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未検証

ベジェ曲線の作図

このコマンドでできること

Jw_cadの「曲線」コマンドの中にある「ベジェ曲線」モードを使うと、始点と終点を必ず通り、間に置いた制御点で曲線の膨らみを調整できる、なめらかなフリーカーブを作図できます。デザイン性の高いロゴ・看板の縁取り、装飾的な曲線壁、自由曲線の床見切り、非定型なカーブを持つ造作家具、添景の自由形(樹木のシルエット・人物・川や池の輪郭)など、半円や円弧では再現できない任意の自由曲線が必要なときに使うコマンドです。指示する点は始点・中間点(制御点)・終点の最低3点で、点を増やせばより複雑なカーブを描けます。確定はコントロールバー「作図実行」ボタンまたはENTERキーで行います。

背景: 「ベジェ」はフランスの自動車メーカー・ルノー社のピエール・ベジェ氏が発表したことに由来する数学曲線の名称です。中間点は曲線が「通過する点」ではなく、曲線の形を外側から引っ張る制御点として機能します。スプライン曲線が「指示した全点を通る」のに対し、ベジェ曲線は「始点と終点だけを通り、中間点は曲がり方を決める」点が大きな違いです。詳しくは スプライン曲線の作図 を参照してください。

注意: この記事は「曲線」コマンドの中のベジェ曲線モードだけを扱います。サイン曲線・2次曲線・スプライン曲線については、それぞれ サイン曲線の作図2次曲線の作図スプライン曲線の作図 を参照してください。


起動方法

ベジェ曲線は、まず「曲線」コマンドを起動して、コントロールバーで「ベジェ曲線」ラジオボタンを選択する手順で使います。起動方法そのものは曲線コマンドと共通で、3つのルートが用意されています。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(2)」ツールバー内の「曲線」アイコンを左クリック
メニューバー作図」 → 「曲線」を左クリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内で2時方向へ左ドラッグ → 右クリック

起動したらコントロールバーの「ベジェ曲線」ラジオボタンをクリックして選択します。これで作図モードが「曲線→ベジェ曲線」に切り替わります。

PERSCの推奨: ベジェ曲線は使用頻度がそこまで高くないため、毎回どこから起動するか迷いやすいコマンドです。「作図(2)」ツールバーの「曲線」アイコンの位置を一度覚えておくと、ロゴ作図や装飾曲線の場面で素早くアクセスできます。

要確認: コントロールバーの「ベジェ曲線」ラジオボタンの正確なラベル文言と表示位置は実機で確認します。「サイン曲線」「2次曲線」「スプライン曲線」「ベジェ曲線」の4ラジオボタンが横並びで配置されている前提です。


ベジェ曲線の作図サマリー(全7ステップ)

ベジェ曲線の基本作図は、ラジオボタン選択 → 分割数の確認 → 始点 → 中間点 → 終点 → 作図実行、の流れです。曲線の確定が「クリックだけ」では完了せず、最後に作図実行(またはENTER)が必要になる点が、線・円・円弧と大きく違うポイントです。

#操作所要
1曲線コマンドを起動(ツールバー「曲線」)数秒
2コントロールバー「ベジェ曲線」ラジオボタンを選択数秒
3コントロールバー「分割数」を確認・調整数秒
4始点を左クリック(読取点なら右クリック)数秒
5中間点(制御点)を左クリック(読取点なら右クリック)数秒
6終点を左クリック(読取点なら右クリック)数秒
7コントロールバー「作図実行」ボタンクリック、またはENTERキーで確定数秒

基本操作: 始点・中間点・終点を指示してベジェ曲線を描く

ベジェ曲線の最小構成は、始点・中間点(制御点)1つ・終点の3点指示です。中間点は曲線の通過点ではなく、曲線を引っ張って形を決める制御点として働きます。始点と終点は曲線が必ず通り、中間点に向かって曲線が引き寄せられる形でカーブが生成されます。

手順1: 曲線コマンド起動

左ツールバーの「作図(2)」内にある「曲線」アイコンを左クリックします。コントロールバーが曲線コマンド用の表示に切り替わり、サイン曲線・2次曲線・スプライン曲線・ベジェ曲線の4つのラジオボタンが並びます。

