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未検証

連続線の作図(基準角度・基点・丸面取り)

このコマンドでできること

Jw_cadの「連続線」コマンドを使うと、直前に引いた線の終点を次の線の始点として、続けざまに直線をつなげて作図できます。線コマンドで1本ずつ「始点 → 終点」を打つ場合、直角に折れ曲がる図形では始点と終点を交互に同じ位置で右クリックする必要がありますが、連続線なら1点ごとに左クリック(または右クリック)するだけで折れ曲がりが連結されていきます。不整形な敷地境界線、配置図のフェンスラインや擁壁ライン、展開図のコーナーが多い壁立面、ジグザグの動線記号など、端点をつなげて閉じた図形にしたい場面で出番が多いコマンドです。コントロールバーには基準角度・基点・丸面取りのオプションも用意されており、角度を15度刻みに揃えて引いたり、角に丸面取り(フィレット)を自動で入れながら描いたりすることもできます。

背景: 連続線コマンドの真骨頂は「完全に閉じた図形を一発で描けること」です。線コマンドで4辺を別々に引くと、つなぎ目が1ピクセル単位でズレやすく、後から面塗り(ソリッド)や複線で外周を派生させたいときに端点が拾いきれなくて事故になります。連続線で描いた多角形は端点が完全に共有された状態で記録されるため、外形をそのまま面で塗ったり、全周を複線でオフセットしたりが1クリックで決まります。


起動方法

連続線コマンドの起動方法は3つです。どの方法で起動しても同じコマンドが立ち上がります。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(1)」ツールバー内の「連線」ボタンを左クリック
メニューバー作図」 → 「連続線」を左クリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内で8時方向へ左ドラッグ中に右クリック

PERSCの推奨: 連続線コマンドは「ここから連続でつなげていく」という決断のあとに起動することが多いため、左ツールバーの「連線」ボタン経由が一番速いです。メニューバーから入るルートよりクリック数が少なく、線コマンドや矩形コマンドからの切替もスムーズに済みます。

要確認: クロックメニュー8時方向の起動仕様(左ドラッグ中に右クリック)は実機で確認します。クロックメニューの基本動作については マウス操作の基本クロックメニュー入門 を参照してください。


連続線の基本作図サマリー(全6ステップ)

連続線の基本フローは以下のとおりです。線コマンドが「始点 → 終点」の2クリックだったのに対し、連続線は1本目の始点 → 終点 → 2本目の終点 → 3本目の終点 → ...と、始点を1回打ったあとは終点を打ち続けるだけで線がつながっていきます。

#操作所要
1連続線コマンドを起動(ツールバー「連線」)数秒
21本目の始点を左クリック(読取点なら右クリック)数秒
31本目の終点を左クリック(読取点なら右クリック)数秒
42本目以降の終点を順に左クリック(読取点なら右クリック)各数秒
5必要な点を全て打ち終わったら終了操作数秒
6連続線が確定して書込線種で作図完了即座

連続線で多角形を描く(基本)

連続線コマンドのもっとも基本的な使い方は、多角形の輪郭を一筆書きで作図することです。住宅平面図の不整形な部屋形状、配置図の敷地境界線、フェンスや塀の輪郭線など、「端点が連続した折れ線」を描く全ての場面で使います。

手順1: 連続線コマンドを起動

左ツールバーの「連線」ボタンを左クリックします。コントロールバーが連続線用の表示(「終了」「基準角度」「基点」「丸面辺寸法」「連続弧」「手書線」「実寸」など)に切り替わります。

手順2: 1本目の始点を指示

線をつなげていく起点にしたい位置で左クリックします。既存の点や線端に合わせたい場合は右クリックで読取点を拾います。

Tips: 連続線は閉じた図形を描く用途が多いため、始点は最後に終点として戻ってくる位置になることが大半です。読取点として確実に拾えるよう、始点は最初から右クリックで指示しておくと、最後の終点も同じ位置を右クリックでぴたりと閉じられます。

手順3: 1本目の終点を指示

マウスポインタを動かすと、始点から伸びる赤い仮線(点線)が表示されます。1本目の線を引きたい方向へマウスを動かし、終点位置で左クリック(読取点なら右クリック)します。これで1本目の線が確定します。

