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未検証

2.5D(立体表示・アイソメ図)

このページでできるようになること

Jw_cadの 2.5D コマンド(メニューバー「その他」→「2.5D」、ツールバー「その他(2)」の「2.5D」ボタン)を使って、平面図に高さを与えてワイヤフレーム(線画)の立体図を描けるようになります。あわせて、透視図/鳥瞰図/アイソメ図 の3種類の表示モードの切替、視点移動・面固定・初期値リセット作図ボタンによる立体図の取得DXF出力で3Dデータとして書き出す手順球体・直方体以外の図形を立体化するコツ までを通しで身につけます。

背景: Jw_cadは本来 2次元汎用CAD で、3D-CADのように本格的な立体モデリングを行うソフトではありません。2.5Dは「平面図にZ軸の高さを設定 → 3種類の投影方法でワイヤフレーム立体表示 → 結果を平面の線データとして書き戻す」という擬似的な立体表現の仕組みで、確認申請や打合せ用の 意匠スケッチ や、建具・什器の説明図、求積補助のためのアイソメ図といった軽い立体表現の場面で使われます。


2.5Dの全体像

何ができるか

2.5Dの機能は大きく3層に分かれます。

役割出力先
① 高さ付与平面図の各辺・端点に「高さ・奥行」(Z値)を設定するコントロールバー入力+作図ウィンドウ
② 立体表示透視図/鳥瞰図/アイソメ図のいずれかでワイヤフレーム立体仮表示画面上の仮表示(書込はまだ)
③ 結果取得「作図」ボタンで書込レイヤに線データとして書き出し/「DXF出力」で3Dデータ書出書込レイヤ または DXFファイル

仕組み(5ステップフロー)

s-projectsとjwdojoの解説を踏まえて、2.5Dを使う典型フローを整理すると次の5ステップです。

#動作主体
平面図を用意(直方体なら矩形、複雑形状なら線分の集合)ユーザー
2.5Dコマンドを起動 → コントロールバーで高さ・奥行を入力ユーザー
高さを与えたい辺を左クリック → 端点に高さが設定されるJw_cad
「透視図」「鳥瞰図」「アイソメ」のいずれかをクリック → 立体仮表示Jw_cad
視点を調整 → 「作図」ボタン または「DXF出力」で結果取得ユーザー

背景: ②〜③で平面図に与えた 「高さ情報」は、Jw_cadの線データの属性として保持されます。一度設定した高さは、対象の線を右クリックすると取り出せ、左ダブルクリックで消去できます(s-projects解説)。この属性は通常の平面表示では見えない「裏側の数値」として図面に住み続けるため、複数辺に同じ高さを設定する/途中まで作って中断する、といった編集が可能です。


起動方法

方法操作
メニューバーその他」→「2.5D
ツールバーその他(2)」ツールバー内の「2.5D」ボタン
ショートカット標準では未割当(基本設定 KEY タブで割当可)

要確認: ツールバーの正確なグループ名(「その他(2)」かどうか)と、ボタン表記は実機で確認します。

Tips: 「その他(2)」ツールバーが画面に出ていない場合は、メニューバー「表示」→「ツールバー」を開き、ダイアログの「その他(2)」にチェックを入れて表示します(kantancad解説)。


基本操作: 直方体を立体化する

最も基本的な「直方体(高さ付き矩形)」の立体化フローを、s-projectsとjwdojoの解説に沿ってステップ表にします。

直方体作図 手順サマリー(全7ステップ)

#操作入力先
1平面図として矩形(4辺の閉じた四角形)を描いておく作図ウィンドウ
2「その他」→「2.5D」を起動メニュー or ツールバー
3コントロールバー「高さ・奥行」に数値を入力テキストボックス
4矩形の各辺を左クリックして高さを設定(4辺すべて)作図ウィンドウ
5コントロールバー「透視図」「鳥瞰図」「アイソメ」のいずれかを左クリックコントロールバー
6必要に応じて「左/右/上/下/前/後」で視点調整コントロールバー
7「作図」ボタンで書込レイヤへ書出(または「DXF出力」で3Dデータ保存)コントロールバー

