、見た目が似ていても編集コマンドの効き方が異なります。「線が消せない」「色が変わらない」と詰まったら、対象がソリッド図形か線図形かを最初に切り分けると原因が見えてきます。


書込線色とソリッド色の関係

ソリッドの塗り色は、コントロールバーの「任意色」をONにすれば自由設定の色(カラーパレットRGB指定)が使われ、OFFのままなら書込線色(線色1〜8)が塗り色として適用されます。

任意色OFFでソリッド化する場合の注意

任意色をOFFにしたまま既存図形をソリッド化すると、現在の書込線色がそのまま塗り色になります。書込線色を切り替えてからソリッド化することで、線色凡例(線色1〜8)に揃えた塗りができます。

書込線色ソリッド色(任意色OFF時)用途
線色1(細)線色1の表示色で塗られる細線色の凡例に揃えた塗り
線色2線色2の表示色中線色の凡例に揃えた塗り
線色4線色4の表示色一点鎖線系の色凡例に揃えた塗り

書込線色そのものの設定方法は 線属性(線色・線種)の設定 を参照してください。

Tips: 既存の連続線が線色2で描かれている場合、それを「線色2のままソリッド化」したいなら任意色OFF。プレゼン用の自由色(パステル系など)にしたいなら任意色ONで「任意■」ボタンから色設定、と使い分けます。線色凡例を活かしたいときは任意色OFF、プレゼン強調なら任意色ON、と覚えておくと迷いません。


円・連続線指示モードを抜ける

塗り作業が終わったら、「円・連続線指示」ボタンをもう一度左クリックしてOFFに戻すか、別のコマンドに切り替えてモードを抜けます。多角形コマンドの中で3点・4点指示の手動モードに戻りたい場合も、いったん「円・連続線指示」をOFFにする必要があります。

注意: 「円・連続線指示」がON状態のまま3点・4点指示で塗ろうとすると、頂点クリックが既存図形のクリックとして誤認識され、思わぬ位置にソリッドが描かれることがあります。手動指示と自動指示を切り替えるときは、必ず「円・連続線指示」のON/OFFを意識します。

要確認: 「円・連続線指示」モードを抜ける操作(再度左クリックでOFFに戻る挙動、別コマンドに切り替えたあと多角形に戻ったときの状態保持)は実機で確認します。


実務での使い方 ★PERSC独自

連続線で囲った居室の一発塗り(プレゼン平面図)

平面図のプレゼン資料で部屋ごとに色塗りをするとき、矩形だけで構成された単純な部屋なら4点指示で十分ですが、アルコーブ付きのリビング、L字型のキッチン、ウォークインクローゼット付きの寝室など凹凸のある部屋形状では、連続線指示のほうが大幅に速くなります。

部屋の壁線が閉じた連続線で描かれていれば(または連続線として整形できれば)、輪郭の直線部分を1クリックするだけで部屋全体が塗られます。L字部屋を3点・4点指示で塗ると6回前後のクリックが必要ですが、連続線指示なら1クリックで済むので、1物件あたり10部屋以上塗るプレゼン平面図では作業時間が大幅に短縮できます。

任意色を「機能カテゴリ別」に統一しておくと、複数案件で同じ色凡例を再利用できます(リビング=薄黄、寝室=薄青、水回り=薄緑、収納=薄グレー、玄関=薄ベージュなど)。曲線属性化をONにして連続作図しておけば、案件ごとに案A/案B/案Cの色トーンを差し替える運用も1コマンドで対応できます。

配管断面・ダクト断面(設備図)

設備図で配管断面・ダクト断面を表示するとき、円環ソリッドが活躍します。給水管・給湯管・ガス管・排水管などはそれぞれ規格の外径・内径が決まっているため、円コマンドで外径の円を描いた後、円環ソリッドで内径分を中抜きするとリアルな断面表現になります。

たとえばVP管50(外径60mm、内径50mm)の断面なら、外径30mmで円を描いた後、円環ソリッドで中抜き半径25mmを指定します。給水管・排水管・ガス管を色分け(給水=青、給湯=赤、ガス=黄、排水=黒)すれば、設備系統が一目で判別できる図面になります。

開き戸の振れ角表示(建具記号)

平面図の建具記号で、開き戸の振れ角を扇形ソリッドの薄い色で塗ると、扉の開閉軌跡が視覚的に伝わります。建具仕様書通りの開き角度(90度開き/一般的な室内ドア、180度開き/壁付きドアなど)で円弧を作図し、扇形ソリッド(弓形チェックOFF)で塗ると、扉の動線と家具配置の干渉チェックが図面上で確認できます。

