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未検証

線種の使い分け(実線・破線・一点鎖線・二点鎖線)

このページでできるようになること

Jw_cadで作図するときに「この要素は何の線種で描くか」を、図面慣習・JIS製図規約・建築実務の3つの観点から判断できるようになります。実線(線種1)・点線/破線(線種2〜4)・一点鎖線(線種5・6)・二点鎖線(線種7・8)・補助線種・ランダム線という、Jw_cad標準の 線種9系統 をどう使い分けるかの基準を整理し、住宅・RC造・設備それぞれの実務シーンで「迷わず線種を選べる」状態に到達することを目指します。

背景: 図面における線種の使い分けは、CADソフト固有のルールではなく JIS A 0150(建築製図通則) をはじめとした製図規約に由来する共通慣習です。Jw_cadはこの慣習に沿って線種1〜8を初期定義しており、「線種5は一点鎖線」「線種7は二点鎖線」といった割り当てを変えずに使うのが業界標準になっています。線種ダイアログでの操作そのものは 線属性設定(書込み線色・線種) で扱うため、この記事は 「どの線種を何に使うか」 に絞って解説します。


Jw_cad標準線種の全体像

Jw_cadの線種は、線属性ダイアログ上で 線種1〜8 + 補助線種 + ランダム線1〜5 の14系統が選択できるよう設計されています。建築製図で日常的に使うのは前半の 線種1〜8 と補助線種 の9系統で、ランダム線は地形図・等高線などの限定用途です。

番号デフォルト線種名線パターンの見え方主な用途カテゴリ
線種1実線切れ目のない一本線見え線・外形線・寸法線
線種2点線1細かいドット状隠れ線(細密表現)
線種3点線2中程度の点線隠れ線(標準)
線種4点線3やや大きめの点線隠れ線(粗・遠景)
線種5一点鎖線1長線とドットが交互中心線・通り芯(細)
線種6一点鎖線2長線とドットが交互(粗)中心線・通り芯(太・主基準線)
線種7二点鎖線1長線とドット2つが交互想像線・隣地境界(細)
線種8二点鎖線2長線とドット2つが交互(粗)想像線・隣地境界(太)
補助線種印刷されない線種画面では表示・印刷で出ない下書き・作図補助・一時マーカー
ランダム線1〜5上下に振れる線手描き風・揺らぎあり地形図・等高線・自然物表現

要確認: 線種2〜4 のラベルが「点線1/点線2/点線3」か「破線」表記になっているかは現行バージョンの線属性ダイアログで確認します。建築実務では「線種2〜4 = 破線(隠れ線)」として扱うのが慣例ですが、Jw_cad内部のラベルは「点線」表記の場合があります。

背景: 「破線」と「点線」は厳密には別物で、JIS規格では 破線 = 短い実線が一定間隔で並ぶ線点線 = ドット(点)が並ぶ線 と分けています。Jw_cadの線種2〜4 はソフト上では「点線1/2/3」とラベル付けされているものの、ピッチ次第で破線とも点線とも見えるため、建築実務では 「隠れ線用の途切れ線」 として一括して扱う運用が多くあります。


実線(線種1)の使い分け

実線は 「実際に存在し、見えている輪郭・要素」 を描くための基本線種です。図面の主役となるすべての見え線は線種1で描きます。

実線で描くもの

図面種類実線で描く要素
平面図壁の輪郭・柱・建具の見え部分・階段踏面・床仕上げ境界
立面図外壁面・屋根面・建具枠・庇・バルコニー手すりの見え部分
断面図切断面の輪郭(壁・床・屋根の切断線)・見えがかりの輪郭
配置図建物外形・道路境界の見え部分・舗装の境界
詳細図部材断面・取合い部の輪郭・仕上げ材の表面

実線の太さで強弱をつける

実線は 線色(=印刷時の太さ)と組み合わせて強弱をつける のがポイントです。線種は1のままで、線色2〜4を切り替えることで、太い実線(外形線)と細い実線(寸法線)を描き分けます。

