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印刷範囲枠の書込み
このページでできるようになること
Jw_cadの印刷モードで表示される赤い印刷範囲枠を、そのまま作図データとして図面の中に書き込めるようになります。書き込まれた枠は通常の線分として扱えるため、簡易的な図面枠として使ったり、用紙レイアウトの当たりを取ったり、別ファイルへ流用したりといった応用ができます。「枠書込」ボタンの操作方法と、書き込み前にやっておくべき準備、実務での使いどころまで通しで身につきます。
背景: Jw_cadの印刷範囲枠は、印刷コマンド実行中だけ表示される赤い仮枠です。この赤枠は本来「次にどの範囲が印刷されるか」を示すプレビューですが、コントロールバーの「枠書込」ボタンを押すと、その赤枠と同じ位置・大きさの矩形を作図データとして書き込めます。図面枠を一から作るのが面倒な場合や、印刷範囲を後から目視確認できるようにしておきたい場合に重宝する機能です。
このコマンドでできること
「枠書込」は、印刷モード中のコントロールバーから1クリックで実行できる、印刷範囲枠の書き込み機能です。具体的には次のことができます。
| できること | 用途 |
|---|---|
| 印刷範囲を作図データとして残す | 印刷時に出る赤枠を、後から見える線として図面に固定する |
| 簡易的な図面枠として使う | 図面枠テンプレが手元にないときの代用 |
| 用紙レイアウトの当たりを取る | 文字や図形の配置可能範囲を視覚化する |
| 別ファイルへ流用する | 書き込んだ枠を範囲選択でコピーし、他図面へ流用する |
| 印刷範囲のずれを後から検証する | 「ここまで紙に出るはず」を作図データとして固定する |
PERSCの推奨: 「枠書込」はあくまで簡易な代用品です。社内で図面枠の標準仕様(タイトル枠・図番枠・縮尺欄など)が決まっている場合は、図面枠テンプレを使ってください。テンプレ自体は 図面枠テンプレ集 ※準備中、図面枠の作成手順は 図面枠の作り方 ※準備中 で解説します。
起動方法
「枠書込」は 印刷モード中のコントロールバー から起動します。単独のコマンドではなく、印刷コマンドの一機能という位置づけです。
前提:印刷モードに入っておく
「枠書込」ボタンは、印刷コマンドを実行して印刷ダイアログで「OK」を押した後、作図画面に赤い印刷範囲枠が表示されている状態でのみ有効になります。印刷モードへの入り方は 印刷コマンドの基本 の「ステップ1〜2」を参照してください。
コントロールバーの「枠書込」ボタン
印刷モード中、画面上部のコントロールバーに「枠書込」ボタンが並んでいます。このボタンを左クリックすると、現在表示されている赤枠と同じ位置に矩形が作図データとして書き込まれます。
要確認: 「枠書込」ボタンの正確な表記(「枠書込」か「枠書込み」か)と、コントロールバー内の位置は実機で確認します。
画像準備中 — 印刷モード中のコントロールバーで「枠書込」ボタンの位置を示す
基本操作
枠書込手順サマリー(全5ステップ)
| # | 操作 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| 1 | 書き込み先のレイヤ・線色・線種を準備 | 書き込みたい線属性を書込み状態にする |
| 2 | 印刷コマンドを起動 | 「印刷」ダイアログが開く |
| 3 | プリンタを選んで「OK」 | 作図画面に赤い印刷範囲枠が表示される |
| 4 | 印刷範囲・基準点・回転を確認 | 枠の位置と向きが意図通りか目視確認 |
| 5 | コントロールバー「枠書込」をクリック | 赤枠と同じ位置に矩形が作図データとして書き込まれる |
合計の操作はおおむね20〜30秒で完了します。それぞれの詳細手順は以下のとおりです。
ステップ1: 書き込み先のレイヤ・線色・線種を準備
「枠書込」で書き込まれる矩形は、そのとき書込み状態になっているレイヤ・線色・線種で作図されます。後から見たときに本図と区別しやすいよう、図面枠用のレイヤと線属性を事前に切り替えておきましょう。
| 推奨設定例 | 値 |
|---|---|
| 書込みレイヤ | 図面枠用の専用レイヤ(例: グループF・レイヤ0) |
| 線色 | 線色8(補助線色)または線色2など、本図と区別できる色 |
| 線種 | 実線 |
Tips: 専用レイヤに書き込んでおくと、後で枠だけ非表示にしたり、別ファイルへコピーしたりする操作が一発で済みます。レイヤの切替方法は レイヤの基本(書込み・表示・非表示・編集可) を参照してください。
ステップ2: 印刷コマンドを起動
メニューバー「ファイル」→「印刷(P)」、ツールバーの「印刷」アイコン、または Ctrl+P のいずれかで印刷コマンドを起動します。詳しくは 印刷コマンドの基本 を参照してください。
