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データ整理 重複整理(重なった線をひとつに)
このページでできるようになること
Jw_cadの「データ整理」コマンドに含まれる「重複整理」機能を使って、図面上に重なって存在する線・円弧・文字データをひとつにまとめられるようになります。コピー操作の多用やDXFファイルの取り込み後に発生しがちな不要な重複線を一括で片付け、図面データを軽量化・クリーンな状態にできます。
背景: Jw_cadでは重なった線は見た目には1本に見えますが、データとしては複数本が存在します。消去しても下の線が残るという現象はこれが原因です。重複整理を使うと、こうした「見えない重複線」を一括で削除できます。
起動方法
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「編集」→「データ整理」 |
| ツールバー | 編集(2)ツールバーの「整理」ボタンをクリック |
画像準備中 — メニューバーの「編集」→「データ整理」の位置
画像準備中 — 編集(2)ツールバーの「整理」ボタンの位置(矢印付き)
重複整理の対象となるデータの条件
重複整理が「重複あり」と判定するには、複数の条件を同時に満たす必要があります。条件を理解しておくと、「整理したはずなのに線が残った」というトラブルを防げます。
| データ種別 | 重複と判定される条件 |
|---|---|
| 線・円弧 | 同一レイヤ・同一線色・同一線種で、同一線上または同一円上に少しでも重なっている |
| 実点 | 同一レイヤ・同一線色で完全に同位置にある |
| 文字 | 同一レイヤ・同一文字種で、同一文字列が同位置に重なっている |
注意: 線色または線種が異なる線は、たとえ同じ位置に重なっていても重複と判定されません。整理されずに残るので注意してください。
要確認: 上記の「同一レイヤ」条件が実際に必須かどうかを実機で確認してください。レイヤが異なる同線種・同線色の重複線の挙動を検証する必要があります。
基本操作
注意: 重複整理を行う前に、必ず以下の 3 ステップ安全手順 を踏んでください:
- コピー退避: 対象JWWファイルを別名でコピーバックアップ(例:
1F平面図.jww→1F平面図_backup_2026-05-09.jww)- 検証: バックアップを別場所に置いた状態で、整理対象の判定条件(同一レイヤ・同一線色・同一線種)に意図しない線が巻き込まれないかを小範囲で確認(バックアップから戻せる前提を作る)
- 対処: 上記2ステップを踏んだ上で、本記事の手順を実行
重複整理は 複数の重複線データを物理的に削除 するため、図面データの 永続的損失 につながる可能性があります。原本に対して直接実行する前に、必ずバックアップを取ってください。
操作手順サマリー(全6ステップ)
| # | 操作 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | データ整理コマンドを起動 | メニュー or ツールバー |
| 2 | 範囲選択の始点を左クリック | 整理したいデータを囲む範囲の左上あたり |
| 3 | 範囲選択の終点を左クリック | 範囲を広げて整理対象をすべて囲む |
| 4 | 「選択確定」ボタンをクリック | 選択色に変わったデータを確定 |
| 5 | 「重複整理」ボタンをクリック | コントロールバーに表示 |
| 6 | 消去された線の数を確認 | 画面左上に表示される |
ステップ詳細
Step 1: データ整理コマンドを起動する
メニューバーの「編集」→「データ整理」をクリックするか、編集(2)ツールバーの「整理」ボタンをクリックします。
Step 2〜3: 整理する範囲を選択する
コマンドを起動すると、範囲選択の操作に入ります。整理したいデータが入った範囲の始点を左クリックし、続けて終点を左クリックして選択範囲を確定します。
操作方法は「範囲選択」コマンドの範囲内選択と同じです。選択範囲を広げながら、整理したいデータをすべて囲むようにします。
