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文字種・フォント運用ルール(縦書き・特殊文字含む)
このページでできるようになること
Jw_cadで図面に文字を入れるときに前提となる 「フォント」と「文字種」の2軸の仕組み を理解し、建築実務でブレない運用を組み立てられるようになります。具体的には、Windows標準フォントの中からどれを採用すべきか(MS ゴシックを基本とする理由)、文字種1〜10にどんな用途を割り当てるか(社内テンプレートでの標準セット)、縦書き・斜め文字の正しい入力手順、面積記号「m²」や直径記号「φ」など建築図面でよく使う特殊文字の入力方法までを通しで身につけます。文字サイズの数値標準は 文字サイズの標準、文字コマンドの操作詳細は 文字コマンド ※準備中 に委譲し、この記事は 「フォントと文字種をどう選ぶか」 に集中します。
背景: Jw_cad の文字機能は 「フォント(書体)」と「文字種(サイズ・色のプリセット)」を別々に管理する設計 になっています。フォントは Windows にインストールされている任意のものを使え、文字種は番号1〜10の10種類のプリセット枠が用意されています。建築実務でブレを抑える鍵は、この2軸を「会社・事務所単位で標準化」して環境ファイル(jw_win.jwf)に固定しておくことです。
Jw_cad の文字機能の基本構造
フォントと文字種は独立した2軸
Jw_cad で「文字をどう見せるか」を決める要素は、大きく次の2軸に分かれます。混同すると設定の整理がしにくくなるため、最初に分けて理解しておきましょう。
| 軸 | 何を決めるか | 設定場所 |
|---|---|---|
| フォント(書体) | 書体そのもの(MS ゴシック / MS 明朝 / Arial 等) | 文字コマンドのコントロールバー、または書込み文字種変更ダイアログ |
| 文字種(サイズプリセット) | 横幅・縦幅・間隔・色No.の組み合わせを番号1〜10にプリセット | 設定 → 基本設定 → 文字タブ |
背景: 機械系CADや一般のオフィスソフトとは違って、Jw_cad は 「文字サイズ」を直接入力する代わりに、文字種番号を選ぶ」 のが標準的な操作です。これは紙ベースで図面文字のサイズが「2.5 mm」「3.5 mm」「5 mm」のように標準化されてきた歴史と整合した設計で、文字種番号を選ぶだけで標準サイズが当たる仕組みになっています。
操作上のフォント指定経路
文字を作図するときにフォントを指定できる場所は次の3箇所あります。場面に応じて使い分けます。
| 経路 | 使う場面 | 範囲 |
|---|---|---|
| 文字コマンドの文字入力ウィンドウ内のフォント欄 | 都度切り替えたい時 | その文字単発 |
| 書込み文字種変更ダイアログのフォント欄 | 文字種ごとにフォントを固定したい時 | 文字種単位 |
| 寸法設定ダイアログのフォント欄 | 寸法値だけ別フォントにしたい時 | 寸法値全体 |
PERSCの推奨: 案件ごとにフォントを切り替えると図面の統一感が崩れます。会社・事務所のテンプレート段階で「日本語=MS ゴシック」「英数字=Arial(または MS ゴシック)」を固定 しておき、現場で都度変更する余地を最小化するのが運用の王道です。
フォントは図面に埋め込まれない(重要)
Jw_cad の図面ファイル(.jww)には フォント名(文字列)だけが記録され、フォントデータ本体は埋め込まれません。受け取った相手のPCに同じフォントがインストールされていない場合、Windows が代替フォントを自動選択して表示するため、文字幅・字形が変わって見えることがあります。
| 観点 | 挙動 |
|---|---|
| 同じフォントがあるPC | 元のとおりに表示 |
| 同じフォントがないPC | Windows が自動代替(フォント名は元のまま記録される) |
| PDF出力 | 仮想PDFプリンタの設定次第。フォント埋め込み有効ならPC不問 |
| DXF/SXF出力 | フォント名は記録されるが、受け側のCADでの解釈は別 |
