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未検証

ソリッド(塗りつぶし図形)

このコマンドでできること

Jw_cadの「ソリッド図形」を使うと、図形の内側を好きな色で塗りつぶせます。配置図の建物色塗り、平面図の部屋ごとの塗り分け、敷地の用途別ゾーニング、断面図のコンクリート断面、床仕上げ図の素材別カラー表現など、図面に色を載せて伝わりやすくしたい場面で出番が多い機能です。塗りつぶしは「多角形」コマンドの中に配置されており、3点(三角形)・4点(四角形)の手動指示と、円・連続線をクリックするだけの自動指示の2系統で作図します。塗り色は書込線色とは独立して任意色(カラーパレットからRGB自由指定)が設定でき、ハッチングよりも面で色を主張させたいプレゼン用途に向いています。

背景: Jw_cadには「塗りつぶし」という独立コマンドがありません。塗りつぶしの実体はすべて「多角形」コマンドの一機能(ソリッド図形)として実装されています。「塗りつぶしのコマンドが見つからない」とつまずく初心者が多いのはこの仕様が理由で、多角形コマンドのコントロールバーに「ソリッド図形」チェックがあることを最初に押さえると一気に視界が開けます。


起動方法

ソリッド図形は多角形コマンドの中の機能なので、まず多角形コマンドを起動します。起動方法は2つあります。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(2)」ツールバー内の「多角形」ボタンを左クリック
メニューバー作図」 → 「多角形」を左クリック

PERSCの推奨: 多角形(ソリッド)コマンドは「作図(2)」ツールバーから起動するのがおすすめです。塗りつぶしを行う場面はハッチ・寸法・文字といった仕上げ系コマンドと作業が前後するため、「作図(2)」ツールバーを開いておくと色塗り工程の操作が一画面で完結します。

要確認: 「作図(2)」ツールバー上の「多角形」ボタンの位置は実機で確認します。多角形コマンドの基本動作は 多角形コマンド ※準備中 で扱います。この記事では「ソリッド図形」モードに絞って解説します。


ソリッドモードへの切替(任意ボタン)

多角形コマンドを起動した直後のコントロールバーは、辺の長さ指定や正多角形作図などの「多角形作図モード」になっています。塗りつぶしを使うには、コントロールバーからソリッドモードに切り替える必要があります。

ソリッドモードに入る手順

  1. 多角形コマンドを起動します
  2. コントロールバーの「任意」ボタンを左クリックします
  3. コントロールバーが切り替わり、「ソリッド図形」チェックボックスが表示されます
  4. ソリッド図形」を左クリックしてチェックを入れます

これでソリッドモードに入った状態になります。以降、3点・4点の手動指示や、円・連続線の自動指示で塗りつぶし図形を作図できます。

背景: 多角形コマンドは「正多角形・任意多角形を線で描く」機能と「ソリッド図形を塗りで描く」機能を1つのコマンドにまとめています。「任意」ボタンが両モードの分岐点になっており、押した先で「ソリッド図形」チェックを入れると塗り側、外したままだと多角形(線)側として動きます。


塗り色の選び方(任意色と書込線色)

ソリッドの塗り色は、任意色を使うか、書込線色をそのまま使うかの2通りから選べます。

任意色(自由に色を選ぶ)

コントロールバーの「任意色」チェックボックスにチェックを入れると、ソリッド図形専用の塗り色を設定できます。隣に表示される「任意■」ボタンをクリックすると、Windows標準の「色の設定」ダイアログが開き、48色のパレットから色を選択するか、RGB値を直接入力して塗り色を決めます。

書込線色を使う

「任意色」チェックを外しておくと、現在の書込線色(線色1〜8)がそのまま塗り色として使われます。

モード塗り色用途
任意色 ONカラーパレットで自由設定(RGB)プレゼン用の色塗り、敷地ゾーニング、部屋色分け
任意色 OFF書込線色をそのまま既存の線色凡例(線色1〜8)に揃えた塗り

