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寸法図形化・解除
このページでできるようになること
Jw_cadの 寸法図形化(寸化) コマンド(メニューバー「その他」→「寸法図形化」、ツールバーの「寸化」)と 寸法図形解除(寸解) コマンド(メニューバー「その他」→「寸法図形解除」、ツールバーの「寸解」)を使って、寸法線と寸法値を1セットの「寸法図形」属性として連動 させたり解除したりできるようになります。寸法図形化された図形は、移動・複写・パラメトリック変形で大きさが変わると 寸法値が自動的に更新 されます。あわせて、範囲選択での一括寸法図形化/一括解除、コマンド内の相互切替、寸法コマンド本体の自動図形化設定との関係まで通しで身につきます。
背景: Jw_cadで寸法を作図しただけでは、寸法線(線分)と寸法値(文字)は 別々の独立した要素 です。線を引き直しても文字は更新されず、文字を移動しても線は付いてきません。「寸法図形化」を行うと、その2つを 「寸法図形」という1つの属性 で結びつけ、図形編集の際に寸法値が自動追従するようになります。設計変更が頻繁な実務では、この属性化が 修正漏れによる寸法ミスを防ぐ仕組み として重要な役割を果たします。
寸法図形化のメリットと制約
メリット
| 場面 | 寸法図形化なし | 寸法図形化あり |
|---|---|---|
| 移動・複写で寸法線の長さが変わったとき | 寸法値は元のまま(手動修正必要) | 寸法値が自動更新 |
| パラメトリック変形で形状を伸縮したとき | 寸法値は元のまま | 寸法値が自動更新 |
| 寸法線・寸法値の片方だけ消そうとしたとき | 個別に消える | 1セットとして扱われる |
| 寸法線の単位設定(mm/m)の一括変更 | 個別に書き直し | 設定変更で一括反映 |
制約
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 適用対象 | 寸法コマンドで作図した寸法のみ(手動で線・文字を組み合わせたものは寸法図形化できない) |
| 連動の方向 | 寸法線の長さ変化 → 寸法値が更新(逆方向の連動は別仕様) |
| 文字編集との関係 | 寸法値を文字編集で書き換えると 寸法図形が解除される 場合がある(実機検証で確定) |
| 対応する編集コマンド | 移動・複写・パラメトリック変形 ほか |
PERSCの推奨: 設計変更がある程度発生する実務図面では、寸法は寸法図形化しておくのが基本 です。寸法コマンド本体の設定で「作図と同時に自動で寸法図形化」するオプションもあります(後述)。
起動方法
寸法図形化(寸化)
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「その他」→「寸法図形化」 |
| ツールバー | 「その他(2)」ツールバー内の「寸化」ボタン |
| ショートカット | 標準では未割当(基本設定 KEY タブで割当可) |
寸法図形解除(寸解)
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「その他」→「寸法図形解除」 |
| ツールバー | 「その他(2)」ツールバー内の「寸解」ボタン |
| コマンド内切替 | 寸法図形化中にコントロールバー「寸法図形解除」ボタン(寸法線を指示しない状態でクリック) |
画像準備中 — メニューバー「その他」→「寸法図形化」「寸法図形解除」とツールバーの「寸化」「寸解」ボタン位置
要確認: ツールバーボタンの正確な表記は実機で確認します。s-projects は「寸化」「寸解」と表記、jwdojo は「寸化」と「寸法」が混在。
背景: 寸法図形化と寸法図形解除は 同じコマンド内で相互に切り替えできる仕様 があります。寸法図形化コマンドを起動した直後、寸法線を指示せずに コントロールバーの「寸法図形解除」ボタン をクリックすると、解除モードに切り替わります。逆も同様です。
基本操作: 寸法図形化(個別指示)
手順1: コマンドを起動
メニューバー「その他」→「寸法図形化」、またはツールバーの「寸化」をクリックします。
画像準備中 — 寸法図形化コマンドの起動
手順2: 寸法線を指示
作図ウィンドウに描かれている 寸法線(線分) を左クリック(または右クリック)で指示します。
画像準備中 — 寸法線を指示している状態
手順3: 寸法値を指示
続けて、その寸法線に対応する 寸法値(文字) を左クリック(または右クリック)で指示します。
画像準備中 — 寸法値を指示している状態
手順4: 寸法図形化完了
寸法線と寸法値が1セットとして寸法図形化され、作図ウィンドウに「寸法図形化」と表示されます。
画像準備中 — 寸法図形化完了の表示
要確認: 完了時の表示文言(「寸法図形化」のみか、対象数の表示があるか)は実機で確認します。
