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印刷範囲の指定(基準点・回転)
このページでできるようになること
Jw_cadの印刷モードで赤い印刷範囲枠の位置を移動したり、基準点を切り替えたり、90°回転させたりできるようになります。「赤枠の中に図面が入りきらない」「縦長で出てきたが横長で出したい」「図形の中央に印刷範囲を合わせたい」といった日常的な調整が、ダイアログを行き来せず作図画面のままで完結します。
背景: Jw_cadの印刷範囲は「マウスポインタが赤枠のどこを掴んでいるか」を基準点として動かす独特の方式です。WordやPDFビューアの「フィットして印刷」とはまったく違う設計で、図面のどこを中心に置くかをユーザーが直接指示します。最初は不思議に感じますが、慣れると非常に細かい位置決めができます。
印刷範囲を指定する全体像
印刷範囲の指定は、印刷モード中(赤枠が表示されている状態)に行います。コントロールバーの3つのボタンを使い分けるだけです。
| やりたいこと | 使うボタン |
|---|---|
| 赤枠を別の位置に動かしたい | 範囲変更(R) または作図画面で右クリック |
| 動かすときの「掴む位置」を変えたい | 基準点ボタン(9パターン切替) |
| 縦長⇔横長を切り替えたい | 90°回転ボタン |
画像準備中 — 印刷モード中のコントロールバー全体(範囲変更・基準点・回転ボタンの位置)
Tips: 印刷モードに入る方法は 印刷コマンドの基本 を参照してください。この記事は「赤枠が出ている状態」からの操作を扱います。
印刷範囲の移動
赤枠を希望の位置に動かす操作です。マウスポインタに赤枠が追従し、クリックで位置を確定します。
移動手順サマリー
| # | 操作 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| 1 | コントロールバー「範囲変更(R)」をクリック または 作図画面で右クリック | 赤枠がマウスポインタに追従して動き出す |
| 2 | 赤枠を希望の位置へ移動 | リアルタイムで位置を確認できる |
| 3 | クリックで位置確定 | 任意位置=左クリック、読取点に合わせる=右クリック |
ステップ1: 範囲変更モードに入る
赤枠が表示されている状態で、コントロールバーの「範囲変更(R)」ボタンを左クリックします。または、作図画面内で右クリックしても同じ動作になります。
画像準備中 — 「範囲変更(R)」ボタンの位置
Tips: 慣れてくると作図画面右クリックのほうが速いです。コントロールバーまでマウスを動かさずに済みます。
ステップ2: 赤枠を希望の位置へ動かす
範囲変更モードに入ると、マウスポインタに赤枠が追従するようになります。マウスを動かすと枠も一緒に動き、現在のカーソル位置を中心(または基準点位置)に枠が表示されます。
画像準備中 — 赤枠がマウスに追従する様子
ステップ3: 位置を確定する
希望の位置に赤枠を持っていったら、クリックで確定します。クリックの種類で挙動が変わります。
| クリック種別 | 動作 | 適した場面 |
|---|---|---|
| 左クリック | 任意の位置で確定 | おおまかに置きたい |
| 右クリック | 端点・交点などの読取点にスナップして確定 | 図面の特定の点(通り芯交点など)に正確に合わせたい |
Tips: 図面枠の角に赤枠を合わせたい場合は、図面枠の角で右クリックすると正確にスナップします。
画像準備中 — 右クリックで読取点にスナップ
基準点の切替
「基準点」とは、赤枠のどこをマウスポインタで掴むかを決める設定です。初期状態は「左・下」(赤枠の左下角を掴む)になっています。
基準点の9パターン
基準点は「左・中・右」と「下・中・上」の組み合わせで9通り用意されています。コントロールバーの基準点ボタンをクリックするたびに次のパターンに切り替わります。
| 基準点 | 掴む位置 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 左・下 | 赤枠の左下角 | 初期値。図面の左下を起点に置きたい |
| 中・下 | 赤枠の下辺中央 | 用紙下端の中央に位置を合わせたい |
