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未検証

仮点を消去できない(消去コマンドで消えない)

このページで解決できること

通常の【消去】コマンドで仮点をクリックしても何も起こらない、図面に残ったままの仮点が邪魔で困っている、印刷直前にまとめて消したい、といった「仮点が消せない」系のトラブルを解決できるようになります。仮点を消すには【点】コマンド側の専用サブモード(仮点消去・全仮点消去)を使う必要があり、レイヤをまたいで一括処理する手順や、印刷前のクリーンアップ運用までまとめて整理しています。


こんな症状でお困りの方へ

  • 【消去】コマンドで仮点をクリックしても何も起こらない
  • 範囲選択して【消去】しても、選択範囲内の仮点だけが残ってしまう
  • 図面に大量の仮点が散らばっていて、1つずつ消すのが面倒
  • 別レイヤに置いた仮点が「全仮点消去」しても残る
  • 印刷直前に図面をきれいにしたい

背景: 仮点(実点と異なり中抜きの丸印で表示される作図補助点)は、Jw_cad の中で「印刷されない」「複写・移動できない」「通常の消去コマンドでは消えない」という特別扱いの要素です。設計途中の補助点として気軽に置けるよう仕様化されている反面、「消そうとして消せない」という入口で詰まりやすい代表的なポイントになっています。


主な原因

#原因起きる場面
1仮点は通常の【消去】コマンドの対象外という仕様を知らない初めて仮点を作図したあと
2仮点と実点(塗りつぶしの丸印)を見間違えている「実点を指定半径で画面に描画」をONにして仮点と実点が同じくらいの大きさに見えるとき
3別のレイヤに仮点が残っている「全仮点消去」を試したが、編集対象外レイヤの仮点には効かなかったとき
4プロテクトレイヤ(編集禁止状態)に仮点が置かれている共有図面で他者が保護をかけたレイヤに仮点が混入していたとき
5仮点ではなく「点状の他要素」が残っている短い線分・小さな円・寸法端点マーカー等を仮点と誤認しているとき

背景: 仮点が通常の消去コマンドで消えないのは、設計補助情報を不用意に巻き込んで消してしまわないための安全設計です。範囲選択で線をまとめて消したとき、補助の仮点まで一緒に消えてしまわないようになっています。代わりに、仮点だけをまとめて処理する専用モードが【点】コマンド側に用意されています。


対処方法

注意: 削除・初期化・解除(全仮点消去含む)を行う前に、必ず以下の 3 ステップ安全手順 を踏んでください:

  1. コピー退避: 対象 .jww を別名でコピーバックアップ(例: 案件A.jww案件A_backup_2026-05-08.jww
  2. 検証: バックアップを別場所に置いた状態で、対象レイヤと作成者(共有図面か自分の単独図面か)を確認します
  3. 対処: 上記2ステップを踏んだ上で、本記事の対処を実行

「全仮点消去」は確認ダイアログなしで全件削除されるため、原本に対して直接実行すると、他作業者が残した位置決め用の補助点まで消える 永続的な事故 につながります。共有図面では特に注意してください。

対処1: 個別に消す【仮点消去】を使う

特定の仮点だけを残しておきたい場合は、【点】コマンドの【仮点消去】サブモードで1つずつ消します。

手順

  1. メニューバー「作図」→「」を選択します(またはツールバーの「」アイコンをクリック)
  2. コントロールバーに表示される「仮点消去」ボタンをクリックします
  3. 消去したい仮点をクリックします(左クリック・右クリックのどちらでも消去できます)
  4. 続けて別の仮点をクリックすれば、次々に消去できます
  5. 別のコマンドに切り替えるか、コントロールバーで別のサブモードを選ぶと、仮点消去モードを抜けます

Tips: この【仮点消去】モードでは、左クリック(任意点)と右クリック(読取点)が同じ動作になります。通常の作図コマンドと違って「読み取り」の概念が無く、近くの仮点が消去対象になります。クリック位置に仮点が無いと無反応で、誤って線や他の要素が消えることはありません。


