Skip to content
未検証

クロックメニューのカスタマイズ

このページでできるようになること

Jw_cadのクロックメニューに割り当てられているコマンドを、自分の作図スタイルに合わせて自由に変更できるようになります。基本設定[AUTO]タブからGUIで割当を書き換える標準手順、12方向×AM/PMの計24枠の構造把握、変更できない枠の見分け方、環境設定ファイル jw_win.JWF を直接編集する上級者向けの手順までを通しで理解できます。

背景: クロックメニューはマウスのドラッグ方向にコマンドを割り当てる機能で、メニューバーやツールバーまでマウスを動かさずに作図コマンドを呼び出せます。標準割当のままでも実用十分ですが、自分の使用頻度に合わせて並べ替えることで、作図中の手の動きをさらに減らせます。

注意: クロックメニューの基本操作(12方向の使い方/AM/PM切替/ドラッグ判定)は クロックメニューの基本既存割当を活かした応用テクニッククロックメニュー応用テクニック にまとめてあります。このページでは「割当を変更する手順」のみを扱います。


クロックメニューの構造を把握する

割当変更の前に、クロックメニューが何枠あるかを整理しておきましょう。設定画面を開いたときに自分がどの枠を編集しているか把握できなくなるためです。

区分切替条件AM/PM12方向枠数
左ドラッグ・クロックメニュー(1)標準状態AM/PM 各120時〜11時24枠
左ドラッグ・クロックメニュー(2)AUTOモードで切替AM/PM 各120時〜11時24枠
右ドラッグ・クロックメニュー(1)標準状態AM/PM 各120時〜11時24枠
右ドラッグ・クロックメニュー(2)AUTOモードで切替AM/PM 各120時〜11時24枠

合計で 96枠 にコマンドを割り当てられる設計です。実用上は左ドラッグ(1)のAM・PMで24枠を使い切ることが多く、(2)側は計測系・特殊用途などをまとめる「拡張領域」として運用するのが扱いやすくなります。

Tips: クロックメニュー(1)と(2)の切り替えは、AUTOモードコマンドを選択した状態でAUTOボタンをクリックすると行えます。日常的に頻繁に切り替えるものではなく、「(1)を主、(2)を補助」という固定運用にするのがおすすめです。

要確認: 96枠の総数は、12方向×AM/PM×左右×(1)(2)=96で算出。実機の入力欄数で再確認します。


カスタマイズの2つのアプローチ

クロックメニューの割当変更は、目的に応じて2つの方法から選びます。

方法操作場所向いている用途
A. 基本設定[AUTO]タブJw_cad内のGUI数枠だけ変更したい/GUIで安全に確定したい
B. 環境設定ファイル直編集jw_win.JWF をテキストエディタで開く一度に多くの枠を書き換えたい/チームで共有したい

PERSCの推奨: 初回のカスタマイズは A の[AUTO]タブから始める のが安全です。GUIで枠の位置と方向を確認しながら割り当てれば、12方向の感覚をつかめます。慣れてから多枠を一気に書き換えたくなったタイミングで B に移ると、作業効率が上がります。


方法A: 基本設定[AUTO]タブで割り当てる

Jw_cadを起動した状態でGUIから設定する標準手順です。設定変更は[OK]ボタンで確定し、ミスがあってもキャンセルで元に戻せます。

注意: クロックメニューのカスタマイズ(特に方法Bの環境設定ファイル直編集)を行う前に、必ず以下の 3 ステップ安全手順 を踏んでください:

  1. コピー退避: C:\JWW\jw_win.JWF を別名でコピーバックアップ(例: jw_win.JWFjw_win_backup_2026-05-09.JWF
  2. 検証: バックアップを別場所に置いた状態で、12方向×AM/PM×左右×(1)(2)=96枠のうち変更したい枠だけが置き換わるかを検証(バックアップから戻せる前提を作る)
  3. 対処: 上記2ステップを踏んだ上で、本記事の手順を実行

環境設定ファイルを直接編集すると、クロックメニュー以外のセクション(KEY・基本設定・線属性等)まで誤って書き換える可能性があり、設定の 永続的損失 につながります。原本に対して直接実行する前に、必ず現在の jw_win.JWF を退避してください。

