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未検証

レイヤ命名規則(建築実務の標準分け)

このページでできるようになること

Jw_cadで建築図面を描くときの レイヤ命名規則 を理解し、自社・自プロジェクトに合うルールを選択できるようになります。代表的な命名方式(CAD製図基準準拠/公共建築工事標準仕様書/日事連標準/自社独自)を比較しながら、平面・立面・断面・配置・詳細など意匠図のレイヤグループ分けと、各グループ内のレイヤ命名(通り芯・柱・壁・建具・寸法・文字 など)の標準的な構成を1枚の地図として整理します。最後にPERSC編集部が住宅・小規模建築向けに推奨する命名セットを提示するので、新規案件のテンプレに即流用できます。

背景: Jw_cadは「レイヤグループ16 × レイヤ16 = 計256枚」の2階層レイヤ構造を持ちますが、配布時はレイヤ番号(0〜F)だけが割り振られていて名前は空欄です。誰がどう名前を付けるかが現場任せになっており、命名のばらつきが他社図面とのやり取りで一番のつまずきポイント になります。この記事は「どう名付けるか」の規格・標準を整理して、命名ルール選びの材料を提供します。レイヤの操作・概念は Ch.6 に、線色・線種の標準は 11-2/11-3 に委譲し、ここでは命名規格の比較に集中します。


命名規則を考える前提(Jw_cadのレイヤ構造)

2階層レイヤと命名対象

Jw_cadのレイヤ命名で名前を付ける対象は次の3つです。

命名対象何に名前を付けるかJw_cadの操作箇所
レイヤグループ名16個ある「グループ」(縮尺ごとの大箱)に付ける名前レイヤグループバーのボタン右クリック → [レイヤグループ設定]ダイアログ
レイヤ名各グループ内の「レイヤ」16枚それぞれに付ける名前レイヤバーのボタン右クリック → [レイヤ設定]ダイアログ
ファイル名jww/jws ファイル本体の名前エクスプローラ/名前を付けて保存

背景: 機械系CAD(AutoCAD等)は1階層のレイヤ構造で、各レイヤに直接「Wall」「Door」のような名前を付けます。Jw_cadは2階層のため、「グループ名(縮尺×図面種別)+ レイヤ名(描く要素)」の2段で命名するのが基本です。この構造を意識せずに「レイヤ1にも壁を描く、レイヤ2にも壁を描く」と運用してしまうと、後から検索・整理ができなくなります。

詳しい構造は レイヤとは(2階層構造の基礎) を参照してください。レイヤの操作方法は レイヤシート操作レイヤグループ操作 にまとめています。レイヤ名を変更する操作画面は レイヤ設定ダイアログ に詳しい解説があります。

命名するメリット

レイヤに名前を付けると、次の3つの利点があります。

メリット具体的な恩恵
ステータスバー上で書込先が一目でわかる「0-0」のような数字表示だけだと書込位置を見失いやすい。「0-壁」のように文字が出ると即座に確認できる
チーム共有時の認識ズレが減る受け取った相手が「この通り芯はどのレイヤ?」と迷わない。引き継ぎコストが下がる
属性変更・範囲選択でレイヤ別に絞り込みやすい一覧ウィンドウから「文字レイヤだけ非表示」「寸法レイヤだけプロテクト」が直感的に操作可能

PERSCの推奨: 案件着手時の最初の作業として、レイヤグループ名・レイヤ名を必ず付ける ことを推奨します。命名なしで描き始めると、後から付けようとしても「このレイヤに何を描いた覚えがあるか」が思い出せず、結局意味のない名前になります。新規ファイルを開いた直後に名前を入れるルーチンが、命名規則を運用に乗せる最短ルートです。


代表的な命名規則の4方式

建築実務で使われている命名規則は、大きく4方式に分けられます。それぞれ「誰が・何のために」決めたかが違うため、案件の発注元・取引先に応じて使い分けます。

方式の全体比較

方式制定主体主な対象レイヤ命名の特徴
CAD製図基準(国交省)国土交通省公共土木・公共建築工事「責任主体ーオブジェクトー内容」の階層命名(半角英数記号)
公共建築工事標準仕様書/JACIC SXF国交省官庁営繕部・JACIC公共建築工事の電子納品CAD製図基準を建築向けに具体化。SXF形式と整合
日事連標準(日本建築士事務所協会連合会)日事連民間建築・設計事務所全角日本語名で実務向け。意匠/構造/設備の3系統
自社独自・社内標準各設計事務所・ゼネコン民間建築全般上記を参考にしつつ、社内の慣行・テンプレに合わせて自由設計

