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未検証

新規作成

このコマンドでできること

作図中の図面を閉じて、まっさらな新しい作図ウィンドウを開くコマンドです。プロジェクトを切り替えるとき、別の図面を一から描き始めるときに使います。あわせて、未保存の変更があるときに表示される確認ダイアログの読み方、新規作成時に引き継がれる設定(縮尺・用紙サイズ等)の挙動も理解できます。

背景: Jw_cadは1つの作図ウィンドウで1図面のみを編集する設計です。複数の図面を同時にタブで開く方式ではないため、「新規作成」は 現在の図面を閉じて新しい図面に切り替える 操作になります。これを知らずに実行すると作図中の内容が消えてしまうため、最初の落とし穴として押さえておきましょう。


起動方法

新規作成コマンドは3通りの方法で実行できます。よく使う操作のため、ショートカットキーを覚えておくと便利です。

方法操作
メニューバーファイル」→「新規作成
ツールバーメインツールバー(画面上部)の「新規」ボタンをクリック
ショートカットCtrl + N

要確認: メニューバー「ファイル」→「新規作成」の正確な文言、メインツールバー「新規」ボタンのツールチップ表記は実機で照合します。


基本操作

パターンA: 作図中の図面がない(または保存済み)の場合

  1. Ctrl + N を押す(またはメニュー「ファイル」→「新規作成」)
  2. 現在の図面が閉じ、何も描かれていない白紙の作図ウィンドウが表示される
  3. タイトルバーが「無題 - jw_win」(または同等表記)に切り替わる

パターンB: 作図中の未保存変更がある場合

未保存の変更がある状態で新規作成を実行すると、変更内容が消えてしまわないように 確認ダイアログ が表示されます。

  1. Ctrl + N を押す
  2. 「変更内容を保存しますか?」(趣旨)の確認ダイアログが表示される
  3. はい」「いいえ」「キャンセル」のいずれかを選ぶ

確認ダイアログ3ボタンの選択指針

未保存変更がある状態で新規作成を実行すると現れるダイアログは、初心者がもっとも誤操作しやすい場面です。それぞれの選択肢が何をするのか、用途別にまとめます。

ボタン動作使うべき場面
はい現在の図面を保存してから、新規作成を実行作図内容を残したい(通常はこれを選ぶ)
いいえ現在の図面を保存せずに破棄して、新規作成を実行試し書きで残す価値がない、本当に捨てて構わない時のみ
キャンセル新規作成をキャンセルし、作図画面に戻る押し間違えた時、まず内容を確認したい時

注意: 「いいえ」は作図中の内容が完全に消えます。Undo(戻る)でも復元できません。判断に迷ったら必ず「キャンセル」で戻り、内容を確認してから操作し直しましょう。

「はい」を選んだ後の挙動

「はい」を選ぶと、現在の図面の保存状態によって次の挙動が変わります。

  • 一度でも保存済みのファイル(タイトルバーに 物件名.jww 等が表示)の場合: そのままファイルに上書き保存された後、新規作成が実行される
  • 一度も保存していない「無題」のファイルの場合: 「名前を付けて保存」ダイアログが表示される。保存場所・ファイル名・ファイルの種類(通常は Jw_win Files (*.jww))を指定して保存後、新規作成が実行される

Tips: タイトルバーに「無題」と表示されているうちは「まだ一度も保存されていない」状態です。タイトルバーを見れば、確認ダイアログで「はい」を押した時に上書きになるか、保存ダイアログが出るかが判別できます。


新規作成で引き継がれる設定(縮尺・用紙サイズ等)

新規作成を実行すると 作図内容は消えますが、設定の一部は直前の状態が引き継がれます。これを把握しておくと、テンプレート的な運用がスムーズになります。

引き継がれる主な設定

項目引き継ぎ
縮尺(書込レイヤグループの縮尺)直前の状態を引き継ぐ
用紙サイズ(A4/A3/A2 等)直前の状態を引き継ぐ
書込レイヤ・書込レイヤグループ直前の状態を引き継ぐ
書込線色・線種直前の状態を引き継ぐ
軸角・目盛直前の状態を引き継ぐ
環境設定ファイル(jwf)の内容起動時に読み込まれた設定が継続

引き継がれない(リセットされる)もの

  • 作図された図形・文字・寸法(すべて消去)
  • 範囲選択の状態
  • Undo/Redo の履歴

要確認: 縮尺・用紙サイズ・書込レイヤ等の継承挙動はバージョンや環境設定によって振る舞いが変わる可能性あり。実機で要検証。

背景: 「新規作成 = 完全リセット」ではなく「作図データだけが消える」という挙動です。これを使うと、たとえば住宅平面図を1/100で描いた後にそのまま新規作成すれば、次の図面も1/100の白紙からスタートできます。逐一縮尺を設定し直す手間を省けます。


派生パターン

パターンA: 起動直後の白紙作図ウィンドウ

Jw_cadを起動した直後は、すでに「無題」の白紙作図ウィンドウが表示されています。起動直後は新規作成コマンドを別途実行する必要はありません。そのまま作図を開始できます。

パターンB: 別の図面ファイルを開く(新規作成ではない)

「既存のファイルを編集したい」場合は、新規作成ではなく 「ファイルを開く」(Ctrl + O を使います。新規作成は 白紙から始める 用途、ファイルを開くは 既存ファイルを編集する 用途と、目的が異なります。

パターンC: 自前のテンプレートファイル(.jww)からの「新規作成」運用

Jw_cad 本体には「テンプレート機能」という独立コマンドはありません。テンプレート的な運用をしたい場合は、以下のように 空の雛形ファイルを開いて、別名保存する 方式が一般的です。