手順4: 2本目以降の終点を順に指示

1本目の終点が確定すると、その終点を始点とする新しい仮線が伸び始めます。次の終点位置で左クリック(読取点なら右クリック)すると、2本目の線が確定し、さらに次の終点を待つ状態に戻ります。この繰り返しで、端点が完全に連結された折れ線が描けていきます。

手順5: 連続線を終了する

必要な点を全て打ち終わったら、以下のいずれかの操作で連続線を終了します。終了操作によって、最後の仮線も書込線種で確定されます。

終了方法操作
コントロールバー終了」ボタンを左クリック
キーボードEnter キーを押す
マウス終点指示位置でダブルクリック

Tips: ダブルクリック終了は、最後の終点を打ち込みつつ同じ位置で連続線を閉じたいときに便利です。最後の点を1回クリックで打ち、そのままもう1回同じ位置でクリックすると、終点確定 + 連続線終了が同時に実行されます。連続線を頻繁に使う場合は、この終了方法を覚えておくと作業テンポが上がります。

要確認: ダブルクリック終了が「最後の点と同じ位置で連続線を閉じる」挙動なのか、「単に終了するだけ」の挙動なのかは実機で確認します。s-projects・jwdojoの記述では「終点指示のときにダブルクリック」とのみ書かれています。

手順6: 続けて別の連続線を描く

連続線コマンドは終了操作のあともコマンド自体は継続しているため、別の場所で再び始点をクリックすれば、新しい連続線を続けて描けます。コマンドそのものを抜けたい場合は、別のコマンド(線・矩形・消去など)に切り替えます。

背景: 連続線で描いた直線は、内部的には個別の線要素の集まりとして記録されます。後から1本だけ消去したり、1本だけ線色を変えたりも、線コマンドで描いた線と同じ操作で効きます。「連続線=ひとつの図形」という勘違いをしやすいですが、データ上は端点を共有しているだけの別々の直線です。

要確認: 連続線で描いた直線がデータ上どう記録されるか(個別の線要素か、連結された単一要素か)は実機で範囲選択して確認します。


基準角度を指定して角度を揃える

連続線で多角形を描くときに、斜めの辺を15度刻みや45度刻みで揃えたい場面があります。配置図のフェンス角度、屋根伏図の谷部分、不整形敷地で角度がきりのいい数値の境界線などです。コントロールバーの「基準角度」ボタンを使うと、フリー角度・15度刻み・45度刻みの3モードを切り替えられます。

基準角度の3モード

モード角度の刻み用途
角度(無指定)任意(フリー)マウス位置のままの角度で描く
角度15度毎15度刻み0/15/30/45/60/75/90... の角度に吸着
角度45度毎45度刻み0/45/90/135/180... の角度に吸着

手順1: 「基準角度」ボタンをクリックして切替える

連続線コマンドを起動した状態で、コントロールバーの「基準角度」ボタンを左クリックします。1クリックごとに「無指定角度15度毎角度45度毎無指定...」と循環で切り替わります。

要確認: 「基準角度」ボタンの切替順(無指定→15度毎→45度毎の順)は実機で確認します。s-projectsの記述では「角度15度毎→角度45度毎→角度(無指定)」となっており、初期状態の確認も含めて検証が必要です。

手順2: 現在の状態を画面左上で確認

「基準角度」ボタンの表示自体は切替後も「基準角度」のままで変わりません。現在どのモードになっているかは、作図ウィンドウの左上に表示されます(「角度15度毎」など)。マウスの動きと吸着具合を見れば直感的に分かりますが、迷ったら左上の表示を必ず確認しましょう。

手順3: 始点・終点を指示

基準角度モードを設定したまま、いつもどおり始点・終点を順にクリックしていきます。マウスポインタが指定の角度刻みに近づくと、仮線が自動的にその角度に吸着するため、感覚的にきりのいい角度の連続線が描けます。

Tips: 「角度15度毎」は、不整形敷地の境界線(30度・45度・60度などのきりがいい角度)を描くのにちょうどいい刻みです。「角度45度毎」は、矩形の45度回転や三角の屋根勾配など、より大胆な角度切替向き。建築実務では「角度15度毎」を使うシーンの方が大半です。