ステップ3: プリンタを選んで「OK」
「印刷」ダイアログが開いたら、出力先プリンタを選んで「OK」をクリックします。ダイアログが閉じて作図画面に赤い印刷範囲枠が表示されます。
Tips: 枠書込だけが目的でも、印刷ダイアログでプリンタ選択は必須です。実際にそのプリンタへ送信されるわけではないので、普段使っているプリンタや「Microsoft Print to PDF」などの PDF プリンタ(印刷先プリンタの一種)を選んでおけば問題ありません。
ステップ4: 印刷範囲・基準点・回転を確認
赤枠の位置・向き・大きさが意図と違う場合は、ここで調整します。
| 調整項目 | 操作 | 詳細記事 |
|---|---|---|
| 範囲位置 | 「範囲変更(R)」または右クリックで枠を移動 | 印刷範囲の指定 |
| 基準点 | 基準点ボタンで9通りの基準点(左中右×下中上)を切替 | 印刷範囲の指定 |
| 回転 | 「回転 0°」ボタンで0°/90°/-90°を切替 | 印刷範囲の指定 |
| 印刷倍率 | 倍率プルダウンでA0〜A5や任意倍率を指定(図面縮尺ではない) | 印刷倍率 |
画像準備中 — 赤枠の位置調整中のコントロールバーと作図画面
ステップ5: コントロールバー「枠書込」をクリック
赤枠の位置と向きが確定したら、コントロールバーの「枠書込」ボタンを左クリックします。これで赤枠と同じ位置・大きさの矩形が、ステップ1で準備した線色・線種・書込みレイヤで作図データとして書き込まれます。
注意: 「枠書込」を押した直後に印刷モードが解除されるか、そのまま印刷モードが継続するかは実機で確認します。継続する場合、誤って作図画面を左クリックすると印刷が実行されてしまうため、
Escキーや別コマンド選択で印刷モードを抜けるのが安全です。
画像準備中 — 「枠書込」実行直後の作図画面(書き込まれた枠が見える状態)
コントロールバーの設定項目(枠書込関連)
「枠書込」自体はワンクリックで完結するボタンですが、書き込まれる枠の位置・向き・大きさは印刷モード中のコントロールバー全項目に依存します。
| 項目 | 「枠書込」への影響 |
|---|---|
| 範囲変更(R) | 枠の中心位置が変わる |
| 基準点 | 枠の基点(左中右×下中上)が変わる |
| 回転 0° | 枠の縦横が切り替わる(0°/90°/-90°) |
| 印刷倍率 | 枠の大きさが用紙基準で変わる(100%/50%等。図面縮尺とは別物) |
| プリンタ設定(用紙サイズ) | 枠そのものの寸法が用紙サイズに連動する |
| 枠書込 | 上記の状態で確定された赤枠を作図データ化 |
つまり、用紙サイズと印刷範囲を確定させてから「枠書込」を押すのが正しい順序です。
派生パターン
パターンA: 簡易図面枠として書き込んで、別ファイルへ流用
社内に図面枠テンプレが整備されていない、もしくは新規ファイルで一時的に図面枠の代わりが欲しいときに使うパターンです。
- 新規図面で印刷コマンドを起動
- 用紙サイズ・向きを設定して「OK」
- 範囲位置を中央に合わせて「枠書込」
- 書き込まれた枠を範囲選択コマンドでコピー
- 流用したい既存図面に貼り付け
Tips: 流用先の図面側で用紙サイズが同じであれば、貼り付け位置を合わせるだけで簡易図面枠として機能します。サイズが違う場合は枠が紙からはみ出すか余るので、改めて流用先で「枠書込」をやり直すほうが早いケースもあります。
パターンB: 印刷範囲のずれを検証するために残す
「印刷時に図面の右端が切れる」といった印刷ずれのトラブル原因を調べるとき、印刷範囲枠を作図データとして残しておくと、後から目視で「どこまで紙に出るはずだったか」を比較検証できます。
- 印刷コマンドを起動
- 通常通り赤枠の位置を調整
- 印刷を実行する前に「枠書込」で枠を残す
- 図面に書き込まれた枠と、実際に印刷された紙を見比べる
トラブル切り分けの一手段として覚えておきましょう。詳細は 印刷範囲がずれる・はみ出す ※準備中 を参照してください。
パターンC: 用紙内のレイアウト当たりを取る
タイトル枠や凡例の配置位置をざっくり決めたいとき、まず印刷範囲枠を書き込んでおくと「用紙のここまでが描ける範囲」が視覚化されます。
- 印刷コマンドを起動して用紙サイズを設定
- 「枠書込」で外周枠を作図データ化
- 書き込まれた外周枠を基準に、複線コマンド等で内側にタイトル枠の当たり線を描く
- 当たり線に沿って図形・文字を配置
設計初期段階で用紙レイアウトを検討する際の補助として有効です。
実務での使い方 ★PERSC独自
図面枠テンプレが手元にないときの応急処置