Tips: プレゼン資料に使う色塗りはほぼ任意色が便利です。書込線色(線色1〜8)は印刷線幅と紐づいているため、線色ベースで塗ると「色を変えたいだけなのに線幅まで変わってしまう」ことがあります。色塗りは任意色、線描きは書込線色、と役割を分けると整理しやすくなります。書込線色そのものの設定は 線属性(線色・線種)の設定 を参照。

要確認: 「色の設定」ダイアログのタイトル文言、ダイアログの起動経路は実機で確認します。


3点指示・4点指示で塗りつぶす(手動指示モード)

ソリッドモードに入った状態で、塗りたい範囲の角を順番にクリックすると、指示した点を頂点とする塗りつぶし図形が作図されます。三角形なら3点、四角形なら4点を順に指定します。

3点指示・4点指示の手順サマリー(全7ステップ)

#操作補足
1多角形コマンドを起動「作図(2)」ツールバー → 多角形
2コントロールバーの「任意」ボタンを左クリックソリッドモードに入る
3ソリッド図形」にチェックを入れる塗り作図モード確定
4必要に応じて「任意色」と「任意■」で色を設定OFFなら書込線色
5塗りたい範囲の角を順に右クリックで指示既存図形の角に正確に合わせる
6仮表示の塗り範囲を確認必要なら追加点を指示
7コントロールバーの「作図」ボタン(またはEnterキー)を押すソリッドが確定

手順5の詳細: 角の指示

塗りたい範囲の角に右クリックで読取点(既存図形の点に正確に吸着するクリック)を合わせていきます。

  • 三角形を塗る場合: 3点を順に指示
  • 四角形を塗る場合: 4点を順に指示
  • 五角形以上の多角形を塗る場合: 角の数だけ指示を続ける

各クリックの後、選択した点を結ぶ仮表示(細線)が表示され、塗り範囲がリアルタイムで確認できます。

Tips: 角の指示は基本的に右クリック(読取点)で行います。左クリック(任意点)でも作図はできますが、既存図形の角にぴったり合わせたいケースがほとんどなので、右クリックでの読取点運用がおすすめです。読取点の挙動は 読取点(右クリックの基本) を参照。

手順7の詳細: 「作図」ボタンで確定

頂点を指示し終えたら、コントロールバーの「作図」ボタンを左クリックします。Enterキーでも同じ動作です。指示した範囲が現在の塗り色(任意色または書込線色)で確定します。

注意: 4点指示の場合、4点目をクリックしただけでは塗りつぶされません。「作図」ボタンまたはEnterキーで確定する必要があります。「点をクリックしたのに塗りつぶされない」と詰まったら、コントロールバーの「作図」ボタンを探してください。

要確認: 「作図」ボタンの正確な表記、Enterキーでの確定挙動は実機で確認します。


円・連続線指示で塗りつぶす(自動指示モード)

既に作図済みの閉じた連続線は、輪郭をクリックするだけでまるごと塗りつぶせます。3点・4点指示のように頂点を1つずつ指示する必要がなく、最も手早い塗りつぶし方法です。

円・連続線指示の手順

  1. 多角形コマンドを起動して「任意」→「ソリッド図形」にチェック
  2. 必要なら「任意色」を設定
  3. コントロールバーの「円・連続線指示」ボタンを左クリック(「ON」状態にする)
  4. 塗りつぶしたい円の輪郭線、または閉じた連続線をクリック
  5. 一発で塗りつぶし完了(「作図」ボタン不要)

元図形を残すか消すかの使い分け

クリックの種類で、元の輪郭線(円・連続線)が残るか消えるかが変わります。

クリック元図形用途
左クリック残る輪郭線を活かしたまま塗る(プレゼン平面図、ゾーニング図)
右クリック消える単色のシルエットで表現したい(敷地塗り、構造図のコンクリート断面)