要確認: CAD製図基準・SXF Ver.3/Ver.3.1・日事連標準それぞれの最新版での命名構文・命名要素の詳細は、実機検証フェーズで国交省・JACIC・日事連の一次情報を取得して照合します。

方式1: CAD製図基準(国交省)

国土交通省が公共工事の電子納品向けに整備している規格で、土木・建築の図面交換を統一するために使われます。

項目内容
制定国土交通省(旧建設省)/公共建築 CAD 製図基準として整備
適用公共工事の設計・施工図面・電子納品
命名構文責任主体(1桁)-図面オブジェクト(3桁)-内容(任意桁)
文字種半角英数字+ハイフン
D-WAL(設計者-壁)/C-WAL(施工者-壁)/D-DIM-EXT(設計者-寸法-外形)

背景: 「責任主体」は、その図面要素を 誰が作図責任を持つか を表す1文字記号です。設計者が描いたか・施工者が描いたか・調査者が描いたかを命名でトレースできるようにする狙いがあります。電子納品で図面の作成履歴を担保するための規格設計で、民間設計事務所では過剰仕様になることがあります。

方式2: 公共建築工事標準仕様書/JACIC SXF

公共建築工事の電子納品向けに、国交省官庁営繕部とJACIC(日本建設情報総合センター)が整備しているフォーマットです。CAD製図基準を建築向けに具体化したものとして位置づけられます。

項目内容
制定国土交通省官庁営繕部/JACIC
適用公共建築工事の設計・施工図面
命名構文CAD製図基準を建築工事向けに細分化したコード
ファイル形式SXF(.sfc/.p21)でレイヤ名が保持される
D-FIL(設計者-仕上)/D-EQP(設備)/D-STR(構造)

PERSCの推奨: 公共建築の発注を受ける場合は、発注者の指定する 電子納品要領 を最初に必ず確認します。SXF対応の線色・線種の設定は SXF対応の線色・線種設定 で扱い、線色運用標準は 線色運用の標準 に整理しています。電子納品レイヤ名と社内テンプレートのレイヤ名を二重管理する運用は現実的ではないため、公共案件用テンプレ・民間案件用テンプレを別ファイルで分けて持つ のが現場の知恵です。

方式3: 日事連標準(日本建築士事務所協会連合会)

日事連(日本建築士事務所協会連合会)が民間設計事務所向けに整備した命名標準です。CAD製図基準ほど厳密ではなく、実務で使いやすい全角日本語名がベースになっています。

項目内容
制定日本建築士事務所協会連合会
適用民間建築・設計事務所間の図面交換
命名構文「意匠/構造/設備」の3系統で日本語名が整理されている
文字種全角日本語+半角英数
通り芯柱・梁仕上線寸法室名外構

要確認: 日事連標準レイヤ命名の現行版(建築設計図面における CAD データ標準仕様 等)の最新発行年・項目数は実機検証フェーズで確認します。

方式4: 自社独自・社内標準

各設計事務所・ゼネコン・住宅会社・工務店が、上記方式を参考にしながら社内の慣行に合わせて整備する命名規則です。実務で最も多いパターンです。

項目内容
制定各設計事務所・ゼネコン設計部・住宅会社・工務店
適用社内案件・常連発注先案件
命名構文社内テンプレ準拠。多くは方式3(日事連標準)に近いが社風に応じて簡略化/拡張
文字種全角日本語が主流。番号順で要素種別と並ぶ
1_通り芯2_柱3_壁4_建具(番号付き連番命名)

背景: 「自社独自」と一言で言っても、実態は所長や設計責任者が 長年の慣習で決めた命名 が固まっているケースが多く、明文化されていない事務所も少なくありません。新人がテンプレを使うときに「なぜこの順番なのか」を聞いても明確な答えが返ってこないのは、よくある話です。命名規則を 明文化して引き継げる形に整える こと自体が、組織のCAD運用力を上げる手段になります。


