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未検証

2線の留線・他線とつなげる包絡

このコマンドでできること

Jw_cadの「2線」コマンドのコントロールバーには、2線の端を閉じるための「留線」「留線常駐」と、留線を基準線の端から外側へずらして作図する「留線出」が用意されています。これらのオプションを使えば、壁の端部処理(袖壁の小口・出隅・入隅・建具開口の見込み)を1ストロークで閉じた壁線として描き上げることができます。あわせて、終点指示のときに既存の他線を右ダブルクリックすると、2線をその他線につなげる(包絡的に延長・切断する)処理も可能です。

背景: 2線コマンドの基本(基準線の指示・間隔指定・始終点)は4-20で扱います。この記事は、その続きとして「2線の端部をどう閉じるか」「他の壁線にどう接続するか」という、建築図面の壁作図でほぼ毎回問題になる領域を担当します。「線を引く」コマンドではなく「壁という形を整える」コマンドとして使い切るための1本です。

注意: この記事では、2線コマンド側に組み込まれた留線・端部処理を扱います。すでに描かれた線の交差・包絡を後処理する 包絡処理 ※準備中 / コーナー処理 ※準備中 とは別系統の機能です。両者の使い分けは記事末尾「実務での使い方」で整理します。


留線まわりオプションの全体像

オプション役割チェックの持続
留線留線を1回だけ作図する。作図1回ごとにチェックが自動で外れる単発(1回ごとにOFFに戻る)
留線常駐留線を続けて作図する。次回以降の2線にも自動で留線が付く常駐(明示的に外すまでON)
留線出留線を始点・終点の位置から外側に「数値分」ずらして作図する数値入力欄入力した数値はコマンド継続中保持
項目留線留線常駐
始点側に留線
終点側に留線×
1回作図したあとの状態チェックOFFに戻るONのまま継続
よく使う場面袖壁の小口だけ閉じたい連続して壁を描き続け、両端を毎回閉じたい

要確認: 「留線」が始点側のみに付く挙動・「留線常駐」が両端に付く挙動を実機で確認します。参考サイトの記述(kantancad: 「『留線』は始点側」「『留線常駐』は両端」、s-projects: 「始点を指示した後にチェックを入れ終点を指示すると、終点だけに留線が入ります」)の整合性を含めて検証します。


起動方法(4-20からの流れ)

留線オプションは、2線コマンドの中の追加機能です。起動方法そのものは2線コマンドと共通で、メニューバー「作図」→「2線」、左側「作図(1)」ツールバーの「2線」アイコン、クロックメニュー(10時方向に左ドラッグ中に右クリック)のいずれからでも入れます。

Tips: 2線の起動・基準線指示・間隔入力・始終点の基本動作は 2線の作図(基本) で詳しく扱います。この記事は4-20を読んだ前提で、留線関連のオプションだけを掘り下げます。


「留線」(始点側だけ閉じる)の使い方

留線(単発)の作図手順

留線」は、1回だけ留線付きの2線を描くチェックボックスです。1本作図するとチェックが自動で外れ、次の2線は留線なしで描かれます。「ここだけ閉じたい」という単発の壁端部に向いています。

操作手順

  1. ツールバーの「2線」を左クリックして2線コマンドを起動します
  2. コントロールバーの「2線の間隔」に間隔を入力します(例: 100,100
  3. コントロールバーの「留線」チェックボックスを左クリックしてチェックを入れます
  4. 基準線を左クリックで指示します(直線のみ。円・円弧は不可)
  5. 始点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示します
  6. 終点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示します
  7. 始点側に留線が付いた2線が確定し、「留線」チェックは自動で外れます

Tips: 「留線」を入れる順番は、基準線指示の前でも後でも構いません。始点を指示する前にチェックが入っていれば始点側に留線が付きます。

終点側だけ留線を入れたい場合

「留線」モードで終点側だけに留線を入れたい場合は、始点を指示してから「留線」にチェックを入れます。順番が逆になることで、留線が付く側が「これから指示する終点側」に切り替わります。

操作手順

  1. 2線コマンドを起動し、「2線の間隔」を入力します
  2. 「留線」にはまだチェックを入れない状態で、基準線と始点を指示します
  3. 仮表示が出た状態で、コントロールバーの「留線」にチェックを入れます
  4. 終点を指示すると、終点側だけに留線が入った2線が確定します

背景: 「留線」は「これから先の指示で確定する側に留線を付ける」と理解すると、始点側のみ・終点側のみが切り分けられます。両端を閉じたい場合は次の「留線常駐」を使うのが素直です。


