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PERSC推奨初期設定 ★独自
このページでできるようになること
Jw_cadをインストールした直後の真っ白な状態から、建築実務にそのまま使える状態まで一気に整えるための、PERSC編集部推奨の初期設定値を一覧で把握できます。Ch.2 の各タブ別解説(2-1〜2-27)の知見を集約し、「最初の5分で触る5項目/1週間後に触る5項目/必要に応じて触る項目」の3段階に分けて優先度を付けた推奨セットを提示します。あわせて、設定値を環境設定ファイル(jw_win.jwf)として保存し、事務所内で配布・案件別切替する運用ノウハウもまとめます。
背景: Jw_cadの初期設定は「DOS版時代の名残」と「現代の建築実務の要求」の間でやや古い値が残っています。基本設定の30項目超を1個ずつ判断するのは初心者には負担が大きいため、実務でそのまま走り出せる推奨値セットを提示することで、設定段階でのつまずきを最小化するのがこの記事の役割です。
このページの位置づけ
この記事は ★PERSC独自 の総まとめ記事です。「設定値の意味と挙動」は Ch.2 の各タブ別解説(2-1 基本設定の起動と全タブ概要 〜 2-21 背景色変更 など)にすべて委ねています。この記事では「で、結局どう設定すればいいのか」だけを答えます。
- 各設定値の挙動・選択肢の意味 → 2-2〜2-9 / 2-11〜2-21 等の各タブ別ページ
- 環境設定ファイル(jwf)の操作方法 → 環境設定ファイル(jw_win.jwf)
- 8タブの全体俯瞰 → 基本設定の起動と全タブ概要
PERSCの推奨: この記事は「結論ファースト」で書かれています。理由が気になる項目は各リンク先で深堀りしてください。逆に「とにかく早く設定を終わらせたい」場合は、表だけ見て値をそのまま入れていけば作業を始められます。
推奨セット適用の3段階フロー
PERSCでは、Jw_cadの初期設定を以下の3段階に分けて推奨しています。全部を一度にやろうとしないことが挫折回避のコツです。
| 段階 | タイミング | 所要 | 何をやるか |
|---|---|---|---|
| 段階1 | インストール直後の最初の5分 | 約5分 | 図面消失事故を防ぐ最優先5項目 |
| 段階2 | 1週間〜1ヶ月使った後 | 約15分 | 操作性・見た目を整える5項目 |
| 段階3 | 案件発生時・必要を感じた時 | 都度 | 寸法・縮尺・キー割当・電子納品など |
PERSCの推奨: 段階1だけはインストール直後にその場で必ずやってください。段階2以降は「Jw_cadを毎日3時間以上触る」段階に入ってからで十分です。
段階1: インストール直後の最優先5項目
新規インストール直後に、図面消失事故を防ぐ防波堤として必ず設定する5項目です。所要約5分で完了します。
| # | タブ | 項目 | 推奨値 | なぜそれか |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 一般(1) | オートセーブ時間 | 5〜10分 | フリーズ・停電で30分ぶん消える事故を防ぐ |
| 2 | 一般(1) | バックアップファイル数 | 3〜5 | 「3つ前の状態に戻したい」に対応 |
| 3 | 一般(1) | Undoの回数 | 30〜50 | 試行錯誤からの復元余地を確保 |
| 4 | 一般(1) | 用紙枠を表示する | ON | 印刷で用紙からはみ出す事故を防止 |
| 5 | 一般(1) | 読取り点に仮点表示 | ON | 誤読取りに気づきやすくなる |
設定操作
- メニューバー「設定」→「基本設定」を開く
- 「一般(1)」タブで上記5項目を順に変更
- 「OK」ボタンで確定
- メニューバー「ファイル」→「Jw_cadの終了」で正規終了して保存を確実にする
注意: 設定変更後にJw_cadを強制終了(タスクマネージャー・電源ボタン)すると、変更が
jw_win.jwfに書き込まれず次回起動時に消えるケースがあります。設定変更直後は必ずメニューから正規終了してください。詳しくは 基本設定 一般(1) タブ を参照してください。
画像準備中 — 段階1の5項目すべてを推奨値で埋めた一般(1)タブの状態
PERSCの推奨: この5項目だけは、新しいPCにJw_cadを入れたとき・職場で他人のPCを借りるとき・現場事務所のサテライトPCにインストールしたときに必ず確認してください。30秒〜5分で全て完了します。
