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未検証

フォルダ構成・プロジェクト管理

このページでできるようになること

Jw_cadで建築案件を進める際の、プロジェクトフォルダの階層設計 が理解できるようになります。「ルート/案件番号/図面/参考資料/打合せ/納品」のような標準階層の考え方、個人事務所・中規模設計事務所・ゼネコン設計部の規模別パターン、クラウド共有時のフォルダ構成の注意点、案件完了後のアーカイブ運用、PERSC編集部が推奨するフォルダ構成テンプレートまでを通しで身につけます。ファイル命名規則は 11-11 ファイル命名規則 に、改訂履歴の運用は 11-13 バージョン管理 に委譲し、この記事は 「フォルダ構造をどう作るか」 に集中します。

背景: 建築案件のフォルダ構成は、案件期間が長期化するほど・関係者が増えるほど 「どこに何があるか分からない」「最新版がどのフォルダにあるか追えない」 が起きやすくなります。フォルダ階層を案件キックオフ時に決めて全員で揃えるだけで、図面管理コストも問い合わせ対応コストも大きく下がります。Jw_cadには命名規則やフォルダ階層を強制する機能はないため、運用ルール側で揃えるのが基本です。

要確認: この記事は実機検証フェーズで Jw_cad のファイル選択ダイアログ上での階層表示の挙動と、クラウド同期時の挙動を確認してから公開します。


フォルダ構成の基本原則

階層を浅く保つ

建築案件のフォルダ構成で最も重要な原則は 「階層を浅く保つ」 ことです。Windows のフルパス上限(260文字)に引っかからないため、そして探す側の認知負荷を下げるためです。

階層数評価
2〜3階層推奨C:\Projects\2026A001\図面\A-101.jww
4〜5階層標準C:\Projects\2026年度\住宅\A001\設計\図面\A-101.jww
6階層以上要注意フルパス上限・認知負荷の両方で問題が出やすい

PERSCの推奨: 階層は 3〜4階層 に収めるのが現実的です。階層が深くなると、エクスプローラーでフォルダを開くだけでスクロール操作が増え、作業効率が落ちます。

1案件1フォルダの原則

建築案件は、1つの案件に対して1つのルートフォルダ を割り当てるのが基本です。ルートフォルダの中に図面・参考資料・打合せ記録・納品物などをサブフォルダで整理します。

2026A001/                    ← 案件ルート(1案件=1フォルダ)
├ 01_資料/                   ← 参考資料・敷地調査
├ 02_図面/                   ← 設計図面(Jw_cadファイル本体)
├ 03_打合せ/                 ← 議事録・スケッチ
├ 04_確認申請/               ← 申請関連書類
├ 05_納品/                   ← 納品物
└ 99_archive/                ← 旧版・廃案

背景: 案件をまたいでファイルが混在するフォルダ構成(たとえば「平面図」フォルダの中に複数案件の平面図を集める方式)は、案件完了後の引継ぎ・アーカイブ時に必ず破綻します。1案件1フォルダの原則を守れば、案件単位での完結性が確保され、終了時にフォルダごと圧縮アーカイブできます。

番号プレフィックスでフォルダ順序を制御

サブフォルダ名の先頭に 01_ 02_ 03_ のような番号を付けると、エクスプローラーで 意図した順序 に並びます。

番号なし番号あり
図面 / 資料 / 打合せ / 納品 / 確認申請01_資料 / 02_図面 / 03_打合せ / 04_確認申請 / 05_納品
五十音順で「資料」→「図面」と並ぶ案件進行順に「資料」→「図面」→「打合せ」と並ぶ

PERSCの推奨: 番号プレフィックスは 2桁ゼロ埋め01_ 02_)にしておくと、フォルダ数が10個を超えても順序が崩れません。1_ 2_ だと10個以降で並びが逆転します。

