Appearance
ハッチング 1線(角度・ピッチ)
このコマンドでできること
Jw_cadの「ハッチ」コマンドの1線モードを使うと、閉じた図形の内側を等間隔の斜線で埋められます。閉じた範囲をクリックで指示し、コントロールバーで「角度」と「ピッチ」を数値入力して「実行」を押すだけで、図面に斜線ハッチが一発で作図されます。木造の柱・梁の断面、コンクリートの打設範囲、タイル貼りの仕上げ範囲、植栽帯、舗装の表現など、図面で「ここはこういう仕上げ・素材ですよ」と示したい場面で出番が多いコマンドです。
背景: ハッチングはJw_cadのコマンドの中でも、見栄えと表現力に直結する作図機能です。閉じた範囲さえ作れていれば、線色・線種・角度・ピッチの組み合わせで木造/RC造/鋼材/植栽など多様な仕上げを描き分けられます。1線ハッチはハッチコマンドの中でも最も頻度が高く、まず押さえておきたい基本パターンです。
起動方法
ハッチコマンドは3つの起動方法があります。どれを使っても同じコマンドが立ち上がります。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| ツールバー ★推奨 | 左側「作図(2)」ツールバー内の「ハッチ」ボタンを左クリック |
| メニューバー | 「作図」 → 「ハッチ」を左クリック |
| クロックメニュー | 作図ウィンドウ内で7時方向へ左ドラッグ中に右クリック |
PERSCの推奨: ハッチコマンドは「作図(2)」ツールバーから起動するのがおすすめです。線・矩形・円が並ぶ「作図(1)」ツールバーとは別のグループに置かれているため、慣れないうちは見落としがちです。「作図(2)」を表示しておくと、ハッチ・寸法・文字・建具など仕上げ系のコマンドが集約されていて、図面の最終工程で重宝します。
要確認: 「作図(2)」ツールバー上の「ハッチ」ボタンの位置と、クロックメニューの起動方向は実機で確認します。クロックメニューの基本については クロックメニュー入門 ※準備中 を参照。
画像準備中 — ハッチコマンドの3つの起動方法(ツールバー/メニューバー/クロックメニュー)
コントロールバーの構成
ハッチコマンドを起動すると、コントロールバーが切り替わります。1線モードで使う主な項目は以下のとおりです。
| 項目 | 種別 | 役割 |
|---|---|---|
| 1線 | ラジオボタン | 1本の斜線でハッチングする(この記事で扱うモード) |
| 2線/3線 | ラジオボタン | 2本/3本の斜線セットでハッチングする(2線・3線ハッチ) |
| 馬乗り目地 | ラジオボタン | レンガ調の馬乗り目地パターンでハッチングする(馬乗り目地ハッチ) |
| 図形 | ラジオボタン | 自分で登録した図形でハッチングする(図形ハッチ) |
| 角度 | テキストボックス | 斜線の角度(度数)。例: 45 |
| ピッチ | テキストボックス | 斜線同士の間隔(mm単位) |
| 実寸 | チェックボックス | 図面尺度を考慮した実寸ピッチで作図 |
| 基点変 | ボタン | ハッチの開始基点を任意位置に変更 |
| クリアー | ボタン | 範囲選択をすべて解除 |
| 実行 | ボタン | 範囲確定後にハッチングを実行 |
画像準備中 — ハッチコマンド起動直後のコントロールバー全体
要確認: コントロールバー各項目の正確なラベル文言(「ピッチ」「クリアー」など)は実機で確認します。
1線ハッチ作図の基本操作
1線ハッチの作業は、範囲指示 → 角度・ピッチ入力 → 実行 の3ステップです。
1線ハッチ手順サマリー(全6ステップ)
| # | 操作 | 補足 |
|---|---|---|