段階2: 1週間後に触る5項目
1週間〜1ヶ月ほどJw_cadを触ってみて、操作感に慣れてきた段階で整える項目です。「もうちょっと使いやすくしたい」という気持ちが自然に湧いてきたタイミングで触ります。
| # | タブ | 項目 | 推奨値 | なぜそれか |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 色・画面 | 背景色(白/黒/深緑) | 白 or 深緑 | 長時間作業の目の疲労軽減 |
| 2 | 一般(1) | プリンタ出力イメージの背景を白にする | ON | 黒・深緑背景でも印刷は白で出力 |
| 3 | 文字 | 文字種1〜5の事務所標準サイズ割当 | 後述の住宅平面用標準セット | 文字サイズの「定型10種」を確立 |
| 4 | 一般(2) | m単位入力 | OFF(mm入力) | 建築図面の単位標準に合わせる |
| 5 | 線種 | 破線・一点鎖線のピッチ調整 | 図面サイズに合わせ微調整 | 線種が「潰れて見える/間延びする」の解消 |
推奨される文字種1〜5の標準セット(住宅平面1/100想定)
| 文字種 | 横(mm) | 縦(mm) | 間隔(mm) | 色No. | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2.0 | 2.0 | 0.5 | 1(細線) | 寸法値(細) |
| 2 | 2.5 | 2.5 | 0.5 | 1(細線) | 寸法値(標準) |
| 3 | 3.0 | 3.0 | 0.5 | 2(黒系) | 室名(標準) |
| 4 | 4.0 | 4.0 | 0.5 | 2(黒系) | 室名(強調)・部屋面積 |
| 5 | 6.0 | 6.0 | 1.0 | 6(太線) | タイトル・図面名 |
PERSCの推奨: 上記サイズは1/100の住宅平面を想定しています。RC造詳細図や1/50の図面を主に扱う場合は 値を半分 にする、配置図1/200では 2倍にする といった調整が必要です。文字種6〜10は「予備」として空けておき、案件で必要になったら追加していけば十分です。詳しくは 基本設定 文字 タブ を参照してください。
背景色の選び方
| 背景色 | 向く使用シーン | 注意点 |
|---|---|---|
| 白 | 打合せ・印刷確認・新人の学習 | 長時間で目が疲れる |
| 黒 | 夜間作業・没入したい時 | 線色2が同化するため要再配置(プリセット利用で自動) |
| 深緑 | 長時間集中作業 | 黒よりは目に馴染みやすい |
PERSCの推奨: 「色彩の初期化」プリセットを使うと、背景色変更と同時に 線色1〜8もその背景に合った色に自動再配置 されます。手動で線色を1個ずつ変えるよりも安全です。詳しくは 背景色変更(白・黒・カラー) を参照してください。
画像準備中 — 段階2の文字種1〜5に推奨値を入れた文字タブの状態
段階3: 必要に応じて触る項目
ここから先は「必要を感じてから」「案件が来てから」触る項目です。最初は手を付けず、機能の存在だけ覚えておくのが推奨です。
段階3-A: キー割当(KEYタブ)
毎日3時間以上Jw_cadを使うようになった段階で、頻出コマンド10個をアルファベットキーに割り当てます。
| キー | 推奨割当(単独) | 用途 |
|---|---|---|
S | 線 | 最頻出コマンド |
D | 複線 | 壁厚の作図 |
F | 消去 | 修正の基本 |
G | 複写 | 部材の繰り返し配置 |
R | 矩形 | 部材外形の素早い作図 |
C | 円 | 柱・設備機器 |
T | 文字 | 室名・寸法値の追記 |
A | 寸法 | 平面図の寸法線記入 |
B | 包絡 | 壁交点処理の必須コマンド |
Q | 属性取得 | 既存線の線色・線種を取得 |
PERSCの推奨: 上記はあくまで一例です。事務所で使うコマンドの頻度は人によって違うため、「1週間で何回使ったか」を観察してから割当を決めるのが現実的です。詳しくは 基本設定 KEY タブ を参照してください。
段階3-B: 寸法設定(建築実務向け推奨)
寸法を初めて作図する段階で整えます。事務所ごとに「矢印か点か」「小数桁数」のローカル標準があるため、自社標準が決まったらjwfに保存します。