色は薄いグレー・薄い水色などの目立ちすぎない色を選ぶと、他の建具線・家具線と混乱しません。建具配置の説明資料(リフォーム提案書、家具レイアウト案)では、開き戸の振れ角扇形を強調色で塗ることもあります。

配置図の建物外形塗り(連続線塗り)

配置図で敷地内の建物外形を強調する作業では、建物の外周を連続線で描いた後、連続線指示で一発塗りするのが最速です。任意色は薄いグレー(RGB180〜200程度)か、用途別カラー(住宅=薄ベージュ、店舗=薄ブルー、倉庫=薄グリーン)を選び、敷地境界線・道路境界線の線色とぶつからない明度に調整します。

集合住宅・マンション計画では、棟ごとに任意色を変えると配棟意図が伝わります。同じ建物外形を「実施図面用(線のみ)」と「プレゼン用(ソリッド塗り)」で2通り使う場合は、ソリッドだけ別レイヤに配置し、レイヤ表示切替で2バージョンを管理する運用が定着しています。

円形シンボルの白抜き(円外側ソリッド)

配置図・案内図で「円の中だけ白抜きしたい」場面では円外側ソリッドが便利です。たとえば敷地全体を任意色で塗りつつ、建物の位置だけ円形に白抜きして強調する場合、建物位置に円を描いた後で円外側ソリッドを使うと、円の外側だけが塗られて中身が抜けた状態になります。

会社ロゴの円形シンボルを背景塗りに乗せたいときも、ロゴの円形に合わせて円外側ソリッドを置くと、ロゴ部分が浮き上がって見える表現が作れます。

ゾーニング図の案A/B/C切替(曲線属性化)

外構ゾーニング図、敷地配置案、平面プランの色分け検討など「複数案を作って比較する」作業では、曲線属性化が威力を発揮します。

案ごとに曲線属性化でソリッドのまとまりを作っておくと、案A→案Bに差し替える際に「案Aのソリッド群を一括消去 → 案Bのソリッド群を一括描画」という流れで管理できます。1個ずつソリッドを消すよりはるかに早く、誤って隣接案のソリッドを消す事故も防げます。

複数案の比較資料(クライアントへのプレゼン資料、社内設計検討資料)では、レイヤと曲線属性化を組み合わせて「案A=レイヤ1の曲線属性化グループ」「案B=レイヤ2の曲線属性化グループ」と整理すると、表示切替だけで案を見比べられる図面データができあがります。

弓形ソリッドの装飾活用

弓形ソリッドは出番が限られますが、和風住宅の意匠表現で活躍する場面があります。月形のシンボル(月見窓のシンボル)、レンズ形の装飾モチーフ、池や水盤の縁取りなど、円弧と弦で作られる「半月の形」を塗りで表現したいときに重宝します。

伝統建築・和風意匠の図面では、扇形ソリッドと組み合わせて「月の満ち欠け」のような連続表現を作ることもあります。意匠表現を強調したい平面図・展開図で、補助的に使う表現テクニックとして覚えておくと幅が広がります。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 円をクリックしても塗りつぶされない

→ 「円・連続線指示」ボタンがOFFになっている可能性があります。コントロールバーの「ソリッド図形」と「円・連続線指示」の両方がON状態になっているかを確認してください。「ソリッド図形」だけONで「円・連続線指示」がOFFのままだと、3点・4点指示の手動モードとして動作するため、円をクリックしても点指示として認識されてしまいます。

Q: 連続線をクリックしたが、円弧の部分しか塗られない

→ クリック位置が円弧部分になっている可能性があります。連続線として認識させるには、直線部分をクリックします。円弧をクリックすると単独の円弧として認識され、弓形・扇形ソリッドのモードに入ってしまいます。直線部分が短くてクリックしにくいときは、画面表示を拡大してから狙うか、輪郭の中で長めの直線部分を選びます。

Q: 連続線指示で塗ろうとしたら範囲がおかしくなる

→ 連続線が完全に閉じていない可能性があります。線端どうしがわずかにずれて隙間が残っていると、塗りつぶしが想定外の範囲に広がったり、まったく塗れなかったりします。コーナー処理コマンドで角を整形してから再挑戦してください。複雑な形状で何度も失敗する場合は、輪郭をいったん別レイヤで連続線として描き直すと確実です。

Q: 円環ソリッドのモードに入れない

→ 「円・連続線指示」ボタンがOFF状態でないと円環ソリッドモードに切り替わりません。誤って先に左クリックでONにしてしまった場合は、もう一度左クリックしてOFFに戻してから、改めて右クリックで円環ソリッドモードに入ります。画面左上に「円環ソリッド」のモード表示が出ているかを目視確認してください。

