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未検証

半円の作図

このコマンドでできること

Jw_cadの円コマンドにある「半円」チェックを使うと、指定した2点を直径の両端として、その2点を結ぶラインの片側に半円を一発で作図できます。弓形FIX窓・アーチ開口・蒲鉾型の小屋根・植栽の上面記号・道路の半円カーブ・カウンター先端のR形状など、建築実務に頻出する「直径だけが決まっている半円形」をマウス3クリックで決められるようになります。

背景: Jw_cadでは、円・円弧・楕円・半円・3点指示・多重円はすべて「円弧」コマンド配下に統合されています。「半円」はその中のチェックボックスをONにしたときに有効になる作図モードで、起動方法・基本動作は他の円系オプションと共通です。この記事では、その中の「半円」モードに絞って解説します。

注意: この記事は円コマンドの「半円」チェック専用の内容です。任意角の円弧(90°だけ・60°だけといった特定角度の弧)は別記事で扱います。詳しくは 円弧の基本 を参照してください。3点を指示して半楕円を作図する派生パターン(接楕円3点指示等)も別コマンドのため、この記事では扱いません。


起動方法

半円は単独コマンドではなく、円コマンドの「半円」チェックをONにして使います。円コマンド本体の起動方法は通常の円作図と同じです。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(1)」ツールバー内の「」アイコンを左クリック
メニューバー作図」 → 「円弧」を左クリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内で円コマンド方向に左ドラッグまたは右ドラッグ

円コマンドが起動したら、コントロールバーの「半円」チェックボックスを左クリックしてONにします。これで半円作図モードに入ります。

要確認: 「半円」チェックボックスの正確な表記とコントロールバー上の表示位置は実機で確認します。バージョンや解像度によっては並び順が変わる可能性があります。

Tips: 円コマンド本体の起動方法・コントロールバー全体像については 円コマンドの基本 で詳しく解説しています。半円は円コマンドのオプションの1つに過ぎないので、円コマンドを使い慣れている人なら数十秒で覚えられます。


半円作図サマリー(全6ステップ)

「半円」チェックをONにしてから半円が確定するまでの流れは、直径の両端2点 → 方向指示の3クリックで終わります。チェック操作を入れても合計6ステップで、慣れれば10秒以内で1つの半円が描けます。

#操作所要
1円コマンドを起動(ツールバー「○」、または「作図」→「円弧」)数秒
2コントロールバーの「半円」チェックボックスをONにする数秒
3直径の1点目(始点)で左クリック(読取点なら右クリック数秒
4直径の2点目(終点)で左クリック(読取点なら右クリック数秒
5マウスを動かし、半円を描きたい側へポインタを移動数秒
6半円を出したい側で左クリックして確定数秒

基本操作: 2点を直径として半円を描く

「半円」モードでは、最初の2クリックで直径の両端を指定します。1点目と2点目の距離がそのまま直径となり、その距離の半分が半円の半径として確定します。3クリック目でどちら側に半円を出すかを決めるのが、通常の円作図とは違う独特な部分です。

手順1: 「半円」チェックをONにする

円コマンドを起動した状態で、コントロールバーの「半円」チェックボックスを左クリックします。チェックマークが入ると、半円作図モードに切り替わります。

手順2: 直径の1点目を指示

半円の直径の片側端点にしたい位置で左クリック(既存の点・線端などの読取点に合わせたい場合は右クリック)します。これが半円の直径の起点になります。

手順3: 直径の2点目を指示

直径のもう一方の端点にしたい位置で左クリック(読取点なら右クリック)します。1点目と2点目の距離が直径として確定し、その2点を結ぶラインを基準にした仮表示の半円(赤い細線)が表示されます。

手順4: 半円の方向(出る側)を指示

仮表示の半円は、マウスポインタの位置に応じて直径ラインの上側または下側に反転します。実際に描きたい側へマウスポインタを移動すると、その側に半円が表示されます。希望の側で左クリックすると半円が確定し、現在の書込線色・線種・書込レイヤで作図されます。