要確認: PDF出力時のフォント埋め込み挙動・DXF/SXF書き出し時のフォント情報保持は実機検証フェーズで確認します。
PERSCの推奨: 図面授受の相手と 「Windows 標準で必ず入っているフォント」 を共有言語として使うのが最も安全です。具体的には MS ゴシック・MS 明朝・MS Pゴシック・MS P明朝・Arial・Times New Roman の6書体は Windows 10/11 すべての環境で入手可能なため、これらを軸に運用するとフォント置換事故をほぼゼロにできます。
フォント選定の実務標準
日本語フォントは MS ゴシックが事実上の標準
建築図面の日本語表記には、等幅のゴシック体 を採用するのが事実上の業界標準です。理由は次の3つです。
| # | 理由 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 等幅で位置合わせが楽 | 表題欄や凡例で文字を縦・横にきれいに揃えられる |
| 2 | 縮小印刷でも判読性が高い | 細い線で書かれた明朝体に比べ、ゴシック体は縮小しても潰れにくい |
| 3 | Windows 標準で全環境にある | MS ゴシックは Windows 10/11 すべてに標準搭載 |
| フォント候補 | 使い所 | 採用判断 |
|---|---|---|
| MS ゴシック ★標準 | 建築図面全般・表題欄・室名・寸法値 | 第1選択。等幅で位置合わせが効く |
| MS Pゴシック | 説明書きの長文・備考欄 | プロポーショナル幅。文書ライクな見え方 |
| MS 明朝 | 表題欄の社名ロゴ・特記事項の見出し | アクセント用途。本文には不向き |
| 游ゴシック / Meiryo UI | 提案資料・プレゼン用図面 | モダンな見え方。意匠系で採用例あり |
| HG ゴシック系 | 古いテンプレートで採用例 | Windows標準ではないため受け側に注意 |
背景: 建築図面の文化として「ゴシック=製図」「明朝=書類」という暗黙の住み分けがあります。表題欄や室名はゴシック、特記仕様書本文や竣工図の解説欄では明朝、というように 文字の役割で書体を選ぶ のが伝統的な運用です。新しいテンプレートを作る場合でもこの感覚は守っておくと、ベテラン世代の読み手にも違和感を与えません。
PERSCの推奨: 基本は MS ゴシック1択 で運用し、表題欄の社名ロゴだけ MS 明朝 を当てる、くらいの薄い使い分けに抑えるのが事故が少ないです。游ゴシックや Meiryo UI は提案図面・プレゼン用の限定運用にとどめ、社内提出用の確認申請図面には使わないのが安全です。
英数字フォントの考え方
英数字(寸法値・通り芯記号・図面番号)の見え方は、日本語と別系統で扱う場合があります。
| 採用パターン | 解説 | 実務での評価 |
|---|---|---|
| MS ゴシック単独 ★王道 | 日本語と同じMS ゴシックで英数字も書く | 最もシンプル。等幅で位置揃えが楽 |
| 日本語=MS ゴシック / 英数字=Arial | フォント混在。寸法値だけ Arial | 英数字の視認性が上がる。寸法設定タブで切替可能 |
| 日本語=MS ゴシック / 英数字=Times New Roman | 国際案件・図書一式の見え方を伝統的に揃えたい場合 | クラシカルな見え方。和洋折衷感は出る |
PERSCの推奨: 国内向け確認申請図面では MS ゴシック1本 で十分です。混在させると寸法設定とテキスト設定でフォントを別々に管理する手間が増え、設定漏れによる文字体ブレの原因になります。英数字を別フォントに分けるのは、施工会社・元請の指示がある場合に限定 するのが運用としてラクです。
等幅フォントとプロポーショナルフォントの使い分け
Jw_cad の文字種は 「全角文字の横幅」を mm で固定して管理する ため、原則として等幅フォントを前提に設計されています。プロポーショナルフォント(MS Pゴシック等)を使うと、文字によって幅が変わるため文字種で指定した横幅と実表示が合わなくなります。