A手順サマリー(全6ステップ)

#操作所要
1メニューバー「設定」→「基本設定」を開く数秒
2ダイアログ上部の[AUTO]タブをクリック数秒
3クロックメニュー(1)/(2)の切替ボタンで対象を決める数秒
4コマンド番号一覧で割り当てたい番号を確認約1分
512方向の入力欄に番号を入力(AM/PMそれぞれ)数十秒〜
6[OK]をクリックして設定を確定数秒

手順1: 基本設定ダイアログを開く

メニューバー「設定」→「基本設定」をクリックします。設定ダイアログが表示されます。

手順2: [AUTO]タブに切り替える

ダイアログ上部のタブから「AUTO」をクリックします。クロックメニューの設定画面が表示され、左ドラッグ・右ドラッグそれぞれのAM/PMの入力欄が並びます。

手順3: クロックメニュー(1)/(2)の切替

[AUTO]タブの画面上部にある「クロックメニュー(1)」のボタンをクリックすると、クロックメニュー(2)の編集画面に切り替わります。もう一度クリックすると(1)に戻ります。

Tips: ボタンの表示が今どちら側を編集しているかを示しています。「クロックメニュー(1)」と表示されているときは(1)側、「クロックメニュー(2)」と表示されているときは(2)側を編集中です。慣れるまでは編集前にボタンの表示を必ず確認しましょう。

手順4: コマンド番号を確認する

割り当てたいコマンドの番号を、設定画面下部に表示されるコマンド番号一覧から確認します。番号は[KEY]タブで参照するキーコマンドの番号と共通で、たとえば「線」コマンドは1番、「複線」は16番などの体系で並んでいます。

要確認: コマンド番号一覧の参照場所は[KEY]タブの「コマンド一覧」ボタンと共通かどうかを実機で確認します。

手順5: 12方向の入力欄に番号を入れる

クロックメニューは12方向(0時〜11時)にコマンドを配置できます。割り当てたい方向の入力欄に、手順4で確認したコマンド番号を入力します。AM側・PM側それぞれに別のコマンドを設定できるため、計24枠(左ドラッグなら24枠、右ドラッグも24枠)を埋めていきます。

注意: 一部の枠(円周上点/中心点/オフセットなど読取系の特定機能)は割当が固定で変更できません。入力欄が表示されない・編集できないと感じたら、その枠は仕様で固定されている可能性があります。

手順6: [OK]で確定する

入力が終わったら、ダイアログ下部の「OK」をクリックして設定を確定します。

要確認: [OK]押下直後にクロックメニューに即時反映されるか、Jw_cad再起動が必要かを実機で確認します。


方法B: 環境設定ファイル jw_win.JWF を直接編集する

20枠以上を一気に書き換えたい場合や、チーム内でクロックメニュー設定を共有したい場合は、環境設定ファイル jw_win.JWF を直接編集する方法が効率的です。

編集対象ファイル

項目内容
ファイル名jw_win.JWF
保存場所インストールフォルダ(標準は C:\JWW
形式テキストファイル(メモ帳・サクラエディタ等で編集可)

B手順サマリー(全5ステップ)

#操作所要
1Jw_cadを終了する(メニュー「ファイル」→「Jw_cadの終了」)数秒
2jw_win.JWF のバックアップコピーを作成数秒
3jw_win.JWF をテキストエディタで開く数秒
4クロックメニュー関連セクションを書き換える数分〜
5保存してJw_cadを起動・動作確認1分〜

手順1: Jw_cadを正規終了する

Jw_cadを起動したまま jw_win.JWF を編集すると、終了時に編集前の内容で上書きされてしまいます。必ず先にJw_cadを終了 してから編集にかかります。

注意: メニューバー「ファイル」→「Jw_cadの終了」から終了するのが安全です。設定変更が反映されないトラブルの大半は、起動中のJw_cadが終了時に環境設定ファイルを書き戻すことが原因です。

手順2: バックアップを取る

C:\JWW フォルダ内の jw_win.JWF をエクスプローラーで右クリック →「コピー」、同じフォルダで「貼り付け」して jw_win - コピー.JWF を作成します。書き換えに失敗したらこのコピーをリネームで戻すだけで復旧できます。