手順2: 「ベジェ曲線」を選択

コントロールバー内の「ベジェ曲線」ラジオボタンを左クリックして選択状態にします。これで作図モードがベジェ曲線に切り替わります。

手順3: 分割数を確認

コントロールバーの「分割数」入力欄に表示されている数値を確認します。分割数はベジェ曲線を内部的に何本の短い直線でつないで近似するかを決める数値で、数値を大きくすればよりなめらかな曲線になりますが、データ量も増えます。初期値のままでも問題ない場面が多いですが、装飾曲線でなめらかさが求められる場合は数値を大きめに調整します。

背景: Jw_cadのベジェ曲線は、内部的には連続する短い直線(線分)の集合として作図されます。分割数はその直線の細かさを決める数値です。建築実務の通常スケール(住宅平面図・詳細図など)では、初期値の分割数で十分なめらかに見えます。看板やロゴのように曲線そのものが主役になる場面でだけ、分割数を大きくする運用が現実的です。

要確認: 「分割数」の初期値と、ベジェ曲線で違和感が出ないギリギリの推奨下限値は実機で確認します。

手順4: 始点を指示

ベジェ曲線の始点になる位置で左クリック(既存の点・端点・交点なら右クリック)します。始点はベジェ曲線が必ず通る点です。

Tips: 装飾曲線・看板・添景など、ベジェ曲線の用途は意匠系が中心です。始点・終点は壁の角・既存図形の端点に正確に乗せたい場面が多いので、右クリック(読取点)で拾う運用が基本になります。任意点(左クリック)でズラすと、後で接続する直線・図形と微妙に離れる事故が起きやすくなります。

手順5: 中間点(制御点)を指示

曲線の膨らみを決める位置で左クリック(読取点なら右クリック)します。この点は曲線が通過する点ではなく、曲線を外側から引っ張る制御点として働きます。3点指示(始点・中間点1つ・終点)で描かれるベジェ曲線は、数学的には「2次ベジェ曲線」と呼ばれる形式です。

手順6: 終点を指示

ベジェ曲線の終点になる位置で左クリック(読取点なら右クリック)します。終点は始点と同じく、ベジェ曲線が必ず通る点です。ここまでで指示点はすべて確定しましたが、まだ曲線は確定していません。次の作図実行ステップで初めて曲線が画面に描画されます。

手順7: 作図実行で確定

コントロールバーの「作図実行」ボタンを左クリックするか、キーボードのENTERキーを押して曲線を確定します。指示した始点・終点を通り、中間点に引き寄せられる形のベジェ曲線が現在の書込線色・線種・書込レイヤで描かれます。

注意: ベジェ曲線は線・円のように「最後の点をクリックした瞬間」には確定しません。作図実行(またはENTER)を押すまで曲線は表示されないので、点を指示し終わったら必ず確定操作を忘れずに行ってください。指示点を増やしたくなった場合は、作図実行を押す前なら追加で点を指示できます。


中間点(制御点)が「通過点ではない」という考え方

ベジェ曲線で初心者がもっとも戸惑うポイントは、中間点は曲線が通る点ではないという性質です。線・円・スプラインに慣れていると「指示した点をすべて結ぶ」感覚で操作しがちですが、ベジェ曲線は始点と終点だけを通り、中間点は曲がり方を決める制御点として働きます。

通過する点と引っ張る点の違い

コマンド始点中間点終点
線(連線含む)通る通る通る
スプライン曲線通る通る通る
ベジェ曲線通る通らない(制御点)通る

Tips: ベジェ曲線で「中間点を通したい場所」に点を打つと、曲線はその点に到達せず外側に膨らむ結果になります。逆に「ここを通したい」場所よりさらに外側に中間点を置くと、曲線がそこに向かって引っ張られる形で、結果的に意図したラインに近づきます。最初の数本は試行錯誤になるので、確定(作図実行)前に終点まで指示してから、必要に応じて取り消して中間点を打ち直す運用が効率的です。

背景: ベジェ曲線の数学的な仕組みは「左の辺と右の辺を同じ割合で分割し、その割合の点同士を結んだ線をさらに同じ割合で分割する」操作の繰り返しで定義されます。中間点(制御点)はこの分割の起点になる位置で、曲線そのものは始点と終点を結ぶ「間接的に決まるパス」として描かれます。詳しくは数学的な参考文献に譲りますが、**「中間点に向かって曲線が膨らむ」**という直感的な理解で実務上は十分です。


