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未検証

留線付き複線・留線付き両側複線

複線コマンドには、複線の端部に直交する短い線(留線)を自動で付加する機能があります。この記事では「留線付き複線」と「留線付き両側複線」の2つの使い方を解説します。

壁の端部を閉じる・袖壁の輪郭を一括で描く・断面図の壁厚表現を素早く仕上げるといった建築実務のシーンで特に重宝します。


「留線」とは何か

留線(とめせん)とは、複線の端部に描かれる直交方向の短い線のことです。壁線の端部を閉じる「端部仕舞い」の線に相当します。

複線コマンドで留線機能を使うと、複線と同時に留線も自動で作成されます。後から「線コマンド」で端部を手描きする手間を省けます。

背景: 「留線」という用語はJw_cad固有の名称です。建築実務では「端部仕舞い線」「壁端部の閉じ線」などと呼ばれることもありますが、Jw_cad上ではコントロールバーに「留線」と表示されます。


この記事で扱う2つの操作

操作名概要主な用途
留線付き複線基準線の片側に複線を引き、指定した端部(始点側・終点側)に留線を付ける壁の片側仕上げ・配管端部の閉じ処理
留線付き両側複線基準線の両側に複線を引き、端部に留線を付けて四角形(閉じた形状)を一括作成壁厚表現・袖壁の輪郭線一括作成

複線の基本操作(間隔指定・端点指定)は 複線の基本(間隔指定・端点指定) で解説しています。両側複線(留線なし)については 両側複線 ※準備中 を参照してください。


留線付き複線の操作手順

コントロールバーの確認

複線コマンドを起動すると、コントロールバーに「留線(始点側)」「留線(終点側)」のチェックボックスが表示されます。この2つのON/OFFで留線の付き方を制御します。

CB項目役割
留線(始点側)複線の始点側の端部に留線を付ける
留線(終点側)複線の終点側の端部に留線を付ける

要確認: コントロールバーの正確なラベル表記(「留線(始点側)」か「留線始点」か等)を実機で確認してください。

どちらか一方だけをオンにすれば片側だけ、両方オンにすれば両端に留線が付きます。オフのままであれば留線なしの通常の複線が作成されます。

操作フロー

#操作補足
1複線コマンドを起動するツールバーまたはメニュー「作図」→「複線」
2間隔を入力するコントロールバーの「複線間隔」欄にmm単位で入力
3留線チェックをオンにする「留線(始点側)」「留線(終点側)」の必要な方をオン
4基準線を左クリックで選択する選択した線が強調表示(ピンク色等)に変わる
5マウスを複線を引きたい方向に動かす仮表示線が現れる
6左クリックで確定する複線と留線が同時に作成される

始点側・終点側の方向について

始点側・終点側の方向は、基準線を描いた方向(描き始めた端が始点、描き終えた端が終点)に依存します。

要確認: 既存の線をクリックした場合、どちらが「始点側」と判定されるかを実機で確認してください。クリックした位置に近い端が始点と見なされる可能性があります。

Tips: どちらが始点かが不明な場合、両方のチェックをオンにして実行し、留線が付いた状態を確認してから不要な留線を消去(消去コマンド)するのも一つの方法です。


留線付き両側複線の操作手順

留線付き両側複線は、基準線の両側に複線を引いて両端を留線で閉じる操作です。1回の操作で「基準線+左右の複線+両端の留線」という閉じた四角形の形状を作成できます。

壁厚の断面表現など、中心線から左右対称の壁線を描く場面で特に効果的です。

操作フロー

#操作補足
1複線コマンドを起動するツールバーまたはメニュー「作図」→「複線」
2間隔を入力する壁の片側厚みをmm単位で入力(例: 壁厚200mmなら「100」)
3留線出を入力する(任意)留線の外側への張り出し量。0なら基準線端で揃う
4基準線を左クリックで選択する選択した線が強調表示に変わる
5複線間隔をマウスで指示するか入力で確定する仮表示が現れる
6「留線付両側複線」ボタンを左クリックする両側の複線と両端の留線が一括で作成される

「留線出」の使い方

「留線出」は、留線が基準線の端からどれだけ外側(または内側)に張り出すかを指定するパラメータです。

留線出の値結果
0(デフォルト)留線が基準線の端と揃う(基準線と同じ幅の閉じた形状)
正の値(例: 100)留線が基準線の端から指定距離だけ外側に出る

要確認: 「留線出」に負の値を入力した場合の挙動(内側に引き込まれるか、エラーになるか)を実機で確認してください。

Tips: 留線出の数値は入力欄に直接タイプするほか、プルダウンメニューから過去に入力した値を選択することもできます。同じ寸法を繰り返し使う場合はプルダウンからの選択が便利です。


留線付き複線と留線付き両側複線の使い分け

状況使い方
壁芯線の片側だけに壁線を引く(壁芯非対称の場合)留線付き複線
壁芯線から両側に均等な壁線を引く(壁芯対称の場合)留線付き両側複線
壁の端部だけを閉じたい(端部1か所)留線付き複線(始点側または終点側のみオン)
袖壁・独立壁の輪郭線を一括で描く留線付き両側複線

PERSCの推奨: 建築平面図で壁厚を表現する際、壁芯線を先に描いてから「留線付き両側複線」を使うと、壁の輪郭を1操作で完結できます。手描きの閉じ線を後から追加する必要がないため、手順が少なくなり修正時の整合ミスも減ります。


実務での使い方 ★PERSC独自

平面図の壁端部仕舞い(木造住宅・集合住宅)