半角英数フォルダ名の重要性

Jw_cad本体は日本語フォルダ名でも動作しますが、外部変形 を使う場面では日本語パス・半角スペースがエラーの原因になります。プロジェクトフォルダの ルートまでの経路は半角英数アンダースコア にしておくのが安全です。

経路評価
C:\Projects\2026A001\図面\推奨。ルートまで半角、図面サブフォルダから日本語OK
C:\案件\2026年度\A001\外部変形でエラーが出やすい
C:\My Documents\案件\半角スペースでエラーが出やすい
C:\Users\xxxx\Desktop\案件\デスクトップは深い場所、フルパス上限に注意

注意: 外部変形を多用する案件では、プロジェクトフォルダもサブフォルダも 半角英数アンダースコア統一 にしておくと安全です(外部変形の基本 参照)。


標準フォルダ階層パターン

PERSC編集部が建築実務で見聞きしてきた範囲を踏まえて、規模別の標準フォルダ階層パターンを提示します。

個人事務所・住宅案件の標準パターン

社員1〜4名規模の個人建築士事務所では、案件数が比較的少ないため 「人間が読んで分かる」階層 が優先されます。

山田邸/
├ 01_資料/                   ← 敷地調査・要望書・参考写真
│  ├ 敷地調査.pdf
│  ├ 要望書.docx
│  └ 参考写真/
├ 02_図面/                   ← Jw_cadファイル
│  ├ 山田邸_平面図_v3.jww
│  ├ 山田邸_立面図_v2.jww
│  ├ 山田邸_配置図_v2.jww
│  └ 山田邸_矩計図_v1.jww
├ 03_打合せ/
│  ├ 議事録/
│  └ スケッチ/
├ 04_確認申請/
│  ├ 申請書類/
│  └ 添付図面/
├ 05_見積/
│  └ 工事見積書.xlsx
└ 99_archive/                ← 過去版を退避
採用理由
サブフォルダ数を最小限(5〜6個)に抑える
「山田邸」のような呼称をルートに使うと施主との会話と一致する
確認申請関連は独立フォルダで切り出す(提出時のまとめが楽)

PERSCの推奨: 個人事務所では 「ルート=施主名」「ルート直下5〜6サブフォルダ」 の浅い構成が現実的です。階層を深くしても運用しきれず、結局トップに戻るだけです。

中規模設計事務所の標準パターン

社員5〜30名規模の設計事務所では、案件数が増えてくるため 案件管理番号(プロジェクトコード) をルートに置きます。意匠・構造・設備の分野別フォルダも追加されます。

2026A001/                    ← 年度4桁+案件番号3桁
├ 00_案件情報/               ← プロジェクト概要・契約書
│  ├ プロジェクト概要.md
│  ├ 命名規約.md            ← ファイル命名規則のプロジェクト規約書
│  └ 契約書.pdf
├ 01_資料/
│  ├ 敷地調査/
│  ├ 法規チェック/
│  └ 参考事例/
├ 02_図面/
│  ├ 意匠/                   ← A-001〜A-999
│  │  ├ 2026A001_A-101_平面1階_v3.jww
│  │  ├ 2026A001_A-102_平面2階_v3.jww
│  │  └ 2026A001_A-201_南立面_v2.jww
│  ├ 構造/                   ← S-001〜S-999
│  │  └ 2026A001_S-101_基礎伏図_v1.jww
│  ├ 設備/                   ← M-001〜M-999、E-001〜E-999
│  │  ├ 2026A001_M-301_給排水_v1.jww
│  │  └ 2026A001_E-401_電気_v1.jww
│  └ 詳細/
│     └ 2026A001_A-501_矩計_v2.jww
├ 03_打合せ/
│  ├ 内部打合せ/
│  ├ 施主打合せ/
│  └ 監理打合せ/
├ 04_確認申請/
│  ├ 申請書類/
│  ├ 添付図面/
│  └ 指摘対応/
├ 05_見積積算/
│  └ 工事見積書.xlsx
├ 06_納品/
│  ├ 中間納品/
│  └ 最終納品/
├ 98_received/               ← 他社から受領したファイル
│  ├ 構造設計事務所/
│  └ 設備設計事務所/
└ 99_archive/
   ├ 20260415_確認申請提出時/
   └ 20260420_第1回指摘修正後/
採用理由
00_案件情報 を最上位に配置、規約書はここに集約
図面フォルダは意匠/構造/設備/詳細で分野別
他社受領ファイルは 98_received で区別、誤って編集しないようにする
アーカイブは確認申請提出時等のスナップショット単位