指示点を増やして3次・高次のベジェ曲線を描く

中間点(制御点)を2つ以上指示すると、より複雑な形のベジェ曲線を描けます。中間点を2つ指示する場合は数学的に「3次ベジェ曲線」と呼ばれ、S字や波打つ形など、2次ベジェ曲線では表現できない形状が作れます。

指示点数とベジェ曲線の次数

指示点の構成数学的呼称形の特徴
始点+中間点1+終点(合計3点)2次ベジェ曲線一方向の単純な膨らみ(凸または凹)
始点+中間点2+終点(合計4点)3次ベジェ曲線S字・両側膨らみなど複雑な形
始点+中間点3以上+終点高次ベジェ曲線より細かく形を制御できる

3次ベジェ曲線(指示点4つ)の手順

  1. 曲線コマンド起動 → 「ベジェ曲線」を選択
  2. 始点を指示
  3. **1つ目の中間点(制御点A)**を指示
  4. **2つ目の中間点(制御点B)**を指示
  5. 終点を指示
  6. 作図実行」またはENTERキーで確定

Tips: 3次ベジェは、ロゴデザイン・建築意匠の自由曲線・添景のシルエットなど、形のニュアンスが必要な場面で力を発揮します。建築実務でも、外構の自由曲線歩道や、デザイナー監修のサインの輪郭など、3次ベジェでないと表現できないケースは意外に多いです。

要確認: 4点以上を指示したときに、Jw_cadが内部的に「1本の高次ベジェ曲線」として扱うのか、「複数の3次ベジェ曲線をつないだもの」として扱うのかは実機で確認します。s-projectsの解説では「指示する点が3点以上ある場合は、続けて終点を指示する」とのみ記述されています。


「作図実行」と「ENTERキー」の使い分け

ベジェ曲線(およびスプライン曲線)は、線・円のような「最後のクリックで自動確定」ではなく、指示が終わった後に明示的に確定操作が必要になります。確定の手段は2つあり、用途に応じて使い分けます。

確定方法操作おすすめ場面
作図実行ボタンコントロールバー右側の「作図実行」を左クリックマウス操作が中心の流れの中で、指の移動を最小化したい場面
ENTERキー ★推奨キーボードのEnterを押すキーボードに片手を置いている流れ、点指示後すぐ確定したい場面

PERSCの推奨: ベジェ曲線とスプライン曲線は、ENTERキーでの確定を基本動作として身につけておくと、コントロールバーの位置を毎回探さずに済みます。曲線を描く流れの中ではマウスは画面下方の指示点付近にあることが多く、コントロールバーまでマウスを大きく移動する手間が省けます。

要確認: ENTERキーでの確定が現行バージョンでも有効か、また「作図実行」ボタンとENTERキーの双方で同じ結果になるかを実機で確認します。s-projectsの記述では両方が併記されています。


分割数の調整(曲線のなめらかさとデータ量)

コントロールバーの「分割数」は、ベジェ曲線を内部的に何本の短い直線でつなぐかを決める数値です。建築実務の通常スケールでは初期値で十分ですが、用途によって調整するとデータ量と見た目のバランスが取れます。

分割数の目安用途
初期値前後(標準)建築平面図・詳細図など、通常スケールの装飾曲線
初期値より大きめ看板・ロゴ・拡大表示で見せる装飾曲線、なめらかさ最優先
初期値より小さめデータ量を抑えたい大規模図面、紙印刷で目立たない補助線

Tips: 分割数を極端に大きくすると、ベジェ曲線1本で数十〜数百本の直線がデータ上に作成されます。同じ曲線を多数配置する図面(添景の樹木シルエットを大量に置くなど)では、ファイルサイズが膨らむ・編集時の動作が重くなる、といった副作用が出ます。装飾曲線の数が多い図面では、分割数を増やしすぎないバランス感覚が大事です。

背景: 分割数を変えても、ベジェ曲線の形そのもの(始点・終点・制御点の関係から決まる理論曲線)は変わりません。変わるのは「理論曲線をどれだけ細かい直線で近似するか」だけです。視覚的なギザギザを許容できる場面なら分割数を抑えてOKです。

要確認: 「分割数」初期値の数値と、ベジェ曲線時にギザギザが目立ち始める下限値は実機で確認します。


書込線色・線種・書込レイヤの継承

ベジェ曲線は、確定時点で設定されている書込線色・書込線種・書込レイヤで作図されます。線・円・円弧と同じく、書込属性を切替えてから作図実行すれば、その属性で曲線が描かれます。