Q: 円環ソリッドの中抜きサイズが想定と違う

→ 数値入力ダイアログで指定するのは「ドーナツの幅」ではなく中抜き部分の半径です。元の円が半径100mmで、リング幅を20mmにしたい場合は、中抜き半径として80mm(100 − 20)を入力します。逆にリングを細くしたい(幅5mm)なら中抜き半径は95mm。「外径と内径の差がリング幅になる」関係を意識すると間違えにくくなります。

Q: 弓形にしたいのに扇形になる(またはその逆)

→ コントロールバーの「弓形」チェックの状態で結果が変わります。チェックON=弓形(円弧+弦のレンズ形)、チェックOFF=扇形(円弧+2半径のパイ形)です。意図しない形状で確定したら、いったん戻るコマンドで取り消し、チェックを切り替えてから再度作図してください。

Q: 円外側ソリッドが想定と違う形になる

→ 円外側ソリッドは「円の外側を多角形で包む」形なので、塗りつぶし範囲は外側に向かって広がります。「円の中だけ塗りたかった」場合は、円外側チェックを外して通常の円ソリッドを使います。逆に「円の外側を背景塗りで埋めたい」場合は、円外側チェックがONになっているかを確認してください。

Q: 「線形・円周」にチェックを入れて作図したら塗りつぶされなかった

→ それが正しい挙動です。「線形・円周」は塗りつぶさないソリッドを作るためのオプションで、ソリッド図形としての形状情報だけを保持します。後で曲線属性化と組み合わせて一括管理する用途のため、塗りつぶしを期待している場合はチェックを外してください。

Q: 曲線属性化したつもりが、別々のソリッドになっている

→ 「曲線属性化」のチェックは作図前にONにしておく必要があります。すでに作図済みのソリッドを後から曲線属性化することはできません(属性変更コマンドでも個別の属性として扱われます)。曲線属性化のチェックを入れてから一連のソリッドを連続作図することで、グループ化が成立します。

Q: 曲線属性化のチェックを外し忘れて、後の単発ソリッドまでグループになった

→ 曲線属性化はチェックがONの間はずっと働き続けます。意図しないソリッドまでグループ化されないよう、曲線属性化を使うグループの作図が終わったら、すぐにチェックを外す習慣をつけましょう。すでにグループ化されてしまった場合は、いったん消去して曲線属性化OFFで描き直すのが確実です。

Q: ソリッドの色を変えたい(作図後)

→ 線属性ダイアログでは色変更できません。範囲選択 → 属性変更コマンドで任意色を再指定する流れになります。曲線属性化したソリッドなら、まとめて1要素として選択 → 属性変更で一括色変更ができます。詳しくは 属性変更で線色・線種だけ変える ※準備中 を参照。

Q: ソリッドを消去したいが、複数選択ができない

→ 曲線属性化していないソリッドは1個ずつ独立した要素として記録されています。範囲選択コマンドで囲んでまとめて選択し、消去コマンドで削除する流れが基本です。最初の作図段階で曲線属性化をONにしておけば、1要素として一発消去できます。

Q: 円弧をクリックしたら弓形・扇形ではなく、円弧そのものが消えた

→ 「円・連続線指示」がOFFのまま消去コマンドで右クリックしている可能性があります。円弧の塗りつぶしを行いたいなら、必ず「ソリッド図形」「円・連続線指示」の両方をONにしてから円弧をクリックします。コマンドの状態を画面左上のステータス表示で確認すると、誤操作を防げます。

Q: 連続線をソリッド化した後、輪郭線も消したい

→ ソリッド化のとき右クリックで指示すれば、ソリッド作図と同時に元の連続線が消去されます。すでに左クリックで作図してしまって輪郭線が残っている場合は、消去コマンドで個別に連続線を選んで削除します。「最初は左クリックで残し、不要だと判断したら後で消す」運用が安全です。


関連項目


まとめ

  • 既存の円・連続線・円弧のソリッド化は「任意」→「ソリッド図形」→「円・連続線指示」の3段階でモードに入る
  • 円・連続線をクリックする際、左クリックで元図形を残し、右クリックで元図形を消去できる
  • 円環ソリッドは「円・連続線指示」OFF状態のボタンを右クリックで起動。数値入力で中抜き半径を指定する
  • 弓形チェックON/OFFで弓形ソリッド(レンズ形)・扇形ソリッド(パイ形)が切り替わる
  • 円外側ソリッドは円の外を多角形で包む塗り。シンボル抜き・ロゴ強調に使える
  • 曲線属性化」をONにして連続作図すると、複数のソリッドが1要素として扱われ、一括色変更・一括消去ができる
  • 線形・円周」は塗らないソリッド。曲線属性化と組み合わせて、後から色を載せたい範囲の足場として使う
  • 連続線指示は直線部分をクリックするのが原則。円弧部分をクリックすると弓形・扇形ソリッドのモードに切り替わる