「留線常駐」(両端を閉じる・続けて閉じる)の使い方

留線常駐の作図手順

留線常駐」は、両端に留線が入るかつチェックがONのまま継続するモードです。壁を続けて何本も描き、毎回両端を閉じたい場面に向いています。

操作手順

  1. 2線コマンドを起動し、「2線の間隔」を入力します(例: 100,100
  2. コントロールバーの「留線常駐」チェックボックスを左クリックしてチェックを入れます
  3. 基準線を左クリックで指示します
  4. 始点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示します
  5. 終点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示します
  6. 両端に留線が付いた2線が確定し、「留線常駐」のチェックはONのまま継続します
  7. 続けて別の2線を描けば、その2線にも自動で両端に留線が付きます

Tips: 留線常駐はチェックが継続するため、留線を付けたくない2線を描くタイミングで明示的にチェックを外す必要があります。チェックを外し忘れると、不要な留線が入って後から消す手間が増えます。

「留線」と「留線常駐」の使い分け

場面推奨モード理由
単発の袖壁・1箇所だけ端部処理したい留線1回で自動OFFになるので外し忘れがない
部屋の四方の壁を連続で描く留線常駐何本描いても毎回両端が閉じる
始点側だけ閉じたい留線(始点指示前にON)単発でちょうど良い
終点側だけ閉じたい留線(始点指示後にON)順番の入れ替えで対応

PERSCの推奨: 平面図で壁を量産する局面では「留線常駐」を最初にONにしておく運用が効率的です。逆に詳細図のような単発作図中心の場面では「留線」のほうが事故が少ないです。作業フェーズで2モードを切り替える意識を持つと、留線まわりの操作が迷わなくなります。


「留線出」で留線をずらして作図する

留線出の役割

留線出」は、留線を始点・終点の位置から外側に「数値分」ずらした位置に作図するための入力欄です。たとえば、基準線の端よりも壁の留線(小口)が外側に出る納まりを表現したいとき、「留線出」に数値を入れれば留線位置を自動で外側にずらせます。

留線出結果
空欄(または0)始点・終点の位置にぴったり留線が入る
100留線が始点・終点から外側に100mmずれた位置に入る
500留線が始点・終点から外側に500mmずれた位置に入る

操作手順

  1. 2線コマンドを起動し、「2線の間隔」と「留線」または「留線常駐」を設定します
  2. コントロールバーの「留線出」入力欄にずらしたい数値を入力します(プルダウンから選ぶことも可)
  3. 基準線・始点・終点を指示します
  4. 入力した数値分、留線が外側にずれた位置で2線が確定します

要確認: 「留線出」のプルダウン候補(標準で並んでいる数値)を実機で確認します。kantancadには「500 をプルダウンから選択」という記述があります。

Tips: 「留線出」は留線常駐だけでなく、片側だけの「留線」でも有効です。始点側だけの留線でも、留線出に数値を入れれば始点位置から外側にずれて作図されます。

背景: なぜ留線をずらす必要があるのかというと、建築の壁は通り芯(基準線)よりも実際の壁の小口が外側にある納まりが頻出するからです。たとえば外壁の小口は通り芯から壁芯までの距離+壁厚の半分だけ外側に出るため、「留線出」に小口位置までの距離を入れることで、通り芯指示のまま小口位置に留線を打てます。


終点指示で他の直線とつなげる(包絡的延長)

2線コマンドには、**終点指示のときに既存の他線を「右ダブルクリック」すると、その線まで2線をつなげる(包絡する)**機能が組み込まれています。これは2線コマンド側の処理で、後処理コマンド(包絡処理・コーナー処理)を呼び出すのとは別ルートです。

操作手順

  1. 2線コマンドを起動し、「2線の間隔」を入力します
  2. 基準線と始点を指示します
  3. 終点を指示する代わりに、接続したい他の直線を右ダブルクリックします
  4. 2線がその他線まで延長され、交差部が整理された状態で確定します

右ダブルクリック位置による結果の違い

s-projectsには「右ダブルクリックする位置によって結果が異なります」と記述されています。具体的には、ダブルクリックした位置が他線のどちら側かによって、2線の延長方向や交差処理の仕方が変わります。

要確認: 右ダブルクリックの位置による結果の違い(他線のどちら寄りでクリックすると、どう包絡されるか)を実機で具体的にパターン分けして検証します。

Tips: 「左ダブルクリック」は基準線の変更(連続2線)、「右ダブルクリック」は他線とつなげる、と覚えると2線コマンドのダブルクリック操作が整理できます。連続2線の挙動は 2線の作図(基本) を参照。