用途線種線色(一例)印刷時の太さ目安
外形線(壁・柱の輪郭)線種1線色3(太)0.25〜0.35mm
中間の見え線(建具枠等)線種1線色4(中)0.18〜0.25mm
寸法線・引出線線種1線色1(細)0.13〜0.18mm
仕上げ線・ハッチング線種1線色6(極細)0.09〜0.13mm

PERSCの推奨: 「実線 = 線色を切り替えて太さを表現鎖線・破線 = 線種を切り替えて意味を表現」という二段構えで考えると、線属性の選び方が体系化されます。実線で線種を変えることは原則ありません。実線の中での太さ違いはすべて線色側で表現します。線色運用の詳細は線色運用ルール を参照してください。


破線・点線(線種2〜4)の使い分け

線種2〜4は 「隠れて見えないが、そこに存在する要素」 を描くための線種です。建築実務では 「隠れ線」 として一括で扱います。

隠れ線で描くもの

図面種類隠れ線で描く要素
平面図上階の梁・天井に隠れる構造体・収納内の棚・床下のピット
立面図軒裏の隠れる構造・基礎の地中部分・隠れる窓枠
断面図切断面の奥側に見える要素(手前の壁の向こうの建具等)
設備図床下配管・天井裏ダクト・隠蔽配線

線種2/3/4 の使い分け基準

3種類ある「点線」をどう使い分けるかは、図面の縮尺と隠れ線の重要度 で判断します。

線種推奨用途縮尺の目安
線種2(点線1・細密)詳細図の隠れ線、複雑な小要素1/30、1/20 以下の詳細図
線種3(点線2・標準)平面図・立面図の標準的な隠れ線1/100、1/50
線種4(点線3・粗)配置図・大まかな隠れ要素、遠景の構造体1/200 以上

Tips: 縮尺が小さい図面(1/200の配置図など)で線種2の細密点線を使うと、印刷時に ピッチが詰まりすぎて実線に見えてしまう ことがあります。縮尺と線種ピッチの関係を意識して、見えやすい線種を選びましょう。線種パターンそのもののピッチ調整は基本設定 線種 タブ で行えます。

注意: 隠れ線の本数が多すぎると図面が読みづらくなります。「描かなくても伝わる隠れ要素は省略する」 のが実務の鉄則です。たとえば住宅平面図で1階の床下配管をすべて点線で描くと過密になるため、配管系統は別途設備図を切る運用にして平面図ではあえて省きます。


一点鎖線(線種5・6)の使い分け

一点鎖線は 「中心線・基準線・基準位置」 を表す専用線種です。建築実務でもっとも使用頻度が高いのは 通り芯 で、一点鎖線=通り芯という対応はほぼ業界共通です。

一点鎖線で描くもの

用途内容推奨線種
通り芯(X1・X2・Y1・Y2 等)建物の柱位置を示す基準線線種5(一点鎖線1・細) または 線種6(一点鎖線2・主基準線)
中心線円柱・配管・建具・対称軸の中心線種5(一点鎖線1)
切断線(断面位置)平面図上で「ここで断面を切る」表示線種5+矢印 または 線種6+矢印
基準高さ線(GL・FL・天井高)立面図・断面図で示す高さ基準線種5(一点鎖線1)
軸線・対称線建具・設備の左右対称軸線種5(一点鎖線1)

線種5 と 線種6 の使い分け

Jw_cad標準では一点鎖線が 2種類(線種5・線種6)あります。線種5は細めの一点鎖線、線種6は太めまたはピッチが粗い一点鎖線で、用途で使い分けます。

線種想定用途線色との組み合わせ例
線種5(一点鎖線1)中心線全般・通り芯(標準)線色2(中線)
線種6(一点鎖線2)主要通り芯・基準軸(強調表示したい場合)線色3(太線)

PERSCの推奨: 通り芯の標準セットは「線色2+線種5」を推奨します。これは線属性ダイアログの「Z」キー一発呼び出しからも素早く設定でき、印刷時には細い一点鎖線として落ち着いた見え方になります。主要な基準軸(建物の主要グリッド)だけ線種6+線色3で強調する事務所もあります。