意匠図のレイヤグループ分け(命名対象その1)

レイヤグループは「縮尺×図面種別」で分けるのが王道です。建築意匠図の典型的なグループ分けを、PERSC編集部の推奨形で整理します。

住宅・小規模建築の標準グループ構成

グループグループ名(推奨)縮尺主な内容
Gp.0平面_1F_1/1001/1001階平面図(通り芯〜建具〜寸法〜文字)
Gp.1平面_2F_1/1001/1002階平面図
Gp.2立面_1/1001/100東西南北4面の立面図
Gp.3断面_1/1001/100主要断面図1〜2本
Gp.4配置_1/2001/200敷地・隣地境界・道路・方位
Gp.5詳細_玄関_1/301/30玄関納まり詳細
Gp.6詳細_階段_1/301/30階段納まり詳細
Gp.7詳細_キッチン_1/301/30キッチン納まり詳細
Gp.8詳細_浴室_1/301/30浴室納まり詳細
Gp.9矩計_1/301/30矩計図
Gp.A構造_1/1001/100基礎伏図・床伏図・小屋伏図
Gp.B設備_電気_1/1001/100電気設備平面
Gp.C設備_衛生_1/1001/100給排水・衛生設備平面
Gp.D設備_空調_1/1001/100空調・換気設備平面
Gp.E予備任意改訂版・参考図・検討用
Gp.F図面枠_1/11/1図面枠(FFレイヤにプロテクト)

PERSCの推奨: グループ名は「図面種別_スコープ_縮尺」の3要素で構成すると、ステータスバー表示が読みやすくなります。例: 平面_1F_1/100 のように、何の図面か(平面)・どの範囲か(1F)・縮尺(1/100)が1行で見えます。スコープが不要な場合(立面図など)は「図面種別_縮尺」の2要素でも構いません。

中規模・商業施設での拡張パターン

事務所ビル・商業施設・大型公共建築では、住宅向け構成に加えて次のグループを追加します。

追加グループ用途
平面_3F〜屋上階数が増える場合は階別にグループ分割
詳細_展開図_1/50室内展開図
サイン_1/100看板・誘導サイン計画
防災_1/100避難経路・消火器・誘導灯
構造_配筋詳細_1/10RC造の配筋詳細図

建築実務の図面種別ごとの細かいレイヤ構成は 建築図面のレイヤ分け実践 で実例つきで詳説しています。あわせて参照してください。

図面枠グループ(Gp.F)の運用

図面枠は Gp.Fの最後のレイヤ(FFレイヤ)に置いてプロテクト するのが伝統的な運用です。

設定
グループ番号Gp.F
レイヤ番号F(FFレイヤ)
縮尺1/1
プロテクトCtrl+Shift+左クリック(紫×2本)

背景: FFレイヤに図面枠を置く運用は、Jw_cadコミュニティで長く受け継がれている慣習です。「F-F」という分かりやすい位置に置くこと、最後のグループ・レイヤなので他要素と被らないこと、プロテクトをかけると誤操作で図面枠を壊さなくなることが理由です。詳しくは プロテクトレイヤ を参照してください(プロテクトの操作詳細は Ch.6 で扱います)。


レイヤ内の要素別命名(命名対象その2)

各グループ内の16枚のレイヤに「何を描くか」で命名します。建築意匠図の代表的なレイヤ命名を整理します。

平面図のレイヤ命名(標準16構成)

レイヤ番号レイヤ名(推奨)描く対象
0下書き補助線・スケッチ・ガイドライン
1通り芯X通り・Y通り・通り芯記号(X1/Y1等)
2構造柱・管柱・通し柱
3外壁・内壁・間仕切壁
4建具ドア・窓・サッシ・引戸
5階段段板・蹴上げ・手すり・上り下り矢印
6設備記号衛生器具・キッチン設備・電気記号
7家具・什器家具・什器・造付け収納
8仕上線仕上材の境界線・目地
9ハッチング仕上材ハッチ・断面ハッチ
A寸法寸法線・寸法値・引出線
B室名室名・帖数・面積
C注記注記文字・矢視記号・断面記号
D方位・凡例方位記号・凡例表
E予備改訂版・チェック印
F(空き)グループ単位の図面枠が無い場合は空き