手順1: 平面図を用意

立体化したい底面を、矩形(四角形)として描いておきます。閉じた図形 であることが必須で、4辺すべてが線でつながっている必要があります。

手順2: 2.5Dコマンドを起動

メニューバー「その他」→「2.5D」、またはツールバー「その他(2)」の「2.5D」をクリックします。コントロールバーが2.5D用に切り替わります。

手順3: 高さ・奥行を入力

コントロールバー左側の 「高さ・奥行」 テキストボックスに、立体化したい高さの数値を mm 単位で入力します(例: 3000 = 3メートル)。

要確認: 「高さ・奥行」のテキストボックスのラベル文言と、数値の桁数上限・小数点の扱いは実機で確認します。

手順4: 辺を左クリックして高さを設定

矩形の1辺を左クリックすると、クリックした位置に近い側の端点に高さが設定 され、画面上にその数値が表示されます(s-projects解説)。

矩形の4頂点すべてに高さを与える必要があるため、4辺それぞれをクリックして高さを行き渡らせます。

Tips: すでに高さが設定されている線を 右クリック すると、その線の高さがコントロールバーの「高さ・奥行」に取得されます。複数の辺に同じ高さを与えたいときに、入力の手間を省ける小技です。

Tips: 高さが設定されている線を 左ダブルクリック すると、その線の高さが消去されます(s-projects解説)。やり直したいとき・高さを与えすぎたときに便利です。

手順5: 立体表示モードを選択

コントロールバーの 「透視図」「鳥瞰図」「アイソメ」 のいずれかを左クリックすると、立体図が画面上に 仮表示 され、コントロールバーが視点操作用に切り替わります。

手順6: 視点を調整

切り替わったコントロールバーで「左/右/上/下/前/後」のボタンをクリックして、見る角度を変えます(透視図・鳥瞰図は前後移動あり、アイソメ図は前後なし)。

ステータスバーに左右角度・上下位置・前後位置の数値が表示されるので、好みのアングルになるまで微調整します。

手順7: 結果を書出

アングルが決まったら、コントロールバーの「作図」ボタンを左クリックします。現在仮表示されているワイヤフレームの立体図が、書込レイヤに線データとして書き込まれます(s-projects解説)。

3Dデータとして外部CADに渡したい場合は、「DXF出力」ボタンを左クリックし、ファイル名を指定して保存します。

PERSCの推奨: 「作図」前に、書込レイヤを 平面図とは別のレイヤ(例: 1F) に切り替えておくのが定石です。立体図と平面図が同じレイヤに混ざると、後の修正・印刷で扱いにくくなります。


表示モードの違いと使い分け

透視図/鳥瞰図/アイソメ図の特徴

モード見え方視点操作軸主な用途
透視図視点から遠いほど小さく描かれる(パース付き)左右回転・上下位置・前後位置完成イメージのスケッチ、内観の説明図
鳥瞰図鳥が上空から斜め下を見たアングル(高所からのパース)左右回転・上下位置・前後位置配置計画図、街区スケッチ、外構プラン
アイソメ図等角投影。X・Y・Z軸が等しい角度(内角120°)左右角度・上下角度(前後なし)製造業の組立図、設備配管図、家具スケッチ

背景: アイソメ図は アイソメトリック図 の略で、X・Y・Zの3軸を画面上で等しい角度(120°ずつ)に配置する投影法です。マンションの完成予想図や家具メーカーの説明図でよく見かける表現で、物の寸法関係が直感的に把握しやすいことから、汎用性が最も高い表示モードです(kantancad解説)。

コントロールバーの設定項目(透視図・鳥瞰図)

立体仮表示後、透視図・鳥瞰図モードのコントロールバーに表示される項目です。

項目意味推奨値
回転角間隔, 移動間隔「左/右/上/下/前/後」ボタン1回あたりの変化量。カンマ区切り(例: 30,30大まかに見るときは 30,30、微調整は 5,5
左/右左右回転(右回転がプラス値)クリックするたび回転角間隔ずつ動く
上/下上下位置移動(上方向がプラス値)クリックするたび移動間隔ずつ動く
前/後前後移動(後方向=手前がマイナス値)前進=立体に近づく/後退=離れる
面固定チェックON: 投影面が固定で立体の大きさが変化しない/OFF: 視点距離に比例して大きさが変わる比較スケッチではON、近接ズームではOFF
初期値視点位置を初期値に戻す行き詰まったときのリセット
作図現在のワイヤフレームを書込レイヤに書込確定時に押す
DXF出力3Dデータとして DXF ファイル書出外部CAD連携時

背景: 「初期値」の中身は、左右角度が -45°、上下位置は 透視図が 2、鳥瞰図が「上下位置と同じ値」、前後位置は 用紙縦寸法の約2倍 に設定されます(s-projects解説)。極端に拡大/縮小して見失ったときの帰り道として覚えておくと安心です。

要確認: 初期値の数値(-45°/2/用紙縦寸法×2)は実機で確認します。

コントロールバーの設定項目(アイソメ図)