背景: 通り芯に一点鎖線を使う慣習は、大正期以降の日本の建築製図で定着したもので、JIS A 0150(建築製図通則)でも「中心線・基準線・対称軸線」に一点鎖線を割り当てると規定されています。AutoCAD・Vectorworks など他CADでも同じ慣習が引き継がれており、国内・海外問わず一点鎖線=中心線・基準線 という認識は共通です。


二点鎖線(線種7・8)の使い分け

二点鎖線は 「実在しないが、図面上で示しておきたい要素」 を表す線種です。代表的な用途は隣地境界線と想像線で、住宅・配置図でほぼ必ず登場します。

二点鎖線で描くもの

用途内容推奨線種
隣地境界線配置図・敷地求積図の敷地境界線種7(二点鎖線1)
道路境界線敷地と道路の境界線種7(二点鎖線1)
想像線(撤去予定)改修前の壁・柱で、撤去する要素線種7(二点鎖線1)
想像線(将来計画)増築予定・将来配置の建具や家具線種7(二点鎖線1)
可動部の動作軌跡ドアの開閉軌跡・建具の振れ範囲線種7(二点鎖線1)
仮設物の輪郭仮囲い・足場・施工中の仮設物線種7(二点鎖線1)

線種7 と 線種8 の使い分け

線種想定用途
線種7(二点鎖線1)想像線・隣地境界全般(標準)
線種8(二点鎖線2)強調したい想像線・主要敷地境界(粗ピッチで目立たせる)

背景: 「想像線」は英語の "phantom line" の訳で、「現実にはそこに存在しないが、図面情報として伝えたいもの」 をすべて含む概念です。撤去予定の壁・将来増築計画・ドアの開閉軌跡・隣地境界線・既製品家具の配置例示など、用途は幅広く、すべて二点鎖線で表現します。

Tips: ドアの開閉軌跡を二点鎖線で描く場合は、線種7+線色1(細線) で薄く描くと、本体図と干渉せず軌跡だけ伝わる見た目になります。建具配置の検討段階では特に役立つ表現です。


補助線種の使い分け

補助線種は 「画面には見えるが、印刷されない」 という他の線種にはない特性を持ちます。下書き・作図補助・一時的な目印として使い、清書時に消し忘れても印刷物には出ないため安心して残せます。

補助線種で描くもの

用途補助線種を使う理由
構図検討用の補助線通り芯前の仮グリッド・配置検討の枠線
寸法基準のための一時線寸法を測るための仮の基準線
メモ・指示書きの引出し線印刷時には不要な作図中メモ
図面の整列確認線表題欄・図面枠の位置決め用

補助線種と補助線色の違い

Jw_cadには「補助線種」と「補助線色」という似た2つがあります。

区分印刷の有無画面表示
補助線種(線種選択側)印刷されない通常の線色のまま画面表示
補助線色(線色選択側)印刷されない専用の薄い色(黄緑系)で画面表示

PERSCの推奨: 「画面でも目立たない方がいい補助線」なら 補助線色 を選択します。「画面では通常の見え方で残したい補助線」なら 補助線種 を選択します。両者の併用も可能で、「補助線色+補助線種」にすればさらに目立たない扱いになります。詳しくは線属性設定(書込み線色・線種) を参照してください。

注意: SXF対応拡張線色・線種モードでは補助線種が「補助線」という別名のSXF線種に変換される場合があります。電子納品案件では補助線種の取扱いに注意し、最終的にSFC形式で書き出した結果を必ず別ソフトでも開いて見え方を確認します。


ランダム線(ランダム線1〜5)の使い分け

ランダム線は線が上下に振れて作図される特殊線種で、手描き風の揺らぎ表現地形図の自然物表現 に使います。

ランダム線で描くもの

用途想定線種
等高線(地形図)ランダム線1〜2(細・中)
樹木の輪郭・植栽範囲ランダム線2〜3
既存擁壁・斜面の表現ランダム線3〜4
ラフスケッチ・プレゼン図の手描き感ランダム線4〜5

Tips: ランダム線は印刷した時の見え方が画面とは大きく異なる場合があります。配置図・敷地図に多用する場合は、事前に1度プリントして確認 する習慣をつけましょう。振幅・ピッチは基本設定 線種 タブ で個別に調整できます。