| フォント分類 | 例 | Jw_cad での挙動 |
|---|---|---|
| 等幅フォント | MS ゴシック、MS 明朝、HG ゴシックE | 文字種で指定した横幅どおりに表示 |
| プロポーショナルフォント | MS Pゴシック、MS P明朝、Meiryo UI | 文字種の横幅指定が効きにくい |
注意: 表題欄や凡例のような 位置合わせが重要な箇所では等幅フォント を使います。プロポーショナルフォントは長文の備考欄など限定運用にとどめましょう。
文字種1〜10の運用設計
文字種とは何か
Jw_cad の 「文字種」 は、文字の 横幅・縦幅・間隔・色No. をワンセットでプリセット登録できる仕組みです。番号は1〜10まであり、書込み文字種変更ダイアログで番号を選ぶと、その文字種に登録された設定で文字を入力できます。
設定変更は 設定 → 基本設定 → 文字タブ で行い、画面上は次のような表形式で並びます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 横幅 | 全角文字の幅(mm) |
| 縦幅 | 全角・半角共通の高さ(mm) |
| 間隔 | 文字と文字の間(mm) |
| 色No. | 線色1〜8(色No.1〜8)または補助線色(色No.9) |
| 使用文字数 | そのファイルで使われている文字種番号ごとの文字数(参照のみ) |
背景: 文字種の番号は 「サイズ順に並べる」のがJw_cad文化の暗黙ルール です。たとえば 文字種1=最小サイズ(注釈用)→ 文字種10=最大サイズ(タイトル用)のように昇順で割り当てておくと、書込み文字種変更ダイアログで上から選びながら自然にサイズを切り替えられます。テンプレートを共有する相手も「番号が大きい=大きい文字」という共通認識で運用しやすくなります。
文字種1〜10の標準割り当て案(PERSC推奨)
PERSC編集部が建築実務のテンプレートとして推奨する文字種1〜10の割り当て例は次のとおりです。サイズ数値は11-5(文字サイズ標準)に委譲 し、ここでは「どの番号にどんな用途を当てるか」を示します。
| 文字種 | 主用途 | 想定サイズ感 | 色No. |
|---|---|---|---|
| 文字種1 | ハッチパターンの注記、極小注釈 | 極小(2 mm前後) | 補助線色(9) |
| 文字種2 | 寸法値(小縮尺の詳細図) | 小(2.5 mm前後) | 線色2 |
| 文字種3 | 寸法値(標準)・通り芯記号の英数字 | 中小(3 mm前後) | 線色2 |
| 文字種4 | 室名・部材寸法・凡例本文 | 中(3.5 mm前後) | 線色2 |
| 文字種5 | 部分タイトル・部材記号 | 中大(4.5 mm前後) | 線色4 |
| 文字種6 | 図面タイトル(小) | 大(5.5 mm前後) | 線色4 |
| 文字種7 | 図面タイトル(中) | 大(6.5 mm前後) | 線色5 |
| 文字種8 | 図面タイトル(大) | 大(8 mm前後) | 線色5 |
| 文字種9 | 表題欄の社名・物件名 | 特大(10 mm前後) | 線色6 |
| 文字種10 | 予備・特殊用途 | 任意 | 任意 |
PERSCの推奨: 文字種10は 「予備枠」 として空けておき、特殊な物件(マンション戸別図など)で社名ゴム印代わりの大文字が必要になった時に使えるようにします。10種すべて最初から埋めると、案件ごとの微調整余地がなくなります。
文字種を変更する操作経路
文字種の中身を変更する経路は2つあります。役割が違うので使い分けます。
| 経路 | 効果範囲 | 使い所 |
|---|---|---|
| 設定 → 基本設定 → 文字タブ | テンプレート全体の文字種定義を変更 | 環境ファイル(jw_win.jwf)に保存される |
| 文字コマンド → コントロールバー → 書込み文字種変更ダイアログ | その案件のファイル内のみ変更 | 案件単位の微調整 |