項目意味透視図・鳥瞰図との違い
回転角間隔, 移動間隔カンマ区切りで指定アイソメは上下も回転になるため 2つ目の数値(移動間隔)は無視
左/右左右回転角の変更透視図と同じ
上/下上下回転角の変更上下「位置」ではなく「角度」になる
前/後アイソメには 存在しない(前後移動なし)
等角左右回転角を 45°、上下回転角を 35.264° に自動設定アイソメ専用ボタン
0, 0左右・上下回転角を両方 にリセットアイソメ専用ボタン
作図 / DXF出力 / 面固定透視図と同じ

Tips: アイソメ図で 「等角」ボタンを押せば、教科書的な120°内角のアイソメ表示 が一発で得られます(s-projects解説)。手動で角度を合わせる必要はありません。

背景: アイソメ図の上下回転角 35.264° は、arctan(1/√2) = 35.2643897...° から来る数値で、3軸を等角にする数学的な設定値です。等角投影法の標準角度として工業製図で広く使われています。


派生パターン

パターンA: 直方体以外の図形を立体化する

矩形以外の閉じた図形(多角形・L字型・凹型など)も同じ手順で立体化できます。各辺をクリックして全頂点に高さを行き渡らせる 操作は同じで、図形が複雑になるほどクリック数が増えるだけです(s-projects解説)。

パターンB: 円・楕円から球体を作る

平面の円・楕円を球体として立体化したい場合は、コントロールバーの「高さ・奥行」テキストボックスに 0,0,0g と入力します(kantancad解説)。

入力例結果
3000(数値1つ)通常の押し出し(直方体・柱状体)
0,0,0g球体(円・楕円から)

入力後に円・楕円を左クリックで指定 → 「アイソメ」など立体モードを選択 → 「作図」、で球体ワイヤフレームが書込レイヤに残ります。

要確認: 0,0,0g の正確な書式(区切り文字・gの大文字小文字・末尾gの意味)は実機で確認します。

パターンC: 異なる高さを混在させる

矩形に対して、辺ごとに異なる高さを設定すると 片流れ屋根のような形状 が作れます。1辺だけ 3000、対辺は 5000 といった指定で、屋根勾配を立体化できます。

Tips: 同じ高さを連続して与える場合は、高さが設定済みの線を右クリックして数値取得 → 別の辺を左クリックで適用 の流れが速いです。

パターンD: 3DデータとしてDXF出力

「DXF出力」ボタンで保存した DXF ファイルは、3D情報を持つDXFとして書き出されます(s-projects解説)。SketchUp・AutoCAD・Rhinoceros 等の3D対応ソフトで開くと、立体として再編集可能です。

要確認: DXF出力時の DXF バージョン(R12 / 2000 等)と、面情報を含むか/線分のみかは実機で確認します。


実務での使い方 ★PERSC独自

場面1: 確認申請・打合せ用の意匠スケッチ

PERSC編集部の実務感覚として、2.5Dは 「3D-CADを立ち上げるほどでもないが、線画の立体スケッチが欲しい」 場面で重宝します。

場面3D-CADだと2.5Dだと
申請前のボリューム検討モデリング工数が大きい平面に高さを与えるだけで即座に立体化
クライアントとの打合せデータ受け渡しに環境依存Jw_cad図面に立体スケッチを同居できる
建具・什器の説明図部品ライブラリの整備が必要矩形+高さでアイソメ図に変換
求積補助の確認必要以上に高機能三斜分割した敷地のZ軸方向確認に十分

場面2: 設備配管・電気設備の経路説明

設備図(給排水・空調ダクト・電気配線)で「ここからここまでをX方向にこの高さで通す」という説明が必要な場面で、平面ルートに高さを与えてアイソメ図化すると、分岐位置・立上り・サドル位置 が一目で伝わります。施工者向けの簡易展開図としても使えます。

場面3: 家具・什器カタログ用のスケッチ

寸法が単純な家具(テーブル・棚・ベンチ)の説明図を、平面 → アイソメ図で書き起こすと、寸法関係を直感的に表現できる図 が得られます。製造業のカタログや、什器サンプル提案書でアイソメ図が好まれるのはこのためです。

PERSCの推奨: 「2.5Dは作図直後にDXF出力する/しないを決めるべき」というのが編集部の運用ルールです。書込レイヤに残す(=平面図と同居させる)ならJw_cad内で完結、外部の3Dソフトに渡すならDXF出力、という判断を最初に決めておくと、後工程の混乱を避けられます。

場面4: 鳥瞰図による配置計画の説明

複数棟の建物配置を提案する際に、平面図に各棟の高さを設定して鳥瞰図化すると、敷地全体を上空から眺めた配置スケッチ が作れます。アイソメ図より実物に近いパース感が出るため、地主・行政との折衝資料として活用できます。