背景: ランダム線は地形図・造園図など「自然物・有機的な形を含む図面」を描く際に使います。建築の意匠図・施工図では使用頻度が低めですが、配置図で植栽や敷地周辺地形を表現する際には便利です。


JIS A 0150 における線種の規定(要点)

建築製図の線種ルールは JIS A 0150(建築製図通則) に定められています。要点を抜粋すると次のようになります。

線の種類JIS規定の主な用途
太い実線外形線(見え部分の輪郭)
細い実線寸法線・引出線・ハッチング・破断線
太い破線隠れ線(重要なもの)
細い破線隠れ線(一般的なもの)
細い一点鎖線中心線・基準線・対称軸線
太い一点鎖線切断線・断面の方向
細い二点鎖線想像線・敷地境界線・図示する物体の前にある物の輪郭

Jw_cadの線種は このJIS規定にほぼ対応する形で線種1〜8が割り当てられています。線色を組み合わせて「太い/細い」を表現する設計で、線種番号 × 線色番号 の組み合わせで実務の図面慣習を網羅できます。

Tips: JIS A 0150 全体の体系的な解説はJIS A 0150(建築製図通則)の全体像 を参照してください。線種だけでなく文字サイズ・図面枠・縮尺等の包括規約が定められています。

背景: JIS A 0150 の現行版(2008年以降)は 「建築製図に共通する基本事項」 を定めるもので、強制力はありませんが官公庁案件・大手設計事務所案件ではほぼ準拠が前提です。住宅・小規模物件では事務所内ローカルルールがJIS規定と微妙にずれることがあるため、案件によって基準を切り替える運用が現実的です。


実務での使い方 ★PERSC独自

使い方1: 木造住宅平面図の線種運用パターン

戸建て住宅の平面図を描き始める前に、先に線種ごとの作図順序 を決めておくと迷いません。PERSCの標準は次の順序です。

順序描く要素線種線色
1通り芯(X方向・Y方向)線種5(一点鎖線1)線色2
2柱(実線で輪郭・補助線色で内側塗り)線種1(実線)線色3
3壁(2線コマンドで内壁・外壁)線種1(実線)線色3
4建具(建平で配置)線種1(実線)線色4
5階段・床仕上げ境界線種1(実線)線色4
6上階の梁・隠れる構造体線種3(点線2)線色4
7ドア開閉軌跡(想像線)線種7(二点鎖線1)線色1
8寸法線・引出線線種1(実線)線色1
9室名・寸法値(文字)

この順序なら、線属性ダイアログを開く回数を最小化 できます。1の通り芯から2の柱に進むときに「線種5→線種1、線色2→線色3」と一括切替するだけで、その後は線種1のまま線色だけを切り替える流れになります。詳しい平面図ワークフローは平面図の描き方 ※準備中 を参照してください。

使い方2: RC造詳細図での線種運用パターン

鉄筋コンクリート造の詳細図(1/30〜1/20)では、線種の細密ピッチが特に重要 になります。詳細図ならではの線種運用は次のとおりです。

描く要素線種線色補足
コンクリート切断面の輪郭線種1(実線)線色3太い実線で強調
鉄筋(主筋)線種1(実線)線色4中程度の太さ
かぶり厚さ・型枠位置(中心線)線種5(一点鎖線1)線色1細い一点鎖線
切断面の奥にある鉄筋(隠れる部分)線種2(点線1・細密)線色11/30以下では線種2を採用
仕上げ材・防水層の境界線種1(実線)線色6(極細)ハッチングと併用
想像線(仮設・施工途中の状態)線種7(二点鎖線1)線色1仮設用

詳細図では 線種2(点線1・細密)の出番が増える のがポイントです。1/100の平面図では線種3が標準でしたが、詳細スケールでは線種3だとピッチが粗すぎて隠れ線として見えにくくなります。スケールに応じて線種を切り替える判断が、詳細図品質の決め手です。

使い方3: 設備図での線種運用パターン(系統別の使い分け)