手順5: 続けて次の半円を描く

半円が1つ確定すると、コマンドはそのまま「次の半円の1点目を待ち受ける状態」に戻ります。続けて別の半円を描く場合は、再び1点目→2点目→方向指示の順にクリックしていきます。

Tips: 「半円」チェックはONのまま保持されます。半円を続けて描きたい場合はチェックを外す必要はありません。一方、通常の円や円弧に戻りたいときは、忘れずにチェックを外してください。チェックが残ったままで真円を描こうとすると、半円が出てしまいます。


半円の方向(どちら側に出るか)の決め方

「半円」モードで一番つまずきやすいのが、3クリック目の方向指示です。最初の2点は直径の両端なので、半円自体は2点を結ぶラインの両側のどちらかに描けます。3クリック目はそのうちの「どちら側を採用するか」を決めるためのクリックです。

直径ラインを基準にした上下/左右の選択

1点目と2点目の関係半円が出る側
横方向(水平)に並ぶマウスポインタが直径ラインのにあれば上側、にあれば下側
縦方向(垂直)に並ぶマウスポインタが直径ラインのにあれば右側、にあれば左側
斜め方向に並ぶマウスポインタが直径ラインのどちら側にあるかで自動判定

3クリック目はサイズではなく方向のみを決めるクリックです。マウスポインタを直径ラインからどれだけ離して置いても、半円の半径自体は変わりません(半径は1点目と2点目の距離の半分で確定済み)。

Tips: 半円を弓形FIX窓のように上向きに出したい場合、3クリック目は「直径ラインより上側であればどこでもよい」という気軽な操作です。ピクセル単位で位置を決める必要はないので、軽くマウスを上に動かして左クリックするだけで意図どおりに収まります。

要確認: 1点目・2点目を縦並びで指示した場合の方向指示挙動(左右どちらに出るか)は実機で確認します。


直径の長さを正確に決めたい場合

「半円」チェックを入れて1点目・2点目をクリックする方法は、マウスで2点を拾うことが前提です。寸法どおりの直径にしたい場合は、以下のどちらかの方法で対応します。

方法A: 既存の読取点を直径両端に拾う

平面図にあらかじめ補助線や寸法点が描かれていれば、1点目・2点目を右クリックで拾うだけで、直径が正確に決まります。建築の実務では「壁の内法を直径とする半円アーチ」のように、既存の壁端点を読み取る使い方が標準です。

方法B: 仮の直径線を描いてから半円化する

直径そのものを直接描いてから半円を作図する方法です。次のような流れです。

  1. 線コマンドで、直径の長さを持つ線分を描く(寸法指定で正確な長さに)
  2. 円コマンド → 「半円」チェックON
  3. 線分の両端を右クリックで読み取るように1点目・2点目を指示
  4. 半円を出したい側で左クリックして確定
  5. 必要に応じて、直径として描いた線分は消去または非表示レイヤへ移動

Tips: 「半円の直径だけ寸法指定したい」というニーズは多いですが、Jw_cadの「半円」モード自体には直径の数値入力欄はありません。半径欄や直径欄を使う「真円・楕円」とは違って、必ず2点で指示する仕様です。寸法どおりの半円を作図する場合は、上記方法A・Bのどちらかを使います。

背景: 「半円」モードが2点指示でしか直径を決められないのは、半円の特徴が「直径ライン=弦」を必ず持つことによります。任意の2点を直径両端と決めれば、半円の中心も半径も方向も自動的に決まるため、追加の数値入力欄は不要、という設計思想です。


半円のデータ上の扱い

「半円」モードで作図された半円は、ひとつの円弧要素として記録されます。範囲選択でかこむと1要素として選ばれ、複写・移動・消去・線色変更といった編集はワンクリックで効きます。

作図方法データ上の扱い
円コマンド「半円」モードひとつの円弧 として記録(中心・半径・始終端の角度を持つ単一要素)
円コマンド(通常の円)ひとつの円として記録
線コマンド(直径ライン)別の1本の線(半円とは独立)

