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未検証

矩形コマンドの基本(始点・対角点)

このコマンドでできること

Jw_cadの「矩形」コマンドを使うと、作図ウィンドウ内に長方形(矩形)を描けます。始点と対角点の2か所をクリックするだけで、水平・垂直に揃った四角形が一気に作図されます。住宅平面図の柱・部屋の枠取り、設備図の機器外形、立面図の窓・建具の枠など、図面の中で「四角いもの」はすべてこのコマンドが基準になります。

背景: 「矩形」は線コマンドと並ぶ基本作図コマンドのひとつで、Jw_cadのコントロールバー上で線コマンドと相互に切り替えできるほど近い関係にあります。1コマンドで4本の線を一気に確定できるため、線コマンドで4回引くより手数が大幅に減らせます。


起動方法

矩形コマンドは3つの起動方法があります。どれを使っても同じコマンドが立ち上がります。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(1)」ツールバー内の「」アイコンを左クリック
メニューバー作図」 → 「矩形」を左クリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内でAM1時方向に左ドラッグまたは右ドラッグ

PERSCの推奨: 左側ツールバーの「」アイコンを使うのがおすすめです。線コマンド(「」)の隣に配置されているため、線↔矩形の切替がマウスを大きく動かさずに済みます。図面作業中は線と矩形を頻繁に行き来するので、近接配置のメリットが活きます。

要確認: クロックメニューの起動方向は、線コマンドと同じAM1時方向(左/右ドラッグ)の可能性があります。実機で確認します。クロックメニューの基本については マウス操作の基本 を参照。


基本操作: 始点と対角点をクリックして矩形を描く

矩形コマンドの基本は、始点 → 対角点 の順にクリックするだけです。線コマンドが「始点 → 終点」だったのに対し、矩形コマンドでは2つ目のクリック位置が「対角点」(始点の真向かいの角)になります。

手順1: 矩形コマンドを起動

左側ツールバーの「」アイコンを左クリックします。コントロールバーが矩形コマンド用の表示に切り替わります。

手順2: 始点を指示

矩形の角のひとつになる位置にマウスポインタを動かし、左クリックします。これが矩形の始点(1つ目の角)になります。

Tips: 既存の点や線端などの「読取点」(既存図形の特定の位置を正確に拾う点)に始点を合わせたい場合は、右クリックで指示します。左クリックは任意点(マウス位置のまま)、右クリックは読取点(既存の点に吸着)と覚えておきましょう。

手順3: 仮表示線を確認しながら対角点へ移動

始点を指示した直後から、始点とマウスポインタを対角の関係にした矩形の仮表示線(赤い細線)が表示されます。マウスを動かすと矩形のサイズもリアルタイムで変化し、対角点候補の位置と矩形の大きさがわかります。

手順4: 対角点を指示

矩形の対角の角にしたい位置で左クリック(読取点に合わせたい場合は右クリック)します。これで仮表示線が確定し、現在の書込線色・線種・書込レイヤで矩形が作図されます。

手順5: 続けて次の矩形を描く

矩形が1つ確定すると、矩形コマンドはそのまま次の矩形を待ち受ける状態に戻ります。続けて別の矩形を描く場合は、再び始点 → 対角点の順にクリックしていきます。

Tips: 矩形コマンドを連続で使い続ける限り、ずっと「始点→対角点」の繰り返しになります。コマンドを終えたい場合は、別のコマンド(線・消去など)を選ぶか、Escキーで現在の指示をキャンセルします。


矩形は「4本の線」として作図される

矩形コマンドで描いた矩形は、見た目には1つの四角形ですが、データ上は4本の独立した線として扱われます。範囲選択コマンドで矩形をかこむと、1辺ずつ別々の線として選択されます。

作図方法データ上の扱い
矩形コマンド(通常)独立した4本の線(実体は線コマンドで4本引いたのと同じ)
矩形コマンド「ソリッド」ONひとつの塗りつぶし図形(4本の線ではなく1要素)

背景: 矩形が4本の線として確定する仕様のおかげで、後から1辺だけ消去・伸縮・複線したい場合に、辺単位で自由に編集できます。矩形を「ひとまとまり」として扱いたい場合は、後述するソリッド矩形か、範囲選択 → ブロック化で対応します。

Tips: 「矩形を描いたつもりが、辺ごとに線色がばらばらに見える」という相談を受けることがあります。これは作図の途中で書込線属性を切り替えてしまったか、別々に引いた4本の線を矩形と勘違いしているケースが大半です。矩形コマンドで一度に描いた矩形は、4本とも同じ書込線色・線種で確定します。


コントロールバーの全体像

矩形コマンドのコントロールバーには、基本操作(始点・対角点クリック)以外にも複数のオプションが並んでいます。各オプションは派生機能を持ち、それぞれ専用記事で詳しく解説します。