対処2: 一括で消す【全仮点消去】を使う

図面を仕上げて印刷する直前など、画面上の仮点をまとめて片付けたい場合は【全仮点消去】を使うと一度で片付きます。

手順

  1. メニューバー「作図」→「」を選択します
  2. コントロールバーの「全仮点消去」ボタンをクリックします
  3. 編集可能なレイヤにある仮点が一度に消去されます

注意: 「全仮点消去」は確認ダイアログが出ずに即座に実行されます。誤って実行してしまった場合は、すぐに Ctrl + Z(戻る)で復元しましょう。複数の操作を経た後だと戻し切れなくなる場合があるため、印刷前のチェックは「保存→全仮点消去→印刷」の順を習慣にしておくと安全です。

要確認: 参考サイト間で「全仮点消去は編集可能レイヤのすべての仮点が対象」「画面に表示されている仮点のみが対象」と記述が分かれています。実機で「非表示レイヤ」「表示のみレイヤ」「編集可能レイヤ」をそれぞれ作って仮点を置き、どの状態が消去対象になるかを確定させましょう。


対処3: 別レイヤに残る仮点をレイヤ別に消す

「全仮点消去を実行したのに仮点が残っている」場合、対象レイヤが書込レイヤまたは編集可能レイヤになっていない可能性が高いです。レイヤごとに編集可能状態を切り替えてから、もう一度【全仮点消去】を実行します。

手順

  1. レイヤバー(画面右下のレイヤ番号一覧)で、消したい仮点があるレイヤを確認します
  2. 仮点が残っているレイヤを右クリックして書込レイヤに切り替えます
  3. 他のレイヤも【1】(編集可能)状態にしておきます
  4. 【点】コマンド →「全仮点消去」をクリックします
  5. 残っていた仮点も消去されます

Tips: どのレイヤに仮点が残っているか分からない場合は、レイヤを1枚ずつ「表示のみ」と「編集可能」を切り替えながら確認すると特定しやすくなります。レイヤの状態切替は レイヤの状態切替(書込/編集可能/表示のみ/非表示) で詳しく扱っています。


対処4: プロテクトレイヤを解除してから消す

書込・編集禁止状態(プロテクトレイヤ)に置かれた仮点は、【全仮点消去】の対象外になります。共有図面で他者が保護をかけている場合に起きがちなパターンです。

手順

  1. レイヤバーで対象レイヤを確認します(プロテクト状態のレイヤは番号にカギマークなどの印が付きます)
  2. メニューバー「設定」→「レイヤ」でレイヤ一覧ダイアログを開きます
  3. 該当レイヤの保護設定を一時的に解除します
  4. 編集可能な状態に変更してから【点】コマンド →「全仮点消去」を実行します
  5. 作業完了後、必要に応じて元の保護状態に戻します

注意: 共有図面のレイヤ保護を勝手に外して仮点を消すと、他のメンバーの意図的な補助点まで消してしまう可能性があります。複数人で扱っている図面では、仮点を消す前に作成者に一声かけるのが安全です。


対処5: 仮点ではなく実点や他要素だった場合

「消去コマンドが効かない」と思っていた点が、実は仮点ではなく実点短い線分だった、という見間違いも珍しくありません。

確認方法

  • 仮点: 中抜きの丸印(輪郭線のみ)
  • 実点: 塗りつぶしの丸印
  • 寸法端点マーカー: 寸法線とセットで動く小さな印
  • 短線分: 拡大すると線の両端が見える

対処

  • 実点なら通常の【消去】コマンドでクリックすれば消えます
  • 寸法端点マーカーは寸法線そのものを消去すれば一緒に消えます
  • 短線分は【消去】コマンドで線分として処理します

Tips: 「実点を指定半径で画面に描画」(基本設定 →【色・画面】タブ)をONにしていると、実点が大きく描画され、仮点と紛らわしくなります。判別に迷ったら一時的にこの設定をOFFにすると、実点が標準サイズに戻り、仮点との区別がつきやすくなります。


予防策・再発防止 ★PERSC独自

仮点の消去で困らないために、PERSC編集部が普段から実践している運用ルールを紹介します。仮点は便利な作図補助ですが、後始末を仕組み化しておかないと、図面の見た目も印刷チェックも煩雑になります。