注意: 案件のファイル単位で文字種を変えると、テンプレートの基準値とズレます。ズレが分からなくなって他案件にコピペした際に文字サイズが揃わない事故が起きやすいので、「テンプレ変更=基本設定タブで一括」「案件単位の微調整=都度任意サイズ指定」 という棲み分けがおすすめです。
「既に作図されている文字のサイズも変更する」チェックボックス
文字タブ下部にある 「既に作図されている文字のサイズも変更する」 にチェックを入れて文字種の数値を変えると、既に図面上に書かれている文字も新しいサイズに 一括変更 されます。
| 用途 | チェック有無 |
|---|---|
| 案件途中で文字サイズ標準を変更したい | ON にして一括変更 |
| 新規入力分だけ新サイズにしたい | OFF(既存は任意サイズ扱いになる) |
Tips: 一括変更は便利ですが、案件途中で文字サイズが変わると 印刷時の見え方が前ページと後ページで変わる ので、原則として 案件着手時のテンプレ確定後は変更しない のが安全です。どうしても変更が必要なら、変更前後の図面を必ず印刷確認 しましょう。
縦書きの実務運用
縦書きにする操作
文字コマンドのコントロールバーには 「縦字」 と 「垂直」 の2つのチェックボックスがあり、組み合わせで縦書きの見え方が変わります。
| チェック | 見え方 |
|---|---|
| 「縦字」のみON | 文字並びは縦になるが、各文字は横に寝た状態 |
| 「縦字」+「垂直」両方ON | 文字並びが縦+各文字も縦に立つ(=正規の縦書き) |
| 「垂直」のみON | 横書きのまま90度回転(縦長配置) |
| どちらもOFF | 横書き |
PERSCの推奨: 縦書き表記をしたい場面では 「縦字」と「垂直」の両方にチェック が必須です。チェック1つだと文字が寝るか横書きが回転するだけで、いわゆる「縦書き」にはなりません。
建築図面で縦書きを使う場面
建築実務で縦書きを使う代表的な場面は限定的ですが、次のようなケースで採用します。
| 場面 | 採用理由 |
|---|---|
| 配置図・案内図の方位記号「北」 | 縦書きでないと方位マークと干渉する |
| 細長い表題欄の項目見出し(縦長レイアウト) | A1図面のとじ代側に縦表題欄を置く運用 |
| 立面図・断面図の高さ指示「FL」「GL」表記 | 鉛直方向に書くことで対応位置が分かりやすい |
| 通り芯記号の縦並び(Y軸方向) | 通り芯と並行して文字を立てる |
| 詳細図の細長スペースへの注記 | 横スペース不足の補助手段 |
縦書き時の半角英数字の扱い
Jw_cad の縦書きでは、半角英数字も縦に並ぶ のが基本挙動です。1文字ずつ縦に積まれる形になり、ワープロソフトでよくある「縦中横(半角英数字を90度回転して横向きに表示)」は標準では再現できません。
| パターン | 見え方 |
|---|---|
| 「3階」を縦書き | 「3」「階」が縦に並ぶ |
| 「FL+1500」を縦書き | 「F」「L」「+」「1」「5」「0」「0」が1文字ずつ縦に並ぶ |
要確認: 縦書き時の半角英数字の自動回転挙動・濁点や長音記号の表示位置は実機で確認します。
Tips: 数値を含む表記を縦書きにするときは、全角数字に変換してから入力 すると見栄えがそろいます。「FL+1500」のように全角化することで、文字幅と縦書き並びの相性が良くなります。
特殊文字・建築図面で頻出する記号の入力
建築図面では、JIS漢字コードの範囲外にある記号や、上付き・下付きを含む表記が頻出します。Jw_cadは 制御文字 という独自記法でこれらを入力できる仕組みを持っています。
上付き・下付き・中付き
文字入力時に制御コードを混ぜると、特定の位置に文字を配置できます。
| 入力例 | 出力 | 用途 |
|---|---|---|
m^u2 | m²(mに上付きの2) | 面積(平方メートル) |
m^u3 | m³(mに上付きの3) | 体積(立方メートル) |
O^d2 | O₂(Oに下付きの2) | 化学記号・設備系 |
B^cY | BとYを中央位置で重ね | 重ね記号 |