Tips: 「円・連続線指示」のON/OFFは、コントロールバーのボタンを左クリックで切り替えます。ONになるとボタンの見た目が押し込まれた表示になり、画面左上のステータス表示にもモード名が出ます。続けて手動の3点・4点指示に戻したいときは、再度ボタンを左クリックしてOFFにしてから始めます。

連続線をクリックする時の注意

連続線(直線と円弧で繋がった閉じた線分群)の場合、直線部分をクリックするのが基本です。円弧部分をクリックすると「連続線」ではなく「円弧」として認識され、円弧部分だけが塗りつぶされてしまいます。複雑な形状で曲線部からクリックしたいときは、いったん多角形部分と円弧部分を分けて塗る運用が確実です。

注意: 「円・連続線指示」で塗れるのは、線端どうしがきちんと繋がった閉じた連続線だけです。線端がわずかにずれて閉じ切れていない場合は、思った範囲が塗られないか、まったく塗れないことがあります。輪郭が閉じていないときは コーナー処理 ※準備中 で角を整形してから塗りつぶしてください。


円環(ドーナツ型)ソリッドの作図

円の中央をドーナツのように中抜きしたソリッド図形を作図する方法です。配管断面・パイプ・リング状の建具・装飾アクセントなど、中空の円環を表現したい場面で使います。

円環ソリッドの手順

  1. 多角形コマンドを起動して「任意」→「ソリッド図形」にチェック
  2. 必要なら「任意色」で塗り色を設定
  3. コントロールバーの「円・連続線指示」ボタンがOFF状態であることを確認
  4. 円・連続線指示」ボタンを右クリックする
  5. 画面左上に「円環ソリッド」のモード表示が出ていることを確認
  6. 塗りつぶしたい円の輪郭をクリック
  7. 数値入力ダイアログが表示されるので、中抜き部分の円の半径を入力して「OK」を押す
  8. 中央が指定半径で抜かれた円環ソリッドが作図される

注意: 「円・連続線指示」ボタンの右クリックで円環ソリッドモードに入りますが、このとき「円・連続線指示」ボタンがOFF状態になっていないと円環ソリッドモードに切り替わりません。最初に左クリックで「ON」にしてしまった場合は、もう一度左クリックしてOFFに戻してから右クリックしてください。

背景: 数値入力ダイアログで指定するのは「ドーナツの幅」ではなく中抜き部分の半径です。元の円の半径から中抜き半径を引いた残りがリング部分の幅になります。リングを太くしたい場合は中抜き半径を小さく、細くしたい場合は中抜き半径を大きく入力します。

要確認: 円環ソリッド時の数値入力ダイアログのタイトル・項目ラベルの正確な文言は実機で確認します。


弓形・扇形・円外側ソリッドの作図

「円・連続線指示」をONにしてさらに円弧を選択すると、コントロールバーに弓形円外側などの追加チェックボックスが有効になります。これらを使うと、円の一部や円の外側まで含む特殊な形のソリッドを作図できます。

弓形ソリッド(円弧と弦で囲まれた領域)

弓形」チェックを入れた状態で円弧を指示すると、円弧と弦(端点をつなぐ直線)に囲まれた領域が塗られます。レンズ形・かまぼこ型のシルエットになります。

扇形ソリッド(円弧と中心からの2半径で囲まれた領域)

弓形」チェックを外した状態で円弧を指示すると、円弧と中心からの2半径に囲まれた領域(パイのスライス形)が塗られます。扇形ソリッドはパイチャート風の表現や、振れ角の表示に使えます。

弓形チェック結果
ON弓形ソリッド(円弧+弦で囲まれた領域、レンズ形)
OFF扇形ソリッド(円弧+2半径で囲まれた領域、パイスライス形)

円外側ソリッド(円の外側を包む多角形)

円外側」チェックを入れて円を指示すると、円の外側を多角形で包む形でソリッドが作図されます。円形のロゴや記号を背景色で抜きたいときに役立ちます。

要確認: 「弓形」「円外側」チェックボックスの正確な表記、両者を同時に有効化したときの挙動は実機で確認します。


線形・円周ソリッド(塗らないソリッド)