背景: 中規模事務所では 意匠・構造・設備の3部門が並行作業 するため、フォルダで分野を分けないとファイル名が衝突します。担当者が違うため、フォルダレベルでアクセス権を分ける運用も可能になります。

ゼネコン設計部の標準パターン

ゼネコン設計部や大手組織設計事務所では、社内CAD基準書に厳密なフォルダ階層が定められているのが普通です。1案件のサブフォルダ数が20〜30個になることも珍しくありません。

J26-A001_BLDA/               ← 担当部門+年度+案件+棟記号
├ 00_管理/
│  ├ 工程表.xlsx
│  ├ 担当者表.xlsx
│  └ 図書管理台帳.xlsx        ← 図書ナンバー管理
├ 01_発注者資料/
├ 02_設計条件/
├ 03_基本設計/
│  ├ 図面/
│  └ 計画書/
├ 04_実施設計/
│  ├ 意匠/
│  ├ 構造/
│  ├ 設備/
│  ├ 外構/
│  └ 防災/
├ 05_確認申請/
├ 06_見積積算/
├ 07_工事監理/
│  ├ 監理記録/
│  └ 完了検査/
├ 08_変更設計/
├ 09_竣工図/
├ 90_他事務所連携/
│  ├ 構造設計事務所/
│  ├ 設備設計事務所/
│  └ 専門コンサル/
└ 99_archive/
採用理由
基本設計→実施設計→工事監理→竣工 の業務フェーズで分離
各フェーズ内に図面と計画書(仕様書・計算書)を併記
図書管理台帳で何百枚の図面の所在を一元管理

背景: ゼネコン設計部の案件は 数年単位で進行 することが多く、担当者交代も発生します。フォルダ階層が業務フェーズと紐づいていると、途中参加した担当者でも過去資料を辿りやすくなります。

要確認: 大手設計事務所・ゼネコン設計部の社内CAD基準書で実際に規定されているフォルダ階層の代表例は実機検証フェーズで一次情報を確認します。


公共工事のフォルダ構成(電子納品要領)

国・自治体の公共建築工事では、国土交通省が公開している「電子納品要領(建築分野)」 がフォルダ構成も規定しています。民間案件と異なる固定的なフォルダ階層が定められているのが特徴です。

電子納品要領が定める標準フォルダ構成

公共建築の電子納品では、納品時のフォルダ階層が 固定フォーマット で定義されています。

(納品ルート)/
├ DRAWING/                   ← 図面ファイル格納フォルダ
│  ├ SPEC/                   ← 図面管理ファイル
│  └ (SXFファイル).SFC
├ DRAWINGF/                  ← 完成図フォルダ
├ PHOTO/                     ← 写真フォルダ
├ SURVEY/                    ← 測量フォルダ
├ DESIGN/                    ← 設計関連フォルダ
├ PLAN/                      ← 工事計画フォルダ
└ INDEX_*.XML                ← 管理項目XMLファイル
観点内容
フォルダ名半角英大文字固定(DRAWING / PHOTO 等)
階層構造要領で固定、勝手に追加・変更不可
管理ファイル各フォルダにXML形式の管理項目ファイルが必須
文字コードShift_JIS が標準

要確認: 電子納品要領の最新版でのフォルダ構成・必須XML名の一覧は実機検証フェーズで国土交通省・国土技術政策総合研究所の一次情報から確定します。改訂で変更されている可能性があるため、案件着手時には必ず最新版を確認します。

社内ワーキングフォルダと納品フォルダの二段構え

公共工事では、社内ワーキングフォルダ(Jw_cad前提)納品フォルダ(電子納品要領準拠) を別々に管理するのが定石です。

2026K001/                    ← 社内ワーキング
├ 01_資料/
├ 02_図面/                   ← .jww ファイル
├ 03_打合せ/
└ ...