電気・給排水・空調の設備図では、設備系統ごとに線種を変えて区別 する運用が有効です。意匠図と重ねたときに「これは電気配線」「これは給水管」と一目で分かります。

設備系統推奨線種推奨線色
電気配線(隠蔽)線種3(点線2)線色5(黄系)
給水管線種1(実線)線色4(青系)
排水管線種5(一点鎖線1)線色3(緑系)
給湯管線種3(点線2)線色8(マゼンタ系)
換気ダクト(天井裏)線種4(点線3・粗)線色6(オレンジ系)
機器の中心軸線種5(一点鎖線1)線色2

PERSCの推奨: 設備図では 線種よりも線色で系統を分ける のが見やすさの基本です。ただし、給水・排水・給湯のように「色は青・緑・マゼンタで分けつつ、隠蔽配管かどうかで線種も変える」という二段階の分け方をすると、配管経路と隠蔽部位を同時に伝えられて表現力が増します。

使い方4: 配置図での線種運用パターン(敷地・建物・想像物)

配置図は「敷地(実線)+建物(実線)+境界(二点鎖線)+想像物(二点鎖線)」と要素が多くなりがちです。線種運用を整理すると以下になります。

描く要素線種線色補足
建物外形線種1(実線)線色3太線で強調
道路の見え線線種1(実線)線色4中線
敷地境界線線種7(二点鎖線1)線色2想像線扱い
隣地境界線線種7(二点鎖線1)線色3強調するため太線
建物の通り芯(参考表示)線種5(一点鎖線1)線色2配置位置の基準として
既存建物(解体前提)線種7(二点鎖線1)線色1想像線(取り壊し)
計画駐車場・植栽線種1(実線)線色4
GL高低差・等高線ランダム線2線色6必要に応じて

Tips: 配置図では 境界線の二点鎖線が他の線と混同されやすい ため、線色を明確に分けます。隣地境界は線色3(太・赤系)、建物想像線は線色1(細・薄色)と差をつけると、見間違いを防げます。

使い方5: 改修案件・リノベーション案件での線種運用

既存住宅の改修・リノベーションでは、「既存・残す・撤去・新設」の4分類 を線種で明示する運用が有効です。

区分線種線色表現
既存(そのまま残す)線種1(実線)線色1(細)薄く実線で表示
撤去する要素線種7(二点鎖線1)線色1想像線(撤去済の意)
新設する要素線種1(実線)線色3(太)通常の実線で強調
新設の隠れ部分線種3(点線2)線色3隠れ線

この4色分け(薄い実線・想像線・太い実線・隠れ線)を徹底すると、施主・施工者・確認申請の担当者が 「どこを変えるのか」を直感的に理解 できます。改修工事の説明資料としても使い回しやすくなります。

使い方6: 「迷ったら一点鎖線」の判断基準

実務で「この線、どの線種で描けばいいんだろう」と迷う場面があります。判断に迷ったときの簡易フローを共有します。

そこに実際に「物」が見えているか?
├── Yes → 実線(線種1)
└── No
    ├── 物はあるが隠れて見えない → 破線・点線(線種2〜4)
    ├── 物の中心や基準を示したい → 一点鎖線(線種5・6)
    └── 物がそこにない(想像・境界・軌跡) → 二点鎖線(線種7・8)

このフローで90%以上の場面は判断できます。残りの特殊ケース(地形・植栽・手描き表現)はランダム線、印刷したくない補助は補助線種・補助線色、という補完を覚えておくと迷いがなくなります。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 通り芯を一点鎖線で描いたつもりなのに、印刷すると実線に見える

→ 縮尺と線種ピッチの不一致が原因のことがあります。1/100の図面で線種5(一点鎖線1)を使って通り芯を描いた場合、デフォルトのピッチでは長さの短い通り芯が 1〜2回しか鎖を切らずに実線のように見える ことがあります。対処法は2つあります。

  1. 線種6(一点鎖線2・粗ピッチ) に切り替えて、ピッチを大きく見せる
  2. 基本設定 線種 タブ で線種5自体のピッチを縮尺に合わせて調整する

通り芯の長さが短い住宅平面図ほど起きやすい現象です。最初の1図面を試し印刷してから、ピッチを決めるのがおすすめです。

Q: 隠れ線(破線・点線)が画面では見えるのに印刷すると実線になる

→ 線種ではなく 線色側の問題 であることが多いです。線色が「補助線色」になっていると線種に関係なく印刷されません。逆に、線色のRGB値が極端に薄い色だと印刷時にかすれて実線のように見えることもあります。線属性ダイアログで線色を確認し、必要なら基本設定 色・画面 タブ で線色のRGB値・線幅を見直します。