| 1 | ハッチコマンドを起動 | 「作図(2)」ツールバー → ハッチ |
| 2 | コントロールバーで「1線」ラジオボタンを選択 | 既定で選択されていることが多い |
| 3 | 「角度」「ピッチ」を入力 | 例: 角度45・ピッチ5 |
| 4 | ハッチ範囲を指示 | 連続線を1本ずつ左クリック、または右クリックで一括選択 |
| 5 | 範囲が閉じたら「実行」をクリック | 仮表示が確定する |
| 6 | 続けて別の範囲を指示するか、別コマンドへ切替 | クリアーで選択解除 |
それぞれの詳細手順は以下のとおりです。
手順1: ハッチコマンドを起動
「作図(2)」ツールバーの「ハッチ」ボタンを左クリックします。コントロールバーがハッチコマンド用の表示に切り替わります。
画像準備中 — ハッチコマンド起動直後のコントロールバー表示
手順2: 「1線」ラジオボタンを選択
コントロールバーの「1線」ラジオボタンを左クリックします。既定で「1線」が選ばれていることが多いですが、前回の操作内容が残っている場合があるので、念のため確認します。
Tips: 「2線」「3線」「馬乗り目地」「図形」が選ばれていると、1線ハッチとは別のパターンが作図されます。意図しないパターンが出たときは、まず「1線」が選ばれているかを確認しましょう。
画像準備中 — コントロールバー「1線」ラジオボタンを選択した状態
手順3: 角度とピッチを入力
コントロールバーの「角度」テキストボックスに斜線の角度(度数)を入力し、「ピッチ」テキストボックスに斜線同士の間隔(mm単位)を入力します。
| 入力例 | 角度 | ピッチ | 用途 |
|---|---|---|---|
| 45度・5mm | 45 | 5 | コンクリート断面の斜線表現(一般的) |
| 45度・3mm | 45 | 3 | 細かい断面ハッチ(モルタル等) |
| 0度・10mm | 0 | 10 | 水平ストライプ(敷地・植栽帯) |
| 90度・10mm | 90 | 10 | 垂直ストライプ(壁面仕上げの表現) |
| 30度・5mm | 30 | 5 | 浅い角度の斜線(木材の木目風) |
Tips: 角度は0〜180度の範囲で指定します。マイナス値も入力できますが、斜線は360度の対称性があるため、たとえば「-45度」と「135度」は同じ向きの斜線になります。
画像準備中 — コントロールバーの角度・ピッチを入力した状態
手順4: ハッチング範囲を指示
ハッチングしたい閉じた図形の輪郭線を順に選択していきます。選択方法は2通りあります。
方法A: 左クリックで1本ずつ選択
ハッチング範囲を構成する線(または円弧)を左クリックで1本ずつ選択します。
- 最初に選択した線はランダム線(指示色の波形)で表示されます
- 続けて、輪郭の線を順番に左クリックしていきます
- 1周回って最初に選んだ波形表示の線を再度左クリックすると、範囲が閉じてコントロールバーに「実行」ボタンが表示されます
Tips: ランダム線(最初の波形表示)は「ここがスタート地点ですよ」というマーカーです。ぐるっと一周してこのランダム線をもう一度クリックしないと範囲が閉じない仕様なので、四角形なら4本目で完了ではなく最初の線をもう一度クリックして5回目のクリックで完了になります。最初は戸惑いやすいポイントです。
画像準備中 — 左クリックで輪郭を1本ずつ選択する様子(最初の線が波形表示)
方法B: 右クリックで連続線を一括選択
ハッチング範囲を構成する輪郭線が端点でつながった連続線であれば、いずれか1本を右クリックするだけで、つながっている全ての線が一括で範囲に取り込まれます。
画像準備中 — 右クリックで連続線を一括選択した様子