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| 文字種類 | 1 または 2(住宅平面1/100想定) | 寸法値専用の細字で揃える |
| 寸法線色 | 6(細線系の青) | 図面の主線と区別しやすく印刷では細く出る |
| 引出線色 | 寸法線色と同じ | 寸法線群の見た目を統一 |
| 矢印・点色 | 寸法線色と同じ | 同上 |
| 全角文字 | OFF | 半角数字が建築標準 |
| (,)全角 | OFF | 半角カンマが標準 |
| 寸法値の(,)表示 | 有 | 1,000のような桁区切りカンマあり |
| 矢印 長さ | 2〜3mm | 印刷時に潰れないサイズ |
| ソリッド(矢印塗りつぶし) | ON | 中抜き三角より塗り三角が見やすい |
| 単位 | mm | 建築標準 |
| 単位表示 | 無 | 1,000mm を「1000」と数字だけで表記(「1000mm」とは書かない) |
| 小数桁 | 0桁(住宅・整数寸法主体) | mm単位なら通常0桁で十分 |
詳しくは 寸法設定(矢印・文字位置・単位・引出線) を参照してください。
段階3-C: 縮尺と用紙サイズ
最初の図面を起こすタイミングで設定します。
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| 用紙サイズ(住宅平面) | A1 or A2 | 実施設計の主流 |
| 用紙サイズ(詳細図・部分図) | A3 or A4 | 部分図・打合せ資料 |
| 縮尺(平面図) | 1/100 | 住宅平面の標準 |
| 縮尺(詳細図) | 1/30 or 1/20 | 矩計図・建具断面 |
| 縮尺(配置図) | 1/200 or 1/300 | 敷地全体 |
詳しくは 用紙サイズ設定 と 縮尺設定 を参照してください。
段階3-D: 電子納品案件用の DXF・SXF 設定
国土交通省の電子納品案件が入った時にだけ整えます。
| 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| ±□%の線幅は同一視する | 5% | 微妙な線幅違いを集約 |
| ±□ポイントのRGB値は同一視する | 10前後 | 似た色を集約 |
| 補助線を出力しない | ON | 納品物に下書き線を残さない |
| 背景色と同じ色を反転する | ON | 受領時に「線が見えない」事故を防止 |
詳しくは 基本設定 DXF・SXF・JWC タブ を参照してください。
段階3-E: AUTOタブは「半年は触らない」
クロックメニューのカスタマイズができる「AUTO」タブは、最初の3〜6ヶ月は一切触らないのが推奨です。理由は3つです。
- 解説サイトや講座の説明と画面挙動が食い違うと学習効率が大きく落ちる
- 初期割当でほとんどの実務作業ができる
- 自分が「この方向にこのコマンドが欲しい」と感じるまで動機が湧かない
詳しくは 基本設定 AUTO タブ を参照してください。
全推奨値の一覧表(リファレンス)
ここからは段階1〜3の推奨値を、タブ別に縦串で並べた リファレンス表 です。jwfの中身を直接編集する際の参照や、新人への配布資料として使ってください。
一般(1) タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 外部エディタ | NOTEPAD(または好みのエディタ) | 任意 |
| オートセーブ時間 | 5〜10 | 1 |
| バックアップファイル数 | 3〜5 | 1 |
| Undoの回数 | 30〜50 | 1 |
| クロックメニューを使用しない | OFF | 既定 |
| 読取り点に仮点表示 | ON | 1 |
| 複線連続作図のEnter | ON | 2 |
| 消去部分を再表示する | ON | 既定 |
| ファイル読込項目(3チェック) | 全てON | 既定 |
| プリンタ出力イメージの背景を白にする | ON | 2 |
| 用紙枠を表示する | ON | 1 |
| ファイル選択にコモンダイアログを使用する | ON | 既定 |
| 入力数値の文字を大きくする | お好み(4K大画面ならON) | 任意 |
| ステータスバーの文字を大きくする | お好み(4K大画面ならON) | 任意 |
| 表示のみレイヤも属性取得 | OFF | 既定 |
| 円周1/4点読取りを1/8点にする | OFF | 既定 |