Q: 一点鎖線と二点鎖線の見分けがつかない

→ Jw_cad画面上では 線種5・6(一点鎖線)は「長線・点・長線・点」線種7・8(二点鎖線)は「長線・点・点・長線・点・点」 と並びの違いで見分けます。デフォルトのピッチでは違いが小さいため、線種タブで両者のピッチに差をつけておくと見分けやすくなります。

Q: 想像線として何を二点鎖線で描けばいいか分からない

→ 「想像線 = 実在しないが図面に表現したいもの」と覚えるのが早いです。具体的には次のいずれかに該当すれば二点鎖線です。

  • これから撤去する壁・建具
  • 将来計画されている増築部分
  • 仮設物・施工中の足場
  • ドアの開閉軌跡
  • 隣地境界線・道路境界線
  • 既製家具の配置例(カタログ参考配置)

「実在しない」「未来の話」「境界・軌跡」の3キーワードに該当すれば、ほぼ二点鎖線で描けます。

Q: 線種を間違えて描いてしまった既存の線をまとめて変えたい

→ 属性変更(線種・文字種変更) ※準備中 を使って、範囲選択した線の線種を一括変更できます。線属性ダイアログで書込み線種を変えるのは「これから描く線」だけに効くため、すでに描かれた線の修正には属性変更コマンドを使います。

Q: 補助線種で描いたつもりが印刷時に出てきてしまった

→ 線種の番号を見直してください。線種9番(補助線種)で描いたつもりが、線種1〜8のどれかで描かれていた、という勘違いがよくあります。属性取得コマンドを使って既存の補助線をクリックすると書込み線属性が補助線種にセットされ、その後に描く線が確実に補助線種になります。詳しくは属性取得 を参照してください。

Q: 設備図でどの線種を使えばいいかルールが定まっていない

→ 設備系統が3〜4種類以上ある場合は、事務所内で「電気=線種3+線色5」「給水=線種1+線色4」のような対応表を作って共有 するのが現実的です。線種・線色のテンプレートをファイルとして配布し、新規プロジェクトはそのテンプレートから始める運用にすると、属人化を防げます。

Q: 電子納品案件でJIS規定の線種が正しく出力されない

→ SXF対応拡張線色・線種モードに切り替えていない可能性があります。電子納品で使う線種は SXF規格準拠 が必要なので、線属性ダイアログ上部の「SXF対応拡張線色・線種」チェックをONにしてから線種を選びます。詳しくはSXF対応の線色・線種設定 を参照してください。

Q: ランダム線の振幅が想定と違う

→ ランダム線1〜5 のデフォルト振幅・ピッチは基本設定 線種 タブ で確認できます。地形図など振幅を強調したい用途では、ランダム線4〜5を選ぶか、線種タブで振幅値を上げます。


関連項目


まとめ

  • Jw_cad標準線種は 線種1〜8 + 補助線種 + ランダム線1〜5 の14系統。建築実務では前半9系統が中心
  • 実線(線種1)= 見え線・輪郭・寸法線。太さは線色側で表現し、線種は1のまま固定が原則
  • 破線・点線(線種2〜4)= 隠れ線。縮尺で線種2/3/4を使い分け(詳細→2、標準→3、配置図→4)
  • 一点鎖線(線種5・6)= 中心線・通り芯・基準線。標準セットは「線色2+線種5」
  • 二点鎖線(線種7・8)= 想像線・敷地境界・隣地境界・撤去予定・将来計画
  • 補助線種 = 印刷されない補助線。下書き・一時的な目印に使う
  • ランダム線1〜5 = 地形・等高線・手描き表現
  • 「迷ったら一点鎖線」のフローで線種選択は90%以上判断できる
  • JIS A 0150(建築製図通則)に沿った慣習で、CADソフトを問わず共通