線形・円周」チェックを入れると、塗りつぶされないソリッド図形が作図できます。形状はソリッドとして扱われるため複写・移動はできますが、塗りつぶしは行われません。

背景: 「塗らないソリッド」は一見すると無意味に見えますが、後で色を変えたい・一括選択したい範囲を「ソリッドの輪郭」として確保しておきたい場合に使います。曲線属性化と組み合わせると、複数のソリッド外形をひとまとめに扱える利点があります。

要確認: 「線形・円周」を有効化したソリッドの実際の表示・印刷時の挙動は実機で確認します。


曲線属性化(複数ソリッドの一括管理)

曲線属性化」チェックを入れて作図すると、2つ以上のソリッド図形が組み合わされた図形が1つのまとまりとして扱われます。曲線属性が付くと、色変更・消去・複写を1要素として一括操作できるようになります。

曲線属性化の利点

  • 複数ソリッドの色を一気に変更できる
  • 複数ソリッドの消去が1クリックで済む
  • 配置図の建物塗りや、複雑なゾーニング図のグループ管理に便利

使い方

  1. 多角形コマンドのソリッドモードで「曲線属性化」にチェック
  2. 通常通り3点・4点指示や円・連続線指示で複数のソリッドを連続作図
  3. 完了後は曲線属性が付いた1つの図形群として確定

Tips: 部屋ごとの色塗り平面図を作るときに、各部屋を曲線属性化でまとめて作図しておくと、後から「全部屋の色を統一トーンに変更したい」「ゾーニング図を一気に消して作り直したい」といった編集が一括でできます。色塗りプレゼンのプロジェクト管理に向いています。

要確認: 「曲線属性化」を有効にしたときの実際の操作単位(消去・色変更が1要素として動くか)は実機で確認します。


矩形ソリッド・ハッチとの使い分け

塗りつぶしの方法は、ソリッドコマンドだけでなく矩形ソリッドハッチにも分かれます。それぞれの違いを整理しておきます。

方法形状塗り表現専用記事
ソリッド(多角形コマンド)三角形・四角形・多角形・円・円環・弓形・扇形単色べた塗り(任意色/書込線色)この記事
矩形ソリッド長方形のみ単色べた塗り(任意色/書込線色)矩形コマンドの基本
ハッチング1線閉じた範囲全般等間隔の斜線(角度・ピッチ指定)ハッチング 1線(角度・ピッチ)
2線・3線・馬乗り目地ハッチ閉じた範囲全般パターン斜線・目地パターン2線・3線ハッチ馬乗り目地ハッチ
図形ハッチ閉じた範囲全般自分で登録した図形の繰り返し図形ハッチ

使い分けの指針

  • 長方形だけを塗る → 矩形ソリッド(操作回数が少ない)
  • 三角形・五角形以上・円形・円環 → ソリッドコマンド(多角形コマンドのソリッド図形)
  • 斜線・目地などのパターン表現 → ハッチング
  • 複雑な閉じた図形を一発塗り → ソリッドコマンドの「円・連続線指示」

塗り色と書込線色の独立性

ソリッドの任意色は、書込線色(線色1〜8)とは完全に独立して管理されます。任意色を青に設定してソリッドを作図しても、線属性ダイアログ上の書込線色は変わらず、続けて線コマンドで線を引くと書込線色のままで描かれます。

独立性の活用例

  • 部屋ごとの塗り色(任意色:パステル系8色)と、壁線の書込線色(線色1〜2)を別々に管理
  • 敷地ゾーニング塗り(任意色:用途別カラー)と、敷地境界線の書込線色(線色4の一点鎖線)を干渉なく運用
  • 「塗りはプレゼン用の鮮やか色、線は印刷用の白黒トーン」という二重管理が可能

背景: 一般的なCADソフトでは「塗り色=線色」と固定されている製品もありますが、Jw_cadは塗りと線を別系統で管理できる設計です。プレゼン用カラー図面と実施図面(線中心)を1つのデータで両立させやすく、提出先別にレイヤや色を切り替える運用が定着しています。