留線オプションとの併用

他線とつなげる操作(右ダブルクリック)は、留線・留線常駐がONでも実行できます。ただし、つなげた側には他線とのつながり処理が優先され、その端には留線が入りません(つながった先の他線で「閉じている」状態になるため、留線は不要)。

注意: 留線常駐がONのまま終点を他線右ダブルクリックでつなげた場合、つながった側に留線が出ないこと自体は仕様です。つなげる前提なら留線は不要なので問題ありません。「両端閉じたかったのに片側だけ留線が入っていない」と勘違いしやすいので、つなげた側の状態を確認しましょう。


留線オプションの応用パターン

連続して基準線を変更しながら留線を入れる

連続2線(左ダブルクリックで基準線を変更しながら描く方式)と留線常駐は組み合わせ可能です。L字型・コ字型・矩形の壁を1ストロークで描きながら、最終端だけに留線を入れる、という使い方ができます。

操作手順(コ字型の壁)

  1. 2線コマンドを起動し、間隔と「留線常駐」を設定
  2. 1本目の基準線・始点を指示
  3. 2本目の基準線を左ダブルクリックで指定(基準線変更)
  4. 3本目の基準線を左ダブルクリックで指定
  5. 終点を指示すると、コ字型に折れた2線が描かれ、最初の始点と最後の終点に留線が入る

要確認: 連続2線(左ダブルクリックでの基準線変更)と「留線常駐」併用時、中間の基準線変更点には留線が入らず、最初の始点と最終終点だけに留線が入る挙動を実機で確認します。

「留線」だけON+「留線出」併用

単発の留線でも留線出は効きます。「片側だけ・しかも留線位置をずらす」というレアケースに対応するためで、たとえば通り芯指示で始点側だけに、壁小口位置まで外側にずらした留線を1本だけ入れるような場面で使います。

Tips: ただしこのパターンは、後から「もう片方も同じくずらして留線を入れたい」となるケースが多く、最初から「留線常駐」+「留線出」のセットで運用したほうが事故が少ないです。


実務での使い方 ★PERSC独自

木造住宅の壁を一気に描く

木造住宅の壁は、通り芯(または壁芯)を基準線として両側に間仕切壁厚(多くは芯振分けで±50mm)を描く操作が大半です。「2線の間隔」50,50 + 「留線常駐」ONで1セット作っておくと、

  1. 通り芯を基準線指示
  2. 始点(出隅の角)を読取点で指示
  3. 終点(次の出隅の角)を読取点で指示

の3クリックだけで両端が閉じた壁が1本確定します。続けて別の通り芯に基準線を切り替え、同じ要領で次の壁を作図、を繰り返せば、住宅平面図の主要壁が1本あたり3クリックで量産できます。

袖壁・間仕切壁の小口処理

袖壁(壁の途中で切れて短く突き出している壁)の小口は「留線」が活躍する典型シーンです。

  • 単発の袖壁を描く → 「留線」ON(始点指示前)→ 始点(袖壁の根元)と終点(袖壁の小口)を指示 → 小口側に留線が付いた2線が確定
  • 袖壁の小口だけ留線、根元側は他壁とつなげたい → 終点指示で他壁を右ダブルクリックしてつなげる

詳細図でも、間仕切壁の途中で小口処理が必要なときに「留線」を1回だけ入れる、という使い方が頻出します。

RC造の壁端部・開口端部

RC造の躯体壁(厚150〜200mm)も、2線+留線常駐の組合せが王道です。**「2線の間隔」75,75 + 「留線常駐」**で150mm厚の壁を、開口(建具開口)の手前と奥でぴったり閉じた状態で描けます。建具開口の見込み部分は壁が切れる必要があるため、開口の両端で2線+留線を1本ずつ確定する流れになります。

例: 建具開口の処理フロー

  1. 部屋の長辺方向に2線+留線常駐で壁を引く
  2. 建具開口位置で一度終点を指示し、開口手前側の留線を確定
  3. 開口の奥側で再度始点を指示し、留線付きで壁を続行
  4. 結果、開口の両側に留線が入り、開口部分は壁が切れた状態になる

PERSCの推奨: 開口処理は留線で「閉じてから」開口を描く順序が事故を減らせます。先に長壁を一気に引いて後から開口を切ると、留線位置の調整・コーナー処理が複層して工数が増えがちです。

設備図の機器周り見切り

設備図でも、機器の見切り(壁との取り合い)を表現する際に2線+留線が便利です。たとえばエアコン室外機の壁付け部・配管立ち上げの見切り部のように、短い区間で両端をきれいに閉じたい箇所が頻出します。