背景: 基準角度は連続線コマンド固有のオプションで、線コマンドの「水平・垂直」チェックとは別の仕組みです。線コマンド側では水平・垂直の2方向にしか吸着しませんが、連続線の基準角度は15度刻み・45度刻みの多方向に吸着できる点が違いです。


基点を切り替える(前線終点/マウス位置)

「基準角度」を使っているとき、コントロールバーの「基点」ボタンが効くようになります。基点は新しく引く線の始点をどこに固定するかの設定で、「前線終点」と「マウス位置」の2モードがあります。

基点の2モード

モード始点の位置挙動
前線終点(標準)1つ前の線の終点通常の連続線。前の終点が次の始点として固定される
マウス位置現在のマウス位置始点がマウス位置に追従。1つ前の線の終点も連動して移動する

「マウス位置」モードの使いどころ

「マウス位置」モードは、1つ前の線の終点位置を、次の線を引く前にマウス位置に合わせて修正したいときに使います。たとえば「ひとつ前の終点を少し横にズラして、次の線が指定角度ぴったりに収まるよう調整したい」という微修正用途です。

手順1: 「基準角度」を15度毎または45度毎に切替

「基点」ボタンは、基準角度が「無指定」のときには操作できません。先に基準角度を「角度15度毎」または「角度45度毎」に切り替えます。

要確認: 「基点」ボタンが「基準角度=無指定」のときに無効化される仕様はs-projectsの記述に基づきます。実機での挙動(クリックできない/クリックしても切替わらない、など)を確認します。

手順2: 「基点」ボタンをクリックして切替える

コントロールバーの「基点」ボタンを左クリックします。クリックごとに「前線終点」と「マウス位置」が切り替わります。現在の状態は基準角度と同じく画面左上に表示されます。

手順3: 始点・終点を指示

「マウス位置」モードで連続線を描き進めると、新しい線の始点はマウス位置に吸着します。同時に、1つ前の線の終点もマウス位置まで移動するため、ひとつ前の線の長さや角度が変化します。

Tips: 「マウス位置」モードは扱いが難しく、誤動作の元にもなりやすいオプションです。実務ではほぼ「前線終点」モードのまま使うのが安全で、基点を切り替える必要が出てきたら「次の線の始点だけズラしたい」とはっきり目的を持っているときに限定して使いましょう。kantancadの解説でも「ほとんど使うことがない」と注記されています。

背景: 基点モードは「角度を厳密に守るために、ひとつ前の終点位置を後追いで微修正したい」という上級者向けの細かい調整機能です。日常的な多角形作図では「前線終点」のまま固定で問題ありません。


コーナーに丸面取り(フィレット)を入れて描く

連続線コマンドのコントロールバーには「丸面辺寸法」というテキストボックスがあります。ここに数値(mm)を入れて連続線を描くと、コーナー(角)部分に自動で丸面取り(フィレット=R形状)が入った状態で作図されます。家具の角丸、コーナーR付き敷地境界、面取りされた建具枠など、角を直角ではなく弧でつなぎたい多角形を一発で描けます。

手順1: 「丸面辺寸法」に数値を入力

連続線コマンドを起動した状態で、コントロールバーの「丸面辺寸法」テキストボックスをクリックし、丸面取りの半径相当の数値(mm単位)を入力します。たとえば「50」と入力すれば、コーナーごとに半径50mm相当の丸面取りが入った状態で連続線が描けるようになります。

手順2: 「実寸」チェックの確認

「丸面辺寸法」の隣にある「実寸」チェックボックスは、入力した数値を図面の実寸として扱うか、画面上の見た目寸法として扱うかを切り替えます。

「実寸」の状態数値の扱い用途
チェックON図面の実寸(縮尺反映)実寸50mmの面取りRを入れたい等の寸法基準
チェックOFF画面の見た目寸法(尺度1:1基準)縮尺によらず見た目の大きさで描きたい場合

背景: 縮尺1/100で「丸面辺寸法=50」を入力した場合、「実寸ON」なら実寸50mmの丸面(紙面上では0.5mmの極小Rに見える)、「実寸OFF」なら画面上で50mm相当の丸面(実寸に換算すると5,000mmの巨大R)になります。図面上の角丸を実際の建材寸法どおりに描きたい用途では「実寸ON」が標準です。kantancadの解説では「数値に縮尺を掛けた値が丸面辺寸法になる」と書かれており、初心者がつまずきやすい箇所です。