Tips: 矩形コマンドで描いた長方形は、4本の線が独立しているため、左クリックで4本選んでさらに最初の1本を再クリックする必要があります。一方、連続線コマンドで描いた多角形は端点が一気通貫でつながっているので、右クリック1回で範囲指示が完了します。長方形を頻繁にハッチする場合、連続線コマンドで描いておくとハッチ作業がぐっと楽になります。
注意: 単独円(独立した1個の円)を選択する場合は右クリックのみ有効です。左クリックでは選択できないため、円の中をハッチングしたいときは必ず右クリックで指示します。
方法C: 範囲選択コマンドから引き継ぐ
範囲選択コマンドで先に図形を選択してから、ハッチコマンドに切り替えると、その範囲がハッチ範囲として引き継がれます。複雑な図形を選びたいときに便利です。詳しくは 範囲選択コマンドの基本 ※準備中 を参照。
手順5: 「実行」ボタンをクリック
範囲が閉じてコントロールバーに「実行」ボタンが表示されたら、左クリックします。指定した角度・ピッチで斜線ハッチが作図されます。
画像準備中 — 「実行」ボタンクリック直後の1線ハッチ完成状態
手順6: 続けて別の範囲をハッチするか、終了する
ハッチが1つ確定すると、コマンドはそのまま次の範囲指示を待ち受ける状態に戻ります。続けて別の範囲をハッチする場合は、再び輪郭の線を選択していきます。範囲指示の途中でやり直したい場合は、コントロールバーの「クリアー」ボタンを左クリックすれば、選択がすべて解除されます。
Tips: ハッチコマンドを終えたい場合は、別のコマンド(線・消去など)を選ぶか、Escキーで現在の指示状態をキャンセルします。範囲指示中にEscキーを押すと、選んだ線の選択が1段ずつ巻き戻ります。
開いている範囲をハッチした場合
ハッチ範囲は閉じている必要がありますが、右クリックで連続線を一括選択した場合に限り、多少開いていてもハッチを実行できます。ただし、開いている部分の近くはハッチが作図されません。
Jw_cad は範囲が完全に閉じていないと判定したとき、「作図されない部分があります」というメッセージを表示します。意図的にゆるく囲んだケース以外は、線端のつなぎ漏れがある可能性が高いので、線を伸縮・コーナー処理して閉じた状態にしてから再度ハッチするのが基本です。
画像準備中 — 開いている範囲をハッチした結果(端の隙間でハッチが途切れる)
Tips: 線端がつながっているように見えても、わずかにずれていることがあります。閉じているはずなのにハッチが途切れる場合は、コーナー処理コマンド(コーナー処理 ※準備中)で角を整形してから再挑戦してください。
要確認: 「作図されない部分があります」のメッセージ文言は実機で確認します。
多重に閉じた図形のハッチ
入れ子の閉じた図形(外側の四角形の中に内側の四角形がある等)をすべて選択してハッチを実行すると、外側から奇数番目の領域だけがハッチングされます。たとえば、二重の四角形なら外側の輪と内側の四角形のうち、外側の輪だけが斜線で埋まり、最内側はハッチされません。
画像準備中 — 二重の四角形をすべて選択してハッチした結果(外側の輪だけ斜線が入る)
背景: この仕様は、断面図で「外側がコンクリートで内側が空洞」「外側が壁で内側が窓開口」という表現を1回のハッチで完成させるためのものです。手作業で抜きの輪だけハッチすると面倒な作業も、入れ子図形をまとめて選択するだけで意図した通りのハッチが描けます。
「実寸」チェックの使い分け
コントロールバーの「実寸」チェックボックスは、ピッチ値を図面尺度に対する実寸として扱うかどうかの切替です。
| 実寸チェック | ピッチの解釈 | 用途 |
|---|---|---|
| OFF(既定) | 図面上の見た目のmm(画面ベース) | 仕上げ表現として「印刷時にこのくらいの間隔」が欲しい場合 |