背景: 「面積=m²」のような上付き・下付き表記は、Unicode の特殊文字(²、³ 等)でも入力できますが、Jw_cad の制御文字を使う方がフォント依存性が低く 、受け側のPCでフォントが違っても同じ位置に表示されます。建築図面の標準は制御文字方式です。
囲み文字・重ね文字(通り芯記号など)
通り芯記号「○A」「○B」のような囲み文字は、Jw_cadの制御文字で簡単に作れます。
| 入力例 | 出力 | 用途 |
|---|---|---|
□^w99 | □の中に99(半角2文字囲み) | 通り芯番号・部屋番号 |
○^oア | ○の中にア(全角囲み文字) | 通り芯記号・凡例マーク |
P^bL | PとLを重ね | 略号 |
PERSCの推奨: 通り芯記号は 「○+英字」のセットを文字種5〜6(中〜中大サイズ)で固定 すると、図面全体で見た目が統一できます。図形登録(登録図形 ※準備中)で通り芯記号セットを部品化しておくと、毎回入力する手間も省けます。
直径記号「φ」・度記号「°」など
「φ」「°」「±」「℃」などの記号は、Windows の IME(日本語入力)の単語変換 で出すのが標準的です。
| 記号 | 入力方法 | 用途 |
|---|---|---|
| φ(直径) | 「ふぁい」または「まる」で変換 | 配筋φ13 等 |
| °(度) | 「ど」で変換 | 角度・温度 |
| ±(プラスマイナス) | 「ぷらすまいなす」で変換 | 寸法公差 |
| ℃(摂氏) | 「せっし」で変換 | 設備系 |
| R(半径) | 全角R + 数値 | アール寸法 |
| ※(米印) | 「こめ」「ほし」で変換 | 注記マーカー |
| ㎡(平方メートル) | 「へいべい」または m^u2 | 面積(記号と制御文字の2方式) |
注意: 「㎡」「㎥」を 全角の囲み記号 で入力した場合と、
m^u2の制御文字 で入力した場合で見た目がやや違います。社内テンプレで どちらを正規方式にするか統一 しておくと、図面全体の見栄えがそろいます。PERSC編集部のおすすめは 制御文字方式(m^u2) です。フォント環境が変わっても見え方が崩れません。
ファイル名・日付の埋め込み文字
Jw_cadには「印刷時にファイル名や保存日時を自動展開する」特殊な埋め込み文字があります。表題欄の自動化に使えます。
| 入力 | 印刷時の出力 | 用途 |
|---|---|---|
&f | ファイル名(拡張子なし) | 表題欄の図番欄 |
=J | ファイル保存日(「令和XX年XX月XX日」) | 表題欄の日付欄 |
%SS | 尺度 | 表題欄の縮尺欄 |
&Y | 元号年(「××」部分) | 図面日付 |
Tips: 表題欄に
&f=J%SSを入れておくと、ファイル名を変えるだけで図番・日付・縮尺が自動で表題欄に反映されます。ヒューマンエラーで日付の更新を忘れる事故を防げます。詳細は 表題欄の項目と配置ルール で扱います。
背景: 埋め込み文字は 1つの文字列につき1つだけ有効 です。同じテキストボックスに
&fと=Jを両方入れると無効化されるため、文字を 別々のテキストとして配置 します。
書体を途中で切り替える制御文字
長い文字列の中で一部だけ太字や別フォントにしたい場合、次の制御文字を使います。
| 制御文字 | 効果 |
|---|---|
^! | 太字に切替 |
^/ | イタリック(斜体)に切替 |
^_ | アンダーライン |
^¥ | フォントを「MSゴシック」に切替 |
^& | フォントを元に戻す |
^# | 標準書体に戻す(色は維持) |
^% | 制御文字による変更を全部戻す |
^* | 制御文字を無効化(文字列にそのまま「^!」を表示したいとき) |
^^ | 無効化を解除 |
要確認: 上記制御文字の最新版での有効性は実機で確認します。
寸法値のフォント運用
寸法値は 寸法設定ダイアログ で文字種・フォントを別管理する設計になっており、本文(文字コマンド)の設定とは独立しています。
| 項目 | 設定場所 | デフォルト |
|---|---|---|
| 寸法値の文字種 | 設定 → 寸法設定 → 「文字種類」 | 文字種3 が一般的 |
| 寸法値のフォント | 設定 → 寸法設定 → 「フォント」 | MS ゴシック |