要確認: 「実寸」チェックの位置と、「丸面辺寸法」に対する尺度反映の挙動を実機で確認します。尺度1/100環境で実寸50を入れた場合の見た目寸法を実測することで、ON/OFFの違いが明確になります。

手順3: 始点・終点を順に指示

「丸面辺寸法」と「実寸」を設定したまま、いつもどおり始点・終点を順にクリックしていきます。コーナー(折れ曲がる角)が発生するたびに、自動的に指定半径の丸面取りが挿入された状態で線がつながっていきます。

手順4: 連続線を終了

通常どおり「終了」ボタン・Enterキー・終点ダブルクリックのいずれかで連続線を終了します。

Tips: 連続線の丸面取りは、作図と同時に角を丸める機能のため、後から半径を変更したい場合は丸面部分を消去して新しいRで描き直す形になります。「とりあえず直角で連続線を引いて、後から面取りコマンドで丸める」運用と、「最初から丸面辺寸法で描いてしまう」運用の2通りがあるので、図面の編集頻度に応じて使い分けてください。後修正が多い設計初期段階では前者、寸法が確定した実施図段階では後者が向きます。詳しくは 面取りコマンド ※準備中 を参照。


書込線色・線種の継承

連続線コマンドで作図される線は、現在の書込線色・線種で描かれます。線コマンドと同じ仕様で、コマンド起動時の書込線属性がそのまま全ての連続線に適用されます。

書込線属性を変えたいとき

途中で線色・線種を変えたくなった場合は、いったん連続線を終了 → 線属性を切替 → 再度連続線コマンドを起動する流れになります。連続線の途中で線色を変えることはできない仕様のため、「最初の3本は実線、続きの2本は破線」のように混在した連続線を描きたい場面では、線色ごとに分けて連続線コマンドを実行します。

Tips: 同じ図面の中で多角形ごとに線色を変えたい(敷地境界=線色6、外形線=線色2、植栽=線色1など)場合は、線色ごとにまとめて連続線を描く運用が効率的です。線色を切り替える頻度を最小化することで、作業テンポが落ちません。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。

要確認: 連続線の途中で線属性ダイアログを開いて変更したときの挙動(途中から書込線色が切り替わるか、変更が無視されるか)は実機で確認します。


連続線の終了方法まとめ

連続線コマンドの終了には3つのルートがあり、状況に応じて使い分けます。終了操作を実行した時点で、最後に表示されていた仮線も書込線種で確定します。

終了方法操作向く場面
コントロールバー終了」ボタンを左クリックマウスポインタが画面上部にある/確実に終了させたい
キーボードEnter キー連続線の最後の点を打ち終わった直後/キーボード派
マウス終点位置でダブルクリック最後の点を打ちつつ即座に終了したい

Escキーは「巻き戻し」であって終了ではない

Jw_cadのEscキーは操作の巻き戻し(直前の点指示をキャンセルして1段階戻る)であり、連続線コマンドの終了ではありません。連続線を途中までしか描かないつもりでEscを押すと、1点ずつ取り消されていくため、誤動作の原因になります。「終了したいときは終了ボタン/Enter/ダブルクリック」「巻き戻したいときはEsc」と用途を分けて覚えましょう。

背景: Escキーの「巻き戻し」仕様は線コマンド・円弧コマンドなど他の作図コマンドでも共通です。終点を1つズラしたい場合はEscで1段階戻して終点を打ち直すのが定石ルートで、連続線でも同じ流れが使えます。詳しくは マウス操作の基本 を参照。

要確認: Escキーで連続線の点指示が1段階ずつ戻る挙動と、複数回押下で連続線コマンド自体が抜けるかどうかを実機で確認します。


連続弧モード・手書線モードへの切替(委譲)

連続線コマンドのコントロールバーには「連続弧」「手書線」というチェックボックスも用意されており、ONにするとそれぞれ連続した円弧・フリーハンドの線を描く別モードに切り替わります。連続線コマンドの中で完結する派生機能ですが、操作手順や使いどころが大きく異なるため、それぞれ専用記事に委譲します。