| ON | 縮尺を反映した実寸mm | 「実物で5mmピッチのレンガ目地」など、現実寸法を再現したい場合 |
たとえば1/100の図面で、ピッチに「5」を入れた場合:
- 実寸OFFなら、図面上で5mm間隔の斜線(実物換算500mm間隔)
- 実寸ONなら、実物で5mm間隔の斜線(図面上では0.05mm間隔)→ ほぼ塗りつぶし状態
Tips: 一般的な仕上げ表現(コンクリート・木材・タイルの記号)は実寸OFFで問題ありません。実寸ONは「実物のレンガ目地寸法を再現する」など、現実寸法を意識する特殊なケースで使います。
ハッチの基点を変える(基点変)
ピッチを揃えてハッチを描いても、図形の位置によってハッチの始まり位置がずれて見えることがあります。コントロールバーの「基点変」ボタンを使うと、ハッチの始点を任意の読取点に合わせられます。
基点変の流れ
- ハッチコマンドを起動した状態で、コントロールバーの「基点変」ボタンを左クリックします
- 作図ウィンドウ内のハッチ基点にしたい位置で左クリック(読取点なら右クリック)します
- 通常どおりハッチ範囲を指示し、「実行」をクリックします
基点変を使うと、複数の隣接する図形に同じハッチをかけたとき、ハッチの線が揃って連続して見えるようになります。タイル目地や床仕上げのように、規則的な並びで見せたい場面で必須のテクニックです。
画像準備中 — 基点変を使う前後のハッチ位置の違い(連続性の有無)
Tips: 基点変は1回設定すると、その後のハッチも同じ基点を引き継ぎます。基点を変えたあとに別の図形をハッチすると基点位置が想定外になることがあるので、用が済んだら次のハッチで再度基点変を行うか、いったん別コマンドを経由してリセットするのが安全です。
書込線色・線種で描かれる
ハッチ線は、現在の書込線色・線種で描かれます。違う色・線種でハッチをかけたい場合は、ハッチコマンドの操作前に書込線属性を切り替えます。
書込線属性の確認・変更
画面下部のステータスバー右寄りにある「線属性」ボタン(「日」のマーク)をクリックすると、線属性ダイアログが開きます。線色(線色1〜8)と線種(実線・点線・一点鎖線・二点鎖線等)を選んで「OK」をクリックすれば、以降に作図するハッチがその設定で描かれます。
画像準備中 — ステータスバーの線属性ボタンと現在の書込線属性表示
Tips: 建築図面では、ハッチの種類によって線色を使い分けるのが一般的です。コンクリート断面は線色1(細線)、木材の木目表現は線色2、植栽帯のグリーン感は線色5、というように線色を切り替えるだけで「印刷時にどんな見栄えになるか」を意識した図面づくりができます。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。
実務での使い方 ★PERSC独自
木造軸組断面の柱・梁
平面図や軸組図で、木造の柱や梁の断面を表現するときに1線ハッチを多用します。角度45度・ピッチ3〜5mmの細かい斜線で柱断面を埋めると、木材の質感が出ます。柱記号の中に1線ハッチを描いておくと、構造図のレイヤと意匠図のレイヤを別々に管理する際にも、図面の説得力が増します。
軸組図では、柱と梁が何本も並ぶため、最初の1本にハッチをかけたら基点変で位置を揃え、残りの柱は同じ角度・ピッチで連続して埋めていく流れが効率的です。
コンクリート打設範囲の表現
RC造(鉄筋コンクリート造)の図面では、コンクリート打設範囲を1線ハッチで示すのが定番です。角度45度・ピッチ2〜3mmで細かい斜線を入れると、コンクリート断面の固さ・密度感が伝わります。基礎伏図では、ベタ基礎の打設範囲を1線ハッチで一括して表現し、立ち上がりの梁部分は2線ハッチで区別するなど、線種を使い分ける運用もあります。