印刷時の色挙動

ソリッドの色は、**印刷設定(カラー印刷/モノクロ印刷)**によって出力結果が変わります。

印刷モードソリッドの出力
カラー印刷任意色がそのまま出力される(RGB値で印刷)
モノクロ印刷任意色はグレースケール変換されて出力される(明度に応じた濃淡)

カラー印刷で確実に色を出したい場合は、印刷ダイアログでカラー印刷モードを明示的に選びます。詳しい設定方法は カラー印刷の設定 を参照してください。

Tips: モノクロ印刷でソリッドを使うと、明るい任意色(パステル系)はかすれて見えにくくなり、濃い色(紺・茶など)は黒に近いベタになります。モノクロ前提の図面で塗り分けたい場合は、ソリッドではなくハッチング(線パターン)で素材表現する方が判別しやすいことが多いです。

要確認: モノクロ印刷時の任意色のグレースケール変換挙動と、カラー印刷時のRGB再現精度は実機で確認します。


実務での使い方 ★PERSC独自

配置図の建物塗り

配置図では、敷地の中で建物の配置位置・大きさを塗り潰しで強調するのが定番表現です。建物外形の閉じた連続線に対して**「円・連続線指示」ON → 左クリック**で塗ると、輪郭線を残したまま単色塗りができます。任意色は薄いグレー(RGBで180〜200程度)か、用途別カラー(住宅は薄いベージュ、店舗は薄いブルー、倉庫は薄いグリーンなど)が読みやすく、敷地境界線・道路境界線とぶつからない明度を選びます。

集合住宅やマンション計画では、建物棟ごとに任意色を分けると配棟計画の意図が一目で伝わります。プレゼン資料用と実施図面用で2色体制(プレゼン色=任意色、実施色=書込線色)で運用すれば、図面データの再利用が効きます。

色塗り平面図(部屋ごとの塗り分け)

平面図のプレゼン資料では、部屋ごとに任意色を変えて塗り分けると、ゾーニングの意図と動線計画が直感的に伝わります。リビングは薄い黄色、寝室は薄い青、水回りは薄いグリーン、収納は薄いグレー、というように機能カテゴリごとに色相を統一するのが基本ルールです。

部屋の輪郭が4点でとれる長方形なら、3点・4点指示で素早く塗れます。アルコーブや凹凸のある複雑な部屋形状の場合は、輪郭を連続線で描いておいて「円・連続線指示」で一発塗りするほうが効率的です。曲線属性化を使って部屋ごとにグループ化しておくと、後で色相を一括変更したり、ゾーニング案A/B/Cを差し替える運用がスムーズになります。

敷地塗り分け(ゾーニング・用途別)

外構図・敷地計画図では、用途別に敷地を塗り分ける作業が頻発します。建物配置エリア・駐車場・アプローチ・植栽帯・舗装エリア・庭、というように6〜8色程度のカラー凡例を作っておき、それぞれを任意色で塗ります。アプローチは薄いベージュ、駐車場は薄いグレー、植栽は薄いグリーン、芝生は明るいグリーン、舗装は中間グレー、と段階を持たせると、敷地全体の印象が掴みやすくなります。

敷地境界線・道路境界線は線色4の一点鎖線で描いて、ソリッドの任意色とは別系統にしておくのが定石です。塗り作業は最後に行い、線描きの確定後にソリッドを重ねていきます。

断面図のコンクリート断面

RC造(鉄筋コンクリート造)の断面図では、コンクリート部分を黒系の濃いグレーで塗り潰すのが伝統的な表現です。ハッチングの斜線で表現する流派もありますが、図面サイズが小さい場合や縮尺が大きい場合はソリッド塗りのほうが視認性が高くなります。