注意: 「半円」モードで作図されるのは弧の部分だけで、直径ライン(弦)は描かれません。半円形のFIX窓やアーチを描きたい場合、直径ラインも必要になることが多いため、別途線コマンドで1点目・2点目を結ぶ線分を引きます。「半円を描いたのに底辺が無い」と感じる場面で、この仕様を思い出してください。

要確認: 半円が範囲選択で1要素として選ばれることを実機の図形情報で確認します。


書込線色・線種との関係

半円は円・円弧と同じく、現在の書込線色・線種で作図されます。線種を切り替えれば、実線の半円・点線の半円・一点鎖線の半円を使い分けられます。

Tips: 建築実務では「上から見たときの植栽の見え範囲を点線の半円で示す」「アーチ開口の天端ラインを実線で・地面レベルを一点鎖線で」のように、半円ひとつでも線種が役割を担います。半円を描く前に、書込線属性を意図どおりにセットしておくと描き直しが減ります。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。


実務での使い方 ★PERSC独自

弓形FIX窓・アーチ開口

住宅・店舗の意匠図で頻出するのが、弓形(半円)の固定窓やアーチ開口です。壁の開口幅を直径とする半円を描けば、開口の天端カーブが一発で決まります。1点目を開口の左端・2点目を右端で右クリック読み取りし、3クリック目をマウスで上側に移動して左クリックする、というシンプルな操作で意図どおりの半円アーチが作れます。

ヨーロピアンテイストの住宅エントランスや、ベーカリー・カフェのファサードでは、このアーチ開口の有無が意匠の決め手になることが多いです。半円を覚えると、平面図にも立面図にも瞬時に展開できます。

蒲鉾型(かまぼこ)の小屋根・庇

物置・玄関ポーチ・ガーデンシェッドで採用される蒲鉾型の小屋根は、立面図では半円の輪郭で表現されます。屋根の幅(軒の長さ)を直径として半円を描くと、その上に屋根葺き材ラインを並行に重ねるだけで蒲鉾屋根の立面が描けます。

植栽記号の上面表現(半円・1/4円)

平面図の植栽記号は通常の円が定番ですが、敷地境界に沿って樹木を植える場合は半円形で見え範囲を表現することがあります。塀際・建物の脇に植えた樹木の樹冠の見え隠れを「半円」で表現すれば、植栽が建物側に張り出す範囲を一目で示せます。

道路・通路の半円カーブ

外構図・配置図で、行き止まりの道路転回スペースや、駐車場の縁石、円形花壇の縁取りを描く場面で半円が使えます。転回広場の半径を直径として与え、半円で外周を描くのが手っ取り早い方法です。

カウンター先端のR形状

店舗設計の什器・カウンターでは、カウンター先端や角を半円形に丸めるデザインが多く採用されます。カウンターの幅(または奥行き)を直径として半円を描くと、先端Rの輪郭が一発で決まります。半円→直径ラインの線分を消すか曲線につなげる流れで、Rの効いた家具断面を素早く清書できます。

換気孔・パラペット笠木の見付け

立面図・矩計図で、換気フード・笠木の小口・水切金物の断面が半円形で表現されることがあります。これも「半円」モードを使えば、線の組み合わせで描くより整った仕上がりになります。

PERSCの推奨: 「半円が必要な場面」をジャンル別にチートシート化しておくと、手数の見積もりが早くなります。たとえば「アーチ開口は壁内法読み取り」「植栽は樹冠の半径×2の補助円から」「カウンター先端は奥行き寸法から」のように、自分のよく描く図面で半円を使うパターンを言語化しておくと、迷いなく操作に入れます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 半円が出ない・通常の円や楕円になってしまう

→ コントロールバーの「半円」チェックボックスにチェックが入っていない可能性があります。円コマンド起動後、必ず「半円」のチェック状態を確認してください。逆に、別のオプション(「3点指示」「扁平率」「傾き」など)が有効になっていると、それらが優先されて半円にならない場合もあります。半円を描くときは「半円」だけにチェックが入った状態が理想です。