| 線コマンドの4回往復で水平垂直切替 | OFF(慣れるまで) | 任意 |
一般(2) タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| AUTOモード以外で全て標準クロックメニュー | OFF | 既定 |
| 線コマンドの指定寸法値を保持 | OFF or ON(事務所方針) | 任意 |
| m単位入力 | OFF(mm入力) | 2 |
| [10] を10,000にする | OFF or ON(建築は通常OFF) | 任意 |
| 矢印キーで画面移動 | ON | 2 |
| ホイールで拡大縮小(マイナス/プラス) | マイナス(手前回転で拡大) | 任意 |
| 両ボタンドラッグの拡大縮小 | ON | 既定 |
| ファイル読込時の引き継ぎ要素 | 全てON | 既定 |
色・画面 タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 背景色(白/黒/深緑プリセット) | 白 or 深緑(好み) | 2 |
| 線幅を画面表示倍率に比例して描画 | ON | 2 |
| 印刷時の線幅を印刷倍率に比例 | ON or OFF(事務所方針) | 任意 |
| 線幅を1/100mm単位とする | OFF(初心者向け) | 既定 |
| dpi切替 | 600dpi | 既定 |
| 端点の形状 | 丸 | 既定 |
線種 タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 線種パターン | 初期値のまま | 既定 |
| 画面表示・プリンタ出力ピッチ | 図面サイズに合わせ微調整 | 2 |
| 範囲選択仮表示枠の線種No. | 既定(補助線種相当) | 既定 |
文字 タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 文字種1〜5 | 上述の住宅平面1/100標準セット | 2 |
| 文字種6〜10 | 予備(必要時に追加) | 任意 |
| 既に作図されている文字のサイズも変更する | OFF(事故防止) | 既定 |
| 日影・2.5D用文字サイズの種類指定 | 文字種3または4 | 任意 |
| 文字(寸法図形・ブロック図形)を最後に描画 | ON | 2 |
| 文字列範囲を背景色で描画 | OFF(必要時のみON) | 既定 |
AUTO タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 全て | 触らない(半年〜1年) | 後回し |
KEY タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| アルファベットキー10個 | 上述の「最初の10キー」推奨割当 | 3-A |
| F2 | 全体表示 | 3-A |
| F3 | 前倍率 | 3-A |
| F4 | 画面移動(パン) | 3-A |
| 直接属性取得を行う | OFF(初期) | 既定 |
| キーによるコマンド選択を無効にする | OFF | 既定 |
| Numキー(*)のコマンド選択を無効にする | ON(テンキー数値入力者) | 任意 |
DXF・SXF・JWC タブ
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 点を円で出力する | ON(DXF出力時の標準) | 3-D |
| 補助線を出力しない | ON(電子納品時) | 3-D |
| 背景色と同じ色を反転する(読込時) | ON | 3-D |
| ±□%の線幅は同一視する | 5% | 3-D |
| ±□ポイントのRGB値は同一視する | 10前後 | 3-D |
| ±□%の線種要素長は同一視する | 5% | 3-D |
| 既定線種変換設定 | 案件発注者の基準に合わせる | 案件時 |
寸法設定(基本設定の外側のダイアログ)
| 項目 | 推奨値 | 段階 |
|---|---|---|
| 文字種類 | 1または2(細字寸法値) | 3-B |
| 寸法線色/引出線色/矢印・点色 | 同色(線色6相当) | 3-B |
| 全角文字/(,)全角/(.)全角 | 全てOFF | 3-B |
| 寸法値の(,)表示 | 有 | 3-B |
| 矢印長さ | 2〜3mm | 3-B |
| ソリッド | ON | 3-B |
| 単位 | mm | 3-B |