1. 仮点専用レイヤを1枚決めておく

仮点をどのレイヤにも自由に置いてしまうと、消去時に「どこに残っているか分からない」状態になります。作図補助用に仮点専用レイヤ(例: レイヤ「F」)を1枚決めて、仮点はそこにだけ作図する運用にすると、印刷直前に「Fレイヤを書込レイヤにして全仮点消去→Fレイヤを非表示」だけで片付きます。

レイヤ番号の整理方法は レイヤ整理術(建築実務向け) を参照してください。

2. 印刷直前のクリーンアップを定型化する

印刷時に仮点は出力されないため、残ったままでも実害はありません。ただし、印刷プレビューで仮点が画面に見えていると、レビュー時に「この点は何?」と聞かれて時間を取られます。印刷前の定型作業として「全仮点消去 → プレビュー確認 → 印刷」の3ステップを毎回踏むようにすると、第三者レビューが格段にスムーズになります。

PERSCの推奨: 印刷直前に「全仮点消去」を実行する前に、必ず一度上書き保存しておきましょう。誤って必要な仮点まで消してしまっても、保存ファイルから戻せます。

3. 「消したくない仮点」は実点に格上げしておく

設計の意図として残しておきたい補助点(例: 通り芯の交点、設備の取付位置)は、仮点ではなく実点で作図するか、点でなく短い十字線などで残すと、後から一括消去で誤って消える事故を防げます。仮点はあくまで「あとで消す前提の作業中マーカー」と位置づけるのが安全です。


つまずきポイント・補足 ★PERSC独自

Q: 「全仮点消去」を押したのに何も変わらない

→ 書込レイヤと編集可能レイヤに仮点が無く、別の状態のレイヤ(表示のみ/非表示/プロテクト)にだけ仮点が残っている可能性があります。対処3または対処4を試してください。レイヤ状態の見方は レイヤの状態切替 を参照してください。

Q: 仮点を消したらつい必要な仮点まで消えてしまった

→ 直後であれば Ctrl + Z(戻る)で復元できます。何度か別の操作を挟んでしまった後でも、複数回 Ctrl + Z を押せば履歴を遡って戻せる場合があります。それでも戻らない場合は、保存済みファイルから上書き読み込みするのが確実です。

Q: 印刷時に仮点が出力されてしまう

→ 仮点は仕様上、印刷出力されません。印刷物に「点」が出ているなら、それは実点です。実点は通常の【消去】コマンドで消去できます。実点と仮点の切替は【点】コマンドのコントロールバーで「仮点」チェックボックスをONにすれば仮点、OFFにすれば実点になります。詳しくは Ch.4 の 点コマンドの基本(実点・仮点・交点) を参照してください。

Q: 図形登録した部品の中に仮点が含まれていて消えない

→ 図形ファイル(.jws)として登録された部品の中の仮点は、部品を分解(バラす)してからでないと消去できません。配置済みの部品を選択 → メニューバー「編集」→「図形」→「バラす」(または専用の分解コマンド)で個別要素にしてから、【全仮点消去】を実行してください。

Q: 仮点と実点が両方欲しい場合

→ 同じ位置に実点で本番マーカーを置き、近くに仮点で「ここは○○の予定地」というメモ的な印を置くという使い分けが現場では一般的です。仮点は印刷されないので、実点の補足情報として活用するとレビュー時のメモにも使えます。

Q: マウスを動かすと作図画面に「+」マークが残る

→ それは仮点ではなく、マウスポインタが指していた最後の読取候補表示です。別のコマンドに切り替えるか、画面外でクリックすると消えます。仮点と紛らわしい一時表示の解説は 読取点と読取候補 を参照してください。


関連項目


まとめ

  • 仮点は通常の【消去】コマンドでは消せない仕様。専用の【点】コマンド →「仮点消去」「全仮点消去」で消去する
  • 個別に消すなら【仮点消去】、一括なら【全仮点消去】。クリック位置に仮点が無ければ無反応なので誤消去の心配はない
  • 残ってしまう場合は「別レイヤ」「プロテクトレイヤ」「実点・他要素との見間違い」の3パターンを順に切り分ける
  • 再発防止には「仮点専用レイヤを決める」「印刷前に全仮点消去を定型化する」「残したい補助点は実点に格上げ」の3点セットが効果的