2026K001_納品/              ← 納品用(電子納品要領準拠)
├ DRAWING/                   ← .SFC ファイル(SXF変換済み)
│  └ SPEC/
├ PHOTO/
└ INDEX_C.XML

PERSCの推奨: 公共工事の電子納品案件を受注する場合、Jw_cad の .jww ファイルは社内ワーキングフォルダで運用し、納品時にSXF変換+電子納品要領準拠のフォルダ構成にコピー する二段構えが実務での定石です。社内ワーキングは事務所の通常運用で構いません。

背景: 電子納品要領のフォルダ構成は 20年後に同じ建物のリニューアル設計に入る際、別会社が同じ図面を再利用できる ことを前提に設計されています。フォルダ名・XML構造を全国で揃えておくことで、過去図面の検索性・互換性が確保されています。


クラウド共有時のフォルダ構成

近年は OneDrive / Dropbox / Google Drive / Box などのクラウドストレージにプロジェクトフォルダを置く運用が増えています。クラウド共有時は 「同期挙動」「アクセス権設計」 を踏まえた構成が必要です。

クラウド共有での運用上の注意点

観点注意点
同期遅延Jw_cadで保存中にクラウド同期が走るとファイル破損のリスクあり
ロックの扱い複数人が同時に同じ.jwwを開くと、後保存が前保存を上書き
パス長クラウドフォルダのパスが長く、フルパス上限260文字に達しやすい
一時ファイルJw_cadのバックアップ(.jwk / .bak)も同期され、容量を圧迫
オフライン編集機内モード等で同期切れ時の編集が衝突する

注意: Jw_cadで .jww を編集中はクラウド同期を一時停止するか、ローカル作業 → 完了後にクラウドへコピー の運用にすると、同期競合によるファイル破損を避けられます。

クラウド共有での推奨フォルダ構成

クラウド共有を前提とする場合、「ライブ作業領域」と「共有領域」を分離 する構成が安全です。

(OneDrive 等のクラウドルート)/
└ Projects/
   └ 2026A001/
      ├ 共有/                ← クラウド同期対象(読取中心)
      │  ├ 01_資料/
      │  ├ 03_打合せ/
      │  └ 05_納品/
      └ 作業/                ← ローカルでの編集中心
         └ 02_図面/          ← .jww はここで編集

(ローカル)C:\Projects\
└ 2026A001_local/            ← 編集ライブ領域(同期対象外)
   └ 02_図面/                ← 編集中の .jww
採用理由
編集中の .jww はローカル、完了後にクラウドへコピー
共有領域は「読まれることが前提」のファイルのみ
バックアップファイル(.jwk / .bak)は同期対象から除外

PERSCの推奨: 複数人が同時編集する案件では、クラウド共有よりも Git/Subversion等のバージョン管理専用の図面管理システム を併用することを推奨します。クラウドの「最新ファイルが勝つ」モデルは、図面の改訂管理には向きません。

同期から除外すべきファイル

クラウド同期設定で 除外指定 すると、無駄な同期トラフィックを減らせます。

拡張子・名前除外推奨理由
*.jwkJw_cadバックアップ。本体と内容が重複
*.bak旧バックアップ。同上
*.tmp一時ファイル
JWC_TEMP.TXT外部変形の中間ファイル
~$*Office系一時ファイル
.DS_Store Thumbs.dbOS生成の隠しファイル

OneDrive・Dropbox の場合、フォルダルートに .gitignore 風の除外設定ファイルを置けるサービスもあります。


案件完了後のアーカイブ運用

案件完了後のフォルダは、「アクセス頻度が落ちる」「容量だけ食う」「でも捨てられない」 という三重苦に陥りがちです。アーカイブ運用ルールを案件着手時から決めておくと、長期管理コストが下がります。