事務所の標準図面枠テンプレが手元にない出先や、客先のPCで急ぎ図面を出す必要があるときに、「枠書込」は最も手軽な応急処置になります。タイトル枠や図番枠は手書きで足すとしても、外周枠だけは正確に用紙サイズに合った形で確保できるため、ぱっと見の体裁が整います。
ただしこの運用は応急処置に留めて、社内で標準テンプレを整備することを優先しましょう。標準化は PERSC推奨初期設定 ※準備中 で扱います。
印刷ずれトラブルの自己診断ツール
「客先に提出した図面の右端が切れていた」というトラブルが起きたとき、原因の切り分けに「枠書込」を使えます。問題が起きたファイルでもう一度同じ条件で印刷モードに入り、「枠書込」で印刷範囲枠を書き残してから、実際に印刷した紙と見比べるだけです。
- 書き込んだ枠と紙の印刷範囲が一致 → プリンタ側の余白設定が原因
- 書き込んだ枠が図面からはみ出している → Jw_cad側の印刷範囲指定が原因
- 書き込んだ枠は正しい位置 → ファイルではなく特定回の印刷ジョブの問題
このように、「赤枠が出ていた瞬間の状態」を作図データとして固定することで、後追いで原因を切り分けられます。
用紙サイズ違いの図面を比較するときの補助線
A3で描いた詳細図をA4でも参考用に出す、といった用途で「枠書込」を使うと、A3図面の中にA4の印刷範囲枠を重ねて書き込めます。これによって「A4で出すならどの部分が紙に収まるか」が一目で分かり、A4出力用にトリミングする位置を決める判断材料になります。
PERSCの推奨: この用途では、A3用とA4用の枠を別レイヤに分けて書き込むと、後から表示・非表示で切り替えられて便利です。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「枠書込」ボタンが見当たらない
→ 「枠書込」は 印刷モード中のコントロールバーにのみ表示されます。通常の作図画面のメニュー・ツールバーには存在しません。まず印刷コマンドを実行して、印刷ダイアログで「OK」を押し、作図画面に赤枠が表示されている状態にしてから探してください。
Q: 「枠書込」を押したのに何も書き込まれていないように見える
→ 書き込まれた枠が 赤枠と完全に重なっている ため、印刷モード中は判別しにくいです。印刷モードを抜けて(Escキーまたは別コマンド選択)通常の作図画面に戻れば、書き込まれた枠が見えます。
Q: 書き込まれた枠の線色を変えたい
→ 「枠書込」自体には線色を選ぶオプションはありません。書き込み前にあらかじめ書込み線色を切り替えておく必要があります。すでに書き込んでしまった枠の線色を変更するなら、属性変更コマンド(属性変更(線色・線種・レイヤを変える) ※準備中)を使ってください。
Q: 書き込まれた枠の縦横が意図と違う
→ 「枠書込」は 印刷モード中の「回転 0°/90°/-90°」設定をそのまま反映します。書き込み前にコントロールバーの回転ボタンで縦横を切り替えてから「枠書込」を押し直してください。詳しくは 印刷範囲の指定(基準点・回転) を参照。
Q: 枠書込した後、誤って印刷ジョブが飛んだ
→ 印刷モード中は 作図画面の左クリックが印刷実行になっています。「枠書込」を押した後、印刷モードを抜けないまま作図画面を左クリックすると印刷ジョブがプリンタに送られます。「枠書込」だけが目的の場合は、ボタンを押した直後に Escキーや別コマンドで印刷モードを抜けましょう。
Q: 同じ場所に何度も「枠書込」してしまった
→ 「枠書込」を複数回押すと、同じ位置に枠が重なって書き込まれます。重複した枠は重なり処理コマンド(重なった図形を1本にまとめる ※準備中)で1本に整理できます。
関連項目
- 印刷コマンドの基本 — 印刷モードへの入り方の前提
- 印刷範囲の指定(基準点・回転) — 「枠書込」前の範囲調整
- プリンタ設定(用紙サイズ・向き) — 用紙サイズの確定
- 印刷倍率(拡大・縮小・任意倍率) — 印刷倍率と枠書込の関係/図面縮尺との違い
- 図面枠の作り方 ※準備中 — 正規の図面枠を一から作る手順
- 図面枠テンプレ集 ※準備中 — PERSC配布の図面枠テンプレ
- 図面枠の規格 — 用紙サイズ別の余白・とじ代の建築標準
- 属性変更(線色・線種・レイヤを変える) ※準備中 — 書き込んだ枠の線属性を後から変える
- レイヤの基本 — 書込みレイヤの切替
- 印刷範囲がずれる・はみ出す ※準備中 — 印刷ずれ検証時の補助
まとめ
- 「枠書込」は印刷モード中のコントロールバーから1クリックで実行できる
- 書き込まれる枠は 書込み状態のレイヤ・線色・線種 で作図されるので、事前に切り替えておく
- 用紙サイズ・基準点・回転・印刷倍率を確定させてから「枠書込」を押す(図面縮尺は別概念で、枠書込には影響しない)
- 簡易図面枠の代用、印刷ずれの自己診断、用紙レイアウトの当たり取りに使える
- 正規の図面枠が必要な場合は図面枠テンプレや作成手順の専用記事を参照する