装飾曲線で書込属性を切替える流れ

  1. ベジェ曲線を描く前に、書込線色を「補助線色」や任意の意匠色(例: 線色4)に切替える
  2. 書込線種を「点線」「一点鎖線」などの意匠線種に切替える(必要に応じて)
  3. 書込レイヤを意匠用レイヤ(例: 8レイヤ「装飾」)に切替える
  4. 曲線コマンドを起動 → ベジェ曲線を選択
  5. 始点・中間点・終点を指示 → 作図実行で確定

詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照してください。

Tips: ロゴ・看板など意匠系のベジェ曲線は、図面本体(壁・建具・寸法)とは別レイヤに分けて配置するのが定石です。意匠ライン専用のレイヤを1つ作っておけば、印刷時にON/OFFで簡単に切替えられます。レイヤ管理の詳細は レイヤの基本概念 ※準備中 を参照。


描いたベジェ曲線のデータ上の扱い

Jw_cadのベジェ曲線は、内部的には「連続する短い直線(線分)の集合」として記録されます。1本の独立した「ベジェ曲線オブジェクト」ではなく、分割数で決まる本数の直線がつながった形です。範囲選択でかこむと全直線がまとめて選ばれるので、編集(移動・複写・消去)はひとまとまりとして扱えます。

作図方法データ上の扱い
線コマンド1本の線(独立した1要素)
円・円弧コマンド1つの円・円弧(独立した1要素・中心+半径+角度を持つ)
ベジェ曲線コマンド連続する直線の集合(分割数本の線分)

背景: ベジェ曲線が直線の集合として記録されるため、確定後に「制御点を動かして曲線の形を変える」といったパラメトリック編集はできません。形を変えたい場合は、いったん消去してから始点・中間点・終点を指示し直す運用になります。Adobe Illustratorのようにベジェのアンカー・ハンドルを再編集する操作はJw_cadにはありません。

要確認: 描画されるベジェ曲線が「連続する直線セグメントの集合」か「ベジェ曲線要素」かは実機で確認します。範囲選択時の表示や、ファイル保存後の.jws形式での記述から判定できます。

Tips: いったん描いたベジェ曲線をひとまとまりとして扱いたい場合は、ブロック化コマンド ※準備中 で1つのブロック要素にまとめておくと、後の編集が楽になります。装飾曲線をパーツとして使い回すなら、図形登録しておくのも有効です。


連続するベジェ曲線を繋げて描く

長い装飾曲線を1本のベジェ曲線で描こうとすると、制御点の位置調整が難しくなり、思った形が出ません。実務では、短いベジェ曲線を複数本つないで長い曲線にする運用が現実的です。前の曲線の終点を、次の曲線の始点として右クリックで読み取ることで、視覚的になめらかな連続曲線を作れます。

連続ベジェの基本ワークフロー

  1. 1本目のベジェ曲線を作図実行で確定
  2. 続けて曲線コマンドのまま、ベジェ曲線モードを保持
  3. 1本目の終点を始点として右クリックで読み取る
  4. 2本目の中間点・終点を指示 → 作図実行
  5. 3本目以降も同じ流れで繋いでいく

要確認: スプライン曲線にあった「連結線指定」タブと同等の、前の曲線と滑らかに連結するモードがベジェ曲線でも使えるかは実機で確認します。kantancadのスプライン解説では「連結線指定タブから始める」とあり、これがベジェにも適用されるかどうかが要検証です。

Tips: 連続ベジェで完全になめらかに見せたい場合は、前の曲線の終点付近の制御点と、次の曲線の始点付近の制御点を、終点を挟んで直線上に並べるのが定石です。これにより、接続点で曲線の方向が連続するため、見た目の繋ぎ目が消えます。Illustratorのベジェハンドル操作と同じ理屈です。


実務での使い方 ★PERSC独自

ロゴ・看板の装飾曲線

事務所のロゴ、店舗看板、案内サインなど、意匠的な曲線が必要な場面でベジェ曲線がもっとも活きます。アール(円弧)では再現できない非定型の曲線、たとえば書道風の筆跡を模した曲線、流れるようなS字の装飾、有機的なシルエットなどは、ベジェ曲線でなければ表現できません。

実務では、Illustratorで作成したロゴをJw_cadに持ち込めない場面(建築図面の中に直接ロゴを描き込みたい・印刷時にラスタ画像化したくない)で、ベジェ曲線で輪郭をトレースする使い方が定番です。