Q: 半円のサイズが思ったより大きい/小さい

→ 「半円」モードでは、1点目と2点目の距離 = 直径です。半径ではなく直径として扱われる点に注意してください。たとえば「半径500mmのアーチを描く」場合は、1点目と2点目の距離を1000mmで指示する必要があります。混乱しやすいので、「半径×2=直径」と意識して操作しましょう。

Q: 半円の方向(上下/左右)が逆になる

→ 3クリック目のマウスポインタ位置で方向が決まります。半円を出したい側にポインタを移動してから左クリックすると、その側に半円が確定します。間違った側でクリックしてしまった場合は、Escキーまたは「戻る」コマンドで取り消し、もう一度1点目から指示し直してください。

Q: 半円の直径ライン(底辺の線)が描かれない

→ 「半円」モードは弧の部分だけを作図する仕様です。直径ライン(弦)は別途、線コマンドで1点目・2点目を結ぶ線分を描きます。半円形のFIX窓・アーチ開口・蒲鉾屋根は弧と直径ラインの2本セットで成立するため、慣れるまでは「半円コマンド→線コマンドで弦」の2ステップを意識すると抜け漏れが減ります。

Q: 寸法どおりの直径で半円を描けない

→ 「半円」モードには直径や半径の数値入力欄がありません。寸法どおりに描くには、(A) 既存の読取点(壁端点・寸法点)を1点目・2点目で右クリック読み取り、または (B) 線コマンドで寸法指定の直径線をあらかじめ描き、その両端を読み取って半円化する、のどちらかを使います。

Q: 「半円」チェックが残ったまま、通常の円が描けなくなった

→ 「半円」チェックは円コマンドを抜けても保持されることがあります。通常の円を描きたいときは、円コマンドのコントロールバーで「半円」チェックを外してください。同様に「3点指示」「扁平率」「傾き」「多重円」のチェックや数値も、別作業から戻ったタイミングで残っていないか確認するクセをつけると安全です。

Q: 仮表示の半円が見にくい・どちら側に出るかわからない

→ 仮表示の半円は赤の細線で表示されます。背景色を白に切り替える、画面の拡大率を上げるなどの調整で見やすくなります。マウスポインタを直径ラインの片側に明確に寄せると、仮表示も大きく反転するため、迷わずに方向確認ができます。

Q: 半円を描いたが、後から半径だけを変更したい

→ 半円は1要素として記録されるため、直接半径を編集する機能はありません。半径を変えるには、いったん消去 → 再度1点目・2点目を指定し直して描き直す流れになります。寸法を頻繁に調整する設計初期段階では、原寸の補助線(直径ライン)をレイヤ別に置いておくと描き直しが楽です。

Q: 半円の中心点を後から拾いたい

→ クロックメニューを使うのが速いです。半円の弧上で**右ボタンドラッグを3時方向(右)**に動かすと「中心点取得」が呼び出され、半円の中心(直径の中点)が読取点として拾えます。詳しくは 読取点の操作(中心点・端点・交点) を参照。

Q: クロックメニューが反応しない

→ クロックメニューはマウスの左ボタンまたは右ボタンを押し込んだまま少し動かす(ドラッグ)操作です。普通のクリックでは反応しません。クロックメニューが苦手な場合は、ツールバーまたはメニューバーから円コマンドを起動するルートで問題ありません。詳しくは クロックメニュー入門 を参照。


関連項目


まとめ

  • 半円は円コマンドのコントロールバーで「半円」チェックをONにして使う。単独コマンドではない
  • 1点目→2点目で直径両端を指示し、3クリック目で半円を出す側(直径ラインの上下または左右)を決める
  • 1点目と2点目の距離は直径として扱われる。「半径×2=直径」を忘れずに
  • 直径ライン(弦)は描かれない仕様。FIX窓・アーチ等で弦が必要なら、線コマンドで別途描く
  • 半円は1要素の円弧として記録され、複写・移動・消去・線色変更がワンクリックで効く
  • 「半円」チェックは円コマンドを抜けても残るので、通常の円に戻りたいときは必ず外す