手順5: 連続して寸法図形化
続けて別の寸法線・寸法値も同じ手順で指示できます。複数の寸法を順番に処理する場合に便利です。
派生パターン: 寸法図形化(範囲選択で一括)
複数の寸法をまとめて寸法図形化したい場合は、コントロールバーの「範囲選択」ボタンを使います。
手順1: コマンド起動 → 範囲選択ボタン
寸法図形化コマンドを起動後、コントロールバーの「範囲選択」ボタンを左クリックします。
画像準備中 — コントロールバーの「範囲選択」ボタン
手順2: 始点・終点で囲む
寸法図形化したい寸法線・寸法値を囲むように、始点を 左クリック、終点を 右クリック で指示します。
背景: 終点を 右クリック で確定すると、囲み枠内の 文字も含めて選択 されます。寸法値(文字)を含めるためには右クリック確定が必要です。
画像準備中 — 範囲選択で寸法を囲んでいる状態
手順3: 選択確定
寸法線と寸法値が選択状態(色変化)になったら、コントロールバーの「選択確定」ボタンをクリックします。
背景: 範囲内の文字位置・方向に合わせて、自動的に対応する寸法線が選択される仕様があります(s-projects記述)。これにより、文字と寸法線のペアを意識せずに一括処理できます。
画像準備中 — 選択確定後の一括寸法図形化結果
手順4: 完了
選択確定により、範囲内の寸法線と寸法値が まとめて寸法図形化 されます。作図ウィンドウに 寸法図形化された数 が表示されます。
画像準備中 — 一括寸法図形化が完了し対象数が表示された画面
基本操作: 寸法図形解除(個別指示)
手順1: コマンドを起動
メニューバー「その他」→「寸法図形解除」、またはツールバーの「寸解」をクリックします。
画像準備中 — 寸法図形解除コマンドの起動
手順2: 寸法図形を指示
作図ウィンドウの寸法図形(寸法線+寸法値の1セット)を左クリック(または右クリック)で指示します。
画像準備中 — 寸法図形を指示している状態
手順3: 解除完了
指示された寸法図形が解除され、作図ウィンドウに「寸法図形解除」と表示されます。解除後の寸法線と寸法値は 独立した線・文字 に戻り、それぞれ個別に編集・削除できる状態になります。
画像準備中 — 寸法図形解除完了の表示
派生パターン: 寸法図形解除(範囲選択で一括)
手順1: コマンド起動 → 範囲選択
寸法図形解除コマンドを起動後、コントロールバーの「範囲選択」ボタンをクリックし、解除したい寸法図形を 始点左クリック → 終点右クリック で囲みます。
画像準備中 — 範囲選択で寸法図形を囲んでいる状態
手順2: 選択確定
「選択確定」ボタンをクリックすると、範囲内の寸法図形が まとめて解除 されます。作図ウィンドウに解除された数が表示されます。
画像準備中 — 一括解除完了で対象数が表示された画面
コマンド内での相互切替
寸法図形化コマンドと寸法図形解除コマンドは、コマンド内で 相互に切り替え できます。
| 状況 | 操作 | 結果 |
|---|---|---|
| 寸法図形化を起動中 | 寸法線を指示せず、コントロールバーの「寸法図形解除」ボタンをクリック | 寸法図形解除コマンドに切替 |
| 寸法図形解除を起動中 | 寸法図形を指示せず、コントロールバーの「寸法図形化」ボタンをクリック | 寸法図形化コマンドに切替 |
Tips: メニュー・ツールバーから一度コマンドを抜けて再度別のコマンドを選ぶ手間が省けます。「化↔解」を頻繁に行き来する作業(例: 一部を解除して個別修正してから再度化する)で便利です。
寸法コマンド本体の「自動図形化」設定との関係
寸法を 作図する時点で自動的に寸法図形化 する設定が、寸法コマンド本体に用意されています。
- 寸法コマンド起動 → コントロールバーの 設定項目 で「寸法図形」または同等のチェックを有効化
- 以降、寸法コマンドで描いた寸法は 作図と同時に寸法図形化 された状態になる
PERSCの推奨: 設計変更が見込まれる図面(特に意匠・施工図)では 自動図形化を ON にして始める のが効率的です。後から「寸化」で1本ずつ図形化していくより、最初から図形化されている方が格段に楽です。詳細は 寸法コマンド ※準備中 を参照。
実務での使い方 ★PERSC独自
設計変更で寸法ミスを防ぐ第1の安全策
PERSC編集部の実務感覚として、寸法図形化は「設計変更時の寸法表記ミスを防ぐ最も基本的な安全策」 です。
| 場面 | 寸法図形化の効果 |
|---|---|
| クライアントから「廊下幅を100mm広げて」 | 壁を移動 → 寸法線も伸びる → 寸法値が自動で「910」→「1010」に更新 |
| 法令検討で「採光窓を50mm拡大」 | 窓を伸ばす → 寸法値が自動更新 |
| 構造変更で柱位置を変更 | 通り芯間距離が変わる → 寸法値が自動更新 |
| 確認申請の指摘で軒の出を修正 | 軒先位置が変わる → 寸法値が自動更新 |