Tips: 図面全体を整理したい場合は、「全選択」ボタンを使うと図面上のすべてのデータを一括選択できます。ただし、意図せず重複が必要な箇所まで整理されることがあるため、用途を限定したいときは範囲選択のほうが安全です。
要確認: 「全選択」ボタンのコントロールバー上の正確なラベル名・位置を実機で確認してください。
画像準備中 — 範囲選択で整理対象データを囲んでいる状態(選択前)
Step 4: 「選択確定」ボタンをクリックする
範囲内のデータが選択色に変わったら、コントロールバーの「選択確定」ボタンをクリックします。
画像準備中 — 対象データが選択色に変わった状態とコントロールバーの「選択確定」ボタン
Step 5: 「重複整理」ボタンをクリックして実行する
選択確定後、コントロールバーが切り替わり「重複整理」ボタンが表示されます。このボタンをクリックすると、選択範囲内の重複データが自動的に整理されます。
画像準備中 — コントロールバーに「重複整理」ボタンが表示されている状態
Step 6: 消去された線の数を確認する
重複整理が完了すると、作図ウィンドウの左上に「消去された線の数」が表示されます。この数字が0であれば重複は検出されなかった、1以上であれば重複線が整理されたことを意味します。
要確認: 消去数の表示場所(「作図ウィンドウ左上」)の正確な位置を実機で確認してください。
画像準備中 — 重複整理後の消去数表示(例: 「2本の線が削除されました」のような表示)
重複整理と連結整理の違い
データ整理コマンドには「重複整理」のほかに「連結整理」があります。見た目は似ていますが、処理する状況が異なります。
| 機能 | 対象の状態 | 処理 |
|---|---|---|
| 重複整理 | 同じ位置に重なっている線(完全重複・部分重複) | 重複している線を削除してひとつにまとめる |
| 連結整理 | 重なってはいないが端点が同じ位置につながっている線 | 端点でつながった複数の線を1本の線に連結する |
具体的に言うと:
- 重複整理は「まったく同じ場所に線が2本ある」または「一方が他方に部分的に重なっている」ケースを処理します。
- 連結整理は「2本の線が端点でつながっているが、別々の線データとして管理されている」ケースを処理します。
PERSCの推奨: 実務では重複整理と連結整理を続けて実行するのが効率的です。まず重複整理で完全な重なりを解消し、次に連結整理で端点連結の線をまとめると、図面データがよりクリーンになります。
連結整理の詳細は データ整理 連結整理(端点でつながる線を1本に) ※準備中 を参照してください。
実務での使い方 ★PERSC独自
コピー多用後の重複処理(平面図・詳細図)
建物平面図を描く場面では、柱や壁をコピー(複写)して配置することが多くなります。コピーの際に既存の線と完全に重なる位置に線を配置してしまうと、見た目は変わらないのにデータ上は線が二重に存在する状態になります。
特に多いケースとして:
- 矩形(四角形)で壁を描いたあと、同じ壁線を他の操作で再描画してしまった
- 「部屋ユニット」をコピーして並べたときに隣接する壁線が二重になった
- 外形線と内法線が同じ位置で重なってしまった
こうした状況では、フロア全体を選択して重複整理を一括実行するのが効率的です。作業の一区切りごとに重複整理を走らせる習慣をつけると、消去してもまた線が出てくる「幽霊線」現象を予防できます。
PERSCの推奨: 平面図の作図作業が一段落したタイミング(部屋の外形が完成したとき、窓・ドア配置が完了したときなど)で全体に重複整理をかけることをおすすめします。こまめに整理することで、後になって原因不明の残り線に悩む時間を減らせます。
画像準備中 — 全体範囲選択→重複整理の実行フロー(平面図での実際の操作例)
DXF・DWG取り込み後の整理(外部データの後処理)
DXFやDWG形式で受け取った外部データ(設計事務所やデベロッパーからの図面)をJw_cadで開くと、重複線が大量に含まれていることがあります。AutoCADなど他のCADソフトで作られたデータはJw_cadとはデータ構造が異なるため、変換の過程で同じ線が複数回書き込まれるケースがあります。
DXFを取り込んだ直後に全体を範囲選択して重複整理をかけると:
- ファイルサイズが大幅に軽くなる