| 単位表示 | 無 | 3-B |
| 小数桁 | 0桁(住宅・整数寸法主体) | 3-B |
配布用jwfテンプレートの考え方
PERSCでは案件のタイプ別に 3種類の標準jwf を用意しています。案件開始時に該当jwfを C:\JWW\jw_win.jwf に上書きするだけで、8タブ+寸法設定の値が一気に切り替わります。
| jwfテンプレート | 想定案件 | 主な特徴 |
|---|---|---|
persc_standard.jwf | 住宅実施設計(標準) | 段階1+2の推奨値を全て適用。文字種1〜5は1/100住宅平面用 |
persc_govdeliv.jwf | 電子納品(SXF/SFC/P21) | 上記+補助線出力OFF・線幅同一視5%・既定線種変換設定 |
persc_dos_legacy.jwf | DOS版資産編集(JWC) | ソリッド・画像・寸法図形なしの旧形式向け。文字種は2バイト固定 |
配布フロー
- マスターPCで
persc_standard.jwfを作成(段階1+2を全項目入力 → 「設定」→「環境設定ファイル」→「書出し」) - 事務所共有フォルダに3種のjwfを配置
- 配布対象PCに jwf をコピー → 「読込み」で適用
- 配布対象PCで
jw_win.jwfとして書出し直しておくと、次回起動時から自動適用される
詳しくは 環境設定ファイル(jw_win.jwf) を参照してください。
PERSCの推奨: 新人スタッフのPCには、入社初日に
persc_standard.jwfを読み込ませてしまうのが推奨です。基本設定の30項目超を新人が1個ずつ判断する負担をゼロにできます。「教える側が触らせない」運用が、新人の挫折を防ぎます。
注意: jwfの上書き配布は メンバーが個別にカスタマイズした内容を上書き消去 します。配布前に「個別カスタマイズしているメンバーがいないか」を確認するか、配布前にメンバーにバックアップを取らせる運用を徹底してください。
推奨値の根拠(なぜそれか)
ここまで提示した推奨値は、PERSC編集部が建築実務の現場で「事故防止・効率化・実務標準」の3軸で選定したものです。値の根拠を5つの柱で整理します。
柱1: 図面消失事故の防波堤(オートセーブ・バックアップ・Undo)
オートセーブ5〜10分・バックアップ3〜5・Undo30〜50は、いずれも「最悪のケースでもこのくらいのロスで済む」を逆算した値です。
- オートセーブ30分(初期値)→ フリーズで30分ぶん消える
- オートセーブ1分 → 自動保存処理中に作図が止まりストレス
- バックアップ1(初期値)→ 「2つ前」に戻せず詰む
- Undo10 → 試行錯誤の末に上限到達
これらは「初期値のままだと事故る」典型例です。事故を経験する前に設定するのが本当のリスクヘッジになります。
柱2: 印刷ミスの予防(用紙枠・仮点・プリンタ出力背景白)
「用紙枠を表示する」「読取り点に仮点表示」「プリンタ出力イメージの背景を白にする」は、いずれも画面と紙のギャップを埋めるための設定です。
- 用紙枠OFF → 印刷したら端が切れていた事故
- 仮点表示OFF → どの点を読んだか判らず誤読取り
- プリンタ出力背景白OFF → 黒背景で作業中、印刷物が真っ黒で出る事故
これらは設定1個で 特定タイプの事故を構造的にゼロにできる 投資効率の高い項目です。
柱3: 単位・文字サイズの「事務所標準」確立
m単位入力OFF・文字種1〜5の標準セット・寸法の単位mm・小数0桁は、いずれも 「図面の見た目を機械的に揃える」 ための設定です。事務所内で標準が決まっていれば、メンバー間で図面の見た目がバラつかず、引き継ぎ・チェックが楽になります。
背景: 設定値が個人ごとにバラバラだと、「Aさんの図面とBさんの図面で同じ寸法線でも見た目が違う」事故が起きます。事務所標準を jwfで配布 してしまえば、設定の議論を毎回しなくて済みます。
柱4: 「触らない勇気」(AUTOタブ・KEYタブの後回し)
AUTOタブ・KEYタブを「最初は触らない」推奨にしているのは、初心者がカスタマイズを試行錯誤して挫折する事例が多いからです。学習効率の観点からは「初期割当のまま」が最もコストパフォーマンスが高く、慣れてから少しずつ追加するのが現実的です。
柱5: 案件タイプ別jwfの切替
電子納品・AutoCAD連携・社内JWW専用のように 案件タイプで要求設定が変わる 場合、毎回手動切替するのではなく jwf配布で一発切替 するのがPERSCの方針です。手動切替は「変え忘れ」「変えたつもりで変わってない」事故が起きやすく、jwfで物理的に切り替える方が安全です。