PERSCの推奨: レイヤ番号と要素種別の対応を チーム内で固定 すると、複数案件をまたいでも「2は必ず柱」「3は必ず壁」と覚えてしまえるので作業効率が大きく上がります。命名規則の本質は番号と要素のマッピングを揃えることにあり、文字名は補助情報です。

立面図のレイヤ命名

レイヤ番号レイヤ名(推奨)描く対象
0下書き補助線・GLライン基準
1基準線GL・FL・軒高・最高高さ
2躯体外形外壁・柱・梁の見え線
3建具窓・玄関ドア・庇
4仕上線外装材の目地・継ぎ目
5設備外観給湯器・室外機・換気フード
6寸法高さ寸法・幅寸法
7文字仕上材記号・矢視記号
8方位記号北矢印・断面記号
9ハッチング外装材・地盤・植栽

断面図のレイヤ命名

レイヤ番号レイヤ名(推奨)描く対象
0下書き補助線
1基準線GL・FL・天井高
2構造躯体柱・梁・床スラブ・基礎
3外壁・内壁の断面
4天井天井下地・天井ふところ
5床仕上フローリング・タイル・畳
6建具ドア・窓の断面
7設備配管・ダクト・配線
8寸法高さ寸法・天井高寸法
9文字仕上材・室名
Aハッチング断面塗り

配置図のレイヤ命名

レイヤ番号レイヤ名(推奨)描く対象
0下書き補助線
1隣地境界隣地境界線
2道路境界道路境界線・道路中心線
3建物外形建物外周線
4外構駐車場・アプローチ・植栽
5給排水屋外配管・桝位置
6寸法敷地寸法・建物寸法
7文字敷地面積・建築面積
8方位方位記号・真北
9凡例凡例表・特記事項

詳細図のレイヤ命名

レイヤ番号レイヤ名(推奨)描く対象
0下書き補助線
1基準線基礎芯・通り芯・FL
2構造材柱・梁・土台・桁・束
3下地材合板・石膏ボード・断熱材
4仕上材フローリング・タイル・サイディング
5金物接合金物・コーチボルト・釘
6建具・サッシ枠・額縁・水切り
7寸法実寸法・部材寸法
8文字部材名・仕上材名・引出線
9ハッチング断熱材・コンクリート・木材繊維方向

Tips: 詳細図はレイヤを細分化したくなりますが、レイヤ数を増やすほど管理コストが上がる ので注意してください。10レイヤ程度で収めて、それ以上必要なら別グループ(別詳細)に分けるのが運用の安定解です。


命名規則の具体的な書き方

推奨フォーマット(PERSC案)

PERSC編集部が住宅・小規模建築向けに推奨する命名フォーマットです。

グループ名: {図面種別}_{スコープ}_{縮尺}
   例: 平面_1F_1/100
       立面_1/100
       詳細_玄関_1/30

レイヤ名: {要素種別}
   例: 通り芯


       建具
       寸法
       文字

バリエーション: 番号付き命名

レイヤ一覧で並び順を強制したい場合は、頭に番号を付けます。

レイヤ名: {番号}_{要素種別}
   例: 1_通り芯
       2_柱
       3_壁
       4_建具
       5_設備
       6_寸法
       7_文字

PERSCの推奨: 番号付き命名は 複数案件をまたいでチームで運用するときに特に有効 です。「3_壁」「3_壁」とどの案件でも同じ番号で呼べるので、属性変更コマンドでの一括レイヤ移動などで「3に集約」と指示が通ります。

バリエーション: 階層命名

CAD製図基準寄りに、階層構造を持たせる書き方もあります。

レイヤ名: {大分類}-{小分類}
   例: 構造-柱
       構造-梁
       仕上-外装
       仕上-内装
       設備-給水
       設備-排水

入力可能文字数の制約

Jw_cadのレイヤ名・グループ名は、入力可能な文字数に上限があります。長すぎる名前は切り詰められて表示されるので、要素を盛り込み過ぎないようにします。

要確認: Jw_cadのレイヤ名・グループ名の入力可能文字数(半角・全角の上限)と、特殊記号(スラッシュ・スペース・全角ハイフン等)の使用可否は、実機検証フェーズで レイヤ設定ダイアログ を実機操作して確認します。