手順3: テキストエディタで開く

jw_win.JWFメモ帳またはサクラエディタ等のテキストエディタで開きます。中身は文字コード設定・色設定・キーコマンド設定・クロックメニュー設定などがセクションごとに記述されています。

Tips: 文字コードを変えてしまうとJw_cadが読み込めなくなります。編集後の保存は「上書き保存」のみとし、文字コードを変換しないエディタを使うのが安全です。

手順4: クロックメニュー関連セクションを編集

クロックメニューの割当はセクション単位で並んでおり、おおむね「左ドラッグ・クロックメニュー(1)・AM」「同(1)・PM」「同(2)・AM」「同(2)・PM」、続いて右ドラッグ側の同構造で記述されます。各行に12方向分のコマンド番号がカンマ区切り等で並ぶ構造です。

要確認: クロックメニュー関連セクションの正確なラベル名(COM_CL系等)と区切り文字の仕様を実機ファイルで確認します。

手順5: 保存して動作確認

エディタで上書き保存し、Jw_cadを起動します。クロックメニューを実際に呼び出して、割当が反映されているか確認します。意図と違う動作になった場合は、手順2のバックアップからファイルを戻して再編集します。


変更できない枠について

クロックメニュー24枠(×4面)すべてを自由に変更できるわけではありません。一部の枠は 読取系の特定機能が固定で割り当てられている ため、書き換えても元の機能が優先されます。

固定機能配置(標準)
円周上1/4点右ドラッグAM・上方向
線の中心点右ドラッグAM・右方向(線上で発動)
円の中心点右ドラッグAM・右方向(円上で発動)
2点間の中心点右ドラッグAM・右方向(読取点上で発動)
オフセット右ドラッグAM・下方向
線上点右ドラッグAM・左方向

背景: これらは点の読取に直結する機能のため、ユーザーがうっかり別コマンドに書き換えてしまうと作図全体に影響が出ます。仕様で固定されているのは安全側に倒した設計と理解できます。

要確認: [AUTO]タブで該当枠の入力欄が表示されるか/表示されても保存時に上書きされるかは実機で確認します。


PERSCの推奨カスタマイズ案

「どこから手をつけたらよいか分からない」という方向けに、建築実務でよく使うコマンドを優先的に配置する推奨セットです。クロックメニュー(1)・左ドラッグの24枠を埋める想定で、変更可能な枠だけを対象にします。

左ドラッグ・クロックメニュー(1)・AM(標準的な作図系)

方向推奨コマンド理由
0時文字作図中に注記を入れる頻度が高い
1時主要作図コマンド・最頻出
2時矩形通り芯・部材の囲み描画で多用
3時(標準のまま)
4時範囲選択編集の起点として常用
5時軸角取得角度の付いた図面で重宝
6時軸角・目盛・オフセット設定切替を一発で
7時図形複写コピー作業の頻度が高い
8時連続線多角形の輪郭描画で使う
9時AUTOモード(1)(2)切替の起点
10時消去編集で最頻出
11時複線通り芯から壁芯への展開で多用

左ドラッグ・クロックメニュー(1)・PM(補助・編集系)

方向推奨コマンド理由
0時パラメトリック変形部分伸縮を高頻度で使う
11時寸法寸法線追加を一発で
その他使用頻度に応じて埋める

PERSCの推奨: 上の表は出発点で、最初の1か月は標準割当のまま使う ことを推奨します。標準割当を1か月体験すると「自分が何をどう使っているか」が見えてくるため、その実績を踏まえて変更したほうが定着率が高くなります。

要確認: 上記コマンド名と標準クロック割当の整合(線=1時、複線=11時、消去=10時など)は実機で確認します。


実務での使い方 ★PERSC独自

住宅平面図でのカスタマイズ例

木造住宅の平面図作図では、通り芯→壁芯→建具→寸法→文字の順で工程が進みます。この流れに合わせてクロックメニューを並べ替えると、各工程でマウスを大きく動かさずに次のコマンドへ移れます。

PERSC編集部では、通り芯系の工程に使うコマンド(線・複線・軸角取得)を左ドラッグ・AM側に集約 し、注記・寸法系(文字・寸法)を11時・0時の上方向(=自然に手が動く方向) に置く構成を推奨しています。