派生モードチェック内容専用記事
連続弧コントロールバー「連続弧」連続した円弧を描く(始点・中間点・終点の3点指示)連続弧の作図
手書線コントロールバー「手書線」フリーハンドで線を描く(始点指示後マウスを動かすと作図)手書線の作図

Tips: 連続線コマンドのチェック状態(連続弧・手書線・基準角度・基点・丸面辺寸法)は、コマンドを切替えても保持されます。連続弧で作業したあと連続線に戻ってきたとき、コントロールバーの「連続弧」チェックがONのままだと意図しない円弧モードで描いてしまいます。連続線コマンドを起動したらまずコントロールバー全体の状態を一度確認する習慣をつけましょう。


コントロールバーの設定項目(連続線モード時)

連続線コマンド起動時にコントロールバーへ表示される主なオプションは以下のとおりです。

項目役割解説位置
終了連続線を終了して書込線で確定この記事「終了方法」節
基準角度角度刻み(無指定/15度毎/45度毎)の切替この記事「基準角度を指定して角度を揃える」節
基点始点の位置(前線終点/マウス位置)の切替この記事「基点を切り替える」節
丸面辺寸法コーナーの丸面取り半径を数値入力この記事「コーナーに丸面取り」節
連続弧(チェック)連続した円弧モードへ切替連続弧の作図
手書線(チェック)フリーハンドモードへ切替手書線の作図
実寸(チェック)丸面辺寸法・連続弧半径の尺度反映の切替この記事「コーナーに丸面取り」節

実務での使い方 ★PERSC独自

不整形敷地の境界線を引く

宅地造成や住宅設計の配置図で頻繁に出てくるのが、多角形の不整形敷地です。台形・五角形・六角形と複雑に折れ曲がった境界線を、線コマンドで1辺ずつ引いていくと端点の共有がズレやすく、後から面積算定(測定コマンド)や敷地内のオフセット線(複線)を打つときに事故になります。

連続線コマンドであれば、測量図の境界点を端点として右クリックで順に拾い、最後に始点へ戻ってダブルクリックで閉じるという単純フローで、完全に閉じた敷地形状が描けます。線色6(補助線色)+ 一点鎖線で描けば、そのまま実務の敷地境界記号としても通用します。

配置図のフェンス・塀・擁壁ライン

配置図では、外周フェンス・ブロック塀・擁壁・植栽帯といった長く折れ曲がる線を多用します。これらは「敷地境界から一定距離オフセットした位置」に配置することが多いため、まず連続線で外形を描いて、その後に複線コマンドで内側にオフセットする流れが効率的です。

連続線で外形を描いたあと範囲選択 → 複線コマンドで全周を一括オフセットすれば、フェンスの厚みや擁壁のW寸法を持ったダブルラインが一発で出せます。線コマンドで1辺ずつ引いた状態だと、複線コマンドの「連続線」オプションが効かず手間が倍以上になるため、外形系は連続線で描くを原則にすると作業時間が大きく短縮されます。

スロープ・ランプ・坂道のラインライン

外構のスロープ(車椅子用ランプや車寄せのランプ)は、平坦部・勾配部・踊り場が連続した折れ線で表現されます。各部の長さは設計値で決まっているので、基準角度=15度毎を併用すれば、スロープ角度(4%≒2.3度なので使えませんが、1/8勾配≒7度や1/12勾配≒5度等の角度指定線にはあくまで補助として)の方向に吸着しながら正確に描けます。

スロープの上端・下端・踊り場の角度がきりのいい数値で揃っている場合は、連続線+基準角度+寸法線連携でラインを引いてから、勾配記号や仕上ラインを派生コマンドで追加していく流れが標準です。

展開図のコーナー連続(折れ曲がる壁立面)

L字型・コの字型の部屋を内部から展開した展開図は、壁が90度・135度・180度と折れ曲がりながら連続します。この場合、各壁面の幅と高さが決まっているので、連続線+基準角度45度毎で壁の角度切替を吸着させ、寸法を入力しながら順に終点を打っていくと、展開図のベースラインが正確に描けます。