命名で避けたい記号・文字

避けたい文字理由
半角スラッシュ /ファイル名と混同しやすい。縮尺表記の区切りには使わざるを得ないが、レイヤ名末尾には付けない
機種依存文字(丸数字①②③等)DWG/DXF経由で他社受け渡しすると文字化けする
半角スペース複数一覧表示でズレる。区切るならアンダースコアに統一
改行・タブレイヤ名には入らないが、誤コピペで紛れ込むことがある

PERSC推奨命名セット(住宅意匠図 16レイヤ完成形)

PERSC編集部が住宅意匠図向けに推奨する、16レイヤ完成形の命名セットを示します。新規案件のテンプレ作成時にそのままコピーで使えます。

グループ構成(Gp.0〜Gp.F)

グループグループ名縮尺
Gp.0平面_1F_1/1001/100
Gp.1平面_2F_1/1001/100
Gp.2立面_1/1001/100
Gp.3断面_1/1001/100
Gp.4配置_1/2001/200
Gp.5矩計_1/301/30
Gp.6詳細_玄関_1/301/30
Gp.7詳細_階段_1/301/30
Gp.8詳細_キッチン_1/301/30
Gp.9詳細_浴室_1/301/30
Gp.A構造_1/1001/100
Gp.B設備_電気_1/1001/100
Gp.C設備_衛生_1/1001/100
Gp.D設備_空調_1/1001/100
Gp.E予備任意
Gp.F図面枠_1/11/1

平面図グループ(Gp.0/Gp.1)のレイヤ16構成

レイヤレイヤ名線色(推奨)線種(推奨)
0下書き補助線色(非印刷)任意
1通り芯線色7(桃系)一点鎖線
2線色2(黒〜濃色)実線
3壁(外壁/内壁)外壁=線色2(黒〜濃色)/内壁=線色3(緑系)実線
4建具線色3(緑系)実線
5階段線色4(黄系)実線
6設備線色4(黄系)実線
7家具線色4(黄系)実線
8仕上線線色8(青系)実線
9ハッチング線色1(水色系)実線
A寸法線色6(白〜灰系)実線
B室名線色6(白〜灰系)実線
C注記線色6(白〜灰系)実線
D方位・凡例線色6(白〜灰系)実線
E予備任意任意
F(空き)

要確認: 上記の線色割当は 線色運用の標準 の「PERSC推奨: 線色割り当て標準(住宅)」表をマスターとして整合させた値です。実機での画面色・印刷太さの最終確定は実機検証フェーズで実施します。

線色運用のルール詳細は 線色運用の標準、線種の使い分けは 線種の使い分け を参照してください。

命名一覧をテキストでコピペ用に

新規ファイルでまとめて入力したい場合に使えるテキストです。

[グループ名]
Gp.0: 平面_1F_1/100
Gp.1: 平面_2F_1/100
Gp.2: 立面_1/100
Gp.3: 断面_1/100
Gp.4: 配置_1/200
Gp.5: 矩計_1/30
Gp.6: 詳細_玄関_1/30
Gp.7: 詳細_階段_1/30
Gp.8: 詳細_キッチン_1/30
Gp.9: 詳細_浴室_1/30
Gp.A: 構造_1/100
Gp.B: 設備_電気_1/100
Gp.C: 設備_衛生_1/100
Gp.D: 設備_空調_1/100
Gp.E: 予備
Gp.F: 図面枠_1/1

[平面図のレイヤ名]
0: 下書き
1: 通り芯
2: 柱
3: 壁
4: 建具
5: 階段
6: 設備
7: 家具
8: 仕上線
9: ハッチング
A: 寸法
B: 室名
C: 注記
D: 方位・凡例
E: 予備
F: (空き)

Tips: 上記をテンプレファイル(例: テンプレ_住宅_A2.jww)として保存しておくと、新規案件は「テンプレを開いて別名保存」のワンステップで命名済みの状態から始められます。テンプレ整備の運用は レイヤテンプレート ※準備中 で具体例を提供します。


実務での使い方 ★PERSC独自

公共案件と民間案件で別テンプレを持つ

PERSC編集部が現場で見聞きしてきた範囲では、公共案件と民間案件でテンプレファイルを分けて持っている事務所が多数派 です。それぞれ命名規則の前提が違うため、1つのテンプレで両方を回そうとすると、どちらの案件でも納品時に修正が発生します。