RC造詳細図での使い分け

鉄筋コンクリート造の詳細図は線種が多く、消去・図形複写・パラメトリック変形 の使用頻度が高くなります。これらをクロックメニュー(1)のPM側にまとめておくと、AM/PMの切替で「作図モードと編集モードを行き来する」感覚で使えます。

設備図での(2)側の活用

設備図ではダクト系・配管系のシンボル配置が中心になります。日常使うコマンド数は少ない代わりに、寸法・建具・特殊シンボル系のコマンドを頻繁に呼び出します。これらをクロックメニュー(2)側に集約しておけば、設備図を開いている時間帯だけ(1)→(2)に切り替えて使う運用ができます。

チーム共有時の運用

複数人で同じプロジェクトを進める場合、jw_win.JWF をプロジェクトフォルダに含めて共有すると、誰が開いてもクロックメニューの並びが統一されます。新人がベテランの設定を引き継いで使えるため、操作の標準化と教育コストの削減 を同時に実現できます。

Tips: チーム共有時は、jw_win.JWF の中で「クロックメニュー設定」「キーコマンド設定」「色設定」のどこを共有するかを決めておくと、個人の好みと組織標準を両立できます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: [AUTO]タブで番号を入れたのに、クロックメニューが反応しない

→ 入力した番号が存在しないコマンド番号の可能性があります。コマンド番号一覧で再確認し、表示されている番号のみを入力してください。また、[OK]を押した後、念のためJw_cadを一度終了して再起動すると確実に反映されます。

Q: 円周上1/4点や中心点の枠を別のコマンドに変更したい

→ これらの枠は仕様で固定されているため、書き換えできません。読取系の機能はクロックメニューでは固定割当となるルールがあり、変更したい場合は別の枠(左ドラッグ側など)に類似機能を割り当てる方法を取ります。

Q: 設定を変更したのに、Jw_cadを再起動したら元に戻った

→ 設定は Jw_cadを正規終了しないと保存されない ことがあります。メニューバー「ファイル」→「Jw_cadの終了」から終了する習慣をつけてください。詳しくは 設定が保存されない を参照。

Q: jw_win.JWF を開いたら文字化けしていた

→ 文字コードを変換しないテキストエディタ(サクラエディタ・メモ帳等)で開き直してください。Word等で開くと文字コードが書き換わってJw_cadが読み込めなくなる場合があります。バックアップを取っていれば、文字化けしたファイルは破棄してバックアップを戻します。

Q: クロックメニュー(1)と(2)の切り替え方が分からない

→ AUTOモードコマンドを選択した状態で、コントロールバー上の「クロックメニュー(1)」または「クロックメニュー(2)」表示のボタンをクリックすると切り替わります。基本操作については クロックメニューの基本 を参照してください。

Q: 「(-)軸角」のように番号の前に「-」が付いている割当はどう設定する?

→ 一部のコマンドは「正方向」「負方向」のような対になる動作があり、入力欄での番号指定方法に独自記法を使う場合があります。標準割当の表記を参考に、同じ書式で入力してください。

要確認: 「(-)」記号の入力欄での記法(番号の前にハイフンを付けるのか/別の番号体系なのか)を実機で確認します。

Q: カスタマイズした設定を別PCにも適用したい

C:\JWW\jw_win.JWF を別PCの同じ場所にコピーすれば、クロックメニュー設定もそのまま移行できます。詳しくは ショートカットキーのカスタマイズ手順 の「環境設定ファイル」節を参照してください。


関連項目


まとめ

  • クロックメニューは12方向×AM/PM×左右×(1)(2)の 計96枠 にコマンドを配置できる
  • カスタマイズは 基本設定[AUTO]タブ からGUIで行うのが安全。多枠書き換えは jw_win.JWF 直編集
  • 円周上点・中心点・オフセット・線上点など 読取系の枠は仕様で固定 され変更不可
  • 最初の1か月は標準割当のまま使い、自分の使用頻度を見てから並べ替えるのが定着しやすい
  • 設定変更後はメニューバー「ファイル」→「Jw_cadの終了」で正規終了すると確実に保存される