| 斜体・太字 | 設定 → 寸法設定 → チェックボックス | OFF |
| 寸法線の線色 | 設定 → 寸法設定 → 「寸法線色」 | 線色2 など |
PERSCの推奨: 寸法値のフォントは 本文と同じ MS ゴシック に揃えるのが標準。寸法設定で別フォントを指定すると、本文の文字と寸法値で書体が違って見え、図面の統一感が崩れます。寸法値のフォントは本文と一致 が王道です。
背景: 寸法設定タブが本文の文字設定と独立しているのは、「英数字主体の寸法値だけ別フォントにしたい」というニーズへの対応 です。海外案件で寸法値だけ Arial を当てるような運用ができますが、国内図面では同一フォントが一般的です。
環境ファイル(jw_win.jwf)への保存
文字種1〜10の定義・寸法設定・基本設定でのフォント設定は、すべて 環境ファイル(jw_win.jwf) に保存されます。C:\JWW\jw_win.jwf にあるこのファイルを管理することで、PC間・案件間で設定を統一できます。
| 設定項目 | 保存先 |
|---|---|
| 基本設定 → 文字タブ(文字種1〜10) | jw_win.jwf |
| 寸法設定(フォント・文字種) | jw_win.jwf |
| 文字コマンドのデフォルトフォント | jw_win.jwf(前回終了時の状態を保存) |
PERSCの推奨: 設計事務所単位で 「フォント・文字種を確定済みの jw_win.jwf」 をマスター環境ファイルとして管理し、新人入社時・PC新規セットアップ時に配布する運用を推奨します。新規案件では そのマスターを案件フォルダにコピーして読み込む ことで、案件ごとのブレを防げます。詳細は 環境ファイル(jw_win.jwf)の使い方 ※準備中 で扱います。
実務での使い方 ★PERSC独自
新人設計者がまず押さえる「フォント1×文字種5」運用
PERSC編集部が建築実務の新人教育で推奨しているのは、「フォント1種類 × 文字種5パターン」 に絞った運用です。最初から10パターン全部覚えようとすると挫折するため、よく使う5パターンだけ反射で出せるようにすると業務速度が格段に上がります。
| よく使う文字種 | 用途 | 入力頻度 |
|---|---|---|
| 文字種3(小) | 寸法値・通り芯記号 | 案件で1日100回以上 |
| 文字種4(中) | 室名・部材寸法・凡例本文 | 案件で1日30〜50回 |
| 文字種5(中大) | 部分タイトル・部材記号 | 案件で1日10〜20回 |
| 文字種7(大) | 図面タイトル | 1図面に1〜数回 |
| 文字種9(特大) | 表題欄の社名・物件名 | テンプレに固定済み |
フォントは MS ゴシック1択 で固定、上記5パターンの番号と用途を体に染み込ませると、文字入力に迷う時間がなくなります。
確認申請図面 vs 提案図面でフォント運用を変えるパターン
設計事務所で複数種類の図面を扱う場合、フォントの使い分けを 「対外提出物」と「内部資料」 で2段階に分けるのが現場でよく見るパターンです。
| 図面種別 | フォント運用 | 理由 |
|---|---|---|
| 確認申請図面・実施設計図面 | MS ゴシック1択。装飾なし | 行政・施工者の見慣れた様式に合わせる |
| プレゼン用提案図面 | 游ゴシック / Meiryo UI / オリジナル書体OK | クライアントへの見栄え重視 |
| 打合せ用検討図 | MS ゴシック(手早く出せれば何でも) | 内容のスピードが優先 |
| 竣工図 | 確認申請と同じ MS ゴシック | 後年の引き渡し資料として |
PERSCの推奨: プレゼン図面で凝ったフォントを使う場合でも、確認申請に出す版では MS ゴシックに置き換える 二段階運用がおすすめです。同じ案件のフォルダ内に「presentation 用」「kakunin 用」のサブフォルダを切って、テンプレを2つ持つだけで両立できます。
DXF/SXFでの図面授受時のフォント注意