展開図では特にコーナーの整合性(垂直線がぴったり揃う/天井ラインと床ラインが平行になる)が重要なので、線コマンドで1本ずつ引くより連続線で端点共有を前提にした作図にした方が、後の修正・整合チェックが楽になります。

コーナーR付き敷地境界・コーナーR付き家具

公園・広場の植栽帯や、エントランスの花壇など、敷地境界にコーナーRが入っている場面では「丸面辺寸法」を活用します。半径500〜2000mm程度の大きなRを連続線で描くと、後から面取りコマンドで角を丸める手間が省けます。

家具では、ソファ・テーブル・カウンター天板の前端で半径10〜30mm程度の小さなRが頻出します。図形登録するソファのアウトラインを連続線+丸面辺寸法で描いておけば、再利用時にきれいなコーナーRが保持されます。

階段の踏面ライン・段鼻ライン

回り階段の踏面・段鼻のラインは、折れ曲がりが多くて長い連続線になります。1段ごとに線コマンドで引くより、連続線で1フロア分まとめて描くほうが効率的です。端点が完全に共有されているデータになるため、後から段板を範囲選択する際にも漏れなく拾えます。

ジグザグの動線記号・矢印の連続点線

避難経路図・動線解析図などで、ジグザグに折れ曲がる動線記号を連続点線で描くケースがあります。線色を点線にしてから連続線コマンドで描けば、動線が滑らかに連結された状態で記録されます。後から線色だけ変えたいときも範囲選択+属性変更で一括対応できます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 連続線が連続にならない・1本ずつしか引けない

→ 連続線コマンドではなく、通常の線コマンドが起動している可能性があります。コントロールバーに「終了」「基準角度」「基点」「丸面辺寸法」「連続弧」「手書線」が並んでいるか確認してください。違う表示の場合は、左ツールバーの「連線」ボタンを左クリックし直して連続線コマンドを再起動します。

Q: コーナーがズレて閉じない・最後の点で始点に戻らない

→ 始点を左クリック(任意点)で指示すると、後から右クリックで戻っても1ピクセル単位でズレることがあります。連続線で閉じた多角形を描く場合は、最初から始点を**右クリック(読取点)**で指示しておくのが安全です。読取点で始点を打つには、ガイドの仮点をあらかじめ配置するか、目盛グリッドを表示してその交点を拾います。詳しくは 読取点の操作(中心点・端点・交点) を参照。

Q: 終了ボタンが押せない・ダブルクリックで閉じない

→ コントロールバーの入力欄(「丸面辺寸法」テキストボックス等)にフォーカスが残っていると、Enterキーが入力欄の確定として処理されてしまい、連続線が終了しません。一度作図ウィンドウを左クリックでアクティブにしてから、改めて終了操作を実行してください。

Q: 「終了」したのに最後の線が描かれていない

→ 連続線の終了操作(「終了」ボタン/Enter/ダブルクリック)は、最後に表示されていた仮線も含めて確定する仕様です。最後の仮線が描かれていないということは、仮線が表示される前に終了した可能性があります。終点を打ったあとマウスを少し動かして仮線が出ているのを確認してから終了操作に進みましょう。

Q: 基準角度を切替えたつもりが反映されない

→ 「基準角度」ボタンの表示は切替後も「基準角度」のままで変わりません。現在のモードは画面左上の表示で確認します(「角度15度毎」「角度45度毎」「無指定」のいずれか)。マウスの動きと角度吸着の挙動を見ても判別できますが、迷ったら左上を確認するのが確実です。

Q: 基点ボタンを押しても切替わらない

→ 「基点」ボタンは基準角度が「角度15度毎」または「角度45度毎」のときだけ操作可能です。基準角度が「無指定」だと基点ボタンは効きません。先に基準角度を15度毎または45度毎に切り替えてから、基点ボタンをクリックしてください。

Q: 丸面辺寸法を入れたのに角が直角のままになる

→ 「丸面辺寸法」テキストボックスへの入力後、Enterキーで確定したつもりが連続線の終了操作になっていた可能性があります。テキストボックスに数値を入力したあとは、作図ウィンドウを左クリックでアクティブ化してから始点指示に入ると確実です。または、入力後に他のコントロールバー項目(基準角度ボタン等)をクリックしてからウィンドウに戻る運用でも回避できます。