オプションできること専用記事
矩形(チェックボックス)チェックを外すと線コマンドに切り替わるこの記事の後半で解説
水平・垂直(チェックボックス)傾きをリセットして水平・垂直の矩形に固定するこの記事で解説
傾き(テキストボックス)角度を入力して傾いた矩形を描く角度を指定した矩形
寸法(テキストボックス)「横, 縦」の数値でサイズ指定して矩形を描く寸法を指定した矩形
ソリッド(チェックボックス)中が塗りつぶされた矩形(ソリッド図形)を描くこの記事と ソリッド(塗りつぶし)
多重(テキストボックス)多重矩形面取り矩形を描く多重矩形・面取り矩形

Tips: コントロールバーの設定は、矩形コマンドを別のコマンドに切り替えても矩形コマンドの状態として保持されます。たとえば「ソリッド」にチェックを入れたまま線コマンドに移り、再度矩形コマンドに戻ると、ソリッドのチェックが入ったままになっています。意図しない塗りつぶしを防ぐため、矩形を描き始める前にコントロールバーの状態を一度確認する習慣をつけましょう。


水平・垂直チェックの役割

矩形コマンドの「水平・垂直」チェックボックスは、傾きをゼロに固定するスイッチです。

  • 「傾き」テキストボックスが空欄の場合、チェックの有無で見た目の挙動は変わりません(どちらでも水平・垂直の矩形が描かれます)
  • 「傾き」テキストボックスに数値が入力されている場合でも、「水平・垂直」にチェックが入っていると傾きの数値を無視して水平・垂直の矩形が描かれます

つまり「水平・垂直」チェックは、傾きの数値が残っていても安全に水平垂直の矩形を描くための保険として機能します。

Tips: 角度指定の作業から通常作図に戻るとき、「傾き」欄の数値を消すよりも「水平・垂直」にチェックを入れるほうが速い場合があります。詳しい使い分けは 角度を指定した矩形 を参照。


ソリッド矩形(中が塗りつぶされた矩形)

コントロールバーの「ソリッド」チェックボックスにチェックを入れると、中が塗りつぶされた矩形(ソリッド図形)を描けます。基本操作(始点・対角点クリック)は通常の矩形とまったく同じです。

ソリッド矩形の作図手順

  1. 矩形コマンドを起動した状態で、コントロールバーの「ソリッド」を左クリックしてチェックを入れます
  2. 始点を左クリック(読取点なら右クリック)します
  3. マウスを動かして矩形のサイズを決め、対角点で左クリック(読取点なら右クリック)します
  4. 中が塗りつぶされた矩形が確定します

ソリッド矩形のデータ上の扱い

ソリッドにチェックを入れて描いた矩形は、通常の矩形(4本の線)と異なり、ひとつの塗りつぶし図形として確定します。範囲選択でかこむと1要素として選ばれ、複写・移動はできますが、線単位の編集(1辺だけ伸縮など)はできません。

注意: ソリッド図形は通常の編集コマンドの一部が効きません。形を変えたい場合は、いったん消去して描き直すのが基本です。

ソリッドのオプション(対角線・任意色)

「ソリッド」にチェックを入れると、コントロールバーに追加のオプションが表示されます。

オプションできること
対角線(チェックボックス)矩形の輪郭ではなく対角線だけをソリッド図形として描く(複写・移動以外の編集不可)
任意色(チェックボックス)任意■」ボタンが表示され、ソリッド図形専用の色を設定できる

任意色を使うと、書込線色とは別の自由な色(RGB指定)で塗りつぶしできます。線属性とは独立した塗り色になるため、ハッチング的に色を使い分けたい場合に便利です。

Tips: ソリッド矩形と任意色を組み合わせれば、平面図の部屋名に応じて塗り分けるカラープレゼン資料が作れます。本格的な塗りつぶしの種類・編集方法は ソリッド(塗りつぶし) で詳しく解説します。


線コマンドとの相互切替(コントロールバー「矩形」チェック)

矩形コマンドと線コマンドは、コントロールバーの「矩形」チェックボックスを使って互いに行き来できます。

矩形コマンド → 線コマンド

矩形コマンドを起動した状態で、コントロールバーの「矩形」チェックボックスを左クリックしてチェックを外すと、その場で線コマンドに切り替わります。線の引き方は通常の線コマンドと同じです。

線コマンド → 矩形コマンド

逆に、線コマンドを起動した状態で、コントロールバーの「矩形」チェックボックスにチェックを入れると、矩形コマンドに切り替わります。

切替パターンの整理

開始コマンド「矩形」チェック結果
矩形コマンドチェックON(初期状態)矩形を作図
矩形コマンドチェックOFFにする線コマンドに切替
線コマンドチェックOFF(初期状態)線を作図
線コマンドチェックONにする矩形コマンドに切替