外部とDXFやSXFで図面をやり取りする場合、フォント情報がそのまま伝わる保証はありません。受け側のCADソフトの仕様で別フォントに自動置換されることが多く、文字の幅・位置がずれて見えるトラブルが頻発します。
| 観点 | 想定リスク |
|---|---|
| 受け側がAutoCAD系 | 自動置換でフォント幅が変わり、表題欄の位置がズレる |
| 受け側が古いCAD | 制御文字(^u 等)が解釈されず生のテキストとして表示 |
| 受け側がMac環境 | Windows標準フォントがないためすべて代替 |
| 縦書き設定 | DXF/SXF仕様に縦書きフラグの厳密な互換性なし |
注意: DXF/SXF授受の前後では 必ずPDFも併せて送付 するのが事故防止の王道です。PDFは仮想プリンタの設定でフォントを埋め込めば見え方が固定できます。詳しくは DXF・SXFの読み書き ※準備中 を参照。
元請・発注者からの「フォント指定」への対応
公共工事や大手元請とのプロジェクトでは、図面のフォントを指定されることがあります。代表的な指定パターンと対応を整理します。
| 指定パターン | 対応 |
|---|---|
| 「MS ゴシック必須」 | デフォルト運用のままでOK |
| 「JIS第1水準漢字のみ使用」 | 環境依存文字(①②③、㎡など)を制御文字方式に置換 |
| 「特定の社内フォント」 | フォントファイル提供を依頼。受領後にWindows にインストール |
| 「縦書き禁止」 | テンプレートから縦書きパターンを削除 |
背景: 元請がフォントを指定する背景には、社内の品質管理基準・印刷業者との互換性・社内テンプレートの統一 などの事情があります。指定の理由を聞くと案件全体の作法が見えるので、新人時代に1〜2回は理由を聞いて運用に取り入れると良い経験になります。
フォントを変更したくなった時の判断軸
「もっと今風のフォントを使いたい」と思ったときに考えるべき判断軸を3つ整理しておきます。
| # | 判断軸 | 質問 |
|---|---|---|
| 1 | 受け手は誰か | 行政提出か内部資料か。MSゴシック慣れの世代相手か |
| 2 | テンプレ整備コスト | フォント変更で文字種1〜10の幅が変わる。再調整コストに見合うか |
| 3 | 受け側PCの環境 | 受け側に同じフォントが入っているか |
3つすべてYESに揃わない限り、フォント変更は見送り が安全な判断です。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 入力した「m²」が「m2」と平文で表示される
→ Jw_cad のフォントによっては、Unicode の㎡(U+33A1)や²(U+00B2)が 代替フォントで表示 されない場合があります。m^u2 の制御文字方式 で入力するのが最も安全です。詳細はこの記事の「特殊文字・建築図面で頻出する記号の入力」を参照。
Q: 縦書きにしたら文字が寝てしまった
→ コントロールバーの 「縦字」と「垂直」の両方にチェック を入れる必要があります。「縦字」だけだと文字が寝た状態で縦に並びます。この記事の「縦書きの実務運用」を参照。
Q: フォントを変更したのに反映されない
→ 書込み文字種変更ダイアログのフォント欄 で変更しても、その案件のファイルでのみ有効です。テンプレ全体を変更するなら 設定 → 基本設定 → 文字タブ で変更し、jw_win.jwf を更新してください。
Q: 取引先からもらったJWWファイルを開いたら文字が崩れて見える
→ そのファイルが指定しているフォントが、自分のPCに入っていない可能性があります。Windows が代替フォントを当てているため幅・字形がずれます。送り元に「使用フォント」を確認 し、必要なら同じフォントをインストールしましょう。最も多い原因は HG ゴシック系・社内独自フォントです。
Q: 表題欄の &f がそのまま「&f」と表示される(印刷時もファイル名にならない)
→ 基本設定 → 一般(2) の 「プリンタ出力時の埋め込み文字(ファイル名・出力日時)を画面にも変換表示する」 にチェックを入れると、画面でも展開された値が見えます。チェックなしでも印刷時は正しく展開されますが、設定漏れがないか印刷プレビューで確認しましょう。