アーカイブの3段階運用

PERSC編集部が推奨するアーカイブ運用は3段階です。

段階タイミング配置場所圧縮
ライブ案件進行中C:\Projects\2026A001\なし
準アクティブ完工後1年C:\Projects_archive\2026A001\なし
ディープアーカイブ完工後2年以上NAS / 外付けHDD / クラウドコールドZIP圧縮

PERSCの推奨: 完工後1年は ライブから準アクティブに移すのみ(圧縮せず、内容はそのまま)。完工後2年以上経ったら ZIP圧縮してディープアーカイブ に移す運用が、実務でバランスが取れています。

アーカイブ時に保持すべきもの

アーカイブ時は 「最終確定版だけ残す」「全履歴を残す」 かで方針が分かれます。建築案件では 全履歴を残す のが原則です。

保持対象理由
確認申請提出時の図面一式完了検査・将来の用途変更時に参照
完了検査済の図面一式法的に確定した図面
工事中の改訂履歴施工不具合の原因調査時に参照
打合せ議事録設計意図の根拠
構造計算書・設備計算書法定保存書類

背景: 建築物は 完成後20〜50年 使われ続けます。リニューアル・改修・解体の際に、当時の設計図書が必要になる場面は何度も発生します。「もう古いから捨てる」という判断は、建築では避けるのが基本です。

注意: 法定保存期間が定められている書類(構造計算書・確認申請書等)は、建築士法・建築基準法で 15年保存義務 が課されているものがあります。アーカイブ時は法定保存対象を確認します。

アーカイブフォルダの命名

アーカイブフォルダは、完了年と案件番号 を組み合わせた命名にしておくと検索が楽です。

Projects_archive/
├ 2024/
│  ├ 2024A001_佐藤邸/
│  └ 2024A002_田中ビル/
├ 2025/
│  ├ 2025A001_山田邸/
│  └ 2025A002_鈴木邸/
└ 2026/
   ├ 2026A001_完了/
   └ 2026A002_完了/

PERSCの推奨: アーカイブフォルダのルートは 完了年で分割 するのが運用しやすいです。年度(4月始まり)ではなく 暦年(1月始まり) で分けるほうが、検索時に「2025年に完工した案件」のように直感的に追えます。

NAS・外付けHDDでの長期保管

ディープアーカイブはローカルPCではなく NAS・外付けHDD・クラウドコールドストレージ で保管します。

保管先利点欠点
社内NASアクセス速度・権限管理が容易故障時に全消失リスク。バックアップ必須
外付けHDDコスト安・物理的に隔離可能経年劣化(5〜10年)で読出不能リスク
クラウドコールド(Glacier等)半永久・地理冗長取出時の課金・遅延
二重保管(NAS+HDD)故障耐性が高いコスト2倍・運用負荷

PERSCの推奨: 中規模事務所以上では 「社内NAS+外付けHDDの二重保管」 を推奨します。NASだけだと故障時に全案件が同時に失われるリスクがあり、外付けHDDだけだと経年劣化に対応できません。


PERSC編集部の推奨フォルダ構成セット

PERSC編集部が建築実務で見聞きしてきた範囲を踏まえて、案件規模別の推奨フォルダ構成テンプレートを提示します。

個人事務所・住宅案件の推奨セット

{施主名}/
├ 00_案件情報.md             ← 案件概要・命名規約を1ファイルに集約
├ 01_資料/
├ 02_図面/                   ← .jww 本体
├ 03_打合せ/
├ 04_確認申請/
├ 05_見積/
└ 99_archive/

採用ポイント:

  • サブフォルダ7個以内に抑える(覚えやすさ優先)
  • 00_案件情報.md にプロジェクト規約・命名ルール・連絡先を集約
  • 99_archive は最初から作っておく(「後で作る」と忘れる)