| 右・下 | 赤枠の右下角 | 図面の右下を起点に置きたい |
| 左・中 | 赤枠の左辺中央 | 用紙左端の中央に位置を合わせたい |
| 中・中 | 赤枠の中央 | 図形のセンターと合わせたい時の基本 |
| 右・中 | 赤枠の右辺中央 | 用紙右端の中央に位置を合わせたい |
| 左・上 | 赤枠の左上角 | 表題欄が左上にある図面 |
| 中・上 | 赤枠の上辺中央 | 用紙上端の中央 |
| 右・上 | 赤枠の右上角 | 表題欄が右上にある図面 |
画像準備中 — 基準点ボタンの位置と表示の変化
基準点の使い分け例
例1: 図面のド真ん中に印刷範囲を合わせたい
- 基準点を「中・中」に切り替え
- 範囲変更モードに入る(右クリック)
- 図面の中心点で右クリック(読取点スナップ)
これで赤枠の中央が図面の中心に重なります。
例2: 表題欄を用紙の右下に正確に置きたい
- 基準点を「右・下」に切り替え
- 範囲変更モードに入る
- 表題欄の右下角で右クリック
これで赤枠の右下角が表題欄の右下角と一致します。
背景: 基準点の概念は、図形の移動・複写コマンドにも共通です。「どこを掴むか」をユーザーが指定する考え方は、Jw_cadのほぼ全コマンドで使われます。印刷で慣れておくと他のコマンドも理解しやすくなります。
90°回転(縦・横の切替)
赤枠の向きをクリック1回で切り替えられます。プリンタの「印刷の向き」を変えるよりも手軽な方法です。
回転手順
- コントロールバーの「回転 0°」ボタンをクリック
- ボタン表示が「回転 90°」に変わり、赤枠が90°回転する
- もう一度クリックすると「回転 -90°」、さらにクリックで「回転 0°」に戻る
| 表示 | 赤枠の状態 |
|---|---|
| 回転 0° | 標準の向き(プリンタ設定そのまま) |
| 回転 90° | 反時計回りに90°回転 |
| 回転 -90° | 時計回りに90°回転 |
画像準備中 — 「回転 0°」→「回転 90°」→「回転 -90°」のサイクル
よくある使い方
横長の建築平面図を、用紙トレイがA4縦置きのプリンタで印刷したいケースです。
- プリンタ側は A4縦 のまま
- Jw_cadの「90°回転」をクリック
- 赤枠が横向きになり、横長の図面がぴったり収まる
これでプリンタトレイから用紙を入れ直さずに横長印刷ができます。
Tips: 「90°回転」はあくまでJw_cad側で赤枠だけ回す操作です。実際にプリンタが用紙の縦横をどう給紙するかは プリンタ設定(用紙サイズ・向き) のプロパティで決まります。両者を組み合わせて、最も手間の少ない印刷方法を選びましょう。
「印刷の向き」と「90°回転」の使い分け
| 操作 | どこで設定 | 給紙方向への影響 |
|---|---|---|
| 印刷の向き(プリンタのプロパティ) | プリンタドライバ | 影響あり。用紙トレイの取り方が変わる場合あり |
| 90°回転(コントロールバー) | Jw_cad本体 | 影響なし。図形だけが回る |
注意: プリンタ側「横」 + Jw_cad側「90°回転」の組み合わせは、回転が打ち消し合って結果的に縦のままになります。意図せずどちらかに設定が残っていると「向きを変えたのに変わらない」状態になるので、両方を確認しましょう。
コントロールバーの印刷モード項目一覧
印刷モード中のコントロールバーには、この記事で扱う3項目以外にも複数のボタンがあります。全体像として整理しておきます。
| 項目 | 機能 | 詳細記事 |
|---|---|---|
| 印刷(L) | 印刷を実行 | 印刷コマンドの基本 |
| 範囲変更(R) | 印刷範囲を移動 | この記事 |
| 基準点 | 範囲変更時の掴む位置を切替 | この記事 |
| 倍率 | 拡大・縮小印刷 | 印刷倍率 |
| 回転 0° | 印刷範囲の90°回転 | この記事 |
| プリンタ設定 | プリンタ・用紙・向きの設定 | プリンタ設定 |
| カラー印刷 | カラー出力ON/OFF | カラー印刷とモノクロ切替 |
| 出力方法設定 | レイヤ順・線色順・連続印刷 | 連続印刷 |
| 枠書込 | 印刷範囲枠を作図に書き込む | 印刷範囲枠の書込み |