Q: 同じ図面内で文字種3のサイズが場所によって違う
→ 案件途中で 文字タブの文字種3の数値を変更した か、文字コマンドのコントロールバーで「任意サイズ」指定して入力した 文字が混在している可能性があります。基本設定 → 文字タブで「既に作図されている文字のサイズも変更する」にチェックして数値を再設定すると一括で揃います。
Q: 縦書きにすると半角英数字が1文字ずつバラバラに縦並びする
→ Jw_cad の縦書きは 縦中横(半角を90度回転)に標準では対応していません。「FL+1500」のような表記を縦書きにする場合、全角に変換(FL+1500) すると見栄えが揃います。
Q: PDFで配布したら受け側で文字が違って見える
→ PDF出力時の 仮想プリンタの「フォント埋め込み」設定 がOFFになっている可能性があります。Adobe PDF・CubePDF・Microsoft Print to PDF などの設定を見直し、「すべてのフォントを埋め込む」 を有効にすると解消します。
Q: 文字種を10種類すべて使い切っているが新たに追加したい
→ Jw_cadの文字種は 10種類で固定 です。これを超える場合は コントロールバー「任意サイズ」 で都度サイズを指定するか、近い文字種に集約する運用を検討してください。10種類以内で運用が回っていない場合は、ルールが細かすぎる可能性 が高いので、まず標準割り当ての見直しをおすすめします。
Q: 既存のテンプレで使われている特殊フォントがWindowsに入っていない
→ 同じ事務所・社内であれば、フォントファイル(.ttf / .otf)を貰って Windows にインストール することで解決します。フォントの再配布権限がある場合に限るので、ベンダーフォント(モリサワ・フォントワークス等)の場合はライセンスの確認が必要です。
Q: 縦書き表記の濁点・半濁点が変な位置に出る
→ Jw_cad の縦書きは 濁点・半濁点・小書き文字(っ・ょ等)の表示位置の処理がワープロソフトほど洗練されていません。気になる場合は 横書き+90度回転 で対応するか、全角の特殊文字(゛゜) を使う運用も検討してください。
関連項目
- JIS A 0150(建築製図通則)の全体像 — 文字に関するJIS規定の出典
- 文字サイズの標準 — 文字種1〜10の具体的サイズ数値
- 線色運用の標準 — 文字に当てる色No.の選び方
- 線種の使い分け — 線種別の用途
- 印刷時の線太さ標準 — 線色と印刷太さ
- 図面枠の規格 — 文字を配置する図面枠の様式
- 表題欄の項目と配置ルール — 表題欄の文字運用
- 文字コマンド ※準備中 — 文字入力の基本操作
- 基本設定 文字タブ — 文字種1〜10の数値設定
- 寸法設定ダイアログ ※準備中 — 寸法値のフォント・文字種
- DXF・SXFの読み書き ※準備中 — 図面授受時のフォント置換
- 環境ファイル(jw_win.jwf)の使い方 ※準備中 — テンプレートの管理
まとめ
- Jw_cadの文字機能は 「フォント(書体)」と「文字種(サイズプリセット)」の独立2軸構成
- 日本語フォントは MS ゴシック が事実上の標準。Windows標準で全環境にあり、等幅で位置合わせが効く
- 文字種1〜10は 小→大の番号順 で社内テンプレに割り当てるのがJw_cad文化の暗黙ルール
- 縦書きは 「縦字」+「垂直」両方ON が必須。半角英数字は1文字ずつ縦並びになるため全角化が便利
- 上付き・下付き・囲み文字は 制御文字(^u / ^d / ^o / ^w 等) を使うとフォント依存性が低い
- 「m²」「φ」「℃」など建築頻出記号は 制御文字方式 で入力すると見え方が安定
- フォントは JWWファイルに埋め込まれない 。受け手と「Windows標準フォント」を共有言語にするのが事故ゼロの王道
- 寸法値のフォントは本文と独立管理。本文と同じMS ゴシックに揃える のが国内標準
- 設定は 環境ファイル(jw_win.jwf) に保存。事務所マスターとして共有運用がおすすめ