中規模設計事務所の推奨セット

{年度}{案件番号}_{略称}/
├ 00_案件情報/
│  ├ プロジェクト概要.md
│  ├ 命名規約.md
│  ├ フォルダ規約.md          ← この記事の内容を1ページ規約化
│  └ 担当者表.xlsx
├ 01_資料/
│  ├ 01_敷地調査/
│  ├ 02_法規/
│  └ 03_参考事例/
├ 02_図面/
│  ├ 意匠/
│  ├ 構造/
│  ├ 設備/
│  └ 詳細/
├ 03_打合せ/
│  ├ 内部/
│  ├ 施主/
│  └ 監理/
├ 04_確認申請/
├ 05_見積積算/
├ 06_納品/
├ 98_received/               ← 他社受領ファイル
└ 99_archive/
   └ {YYYYMMDD}_{スナップショット名}/

採用ポイント:

  • ルートに 00_案件情報 を置き、命名規約・フォルダ規約をプロジェクト規約として保管
  • 図面フォルダは分野別(意匠/構造/設備/詳細)で並行作業に対応
  • 98_received で他社ファイルを区別、誤編集を防ぐ
  • 99_archive はスナップショット単位(日付+イベント名)

公共工事案件の推奨セット

社内ワーキング:

{社内案件番号}/
├ 00_案件情報/
├ 01_資料/
├ 02_図面/                   ← .jww(社内作業用)
├ 03_打合せ/
├ 04_確認申請/
├ 05_検査/
├ 06_見積積算/
├ 07_納品準備/
├ 98_received/
└ 99_archive/

納品フォルダ(電子納品要領準拠):

{案件納品ルート}/
├ DRAWING/                   ← .SFC(SXF変換済み)
│  └ SPEC/
├ PHOTO/
├ SURVEY/
├ DESIGN/
├ PLAN/
└ INDEX_*.XML

採用ポイント:

  • 社内ワーキングは中規模事務所と同じ構成(Jw_cad運用最適化)
  • 納品フォルダは要領準拠の固定構造(変更不可)
  • 二段構えで作業性と納品要件を両立

PERSCの推奨: 案件着手時に 「フォルダ規約1ページ規約書」 を作って 00_案件情報/ 配下に配置し、関係者全員に配布します。途中でフォルダ構成が変わると、全員の作業ファイルパスが変わってトラブルが起きます。


実務での使い方 ★PERSC独自

フォルダ規約は「案件キックオフで決める」

PERSC編集部の感覚として、フォルダ構成も ファイル命名規則と同じく案件キックオフ時に確定 するのが最善のタイミングです。途中で変えると過去ファイルの再配置・関係者全員への通知が必要になり、コストが膨らみます。

#キックオフ時に決めるべき項目決めないと起きる問題
1ルートフォルダ名と配置場所担当者ごとに保存場所が散らばる
2サブフォルダの番号プレフィックスエクスプローラーでの並びが安定しない
3分野別フォルダの有無意匠/構造/設備の区別がつかなくなる
4アーカイブフォルダの位置と命名旧版退避先が複数生まれ混乱
5命名規約・フォルダ規約の保管場所ルールが浸透せず違反が頻発

フォルダ規約1ページ規約書のテンプレート

PERSC編集部が推奨するフォルダ規約の最小構成は次のとおりです。プロジェクトフォルダの 00_案件情報/フォルダ規約.md などとして配置します。

markdown
# プロジェクト フォルダ規約

## ルートフォルダ
- 配置場所: C:\Projects\
- ルート名: 2026A001_山田邸

## サブフォルダ階層
- 00_案件情報/         案件概要・規約書類
- 01_資料/             敷地調査・法規・参考事例
- 02_図面/             Jw_cad ファイル(意匠/構造/設備)
- 03_打合せ/           議事録・スケッチ
- 04_確認申請/         申請書類・指摘対応
- 05_見積積算/         見積書・積算書
- 06_納品/             中間納品・最終納品
- 98_received/         他社受領ファイル
- 99_archive/          旧版退避