背景: 線コマンドと矩形コマンドが同じコントロールバー上で切り替わる仕様は、Jw_cad独特の設計です。「矩形を1つ追加で描いてからすぐ線作業に戻りたい」「線を引いている途中で矩形に切り替えたい」という、図面作成中によくある場面を片手で済ませられます。

Tips: 線コマンド側の「矩形」チェックの位置や挙動は、線コマンド本体の記事 線コマンドの基本(始点・終点・水平垂直) でも解説しています。


書込線色・線種との関係

矩形コマンドで作図される4本の線(またはソリッド図形)は、現在の書込線色・線種で描かれます。違う種類の矩形を描きたい場合は、矩形コマンドの操作前に書込線属性を切り替えます。

書込線属性の確認・変更

画面下部のステータスバー右寄りに「線属性」ボタン(「」のマーク)があります。ここに現在の書込線色(例: 線色2)と線種(例: 実線)が表示されています。クリックすると線属性ダイアログが開き、線色(線色1〜8)と線種(実線・点線・一点鎖線・二点鎖線等)を切り替えられます。

Tips: ソリッド矩形の場合、塗りつぶし色は基本的に書込線色がそのまま使われます。書込線色とは別の色で塗りたい場合は、コントロールバーの「任意色」チェックを使います。詳しくは前述の「ソリッド矩形」節を参照。

要確認: 線属性ダイアログのキーボードショートカット(Ctrl+E 等の有無)は実機で確認。


AUTOモード(自動モード)との併用

Jw_cadの「AUTOモード」では、別コマンドの操作中でもクロックメニュー経由で矩形コマンドを呼び出して使えます。AUTOモードの主目的は「メインで使うコマンドを切り替えずに作業する」ことなので、矩形を1つだけ追加で描きたい場面に向いています。

要確認: AUTOモードからの矩形呼び出し時に、コントロールバーの設定(ソリッド・多重等)が反映されるかは実機確認。

Tips: AUTOモードの基本操作と、AUTOモードから呼び出せるコマンド一覧は AUTOモードの使い方 を参照。


派生する矩形の作図パターン

この記事で扱った基本操作(始点・対角点のクリック)以外にも、矩形コマンドにはコントロールバーから派生する作図パターンがあります。それぞれ専用記事で詳しく解説します。

派生パターン用途専用記事
寸法を指定した矩形横×縦の数値で正確なサイズの矩形を描く寸法を指定した矩形
角度を指定した矩形傾いた矩形(斜めの長方形)を描く角度を指定した矩形
多重矩形・面取り矩形入れ子状の矩形や角を丸/角面取りした矩形を描く多重矩形・面取り矩形
ソリッド(塗りつぶし)の応用塗りつぶし全般・任意色・対角線塗りソリッド(塗りつぶし)

実務での使い方 ★PERSC独自

住宅平面図の柱・壁の囲い

住宅平面図では、柱(120mm角や150mm角の正方形)や、機器・家具の外形(冷蔵庫600×650mm、洗濯機650×650mm等)が頻出します。これらは寸法指定の矩形コマンドで一気に描くのが定石ですが、寸法を覚えていない・現場で目視確認したい場合は、始点・対角点クリックの基本作図で当たりだけ取り、後から寸法線で確認するワークフローが現実的です。

通り芯の交点を読取点(右クリック)で拾い、対角の交点も右クリックで拾えば、柱位置にぴったりの矩形が一発で決まります。

機器外形の作図(設備図・機器配置図)

設備図では、機器ごとに外形寸法が決まっています。最初の1台目だけ寸法指定で正確に描き、2台目以降は1台目を範囲選択 → 複写コマンドで配置するのが速いやり方です。矩形コマンドの「ソリッド」をONにしておけば、機器の塗りつぶしまで同時に済みます。

プレゼン用の塗り分け

平面図のプレゼンでは、リビング・寝室・水回りなどを色で塗り分けると一目で伝わります。矩形コマンドの「ソリッド」+「任意色」を使い、部屋ごとに異なる任意色を設定して塗り重ねれば、簡易的なゾーニング図が作れます。透過にはならないため、塗り順を意識して下から塗っていくのがコツです。

立面図の窓・建具の枠

立面図の窓・サッシの外枠は、矩形コマンドで描くと早いです。1階床ライン(FL)から窓上端までの高さ寸法を寸法指定で入れ、横幅は壁面の通り芯位置を読取点で拾う、という組み合わせで設計図書に必要な精度の矩形が引けます。

RC造の柱断面(X型補強筋なしのシンプルな柱)