案件種別テンプレ命名規則特徴
公共建築(電子納品要)CAD製図基準準拠+発注者要綱半角英数記号メイン。SXF対応。納品先要綱で調整
民間建築(一般)日事連標準+社内テンプレ全角日本語名で日常運用
住宅(個人施主)社内独自+PERSC推奨セット全角日本語名。シンプル運用
リフォーム・小規模社内独自・最小限5〜8レイヤで簡略運用

PERSCの推奨: 公共案件のテンプレは 発注者の電子納品要綱が出てから整備する のが手戻りを防ぐコツです。要綱を取り寄せる前にテンプレ整備を始めると、要綱と微妙に違って二度手間になります。電子納品要綱の有無は契約段階で発注者・施工者と確認しておきます。

設計事務所内での命名統一プロセス

複数人で運用する設計事務所では、命名規則を「決める→守る→見直す」のサイクルで回します。

フェーズやること
決める所長・主任設計者が命名規則を文書化(A4 1〜2枚)
テンプレ化規則に沿ったテンプレJWWファイルを整備(住宅用・小規模用・公共用)
共有全員のPCに同じテンプレを配置。共有フォルダから取得する運用
守る新規案件の着手時に必ずテンプレからコピー
見直す半年〜1年に1回、運用上の不便があれば命名規則を更新

背景: 命名規則を「決めただけ」で運用に乗らない事務所はとても多いです。原因の9割は テンプレ化と共有のステップが抜けている こと。命名規則の文書だけ配布されても、新規案件で1から名前を入力するのは面倒なので、結局守られません。テンプレファイルとしてセット化することが運用定着の決め手です。

工務店・施工側の図面受領時のリネーム運用

工務店・施工会社が設計事務所から受領した図面を、社内仕様のレイヤ命名にリネームする運用もよく行われています。

工程操作
1受領ファイルを開いてレイヤ構成を確認
2自社テンプレと比較して、対応関係をメモ
3範囲選択 → 属性変更コマンドでレイヤを一括移動
4レイヤ名を社内標準に合わせて変更
5別名保存して施工管理用ファイルとして運用

属性変更によるレイヤ一括移動の操作詳細は 属性変更(レイヤ一括移動) ※準備中 で扱います。

CAD製図基準が要求される公共案件の入口

公共建築・公共土木の案件で「CAD製図基準準拠」が要求された場合、最初にやるべき確認は次の3点です。

確認項目確認方法
発注者の電子納品要綱契約書類・特記仕様書を確認。発注者から最新版の電子納品要綱を取り寄せ
SXF出力対応Jw_cad のSXF出力機能で納品形式が出せるか実機テスト
レイヤ名の半角化納品時はレイヤ名を半角英数記号に変換。日本語名は対応する半角コードへリネーム

要確認: 国交省 CAD製図基準(建築用)の最新版(電子納品要領/設計業務電子納品要領 等)の発行年・適用範囲は、実機検証フェーズで国交省 公式サイト(mlit.go.jp/tec/it/cals/cad.html 等)の一次情報で確認します。

大規模プロジェクトでのレイヤ枯渇対応

商業施設・大規模住宅・複合用途建築では、256レイヤを使い切る場面があります。その場合は 複数ファイル分割 で対応します。

分割パターン構成例
図面種別で分割物件名_意匠.jww物件名_構造.jww物件名_設備.jww
階別で分割物件名_1F.jww物件名_2F.jww物件名_3F.jww
フェーズ別で分割物件名_計画.jww物件名_実施.jww物件名_施工.jww

ファイル名の付け方は ファイル命名規則 で扱います。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 命名規則を決めようとしたが、何から始めればいい?