これらが 手動修正だと、線は変わったが寸法値が古いまま という致命的なミスが起きやすい場面です。寸法図形化はその失敗を構造的に防止します。
「全部寸化」の運用ルール
PERSCの推奨: 図面提出前のチェックリストに「全寸法を範囲選択で寸化する」を入れる運用が効果的です。 図面全体を範囲選択 → 寸法図形化(範囲選択)→ 選択確定 で、漏れなく寸法図形化できます。手動寸法化された寸法・コピペで持ち込んだ寸法も含めてすべて図形化される ため、設計変更時の寸法漏れが構造的に発生しなくなります。
解除の出番(寸法値の手動上書き)
逆に 寸法図形を解除する場面 は限定的ですが、次のようなケースで使います。
| 場面 | 解除の理由 |
|---|---|
| 寸法値を意図的に書き換えたい(基準寸法表示等) | 寸法図形のままだと値の手動編集が制限される |
| 別CAD(DXF/DWG)に書き出すための分解 | 受け取り側CADが寸法図形属性を解釈できない場合 |
| 寸法線・寸法値を別レイヤに分離したい | 図形化されていると一括変更しにくい |
| 古い図面の図形化された寸法を修正・流用 | 解除してから個別に編集 |
DXF出力時の挙動に注意
注意: DXF/DWG形式に書き出すと、寸法図形属性は 書き出し先CADの仕様 に変換されます。受け取り側CADで寸法図形が崩れる場合は、書き出し前に 範囲選択で一括解除してから書き出し することで、線と文字の独立した状態で渡せます。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 寸法図形化を実行しても何も変わらない
→ 寸法図形化は 「寸法線」と「寸法値」を順に指示する 操作が必要です。寸法線だけ・寸法値だけでは図形化されません。両方の指示を完了させる必要があります。
Q: 寸法値を編集したら寸法線が変わってしまった/逆もある
→ 寸法図形化された状態では、寸法線と寸法値は連動しています。寸法値を 文字コマンドで直接書き換える と、図形化が解除される場合や警告が出る場合があります。値を手動で変えたい場合は 先に寸法図形解除 してから編集してください。
Q: 移動・複写したのに寸法値が更新されない
→ 移動・複写した寸法が 寸法図形化されていない 可能性があります。寸法図形化されていない寸法は線と文字が独立しているため、線が伸縮しても文字は元のまま残ります。範囲選択で一括寸法図形化を実行してください。
Q: 寸法図形化されているか見分け方が分からない
→ 寸法図形を 属性取得(Tab キー) で取得すると、書込線色等の情報と一緒に「寸法図形」属性が表示されます。詳細は 属性取得 ※準備中 を参照。
Q: 寸法コマンドで描いていない、手書きの寸法線+文字も寸法図形化したい
→ できません。寸法図形化は 寸法コマンドで作図された寸法のみ が対象です。手動で線と文字を組み合わせて作った寸法は、まず 寸法コマンド ※準備中 で描き直す必要があります。
Q: 範囲選択で寸法以外の図形も入ってしまう
→ 範囲選択は囲み枠内のすべての要素を選びますが、寸法図形化コマンドは寸法線・寸法値のみを対象 とするため、それ以外の要素は無視されます。気にせず広めに範囲選択してかまいません。
Q: パラメトリック変形で寸法値が変わらない
→ 寸法図形化されていない可能性が最も高い原因です。パラメトリック変形範囲に 寸法線と寸法値の両方 が含まれていることを確認した上で、図形化されているかチェックしてください。
Q: コントロールバーに「寸法図形解除」ボタンが見えない
→ 「寸化」コマンドを起動した直後、寸法線を指示する前 ならコントロールバーに「寸法図形解除」ボタンが表示されます。すでに寸法線を指示してしまった場合は マウス右クリックで操作キャンセル してから確認してください。
関連項目
- 寸法コマンド ※準備中 — 寸法そのものの作図方法と「自動図形化」設定
- 属性取得 ※準備中 — 寸法図形化されているかの確認方法
- 属性変更 ※準備中 — 寸法図形属性の付与・解除を一括で行う別系統機能
- パラメトリック変形 ※準備中 — 寸法図形と組み合わせて使う代表的編集コマンド
- 移動・複写 ※準備中 — 寸法図形が活きる基本編集コマンド
- 範囲選択の基本 ※準備中 — 一括処理時の範囲選択操作
- DXF/DWG出力 ※準備中 — 他CADへの書き出し時の寸法図形の扱い
まとめ
- 「寸法図形化(寸化)」は 寸法線と寸法値を1セットの属性 にして連動させるコマンド
- 「寸法図形解除(寸解)」は連動を解除して、線と文字に分離するコマンド
- 個別指示(寸法線→寸法値)と 範囲選択で一括 の2方式がある
- 寸法コマンド本体の「自動図形化」設定で、作図と同時に寸法図形化することも可能
- 設計変更で寸法値の修正漏れを防ぐ 基本の安全策。実務では「全部寸化」をデフォルト運用に
- DXF出力時など、解除した方が良い場面もあるため、化と解除をセットで覚えておく