  1. 雛形となる .jww ファイル(用紙枠・図枠・凡例・標準レイヤ構成のみが入ったファイル)を作成・保存しておく
  2. 新しい物件を始める時は、雛形ファイルを「ファイルを開く」で読み込む
  3. すぐに「名前を付けて保存」(Ctrl + Shift + S 相当の操作)で新しい物件名で保存
  4. 以降はその新ファイルに作図を進める

このフローについては 名前を付けて保存 ※準備中 に詳しく書きます。


実務での使い方 ★PERSC独自

物件テンプレート(雛形 .jww)を起点にした新規物件の立ち上げ

設計事務所の実務では、物件ごとに 白紙から作図を始めることはほぼありません。多くの場合、社内で運用している 物件テンプレート(雛形 .jww) を流用して新規物件を立ち上げます。

PERSCで運用している雛形には、典型的に以下が含まれます。

  • 図枠(A3横/A2横の用紙枠)
  • タイトルブロック(事務所ロゴ・物件名欄・図面名欄・縮尺欄・日付欄・図番欄)
  • 標準レイヤ構成(0:通り芯/1:壁/2:建具/3:寸法/4:文字/F:図枠 等の事前命名)
  • 標準線色・線種設定(印刷時の線太さに合わせた色番号)
  • 凡例・北矢印のサンプル

PERSCの推奨フロー

PERSCの推奨: Jw_cadの「新規作成」コマンドは 白紙からの設計演習やテストスケッチ に使い、実物件は雛形ファイル → 名前を付けて保存 で始めるのを推奨します。雛形運用にすると、毎回レイヤ番号や図枠を作り直す手間がなくなり、事務所内の図面表現も統一できます。

縮尺・用紙サイズの継承を活かしたシリーズ図面の連続作成

新規作成では縮尺・用紙サイズが直前から引き継がれる挙動を利用すると、同じ縮尺で複数枚のシリーズ図面を効率よく立ち上げられます

例: 1/50 の住宅詳細図シリーズ(玄関廻り詳細/キッチン廻り詳細/浴室廻り詳細)を順に描く場合、

  1. 1枚目(玄関廻り詳細)を 1/50・A3横 で作図 → 名前を付けて保存
  2. Ctrl + N で新規作成(縮尺・用紙が引き継がれる)
  3. 2枚目(キッチン廻り詳細)の作図を開始
  4. 同様に繰り返し

これで「次のシリーズ図面でうっかり 1/100 のまま描き始める」事故を防げます。

設計途中の試案検討に使う

実務では「思いつきの試案を一度白紙で描いてみたい」場面もあります。この時に新規作成を使うと、現作図ファイルを保存した上で別案を素早く立ち上げられます。試案が採用されたら名前を付けて保存、不採用なら破棄、と試行錯誤のサイクルが回しやすくなります。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 新規作成を実行したら作図中の図面が消えてしまった

確認ダイアログで「いいえ」を選択した場合、または「いいえ」を意図せず押してしまった場合、作図中の内容は消えて復元できません。Undo(戻る)でも戻せません。

予防策として、以下の運用を推奨します。

  • こまめに Ctrl + S(上書き保存)する習慣をつける
  • 自動保存(オートセーブ)を有効化しておく → 自動保存と復元 ※準備中
  • 確認ダイアログでは内容を確認するまで「キャンセル」を選び、不安な時は一度作図画面に戻る

Q: ショートカット Ctrl + N が反応しない

Jw_cad のショートカットは 環境設定の「KEY」タブで割当を変更できる 仕様のため、過去に設定変更した・他人がカスタマイズしたPCを使っている場合に反応しないことがあります。メニューバー「ファイル」→「新規作成」から実行できれば、コマンド自体は正常です。

ショートカット割当の確認・変更については 基本設定(KEY) ※準備中 を参照してください。

Q: 新規作成したのに、前の図面の用紙サイズや縮尺がそのまま残る

これはバグではなく仕様です。新規作成は「作図データだけを消す」コマンドで、用紙サイズ・縮尺・書込レイヤ等は直前の状態を引き継ぎます。リセットしたい場合は、

  • 用紙サイズ: ステータスバーの用紙サイズ表示をクリックして変更
  • 縮尺: ステータスバーの縮尺表示(「S=1/100」等)をクリックして変更
  • レイヤ: レイヤバーで書込レイヤを 0 番に戻す

を個別に行います。

Q: 確認ダイアログで間違えて「いいえ」を押してしまった

残念ながら復元方法はありません。次回からは確認ダイアログが出たら一旦「キャンセル」を押して作図画面に戻り、必要なら Ctrl + S で保存してから新規作成を実行する習慣をつけましょう。

なお、自動保存(オートセーブ)が有効化されていれば jw$ 拡張子の自動保存ファイルが残っている可能性があります。詳細は 自動保存と復元 ※準備中 を参照してください。

Q: 「無題」のファイルで「はい」を押したら知らないダイアログが出た

「無題」(=一度も保存していない)のファイルで「はい」を押すと「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。保存場所とファイル名を決めて保存すれば、新規作成が続行されます。あわてず保存先を選びましょう。


関連項目


まとめ

  • 新規作成は「現在の図面を閉じて、白紙の作図ウィンドウを開く」コマンド。Ctrl + N / メニュー「ファイル」→「新規作成」/ メインツールバー「新規」ボタンの3経路
  • 未保存変更があると確認ダイアログが出る。「はい」=保存してから新規、「いいえ」=破棄して新規(復元不可)、「キャンセル」=戻る
  • 縮尺・用紙サイズ・書込レイヤ等の設定は直前の状態を引き継ぐ。作図データだけがリセットされる
  • 実務では「白紙から新規作成」よりも、雛形 .jww を開いて名前を付けて保存する運用が一般的