商用CADとの位置づけ

PERSCの推奨: 2.5Dは 「ガチの3Dモデリングではないが、平面CAD作業の延長で立体表現が欲しい」 という、Jw_cadらしい絶妙な機能です。本格的なBIM/3D-CAD(Revit, ArchiCAD, SketchUp)と競合するものではなく、Jw_cadの平面作業フローを崩さず立体スケッチを差し込めるツール として位置づけるのが実務的です。最終納品が3Dデータ前提なら、最初から専門ソフトを選ぶほうが効率的です。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「透視図」「鳥瞰図」「アイソメ」を押しても立体表示にならない

→ 平面図の すべての頂点に高さが行き渡っていない 可能性が最も高い原因です。矩形の場合は4辺すべてをクリックする必要があります。1辺だけクリックして満足していると、対角の2頂点に高さがなく、立体表示が成立しません。

Q: 高さの数値を間違えた

→ 該当の辺を 左ダブルクリック すると高さがリセットされます(s-projects解説)。再入力後、もう一度左クリックでやり直してください。

Q: 別の辺と同じ高さを与えたい

→ 高さ設定済みの辺を 右クリック して数値を取得 → 適用したい辺を左クリック、の順番で操作すると、コントロールバーに数値を打ち直す手間を省けます。

Q: 「作図」を押す前に視点を変えたら元に戻せない

→ コントロールバーの 「初期値」ボタン を押すと、視点位置が初期値(左右-45°、上下位置と前後位置は透視図/鳥瞰図で異なる)に戻ります。アイソメ図では「0, 0」ボタンで両軸ともゼロにリセットします。

Q: アイソメ図で教科書的な等角投影にしたい

→ コントロールバーの 「等角」ボタン を1回押すだけで、左右45°・上下35.264°(X・Y・Z軸の内角120°)の標準アイソメ図が得られます。手動で角度入力する必要はありません。

Q: 円を立体化したいのに直方体になる

→ 円・楕円を 球体 にしたい場合は、高さ・奥行に 0,0,0g と入力します(kantancad解説)。通常の数値(例: 3000)を入れると円柱状の押し出しになり、球体にはなりません。

Q: 「作図」した立体図が平面図と同じレイヤに乗ってしまう

→ 2.5Dの「作図」は その時点の書込レイヤ に書き込まれる仕様です。立体スケッチ専用レイヤ(例: 「立体」「1F-3D」など)に切り替えてから「作図」を押すと、平面図と分離管理できます。

Q: DXF出力した3Dデータを別CADで開いたら平面に潰れている

→ 受け取り側のCADが 3D DXFに対応していない か、表示モードが平面ビューになっている可能性があります。SketchUp・AutoCAD・Rhinoceros 等の3D対応ソフトで「等角ビュー」「3Dビュー」に切り替えると立体として表示されます。

Q: 視点操作で立体図がどんどん小さくなって見失う

→ 「面固定」のチェックを ON にすると、視点位置を変えても立体の大きさが固定されます(s-projects解説)。チェックOFFのままだと、視点距離に比例して立体サイズが変わるため、見失いやすくなります。比較スケッチを撮るときは面固定ONが安全です。

Q: 高さを設定した線が平面図に戻ったとき見た目で分からない

→ 2.5Dの高さは 線属性として保持される裏側の数値 で、通常の平面表示では見えません。確認したい場合は、再度2.5Dコマンドを起動して該当の線を 右クリック すると、設定済みの高さがコントロールバーに表示されます。

Q: 用紙サイズに対して立体図が大きすぎる/小さすぎる

→ 「面固定」を OFF にした上で、「前」「後」ボタンで視点距離を調整すると、立体のサイズが連動して変わります。逆に「面固定」ONのときは前後移動しても大きさが変わらないため、見える範囲を変えたいときはこの違いを使い分けます。

Q: 三斜面積計算と組み合わせて使いたい

→ 2.5Dは「立体スケッチ」、三斜面積は「平面の面積計算」と役割が違います。敷地求積は面積計測式計算 を、立体的な確認は2.5Dを使う、という棲み分けで運用してください。


関連項目


まとめ

  • 2.5Dは 平面図に高さ情報を与えてワイヤフレーム立体図を生成 するJw_cadの擬似3D機能
  • 表示モードは 透視図/鳥瞰図/アイソメ図 の3種類で、用途に応じて選ぶ
  • 操作は 「高さ入力 → 各辺をクリックして高さ設定 → 表示モード選択 → 視点調整 → 作図 or DXF出力」 の5ステップ
  • 球体は 0,0,0g 指定で円・楕円から作れる小技あり
  • 最終出力は 書込レイヤへの線画 または 3D DXFファイル の2択。最初に決めておくと運用が崩れない
  • 本格的な3D-CADの代替ではなく、Jw_cad内で完結する立体スケッチ用途 に向く機能