## アーカイブ運用
- スナップショット単位: {YYYYMMDD}_{イベント名}/
- 退避タイミング: 確認申請提出時 / 各回指摘修正後 / 完了検査時

## 命名ルール
- フォルダ名: 半角英数アンダースコア(外部変形対応のため)
- 例外: ルート直下の人間向けフォルダのみ日本語OK

## クラウド同期除外
- *.jwk / *.bak / *.tmp / JWC_TEMP.TXT / Thumbs.db

PERSCの推奨: フォルダ規約と命名規約は 同じディレクトリに並べて配置 すると関係者が一括で確認できます。00_案件情報/規約/ のようにサブディレクトリにまとめる方法もあります。

確認申請対応で生きるフォルダ構成

確認申請を伴う案件では、申請段階・指摘修正段階・完了検査段階で 同じ図面が何度も改訂 されます。アーカイブフォルダにスナップショットが時系列で残っていると、行政・指定確認検査機関からの問い合わせに即答できます。

状況フォルダ規約がある場合フォルダ規約がない場合
「申請時の図面一式を見せて」99_archive/20260415_確認申請提出/ で即提示どこに退避したか追跡困難
「どの版が完了検査時の確定版?」99_archive/20260620_完了検査/ で一意担当者の記憶頼り
「指摘対応の経緯を出して」04_確認申請/指摘対応/ を時系列で提示フォルダ横断検索が必要

担当者交代・引継ぎで生きるフォルダ構成

担当者が交代する場面(産休・退職・配置換え)でも、フォルダ規約に沿っていると新担当者が即戦力化できます。

場面フォルダ規約による効果
新担当者が案件を引き継ぐ00_案件情報/ を見れば全体像が分かる
派遣スタッフが短期で参加規約書を読めばどこに何を置けば良いか明確
退職者の案件が漏れる規約に沿って配置されていれば誰でも追跡可能

PERSCの推奨: 担当者交代時は 「規約書を新担当者に読ませる」 のを引継ぎチェックリストに必ず入れます。「フォルダの説明は口頭で」だと、半年後には新担当者が独自運用を始めてしまい、規約が形骸化します。

設計事務所のチーム作業で生きるフォルダ構成

複数人が同じ案件に関わる場合、フォルダ構成は 「保存場所の統一」 という最低ラインを守る役目を果たします。

場面フォルダ規約による予防効果
AさんとBさんが同じ図面を別々に保存フォルダが固定されているため衝突を即検知
別端末で開いた古いファイルで上書きアーカイブにスナップショットがあれば復元可能
図面が誰かのデスクトップに眠る規約で「ルート以外には置かない」と決めておけば回避

海外発注・BIM連携でのフォルダ構成

海外建築事務所や BIM ソフト(Revit / ArchiCAD)と連携する案件では、フォルダ階層も半角英数化が必須になります。

観点推奨
フォルダ名半角英数・ハイフン・アンダースコアのみ
階層数3〜4階層以内
番号プレフィックス00_ 01_ のような半角ゼロ埋め
拡張子フォルダ内ファイルも英数命名と組み合わせる

PERSCの推奨: 海外案件・BIM案件を視野に入れる組織では、国内案件も最初から半角英数フォルダ名で統一 するのが将来の負担を減らします。サブフォルダの中だけ日本語混在を許容するハイブリッド運用が現実的です。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: フォルダ階層が深くなりすぎてエクスプローラーで開けない

Windowsのフルパス上限260文字 に達している可能性が最も高いです。プロジェクトルートを浅い場所(C:\Projects\ 等)に移動するのが最も効果的な対処です。ファイル名を短くするより、フォルダ階層を浅くするほうが効果的です。詳しくは ファイル命名規則 を参照。