自由曲線壁・デザイン壁の輪郭

カフェ・美容室・ブティックなど、意匠性を売りにする商業施設では、自由曲線の壁が登場することがあります。半円や円弧では収まらない、施主のスケッチに沿った独自カーブの壁を平面図に起こす場面で、ベジェ曲線が効きます。

外構の自由曲線歩道、デザイナー監修の曲線塀、教会・神社の意匠的な参道など、円・円弧の組合せでは表現しきれない曲線形状は、ベジェ曲線で描いた後にハッチング・寸法を入れて図面化します。

添景・植栽記号のシルエット

樹木の樹冠、人物の輪郭、自動車のシルエット、雲・煙の表現など、添景の自由形をベジェ曲線で描きます。樹冠を円で表現するのが標準ですが、施主向けプレゼン資料で「もう少し自然なシルエット」を求められた場合は、ベジェ曲線で不規則な曲線を描いて雰囲気を出す手があります。

Tips: 添景は1度描いたら図形登録 ※準備中 で部品化しておくと、別の図面でも再利用できます。手書き感のあるベジェ曲線の樹木は1セット作っておくだけで、住宅・店舗・公共建築のあらゆるプレゼンに使い回せます。

河川・池・庭園の輪郭

外構図・敷地図で、河川・池・庭園の自然な曲線輪郭を描く際にベジェ曲線が活躍します。実測した数点をベースに、ベジェ曲線でなめらかにつなぐと、円弧の組合せより自然なラインが出ます。等高線の表現にも応用できます。

流線形の家具・造作の輪郭

カウンター天板の前縁、ソファの背もたれ輪郭、流線形のカウンタートップなど、直線でも円でもない有機的な曲線を含む造作家具・造作仕上げの輪郭をベジェ曲線で描きます。家具メーカーから提供されたCADデータが2D化されていない場合に、施主提示用のラフ図面でベジェ曲線を使ってアタリを取る運用も実務的です。

サイン・矢印の流線形シェイプ

道路標示風の流れる矢印、案内板のロゴ要素、誘導サインの装飾形状など、矢印や記号類の流線形シェイプもベジェ曲線で描けます。直線+円弧の組合せでは出せない、自然な「動き」のある形を表現したい場面で使い分けます。

建築意匠の有機的曲線(曲面屋根のスケッチライン等)

曲面屋根の立面スケッチ、有機的な天井形状の断面ライン、デザインフィン(縦ルーバー)の曲線輪郭など、意匠系の建築要素をベジェ曲線でスケッチする場面があります。実施図ではなく、施主向けプレゼン・初期スケッチの段階で、雰囲気を伝えるラフ曲線として活用できます。

PERSCの推奨: ベジェ曲線は実施図の主役ではなく、プレゼン・意匠表現の補助役として位置づけるのが現実的です。寸法と整合する正確な作図には円・円弧・線が向き、自由なニュアンスや雰囲気を出したい場面でベジェ曲線を使う、という使い分けを意識すると無理がありません。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 中間点を指示した位置を曲線が通らない

→ それがベジェ曲線の正しい挙動です。中間点は曲線が通る点ではなく、曲線を引っ張る制御点として働きます。曲線を通したい位置に点を打っても、曲線は外側に膨らんで離れていきます。「ここを通したい」場所よりさらに外側に中間点を置くと、曲線がその方向に引っ張られて結果的に意図したラインに近づきます。線・スプラインの感覚で操作しないように切替えてください。

Q: 点を指示しても曲線が描かれない

→ ベジェ曲線は**「作図実行」ボタンまたはENTERキーで確定するまで描画されません**。始点・中間点・終点を指示しただけでは曲線は表示されないので、最後にコントロールバーの「作図実行」を左クリックするか、キーボードのEnterを押してください。線や円のように「最後のクリックで自動確定」しないのがベジェ・スプラインの仕様です。

Q: 「作図実行」ボタンが見当たらない

→ コントロールバーが横に長く、画面の解像度や表示倍率によっては作図実行ボタンが画面外に隠れていることがあります。ENTERキーでも同じ確定操作ができるので、ENTERで進めるのが確実です。コントロールバー全体を見たい場合は、Jw_cadのウィンドウを最大化するか、別のフローティングウィンドウを最小化して画面幅を確保してください。

Q: 思った形と全然違うベジェ曲線になる

→ ベジェ曲線は中間点の位置に対して曲線が膨らむ性質を持ちますが、指示する順序と中間点の置き方で結果が大きく変わります。最初は中間点を1つだけ(2次ベジェ)で試して、形の感覚をつかむのがおすすめです。慣れてきたら中間点を2つ(3次ベジェ)に増やしてS字や複雑な形を試します。一度作図実行で確定した後にも、消去 → 中間点を打ち直すのを数回繰り返して、形の感触を学んでいくのが結果的に近道です。

Q: ベジェ曲線とスプライン曲線、どちらを使えばいい?