打設範囲の輪郭は連続線で描いておくと、ハッチコマンドの右クリック一発で範囲指示が完了します。線コマンドで描いた個別線では、左クリックで1本ずつ選んで最後に最初の線を再クリックする手順になり、輪郭が複雑だと操作回数が増えてしまうため、ハッチ前提のレイヤは連続線で輪郭を作っておくのが定石です。
タイル貼り・仕上げ範囲
外壁の磁器タイル貼り範囲、内装の床タイル仕上げ範囲、浴室の腰壁タイルなど、タイル仕上げを示す場面でも1線ハッチが活躍します。角度45度・ピッチ5〜10mmで表現するのが一般的で、目地のリアルな再現は2線ハッチや馬乗り目地ハッチに譲ります。
仕上げ範囲を平面詳細図で示す場合は、書込線色を線色5(薄めの色) にしておくと、本来の壁線・建具線を邪魔せずに「ここが仕上げ範囲ですよ」というニュアンスで伝えられます。
床仕上げの記号
平面図で部屋ごとの床仕上げを記号化する場合、和室は0度の水平ハッチで畳目を、洋室はピッチを変えた斜線ハッチでフローリング感を、水回りは細かいハッチでタイルを、と部屋ごとに角度・ピッチを変えると、線色凡例なしでも仕上げの違いが視覚的に伝わります。
実施図面ではこのような記号を使わず、文字で「フローリング張」「タイル張」と明記するのが正式ですが、提案図やプレゼン資料ではハッチによる素材感の表現が説得力を上げます。
植栽帯・敷地計画
外構図・配置図では、植栽帯の表現に1線ハッチを使うことがあります。角度30〜60度・ピッチ10〜20mmの粗いハッチで、緑地・芝生範囲を示します。アスファルト舗装やコンクリート舗装の表現にも応用でき、舗装はピッチ5mm程度の細かいハッチ、芝生はピッチ20mm程度の粗いハッチ、と密度で素材感を区別します。
既存・撤去・新設の区分
リフォーム・改修図面では、既存部分・撤去部分・新設部分を視覚的に区別する必要があります。撤去部分をピッチ5mm・角度45度の1線ハッチで示し、新設部分はハッチなしの実線、既存部分は線色を変えて表現する、というように1線ハッチを「変更箇所マーカー」として使うと、図面の意図が施主・職人に伝わりやすくなります。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「実行」ボタンが出てこない
→ 範囲がまだ閉じていない可能性が高いです。左クリックで線を1本ずつ選んでいる場合、最初に波形表示になった線をもう一度クリックしないと範囲が閉じません。コントロールバーに「実行」ボタンが現れていない間は、範囲指示が継続中です。最初に選んだ線(波形表示)の位置をたどって、もう一度その線を左クリックしてください。
Q: 「作図されない部分があります」と表示された
→ ハッチ範囲が完全に閉じていないと判定されています。線端どうしのつなぎが微妙にずれている可能性があるので、コーナー処理コマンドで角を整形するか、線を伸縮して端点を一致させてください。それでも閉じない場合、選択した連続線が複数の独立した線群に分かれていないかも確認します。
Q: 円の中をハッチしたいけど左クリックでは選択できない
→ 単独円は右クリックでのみ選択できます。左クリックでは反応しません。円のフチで右クリックすれば、円が範囲として確定し、続けて「実行」を押すとハッチがかかります。
Q: ハッチの斜線が太すぎる・細すぎる
→ ハッチは現在の書込線色・線種で描かれます。線色によって印刷時の太さが決まるため、太すぎる場合は線色1(細線)に、細すぎる場合は線色2(中線)に切り替えてからハッチを実行してください。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。
Q: ハッチの密度が思ったより薄い・濃い