Q: 案件の途中でフォルダ構成を変えたい

新規案件から新ルールを適用 し、進行中案件はそのまま残すのが現実的です。途中で変えるとリンク切れ・参照エラー・関係者への通知コストが膨らみます。次回キックオフ時に新ルール適用のほうが安全です。

Q: クラウド共有フォルダで .jww ファイルが破損した

→ Jw_cadで保存中にクラウド同期が走ると、書込中のファイルが同期されてしまい破損することがあります。ローカル作業 → 完了後にクラウドへコピー の運用に切り替えると回避できます。詳しくは 自動保存 を参照。

Q: 外部変形がエラーで動かない

→ プロジェクトフォルダのパスに 半角スペース・日本語 が入っている可能性が高いです。外部変形の JWC_TEMP.TXT は半角英数パスでないと正常に動かない場合があります。プロジェクトフォルダを C:\Projects\ 配下に移すか、外部変形作業フォルダだけ半角英数化します。詳しくは 外部変形の基本 を参照。

Q: 旧版が混在してどれが最新か分からない

作業フォルダには最新版のみ 、旧版は 99_archive/{日付}_{イベント名}/ に退避する運用に切り替えます。「最新版が一目で分かる」状態を維持するのが、案件管理コストを下げる最大のポイントです。改訂履歴の運用詳細は バージョン管理・改訂履歴の運用 を参照。

Q: NASに保存した過去案件のファイルが開けない

→ NASのフルパスがWindowsローカルより長くなり、フルパス上限に達している可能性があります。NAS上のフォルダ階層をさらに浅く設計するか、過去案件はZIP圧縮してから保管します。

Q: フォルダ数が増えすぎて管理しきれない

→ サブフォルダは 5〜10個程度 に抑えるのが認知負荷の限界です。それを超える場合は階層をひとつ追加するか、無理に分けず一段平らにします。「中身が空に近いフォルダ」が複数あるなら、それは分割しすぎのサインです。

Q: 過去案件の図面を探せない

→ アーカイブフォルダの 命名規則 が決まっていない可能性があります。Projects_archive/{完了年}/{案件番号}_{略称}/ のような階層に整理すると、年度別・案件名で辿れるようになります。

Q: クラウドの容量を圧迫している

→ Jw_cadのバックアップファイル(.jwk / .bak)と一時ファイル(JWC_TEMP.TXT)が同期対象になっている可能性が高いです。クラウドの除外設定で *.jwk *.bak *.tmp を同期対象外にすると、容量と帯域の両方が改善します。

Q: 公共工事の電子納品でフォルダ構成が分からない

→ 国土交通省「電子納品要領(建築分野)」の最新版を案件着手時に必ず確認します。発注者から要領のバージョン指定がある場合はそちらを優先します。社内ワーキングは事務所通常運用、納品時に要領準拠フォルダにコピーする二段構えが定石です。

Q: チームでフォルダ規約が浸透しない

→ 規約書を プロジェクトフォルダのルート直下 に配置することを徹底します。00_案件情報/フォルダ規約.md のように、フォルダを開けば必ず目に入る位置にあると、新規参加者にも自然に伝わります。月1回のレビュー時に違反を指摘するルールも有効です。


関連項目


まとめ

  • 建築案件のフォルダ構成は 「1案件1フォルダ・3〜4階層・番号プレフィックス」 が基本
  • ルートまでの経路は 半角英数アンダースコア で外部変形対応
  • 個人事務所・中規模事務所・ゼネコン設計部で規模別の標準パターンが存在
  • 公共工事は 電子納品要領 が固定フォルダ構造を規定。社内ワーキングと納品の二段構えが定石
  • クラウド共有時は 同期除外設定とローカル作業優先 で破損リスクを回避
  • 案件完了後は 3段階アーカイブ運用(ライブ → 準アクティブ → ディープアーカイブ)で長期管理
  • フォルダ規約は 案件キックオフ時に1ページ規約書として確定 し、00_案件情報/ に配置して関係者に配布
  • 命名規約とセット運用で、図面管理コストと問い合わせ対応コストを最小化