RC造の構造図では、柱断面の枠を矩形コマンドで描き、内側の主筋を点コマンド、補強筋を線コマンドで追加していくのが標準的な作図順です。矩形は構造図でも基準ボックスとして頻繁に登場します。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 矩形が描けない・反応しない

→ 矩形コマンドが起動していない可能性があります。コントロールバーの表示が「水平・垂直」「矩形」「傾き」「寸法」「ソリッド」「多重」などになっているか確認してください。違うコマンドのコントロールバーが出ている場合は、左ツールバーの「」アイコンを左クリックして矩形コマンドを再起動します。

Q: 始点をクリックしたのに矩形が出ない・線が出る

→ コントロールバーの「矩形」チェックボックスが外れている可能性があります。チェックが外れると線コマンドに切り替わるため、四角形ではなく直線が描かれます。コントロールバーを確認し、「矩形」にチェックが入っていることを確認してから始点をクリックしましょう。

Q: 描いた矩形が傾いている

→ コントロールバーの「傾き」テキストボックスに角度の数値が残っている可能性があります。「水平・垂直」チェックボックスにチェックを入れるか、「傾き」欄の数値を削除してから描き直してください。

Q: 矩形のサイズが思ったより大きい・小さい

→ 始点・対角点を任意点(左クリック)で指示すると、マウス位置に依存するためサイズがブレやすくなります。正確なサイズで描きたい場合は、コントロールバーの「寸法」テキストボックスで横×縦のサイズを数値指定するか、既存図形の読取点(右クリック)に始点・対角点を合わせます。詳しくは 寸法を指定した矩形 を参照。

Q: 矩形を範囲選択したら4本の線で選ばれた

→ それが正しい挙動です。矩形コマンドで描いた矩形は、データ上は独立した4本の線として記録されます。「ひとまとまり」として扱いたい場合は、範囲選択 → ブロック化を行うか、ソリッド矩形として描き直します。

Q: ソリッド矩形を描いたら色が予想と違う

→ ソリッド矩形の塗りつぶし色は、書込線色または任意色設定のどちらかが使われます。任意色を使っている場合は、コントロールバー「任意■」ボタンから設定中の色を確認してください。書込線色を変えたい場合は、線属性ダイアログから線色を切り替えます。

Q: ソリッド矩形を消去・編集できない

→ ソリッド矩形は「ひとつの塗りつぶし図形」として作図されているため、線単位の伸縮・部分消去ができません。形を変えたい場合は、いったん消去コマンドで全体を消してから描き直すのが基本です。

Q: 「ソリッド」のチェックを外し忘れて、塗りつぶしばかりになる

→ コントロールバーの設定はコマンドを切り替えても保持されるため、塗り作業の後は忘れずにチェックを外すのがコツです。矩形を描き始める前にコントロールバーの「ソリッド」が外れていることを毎回確認する習慣をつけると、誤塗りつぶし事故を防げます。

Q: 線コマンドから矩形を1つだけ描いて、すぐ線作業に戻りたい

→ コントロールバーの「矩形」チェックボックスでON/OFFを切り替えるのが最速です。線コマンド中に「矩形」ON → 矩形を1つ作図 → 「矩形」OFF で線作業に復帰、という3ステップで済みます。詳しくは 線コマンドの基本(始点・終点・水平垂直) も参照。

Q: クロックメニューが反応しない

→ クロックメニューはマウスの左ボタンまたは右ボタンを押し込んだまま少し動かす(ドラッグ)操作です。普通のクリックでは反応しません。クロックメニューが苦手な場合は、ツールバーまたはメニューバーから矩形コマンドを起動するルートで問題ありません。

Q: 矩形を描き始めたけどキャンセルしたい

→ Escキー(操作の巻き戻し)を押すと、現在の指示状態がキャンセルされ、始点指示前の状態に戻ります。間違って始点をクリックしてしまった場合の救済策として覚えておきましょう。


関連項目


まとめ

  • 矩形コマンドは「」アイコン(または「作図」→「矩形」)で起動し、始点 → 対角点の順にクリックして長方形を描く
  • 描かれる矩形は通常、データ上は独立した4本の線として扱われる(ソリッドONの場合のみ1つの塗りつぶし図形)
  • コントロールバーには「水平・垂直」「傾き」「寸法」「ソリッド」「多重」「矩形」のオプションが並び、寸法・角度・多重・面取り・塗りつぶしの各派生パターンに展開できる
  • 矩形」チェックボックスのON/OFFで、矩形コマンドと線コマンドを片手で行き来できる
  • 寸法指定・角度指定・多重・面取り・ソリッドの詳細はそれぞれ専用記事へ。ソリッド以外の塗りつぶし全般は ソリッド(塗りつぶし) を参照