- 消去・移動などの編集操作が正常に動作するようになる
- 線の選択が意図どおりにできるようになる
Tips: DXF取り込み直後に重複整理→連結整理の順で実行するのが鉄則です。外部データは品質にばらつきがあるため、編集作業を始める前に必ずこの「データクリーニング」ステップを踏みましょう。
図面ファイルの軽量化(大容量図面の整理)
ページ数の多い大規模図面や、長期間にわたって複数人が編集を加えてきた図面ファイルは、重複線が蓄積してファイルサイズが肥大化していることがあります。
全体を対象に重複整理を実行すると、余分なデータが削除されてファイルサイズが小さくなります。メール添付での受け渡しや、クライアントへの納品前の仕上げ処理としても有効です。
注意: 全体を整理する前に、「重複が意図的に必要な箇所」がないかを確認してください。重なった線を重ねて太く見せているような意図的な重複がある場合は、その範囲を除外して整理する必要があります。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 重複整理を実行しても消去数が0で何も変わらない
→ 2つの可能性があります。①本当に重複がないケースと、②重複はあるが条件が合っていないケースです。②の場合、よくある原因は「線色または線種が異なる」ことです。見た目が同じでも、片方の線が別の線色(例: 黒と白)で描かれている場合は整理対象外になります。線を個別に選択して「線属性」で線色・線種を確認してみましょう。
Q: 消去してもまた線が残る「幽霊線」が出る
→ 重複線が2本ではなく3本以上重なっている可能性があります。重複整理を1回実行すると1本が削除されますが、3本重なっている場合は2本残る仕様です。消去数が1以上で、かつまだ線が残る場合はもう一度重複整理を実行してください。
Tips: 重複が何本あるかを事前に把握するのは難しいため、消去数が0になるまで重複整理を繰り返すのが確実な方法です。
Q: 一部の線だけ整理したいのに全体に影響が出てしまった
→ 範囲選択を狭くして、整理したい箇所だけを囲むようにしましょう。「全選択」ボタンを使った場合は図面全体が対象になるため、部分的に整理したい場合は範囲を手動で指定してください。
Q: 「選択確定」後にコントロールバーが変わらず「重複整理」ボタンが出ない
→ 「選択確定」ボタンを押す前の状態、または範囲内にデータが入っていないケースが考えられます。選択範囲(青い矩形の枠)が整理したいデータを正しく囲んでいるかを確認し、データが選択色(ピンク等)に変わっているかどうかを確認してから「選択確定」を押してください。
Q: 線種・線色が同じはずなのに整理されない
→ レイヤが異なる可能性があります。Jw_cadでは異なるレイヤに存在する線は、同一線種・同一線色でも重複と判定されない場合があります。
要確認: レイヤが異なる同線種・同線色の線に対する重複整理の挙動を実機で確認してください。
Q: 重複整理後に図面が意図しない見た目になった
→ 意図的に線を重ねて太く表現していた箇所が整理されてしまった可能性があります。Ctrl + Z で操作を取り消して元の状態に戻し、問題の箇所を除外した範囲で改めて整理してください。
関連項目
- データ整理 連結整理(端点でつながる線を1本に) ※準備中 — 端点が同じ位置にある線を1本に連結する機能
- 消去コマンドの基本 — 線・図形を個別に消す操作
- 線間消去(2線間の線を一括消去) — 2本の線の間にはみ出た部分を消去する操作
- 範囲選択の基本 ※準備中 — 複数のデータをまとめて選択する操作
- 属性変更(線色・線種の一括変更) ※準備中 — 線色・線種を変更する操作(重複整理の前提として活用)
まとめ
- 重複整理は「データ整理」コマンド内の機能で、同一線種・同一線色・同一レイヤで重なる線を自動的にひとつにまとめます。
- 操作は「範囲選択→選択確定→重複整理ボタンのクリック」の3ステップで完結します。
- 線色または線種が異なる線は整理対象外になるため、整理されない線がある場合は線属性を確認しましょう。
- コピー多用後やDXF取り込み後など、重複線が発生しやすい場面で積極的に使うと図面データのクリーンな状態を保てます。