→ コントロールバーの「ピッチ」値を見直してください。数値が大きいほど斜線間隔が広くなり、薄い印象になります。数値が小さいほど密になり、濃い印象になります。コンクリート断面なら2〜3mm、木材なら5mm、植栽帯なら10〜20mm、と用途別に値を変えるのが基本です。
Q: 1線にしたつもりが2線・3線になった
→ コントロールバーの「1線」ラジオボタンが選ばれていない可能性があります。前回の操作で「2線」「3線」「馬乗り目地」「図形」を選んだ状態が残っていると、再起動時にもその設定が引き継がれます。1線ハッチを描く前は必ず「1線」が選ばれているか確認しましょう。
Q: 隣接する図形のハッチがズレて見える
→ ハッチの開始基点が図形ごとに異なるためです。コントロールバーの「基点変」ボタンで共通の基点(たとえば最初の図形の左下角)を指定してから各図形をハッチすれば、線が揃って連続して見えます。タイル目地や床仕上げの連続表現で必須のテクニックです。
Q: 描いたハッチを修正したい
→ ハッチで作図された個々の斜線は、それぞれが独立した線としてデータに記録されます。範囲選択 → 消去で一括削除し、ハッチをかけ直すのが一般的です。線色や線種だけ変えたい場合は、範囲選択 → 属性変更で対応します。詳しくは 属性変更で線色・線種だけ変える ※準備中 を参照。
Q: ハッチを引いたら他の図形まで巻き込まれた
→ 「クリアー」ボタンを押さずに別の範囲指示を始めた可能性があります。範囲選択がリセットされていないと、前回の選択が残ったまま新しい線が追加されてしまいます。ハッチが終わったら念のため「クリアー」を押して選択を解除してから、次の範囲指示に進むのが安全です。
Q: 範囲選択コマンドからハッチコマンドに切り替えたら範囲が引き継がれなかった
→ 範囲選択の確定方法によっては引き継がれないことがあります。範囲選択コマンドで「範囲確定」までしっかり済ませてからハッチコマンドに切り替えてください。実機でハッチコマンドのコントロールバーに範囲が反映されているか目視で確認するのが確実です。
関連項目
- 線コマンドの基本(始点・終点・水平垂直) — ハッチ範囲の輪郭線を引く
- 連続線(連続線コマンド) ※準備中 — ハッチ範囲を1本の連続線で描く
- 矩形コマンドの基本(始点・対角点) — 矩形をハッチ範囲として使う
- 円コマンドの基本(中心・半径指定) — 単独円をハッチ範囲として使う
- コーナー処理 ※準備中 — ハッチ前に角を閉じる処理
- 範囲選択コマンドの基本 ※準備中 — 範囲選択からハッチコマンドへ引き継ぐ
- 線属性(線色・線種)の設定 — ハッチの書込線色・線種を切り替える
- 2線・3線ハッチ — 線間隔を持つハッチ
- 馬乗り目地ハッチ — レンガ調の目地パターン
- 図形ハッチ — 自分で登録した図形でハッチ
- ソリッド(塗りつぶし) — 単色塗りつぶし
まとめ
- ハッチコマンドは「作図(2)」ツールバーの「ハッチ」(または「作図」→「ハッチ」)で起動し、コントロールバーで「1線」を選ぶと1線ハッチモードになる
- 1線ハッチの作業は 範囲指示 → 角度・ピッチ入力 → 実行 の3ステップ。範囲は左クリック(1本ずつ)か右クリック(連続線一括)で指示する
- 左クリック選択時は、最初に波形表示になった線をもう一度クリックしないと範囲が閉じない。範囲が閉じるとコントロールバーに「実行」ボタンが現れる
- ハッチは現在の書込線色・線種で作図される。コンクリート断面・木材・タイルなど用途別に角度(30〜90度)とピッチ(2〜20mm)を使い分ける
- 隣接する図形のハッチを揃えたい場合は「基点変」で開始基点を共通化する。タイル目地や床仕上げの連続表現で必須
- 2線・3線・馬乗り目地・図形ハッチ・ソリッドはそれぞれ専用記事で解説する