指示した全点を曲線が通る必要があるならスプライン曲線、始点と終点だけを通り、間の点で形を制御したいならベジェ曲線です。建築実務では、実測値の点列をなめらかにつなぐ場合(外周の自由曲線・河川輪郭など)はスプライン、ロゴ・装飾曲線のように「形の意図を制御点で表現したい」場合はベジェが向きます。詳しくは スプライン曲線の作図 を参照。

Q: 描いたベジェ曲線の制御点を後から動かして形を変えたい

→ Jw_cadのベジェ曲線は、確定後は連続する直線の集合として記録されるため、Illustratorのようなパラメトリック編集(制御点を動かして曲線形状を変える)はできません。形を変えたい場合は、いったんベジェ曲線を消去してから、始点・中間点・終点を新しい位置で指示し直してください。

Q: 曲線がギザギザに見える

→ コントロールバーの「分割数」が小さすぎる可能性があります。分割数を大きくすると、ベジェ曲線が内部的に細かい直線で近似されるため、見た目がなめらかになります。ただし大きくしすぎるとデータ量が増えるので、装飾曲線として目立たせたい場面でだけ分割数を増やすのが実務的です。

Q: 1本のベジェ曲線で長い曲線を描こうとすると形がコントロールしにくい

→ ベジェ曲線は中間点が増えるほど形の制御が難しくなります。短いベジェ曲線を複数本つないで長い曲線を作るのが定石です。前の曲線の終点を、次の曲線の始点として右クリックで読み取れば、視覚的になめらかにつながります。

Q: ベジェ曲線を別の図面で使い回したい

→ ベジェ曲線そのものは編集できないため、図形登録 ※準備中 で部品化しておくのが定石です。樹木のシルエット・装飾曲線・ロゴの輪郭など、何度も使う曲線を1セット登録しておけば、別図面でも一発で配置できます。

Q: ベジェ曲線が線色1(黒)以外で描けない

→ ベジェ曲線は作図開始時点の書込線色・線種・書込レイヤで描かれます。色を変えたい場合は、曲線コマンドに入る前にコントロールバーまたはツールバーから書込線色を切替えてから作図実行してください。線属性の切替えは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。

Q: 「ベジェ曲線」のラジオボタンが見当たらない

→ 曲線コマンドが起動できていない可能性があります。「作図(2)」ツールバーの「曲線」アイコンを左クリックするか、メニューバー「作図」→「曲線」を実行して、コントロールバーに「サイン曲線」「2次曲線」「スプライン曲線」「ベジェ曲線」のラジオボタンが並んでいることを確認してください。

Q: コントロールバーの「ベジェ曲線」をクリックしても切替わらない

→ ラジオボタン本体ではなく、横の文字部分をクリックしている可能性があります。ラジオボタンの丸印(○)部分を直接クリックしてください。または文字をダブルクリックする操作で切替わる場合もあります。


関連項目


まとめ

  • ベジェ曲線は「曲線」コマンドの中の1モード。コントロールバーで「ベジェ曲線」ラジオボタンを選択して使う
  • 基本フローは始点 → 中間点(制御点) → 終点 → 作図実行。最後の確定操作(コントロールバー「作図実行」またはENTERキー)を忘れずに行う
  • 中間点は曲線が通る点ではなく、曲線を引っ張る制御点。スプライン曲線(全点を通る)と性格が違う
  • 中間点1つで2次ベジェ、中間点2つで3次ベジェ。中間点を増やすと複雑な形を表現できる
  • データ上は連続する直線の集合として記録され、確定後の制御点編集はできない(再描画で対応)
  • 書込線色・線種・書込レイヤを継承して描かれる。意匠用に専用レイヤを作って分けて配置するのが定石
  • ロゴ・看板・装飾曲線・自由曲線壁・添景・河川輪郭・流線形家具など、円・円弧では表現できない自由曲線が必要なすべての場面で出番がある