実務での使い方 ★PERSC独自
新人の入社初日テンプレート
新人スタッフが入社した初日に、5分でJw_cadの設定を整え終わる運用ルートです。
- 共有フォルダから
persc_standard.jwfを新人PCにコピー - 新人PCで Jw_cad を起動
- 「設定」→「環境設定ファイル」→「読込み」 →
persc_standard.jwfを選択 - 「OK」確認 → メニューバー「ファイル」→「Jw_cadの終了」で正規終了
- 再起動して画面が推奨設定で表示されることを確認
PERSCの推奨: 新人には「設定の意味は今は理解しなくていい。とりあえずこの設定で1ヶ月使え」と伝えてください。1ヶ月後に「設定の意味」を学ぶ研修を組むと、実体験と紐づいて理解が深まります。
案件開始時のチェックリスト
新規案件を開始する際の設定確認チェックリストです。
| # | チェック項目 | 確認場所 |
|---|---|---|
| 1 | 案件タイプ別jwfを適用済みか | 「設定」→「環境設定ファイル」→「読込み」履歴 |
| 2 | 用紙サイズが案件規模に合っているか | ステータスバーの用紙ボタン |
| 3 | 縮尺が想定通りか | ステータスバーの縮尺ボタン |
| 4 | 文字種が事務所標準サイズか | 基本設定「文字」タブ |
| 5 | レイヤ命名が事務所標準か | レイヤ設定ダイアログ |
半年に1回の設定棚卸し
PERSCでは半年ごとに「設定値の見直し会議」を実施しています。チェック項目は以下です。
- 過去6ヶ月で発生した事故・トラブルから、設定値で予防できたものはなかったか
- メンバーから「これが面倒」「ここが使いづらい」の声はないか
- jwfテンプレートに新項目を追加するか、既存値を変更するか
PERSCの推奨: 設定値は 生き物 です。ソフトのバージョンアップ・案件タイプの変化・メンバーの入れ替えで、推奨値は変わっていきます。半年ごとに jwf を更新し、変更履歴を
jwf_changelog.mdに記録しておくと、引き継ぎ時に説明が楽になります。
個人カスタマイズと事務所標準の併存
「事務所標準のキー割当はあるが、自分はもう少し変えたい」という個人がいる場合、事務所標準jwfを基底にして、個人差分を上書き適用 する運用が便利です。
- 起動時は事務所標準 jwf が自動適用される(C:\JWW\jw_win.jwf)
- 個人差分(例:
taro_personal.jwf)を別フォルダに保管 - 自分用に整えたい時は「読込み」で個人差分を適用
この方式なら、事務所標準を更新するときも個人差分は別ファイルとして残るため、上書き事故が起きません。
USBポータブル運用との組合せ
インストール記事 で紹介したUSBポータブル運用と組み合わせると、**「自分の設定を持ち歩く」**運用ができます。
- USBメモリの
JWWフォルダごと持ち歩く - 出先のPCにUSBを挿して
jw_win.exeを起動 - 自分のjwfで設定された状態で即作業開始
現場事務所・出先・自宅PCのいずれでも同じ操作感で作業できるため、現場常駐の建築士に向いた運用です。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 推奨値を全部入れたのに、再起動したら一部だけ元に戻っている
→ 「OK」を押したあと、Jw_cadを メニューから正規終了 していますか? タスクマネージャーや「×」ボタンでの終了だと、設定が jw_win.jwf に書き込まれず消えるケースがあります。設定変更のたびに必ず「ファイル」→「Jw_cadの終了」で終了してください。詳しくは トラブルシュート: 設定が保存されない ※準備中 を参照。
Q: jwfを読み込んだら、自分のキー割当カスタマイズが消えた
→ jwfには 8タブ+寸法設定の全項目 が含まれているため、KEYタブの個人カスタマイズも上書きされます。事務所標準jwfと個人カスタマイズを併存させたい場合は、個人差分を別jwfに保存しておく運用に切り替えてください。詳しくは 環境設定ファイル(jw_win.jwf) を参照。
Q: 段階1の5項目を設定したいのに、「一般(1)」タブに項目が見つからない