2線+留線 vs. 包絡処理コマンドの使い分け

場面推奨理由
まだ壁を描いていない(新規作図)2線+留線常駐1ストロークで閉じた壁が描ける
すでに2線で壁を量産済み・端部が開いたまま包絡処理 ※準備中後処理で一括クリーンナップ
壁同士が交差している部分の不要線消去包絡処理 ※準備中範囲指定で一括処理
単純なT字・L字の交点だけ整えるコーナー処理 ※準備中1ペアずつ処理

PERSCの推奨: 「描く時点で閉じる(2線+留線常駐)」を第一選択、「描き終えてから整える(包絡・コーナー)」は第二選択、という順序を意識すると、図面のクリーンナップ工数が大きく減ります。新人さんが描いた図面で「壁端部が開いたまま放置」になっているケースは、この順序付けが共有できていないことが原因のことが多いです。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「留線常駐」をONにしたのに、片側だけしか留線が入らない

→ 終点指示の代わりに、他線を右ダブルクリックでつなげていませんか。つなげた側には他線とのつながりが優先されるため、留線は入らない仕様です。両端に留線を入れたいなら、終点も通常クリック(左または右クリック1回)で指示してください。

Q: 「留線」をONにしたのに留線が入らない

→ 「留線」は1回作図するとチェックが自動で外れる単発モードです。前回の2線で消費されている可能性があります。コントロールバーの「留線」チェックボックスを再度左クリックしてONに戻してから作図し直してください。

Q: 「留線常駐」を外したのに、まだ留線が入る

→ 「留線常駐」と「留線」は別のチェックボックスです。「留線常駐」を外しても、別途「留線」がONになっていれば1回分は留線が入ります。コントロールバーの両方のチェック状態を確認してください。

Q: 「留線出」に数値を入れたのに留線位置がずれない

→ 入力後にEnterキーで確定していない可能性があります。数値を入れたら一度Enterで確定するか、入力欄外を1回クリックしてフォーカスを外してから始点指示に進んでください。プルダウンから選んだ場合は自動で確定しています。

Q: 「留線出」の数値が前回の値のまま残っている

→ Jw_cadのコントロールバー入力欄は、コマンド継続中は値を保持します。前回の作図で500を入れたまま今回も2線を引くと、留線が500mm外側にずれた状態で作図されます。新しい値に書き換えるか、空欄に戻して0相当として使ってください。

要確認: 「留線出」がJw_cad終了まで保持されるか、コマンドを抜けた時点でクリアされるか、を実機で確認します。

Q: 終点を他線で右ダブルクリックしたのに、つながらない

→ 接続先の線が直線かどうかを確認してください。2線コマンドの基準線および接続対象は直線のみで、円・円弧・スプラインは対象外です。また、ダブルクリックの間隔が長すぎると2回の単発クリックと認識されるため、素早く2回押す必要があります。

Q: 留線の線色・線種が壁本体と違う

→ 留線は作図時点の書込線色・線種で描かれます。壁本体(2線本体)と同じ書込線属性で確定します。違う線色・線種で出ているように見える場合は、ディスプレイの色設定や、先に作図された別レイヤの線と重なっていないかを確認してください。

要確認: 留線が2線本体と必ず同じ書込線属性で作図されるか、別属性になり得るかを実機で確認します。

Q: 連続2線の途中の折れ角に留線が入ってしまう

→ 連続2線(基準線変更)の途中点に留線は本来入りませんが、誤って終点指示(左クリック1回)してしまうと、そこで一度2線が確定し、終点として留線が入ります。基準線を変更したい時は左ダブルクリック、終点指示は通常クリック、と区別してください。

Q: 「留線」と「コーナー」「包絡」のどれを使えばいいか迷う

これから描くなら2線+留線(描く時点で閉じる)、もう描いたなら包絡処理(一括)またはコーナー処理(個別)が原則です。詳細は 包絡処理(基本) ※準備中 / コーナー処理(基本) ※準備中 を参照してください。


関連項目


まとめ

  • 留線」は始点側だけ・1回だけ留線を入れる単発モード。1本作図するとチェックが自動で外れる
  • 留線常駐」は両端に留線を入れる継続モード。連続作図中はONのまま続く
  • 留線出」で留線位置を始点・終点から外側にずらせる。通り芯指示で壁小口位置に留線を打つ建築特有の納まりに対応
  • 終点指示で他線を右ダブルクリックすると、2線をその他線につなげる包絡的処理ができる(つないだ側の留線は不要なので入らない)
  • 描く時点で閉じる(2線+留線)を第一選択、後処理で整える(包絡・コーナー)を第二選択、という順序付けが図面のクリーンナップ工数を減らす