→ まず PERSC推奨命名セット(この記事の住宅意匠図16レイヤ完成形) をそのまま採用してください。実務で動作実績のある構成を出発点にして、半年運用して不便があれば社内事情に合わせて調整、というアプローチが最短です。ゼロから命名規則を考える時間が一番もったいないです。

Q: 既存案件のレイヤ命名を新ルールに統一したい

既存案件はそのまま、新規案件から新ルール が安全です。途中で名前を変えると、案件内で図面の整合性チェックがしづらくなります。古い案件は古いまま、新ルールは新規プロジェクト着手時から適用するのが原則です。

Q: 受領した図面のレイヤ名がバラバラで自社標準と合わない

→ 範囲選択 → 属性変更コマンドで自社レイヤに一括移動できます。詳しくは 建築図面のレイヤ分け実践 の「設備担当からファイル受領時の対処」を参照してください。受領頻度が高い相手とは、事前に レイヤ命名のすり合わせ を1回だけしておくとそれ以降の手間がゼロになります。

Q: レイヤ名を入れたつもりだが反映されない

→ レイヤ名の編集は レイヤ設定ダイアログ または レイヤシート操作 で行います。入力後は OK/適用ボタンを必ず押す こと。Enterキーだけだと反映されないバージョンがあります。実機で確認してください。

Q: 全角日本語名と半角英数名、どっちがいい?

→ 案件種別で使い分けます。

案件種別推奨
民間建築(社内・常連発注先のみ)全角日本語名(読みやすい)
公共建築(電子納品あり)半角英数記号(CAD製図基準準拠)
海外発注・BIM連携半角英数(ASCIIで安全)

電子納品が無い民間案件は、全角日本語名のほうが新人の習得が早く、ミスも減ります。「Wall」「Door」より「壁」「建具」のほうが直感的だからです。

Q: 番号付き命名(1_通り芯)と非番号命名(通り芯)どっち?

→ レイヤ番号と要素の対応をチーム内で固定するなら、番号付き命名にする必要はありません。レイヤ番号自体(0〜F)が並び順を決めるからです。番号付き命名はレイヤ一覧での表示順を強制したい場合や、複数案件で番号と要素の対応を覚えやすくしたい場合に有効です。

Q: グループ名・レイヤ名が長すぎて見切れる

→ Jw_cadのレイヤ名表示は ステータスバーで切り詰められる ことがあります。実機で表示確認しながら、収まる範囲に名前を短くしてください。「平面_1F_1/100」のような区切り位置を意識して、重要な情報を前に置くと切り詰められても判別できます。

Q: 命名規則を変えると印刷出力が変わる?

→ レイヤ名は印刷出力には影響しません。印刷時の見え方は 線色×線種×線太さの組み合わせ で決まります。印刷時の線太さ設定は 印刷時の線太さ標準 で扱います。命名規則の変更は安心して実施してください。

Q: 複数の命名規則を1ファイルで混在させても大丈夫?

→ 推奨しません。1つのJWWファイル内では1つの命名規則で統一するのが原則です。混在させると、属性変更でレイヤを一括操作するときに想定外の動作が発生します。複数規則を扱う必要がある案件は、ファイル単位で命名規則を分ける のが正解です。

Q: 国交省CAD製図基準の最新版はどこで見られる?

→ 国土交通省の公式サイト(mlit.go.jp)の「電子納品関係要領基準」のページに、最新の要領基準集が公開されています。建築設計業務の場合は「設計業務等電子納品要領(建築・設備)」、施工の場合は「工事完成図書の電子納品等要領(建築・設備)」を確認します。発注ごとに発注者から指定される版が違うことがあるため、案件着手時に 発注者から最新版指定を受け取る のが確実です。


関連項目


まとめ

  • Jw_cadのレイヤ命名は「レイヤグループ名・レイヤ名・ファイル名」の3階層で考える
  • 命名規則の代表方式は4種類(CAD製図基準/公共建築仕様書/日事連標準/自社独自)
  • 民間案件は 全角日本語名 が読みやすく、公共案件は 半角英数記号(CAD製図基準準拠) が必須
  • グループ名は「図面種別_スコープ_縮尺」、レイヤ名は「要素種別」のフォーマットが標準
  • 平面図は16レイヤ構成(下書き・通り芯・柱・壁・建具・階段・設備・家具・仕上線・ハッチング・寸法・室名・注記・方位凡例・予備・空き)が完成形
  • 命名規則は テンプレJWWファイルとして整備して共有 しないと運用に乗らない
  • 公共案件と民間案件は テンプレを別ファイルで分けて持つ のが現場の知恵
  • 操作・概念は Ch.6 に、線色・線種は 11-2/11-3 に委譲。この記事は「どう名付けるか」の規格解説に集中