Tips: 用紙枠(図面側の用紙サイズを示す枠)の表示・非表示は、印刷モードとは別軸の設定です。通常時の用紙枠表示は 画面表示の設定 で切り替えます。
実務での使い方 ★PERSC独自
図面1枚を分割印刷する
A1の大判図面をA3プリンタしか持っていない事務所で出力する場合、印刷範囲を移動しながら2枚〜4枚に分けて印刷する手があります。
- プリンタ側はA3に設定
- 印刷倍率は100%のまま(図面縮尺は元のまま変えない)
- 範囲変更で赤枠を「左半分」に置いて1枚目を印刷
- 続けて範囲変更で赤枠を「右半分」に置いて2枚目を印刷
- 印刷後、つなぎ合わせる
打ち合わせ用の参考資料には十分使える方法です。本印刷は外注やコンビニ大判印刷を活用しましょう。
表題欄を毎回正確に右下に置く
基準点を「右・下」に固定 → 範囲変更モードで表題欄の右下角を右クリック、というルーチンを身につけると、毎回の印刷位置のズレがなくなります。図面ファイルごとに表題欄の位置がバラバラな場合に特に有効です。
図面枠が無い「ラフ図面」の印刷
Ch.12の図面枠がない段階のラフな図面でも、印刷範囲を中央に置いて1枚に出せます。基準点「中・中」で図形の中心点に右クリックすれば、図面枠の有無に関係なく中央配置できます。図面枠を作る手順そのものは 印刷範囲枠の書込み ※準備中 を参照。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「範囲変更」を押したのに赤枠が動かない
→ 範囲変更モードに入った直後、マウスを動かさないと枠は移動しません。少しマウスを動かしてみてください。それでも動かない場合は、別のコマンドが起動していないか確認しましょう。
Q: 右クリックで意図しない場所に枠が飛んだ
→ 右クリックは読取点へのスナップです。近くにある端点・交点に強制的に吸い寄せられます。任意位置に置きたいときは左クリックを使ってください。
Q: 90°回転を押したのに何も変わらない
→ プリンタ側の「印刷の向き」と組み合わせて打ち消し合っている可能性があります。プリンタ設定の「プロパティ」で印刷の向きを「縦」に戻し、Jw_cad側だけで回転を試してみてください。
Q: 基準点を切り替えても何が変わったか分からない
→ 基準点は「動かすときの掴む位置」です。範囲変更モードに入ってマウスを動かしてみると、初めて違いが分かります。基準点切替のあとは必ず範囲変更を実行して挙動を確認しましょう。
Q: 赤枠が画面外に行ってしまった
→ 範囲変更モードに入ってマウスを画面中央付近に動かせば、枠も追従して戻ってきます。それでも見つからない場合は、画面表示の全体表示 を実行して図面全体を映し直してください。
Q: 「印刷モードを抜けたら基準点が初期値に戻っていた」
→ Jw_cadは印刷モードを抜けると基準点設定をリセットすることがあります。同じ図面で何度か印刷する場合は、毎回印刷直前に基準点を確認するクセをつけてください。
Q: 図面が赤枠に収まらない
→ 印刷倍率を下げて全体を収めるのが基本です(図面縮尺を変える必要はありません)。詳しくは 印刷倍率(拡大・縮小・任意倍率) を参照。倍率を変えたくない場合は、上で紹介した「分割印刷」を検討します。
関連項目
- 印刷コマンドの基本 — 印刷モードに入る方法
- プリンタ設定(用紙サイズ・向き) — プリンタ側の縦横設定
- 印刷倍率(拡大・縮小・任意倍率) — 印刷倍率で範囲を調整する方法/図面縮尺との違い
- カラー印刷とモノクロ切替
- 印刷範囲枠の書込み — 印刷範囲を作図に書き込む
- 画面表示の設定 — 用紙枠の表示・非表示(参照のみ)
- 図面枠の作り方(簡易版) ※準備中 — 印刷範囲を流用した図面枠
- 印刷範囲がずれる・はみ出す ※準備中
まとめ
- 印刷範囲の移動は「範囲変更(R)」ボタン または 作図画面で右クリック
- 任意位置に置きたい=左クリック、読取点に合わせたい=右クリック
- 基準点は「左・中・右 × 下・中・上」の9パターン。中央合わせなら「中・中」
- 90°回転はコントロールバーの「回転 0°」ボタン。プリンタ側「印刷の向き」とは別軸
- プリンタ側「横」+Jw_cad側「90°回転」の組み合わせは打ち消し合うので注意