→ 「一般(1)」タブには項目が30以上あり、レイアウトもやや見づらいです。本ページの段階1の表に項目名を正確に書いていますので、その文言で目視検索してください。詳しい場所は 基本設定 一般(1) タブ を参照すると、各項目のスクリーンショット付きで位置がわかります。
Q: 文字種の推奨値(横2.0×縦2.0など)を入れても、作図ウィンドウで文字が変な大きさに見える
→ 縮尺の設定を確認してください。文字種のmm値は実寸ベースのため、縮尺1/100の図面では実寸2mmの文字が画面上では0.02mm相当に縮小表示されます。これは正常な挙動です。詳しくは 縮尺設定 を参照。
Q: 推奨jwfを別PCに持っていったら、見た目が微妙に違う
→ jwfには「画面横寸法(mm)」(ディスプレイの物理横幅)の値も含まれます。別PCのモニタが違うサイズの場合、その値だけ手動で実測値に直してください。詳しくは 基本設定 一般(1) タブ の「画面横寸法」節を参照。
Q: 「色彩の初期化」を押したらカスタマイズした線色が全部消えた
→ プリセット適用前にバックアップ用 jwf を取り忘れた状態だと、復元が困難です。「色彩の初期化」を押す前に 必ず現在の jw_win.jwf をコピーしておく習慣をつけてください。詳しくは 基本設定 色・画面 タブ を参照。
Q: 段階3のキー割当を入れたら、既存のショートカットと干渉した
→ KEYタブで設定するのは「単独キー」と「Shift+キー」の2系統のみで、Ctrl+S・Ctrl+Z 等のCtrl系標準ショートカットとは干渉しません。それでも干渉する場合は、Numキー(*)のコマンド選択を無効化するチェックを ON にして、テンキー側を切り離してください。詳しくは 基本設定 KEY タブ を参照。
Q: 電子納品案件で「補助線が混入している」と指摘された
→ 段階3-Dの「補助線を出力しない」が ON になっていない可能性があります。電子納品用jwf (persc_govdeliv.jwf) を使っているか確認してください。jwfを切り替えただけで全項目を上書きするため、案件タイプに応じた jwf 適用が事故予防の最短ルートです。詳しくは 基本設定 DXF・SXF・JWC タブ を参照。
Q: 推奨値が事務所のローカル標準と違う
→ PERSC推奨値は「平均的な建築実務向け」の指針です。事務所固有の慣行がある場合は、推奨値を ベースとして 自社用にカスタマイズしてください。差分のあった項目だけメモしておけば、半年後に「なぜここを変えたか」を思い出せます。
関連項目
- 基本設定の起動と全タブ概要 — 8タブの俯瞰
- 基本設定 一般(1) タブ — オートセーブ・バックアップ・Undo・用紙枠・仮点
- 基本設定 一般(2) タブ — m単位入力・矢印キー画面移動・線寸法値保持
- 基本設定 色・画面 タブ — 線色・線幅・背景色
- 基本設定 線種 タブ — 線種パターンとピッチ
- 基本設定 文字 タブ — 文字種1〜10とフォント
- 基本設定 AUTO タブ — クロックメニュー割当
- 基本設定 KEY タブ — キーボード割当
- 基本設定 DXF・SXF・JWC タブ — 外部CAD連携
- 環境設定ファイル(jw_win.jwf) — 設定の保存・読み込み・配布
- 寸法設定(矢印・文字位置・単位・引出線) — 寸法スタイル
- 用紙サイズ設定 — A1〜A4の使い分け
- 縮尺設定 — 1/100・1/50などの設定
- 背景色変更(白・黒・カラー) — 白・黒・深緑の切替
- Jw_cadのインストール・起動・終了・アンインストール — USBポータブル運用との組合せ
- トラブルシュート: 設定が保存されない ※準備中
まとめ
- PERSC推奨初期設定は 3段階フロー(最初の5分/1週間後/案件発生時)で適用するのが挫折回避のコツ
- 段階1の5項目(オートセーブ・バックアップ・Undo・用紙枠・仮点表示)は インストール直後に必ず設定する
- 段階2は背景色・プリンタ出力背景白・文字種1〜5・mm入力・線種ピッチの5項目で操作性と見た目を整える
- 段階3はキー割当・寸法・縮尺・電子納品・AUTOカスタマイズなど、必要を感じてから少しずつ
- 設定値は 環境設定ファイル(jwf)として書き出し、案件タイプ別の3種テンプレート(標準/電子納品/DOS版資産)で運用すると配布・切替が楽になる
- 新人には個別設定をさせず、
persc_standard.jwfを読み込ませる方式で挫折防止 - 半年に1回 jwf を棚卸しして、事務所内で推奨値を更新していく運用が現実的