木造住宅の平面図では、壁線(構造躯体の外面・内面を示す線)の端部を「留線」で閉じることで、壁の始まりと終わりを明確に表現します。

たとえば、廊下と居室の間仕切り壁の端部では、通常の複線では端が開いたままになります。「留線(始点側)」または「留線(終点側)」をオンにして複線を引くと、端部を閉じた状態で一筆描きできます。

壁厚が120mmの場合:

  1. 壁芯線を選択
  2. 複線間隔に「60」を入力(片側60mm)
  3. 端部を閉じたい側の留線チェックをオン
  4. 方向を指定して確定

片側の壁面線に留線が付いた状態で作成されます。もう片側を作成する際は同様の操作を繰り返します。

Tips: 両端を閉じた壁線(独立壁や袖壁)を描く場合は、「留線付き両側複線」を使うほうが1操作で完結するため効率的です。

断面図・矩計図での壁厚表現

断面図では、壁の断面形状(閉じた矩形)を正確に表現する必要があります。「留線付き両側複線」を使うと、壁の中心線(もしくは構造線)から閉じた矩形を1操作で生成できます。

RC造の壁厚200mmを表現する場合:

  1. 壁の基準線を選択
  2. 複線間隔に「100」を入力(両側に100mm)
  3. 留線出は「0」のまま
  4. 「留線付両側複線」をクリック

基準線の左右に100mmずつ、両端を留線で閉じた閉じた矩形断面が1操作で完成します。

外構図・配置図での独立壁・塀の表現

外構図や配置図では、ブロック塀・コンクリート塀・土留め壁などの独立した壁を表現します。これらは平面図上では細長い閉じた矩形で表現するのが一般的です。

「留線付き両側複線」に「留線出」を組み合わせると、壁の端部をわずかに外側に張り出した表現(端部の仕舞い線が壁面より出る)も一操作で作成できます。

留線出に「50」など正の値を入力することで、留線が基準線の端から50mmはみ出した状態になります。建築図面での壁端部の仕舞い方に応じて使い分けてください。

設備図・系統図での区間表現

給排水設備の系統図や電気の単線図では、特定の区間(たとえば「メーター設置区間」「バルブ区間」)を矩形の囲みで表現することがあります。留線付き両側複線を使うと、1本の基準線から閉じた区間表現を素早く描けます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「留線付両側複線」ボタンが押せない(グレーアウトしている)

→ 「留線付両側複線」ボタンは、基準線を選択して複線間隔が確定した後にアクティブ(押せる状態)になります。基準線の選択前、または間隔の入力がない状態では操作できません。まず基準線を左クリックで選択し、複線間隔を入力してから「留線付両側複線」をクリックしてください。

Q: 留線が意図した側に付かない(始点側と終点側が逆になる)

→ 始点・終点の方向は基準線を描いた方向に依存します。思い通りにならない場合は、「留線(始点側)」「留線(終点側)」の両方をオンにして実行し、留線が付いた状態を確認してから、不要な留線を消去コマンドで削除するほうが手早いこともあります。

Q: 留線付き複線を実行したが、端部に留線が見えない

→ 次の原因が考えられます。

  1. チェックボックスのオンを確認してください。チェックが外れていると留線は描かれません。
  2. 基準線の端部がちょうど別の線と重なっていて留線が見えにくい可能性があります。拡大してから確認してください。
  3. 基準線の長さがゼロに近い(点に近い線)場合、留線が極めて小さくなります。

Q: 留線付き両側複線を実行したら形が矩形にならない(線が外に広がりすぎる・縮みすぎる)

→ 「留線出」の入力値を確認してください。「0」を入力すれば基準線の端と留線の端が揃った矩形になります。プルダウンに過去の値が残っていて意図しない値が入力されている場合があります。入力欄を「0」に書き直してから再実行してください。

Q: 留線付き両側複線で基準線の長さと留線の長さをずらしたい

→ 「留線付き両側複線」機能では、留線の位置を基準線の端から調整するのが「留線出」です。ただし留線の長さ(複線間隔)は複線間隔の設定に連動します。留線の長さを複線間隔と独立して変更したい場合は、「留線付き両側複線」で一旦作成した後、「伸縮」コマンドで留線の長さを調整してください。

要確認: 留線の長さが常に複線間隔と同一になるのか、独立して指定できるのかを実機で確認してください。

Q: 複線コマンドの「留線」と「2線コマンドの留線」は何が違うのですか

→ Jw_cadには「複線コマンド」と「2線コマンド」という似た機能が別々に存在します。この記事の「留線付き複線」は複線コマンド内の機能です。2線コマンドにも「留線」チェックボックスがありますが、それは別のコマンドです。

  • 複線コマンドの留線付き複線: 既存の線を基準に、平行線と端部の留線を同時作成
  • 2線コマンドの留線: 始点・終点を指定して2本の平行線を描く際に端部を閉じる

操作の手順・UIが異なりますので、混同しないように注意してください。


関連項目


まとめ

  • 複線コマンドの「留線(始点側)」「留線(終点側)」チェックボックスをオンにすると、複線の端部に留線が自動で付く
  • 「留線付両側複線」ボタンを使うと、基準線の両側の複線と両端の留線を1操作で一括作成できる
  • 「留線出」の値で留線の張り出し量を調整できる(0なら基準線の端と揃う)
  • 壁端部の仕舞い・独立壁の輪郭・断面の壁厚表現など、閉じた形状を描く建築実務のシーンで特に効果を発揮する