コンクリート断面は曲線部が少ない長方形主体なので、3点・4点指示でも十分対応できますが、I型断面・H型断面・複雑な梁断面は連続線で輪郭を描いてから「円・連続線指示」で塗るほうが効率的です。色は黒に近いダークグレー(RGB 30〜50程度)が一般的で、純粋な黒(0,0,0)にすると線図面と区別がつきにくくなるため、わずかにグレー寄りにするのがコツです。

床仕上げ図の素材別カラー

床仕上げ図(フィニッシュプラン)では、フローリング・タイル・カーペット・畳・モルタルなど、素材ごとに色を分けて塗ります。フローリングは薄いベージュ、タイル(水回り)は薄い水色、カーペットは薄いピンクまたは薄いグレー、畳は薄いグリーン、モルタル(土間)は薄いグレー、というように素材イメージに近い色相を選ぶと、施主にも伝わりやすくなります。

床仕上げの記号として斜線ハッチで表現するのが正式ですが、提案図やプレゼン資料ではソリッドの任意色塗りのほうが視覚的に強く、設計意図が一目で伝わります。実施図面に切り替える際は、ソリッドのレイヤを非表示にすればハッチや凡例ベースの正式表現に切り戻せるため、レイヤ管理と組み合わせて運用するのが効率的です。

円環ソリッドの活用シーン

円環ソリッドは出番が限られますが、以下のような場面で重宝します。

  • 配管断面・パイプ断面: 給排水管・ガス管の断面表示
  • 柱頭・柱脚の装飾リング: 古典様式の建築装飾
  • 照明器具のシンボル: ダウンライトやスポットの平面シンボル
  • ロゴ・記号: 円形ロゴの輪郭表現

円環の中抜き寸法を厳密に決めたい場面(配管断面の内径表示など)では、数値入力ダイアログで実寸を直接指定できるため、シンボルの精度が確保できます。

弓形・扇形ソリッドの活用シーン

  • 扇形ソリッド: 開き戸の振れ角表示(建具記号)、視野範囲の表現、パイチャート
  • 弓形ソリッド: 月形のシンボル、レンズ形の装飾、池や水盤の縁取り

開き戸の振れ角表示で扇形ソリッドを薄い色(パステル)で塗ると、扉の開閉軌跡が明確になり、家具配置との干渉チェックが視覚的に確認できます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「塗りつぶし」コマンドが見つからない

→ Jw_cadには「塗りつぶし」という独立コマンドはありません。多角形コマンドを起動してから「任意」ボタン → 「ソリッド図形」チェックの順に進むと塗りつぶしモードに入ります。多角形コマンドは「作図(2)」ツールバーまたはメニューバー「作図」→「多角形」から起動できます。

Q: 「ソリッド図形」のチェックが見つからない

→ コントロールバーの「任意」ボタンを左クリックすると、ソリッド図形のチェックが表示されます。多角形コマンドの初期状態(多角形作図モード)では「2辺」「中心→頂点指定」などのラジオボタンが表示されており、ソリッド関連の項目は見えません。「任意」を押してソリッドモードに入る必要があります。

Q: 4点クリックしたのに塗りつぶされない

→ 3点・4点の手動指示モードでは、頂点をクリックしただけでは確定しません。コントロールバーの「作図」ボタンを左クリックするか、Enterキーを押して確定してください。「円・連続線指示」モード(自動指示)の場合は1クリックで確定するため、混同しやすいポイントです。

Q: 円・連続線指示で塗ろうとしたが範囲が違うところまで塗られた

→ 連続線が完全に閉じていないか、想定外の線が同じ連続線として繋がっている可能性があります。線端のつなぎ漏れがないか、コーナー処理コマンドで角を整形してから再挑戦してください。複雑な形状で混乱する場合は、いったん3点・4点指示の手動モードで塗るか、輪郭を一度別レイヤで描き直してから連続線指示すると確実です。

Q: 円環ソリッドのモードに入れない

→ 「円・連続線指示」ボタンがOFF状態でないと円環ソリッドモードに切り替わりません。誤って左クリックでONにしてしまった場合は、もう一度左クリックしてOFFに戻してから、改めて右クリックで円環ソリッドモードに入ります。画面左上に「円環ソリッド」のモード表示が出ているかを目視確認してください。