Q: 丸面取りの大きさが思ったより大きい/小さい

→ 「実寸」チェックボックスの状態が想定と違う可能性があります。実寸ONなら数値は実寸(縮尺反映)、実寸OFFなら数値は画面上の見た目寸法(尺度1:1基準)として扱われます。たとえば縮尺1/100で「実寸OFF」のまま「50」を入力すると、見た目50mm相当=実寸5000mmという巨大なRになります。実寸どおりの面取りを入れたいなら実寸ONが標準です。

Q: 連続線で描いた図形を後から1本だけ消したい

→ 連続線で描いた直線群は、個別の線要素として記録されます。消去コマンドで1本だけクリックすれば、その1本だけが消去されます。ただし端点を完全に共有している状態のため、隣接する線の端点位置は変わりません。後から角だけ修正したい場合は、該当する2本を消去 → 線コマンドで描き直しという流れになります。

Q: 連続線の途中で線色を変えたい

→ Jw_cadの連続線コマンドは書込線属性を途中で変更できない仕様です。線色・線種を切り替えたい場合は、いったん連続線を終了 → 線属性を切替 → 再度連続線コマンドを起動して続きを描く流れになります。閉じた多角形の中で線色を分けたい場合は、線色ごとにまとめて連続線コマンドを実行する運用が現実的です。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。

Q: 連続弧モードのまま連続線を引いてしまった

→ コントロールバーの「連続弧」チェックがONの状態で点を指示すると、円弧(始点・中間点・終点の3点指示)として扱われます。直線の連続線に戻したい場合は、コントロールバー「連続弧」チェックを左クリックでOFFにしてから始点を打ち直してください。チェック状態はコマンドを切替えても保持されるため、連続線コマンド起動時の確認を習慣化しましょう。

Q: 手書線モードに入ってしまった

→ コントロールバーの「手書線」チェックがONになっています。直線の連続線に戻すには、「手書線」チェックをOFFにします。フリーハンドの線については 手書線の作図 を参照。

Q: 「終了」したけどコマンドが終わらず別の連続線が始まってしまう

→ 連続線コマンドの「終了」は1つの連続線を確定する操作で、コマンド自体は継続します。次の場所で始点をクリックすると新しい連続線が始まります。コマンドそのものを抜けたい場合は、別のコマンド(線・矩形・消去など)に切り替えます。

Q: Escキーで終了しようとしたら点が1個ずつ消えていった

→ Jw_cadのEscキーは操作の巻き戻し(直前の点指示を取り消す)であり、コマンド終了ではありません。連続線を終了するときは「終了」ボタン/Enterキー/終点ダブルクリックのいずれかを使います。Escは「点を打ち間違えたから1段階戻したい」場面で使うキーです。

Q: 連続線で描いた多角形を範囲選択したら、外周以外も選ばれてしまう

→ 連続線で描いた線は端点を共有しているため、**範囲選択(実線で囲む)**だと外周として正しく拾えますが、**包含選択(破線で囲む)**だと内部に他の線・点が含まれている場合に一緒に拾われます。外周だけを選びたい場合は、属性選択や個別Shift+クリックで補助しながら拾うのが確実です。


関連項目


まとめ

  • 連続線コマンドは「連線」ボタン(または「作図」→「連続線」)で起動し、1本目の始点 → 終点 → 2本目の終点 → ... と打ち続けるだけで端点が連結された折れ線を描ける
  • 終了は「終了」ボタン/Enterキー/終点ダブルクリックの3通り。Escは終了ではなく点指示の巻き戻し
  • 基準角度」ボタンで角度刻み(無指定/15度毎/45度毎)を切替えられる。現在のモードは画面左上に表示される
  • 基点」ボタンは基準角度が15度毎/45度毎のときだけ有効。「マウス位置」モードは前線終点も連動して動く高度な機能
  • 丸面辺寸法」に数値を入れるとコーナーに丸面取りが自動で入る。「実寸」チェックON/OFFで尺度反映を切替える
  • 描かれる線は書込線色・線種を継承する。途中で線属性は変えられないため、切替えたい場合は一度終了して再起動する
  • 連続弧モード・手書線モードへの切替えはコントロールバーのチェックで行うが、それぞれの詳細は専用記事に委譲