Q: 円環ソリッドの中抜きサイズが想定と違う

→ 数値入力ダイアログで指定するのは「ドーナツの幅」ではなく中抜き部分の半径です。元の円が半径100mmで、リング幅を20mmにしたい場合は、中抜き半径として80mmを入力します(100 − 20 = 80)。混同しやすいので、入力前にどちらの数値を求められているか確認しましょう。

Q: 弓形ソリッドにしたいのに扇形になった(またはその逆)

→ コントロールバーの「弓形」チェックの状態で結果が変わります。チェックONで弓形(円弧+弦の領域)、チェックOFFで扇形(円弧+2半径の領域)です。意図しない形状で確定した場合は「戻る」コマンドで戻し、チェックを切り替えてから再度作図してください。

Q: ソリッドの色を変えたい(作図後)

→ ソリッドは「ひとつの塗りつぶし図形」として確定しているため、線属性の変更とは別の手順が必要です。基本はいったん消去して描き直すのが確実です。曲線属性化を使って作図しておけば、属性変更コマンドで一括色変更ができる場合もあります。詳しくは 属性変更で線色・線種だけ変える ※準備中 を参照。

Q: ソリッドが他の図形を隠してしまう

→ ソリッドは「下から上に重なる」描画順なので、後から作図したソリッドが既存の線・文字を覆い隠すことがあります。塗り作業は最後の工程で行い、線描き・文字記入が確定してからソリッドを乗せるのが基本です。すでに隠れてしまった場合は、ソリッドだけ別レイヤに移動し、レイヤ表示順を入れ替えると元の図形が見えるようになります。

Q: 任意色で設定した色が次回起動時に消えている

→ 任意色は基本設定としてではなく、多角形コマンドのその時点の状態として保持されます。Jw_cadを閉じると初期色(白など)にリセットされる場合があります。よく使う色を残したい場合は、サンプル図形を1つ作図しておいて、属性取得(属性取得コマンド ※準備中)で同じ色を再現する運用が便利です。

Q: モノクロ印刷したらソリッドの色が思ったように出ない

→ モノクロ印刷では任意色はグレースケール変換されます。明るいパステル色は薄いグレー、濃い色は濃いグレーになります。モノクロ図面前提で素材表現したい場合は、ソリッドではなくハッチング 1線(角度・ピッチ)などの斜線パターンで描き分けるほうが判別しやすくなります。カラー印刷を確実に行いたい場合はカラー印刷の設定を参照。

Q: 「線形・円周」にチェックを入れて作図したら塗りつぶされなかった

→ それが正しい挙動です。「線形・円周」は塗りつぶさないソリッドを作るためのオプションで、ソリッド図形としての形状情報だけを保持します。後で曲線属性化と組み合わせて一括管理する用途のため、塗りつぶしを期待している場合はチェックを外してください。


関連項目


まとめ

  • ソリッドは多角形コマンドの中の機能。「任意」ボタン → 「ソリッド図形」チェックでソリッドモードに入る
  • 塗り色は任意色(カラーパレット自由設定)と書込線色の2系統。プレゼン用は任意色、線色凡例に揃えるなら書込線色
  • 作図方法は3点・4点指示(手動/「作図」ボタンで確定)と円・連続線指示(自動/1クリック確定)の2系統
  • 円環ソリッド(ドーナツ型)は「円・連続線指示」OFFのまま右クリックで起動。中抜き半径を数値入力で指定
  • 弓形(円弧+弦)と扇形(円弧+2半径)は「弓形」チェックのON/OFFで切り替わる
  • 矩形ソリッド・ハッチとの使い分けは形状と表現スタイルで決める。長方形=矩形ソリッド、斜線=ハッチ、自由形=ソリッド
  • 任意色は書込線色と独立管理。プレゼン用カラー図面と実施図面の二重運用に向いている