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累進寸法
このコマンドでできること
Jw_cadの累進寸法は、ひとつの基点(0点)からそれぞれの点までの距離を、同じ寸法線上にまとめて書き込む寸法のかき方です。たとえば建物の左端の通り芯(建物の柱位置を示す基準線)を基点にして、X1からX2までは2,730mm、X1からX3までは6,370mm、X1からX4までは10,000mm……と、すべての寸法を同じ起点から測った値で並べていけます。直線寸法で作図する区間ごとの寸法(X1〜X2の2,730、X2〜X3の3,640、……)と組み合わせて使うと、施工現場で寸法を拾いやすい図面になります。
背景: 累進寸法は「累寸(るいすん)」とも呼ばれます。1点を基準にしてそこからの距離を並べていく書き方は、建築の通り芯寸法・基礎の床高さ・道路の測量図のベンチマークなど、基準点を見ればすべての位置関係が読み取れる図面に向いています。直線寸法(区間寸法)と累進寸法を上下2段で並べる書き方は、住宅実施設計図の標準スタイルです。
要確認: コントロールバーのボタン表記が「累進」か「累寸」かは実機で確認します。サイトによって表記揺れがあります。
起動方法
累進寸法は、寸法コマンドのコントロールバー内に「累進」ボタンとして用意されている寸法コマンドのモードのひとつです。寸法コマンド本体の起動方法は 直線寸法の基本(引出線・寸法線・始点終点) で解説しているので、ここでは累進モードへの切替手順だけを示します。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| コントロールバー ★これだけ | 寸法コマンド起動中に、コントロールバーの「累進」ボタンを左クリック |
「累進」ボタンを押すと、コントロールバーの寸法モードが累進寸法用に切り替わります。直線寸法・半径・直径・円周・角度・寸法値などの他モードからも、いつでも「累進」ボタンで切り替えられます。
画像準備中 — 寸法コマンドのコントロールバー上の「累進」ボタンの位置
画像準備中 — 「累進」ボタンを押す前と押した後のコントロールバー比較
PERSCの推奨: 累進寸法を使う場面は決まっています(基点からの距離をまとめて書きたいとき)。普段の寸法記入は直線寸法で進め、累進が必要な箇所だけ「累進」ボタンに切り替えるのがスムーズです。
累進寸法の作図サマリー(全6ステップ)
累進寸法は、直線寸法と同じく4点指示で1本目を作図してから、続けて各点を右クリックで指示するだけで連続作図できます。手順全体を先にサマリーで把握してから詳細に進みましょう。
| # | 操作 | 指示する点の意味 |
|---|---|---|
| 1 | 寸法コマンドを起動 → 「累進」ボタンをクリック | 累進モードに切替 |
| 2 | コントロールバーで「水平/垂直」モードと引出線位置タイプを確認 | 「0°/90°」と「=/=(1)/=(2)/ー」 |
| 3 | 引出線の開始位置を左クリックまたは右クリック | 引出線がどこから出るか |
| 4 | 寸法線の位置を左クリック | 寸法値を載せる線の高さ/オフセット |
| 5 | 基点(0点)を右クリックで指示 | これからのすべての寸法の起点 |
| 6 | 寸法を測りたい各点を順に右クリックで指示 | 基点からの距離が次々に書き込まれる |
直線寸法との違いは、手順5で指示した1点を「基点」として固定し、以降の手順6では何点を指示しても全て基点からの距離が書き込まれる点です。直線寸法は「前の終点=次の始点」になりますが、累進寸法は「最初の基点」がずっと始点として残り続けます。
基本操作: 累進寸法を書き込む
それでは実際に、複数の通り芯(X1〜X4)が並んだ図面に、X1を基点とする累進寸法を書き込んでみます。
手順1: 寸法コマンドを起動 → 「累進」ボタンをクリック
左側「作図(1)」ツールバーの「寸法」ボタンを左クリックして寸法コマンドを起動します。コントロールバーが寸法用の表示に切り替わったら、「累進」ボタンを左クリックします。
画像準備中 — 「寸法」コマンド起動 →「累進」ボタンをクリックする一連の操作
手順2: 水平/垂直モードと引出線位置タイプを確認
コントロールバーの「0°/90°」ボタンで水平(0度)か垂直(90度)かを切り替えます。通り芯間距離を建物上部に書く場合は0度(水平)で進めます。
引出線位置タイプ(「=/=(1)/=(2)/ー」)も、必要に応じてこの段階で切り替えておきます。詳しくは 直線寸法の基本(引出線・寸法線・始点終点) の「引出線位置の設定」を参照。
要確認: 累進モードでも引出線位置タイプ(=/=(1)/=(2)/ー)が有効か、累進専用の挙動になるかは実機で確認します。
手順3: 引出線の開始位置を指示
寸法を測る対象の片端付近で左クリックまたは右クリックします。これが引出線の開始位置になります。通常は基準にしたい通り芯の交点を右クリックで指示します。
画像準備中 — 引出線開始位置の指示
手順4: 寸法線の位置を指示
マウスを動かすと寸法線の予定位置を示す仮表示が追従します。寸法値を配置したい高さ/オフセット位置で左クリックします。
Tips: 累進寸法は、直線寸法(区間寸法)と上下2段に並べて書くことが多いため、寸法線位置は直線寸法の寸法線よりさらに外側に取るのが一般的です。建築図面では、内側に区間寸法、外側に累進寸法という配置が定番です。
画像準備中 — 寸法線位置の指示
手順5: 基点(0点)を右クリック
ここからが累進寸法の本番です。**最初の右クリックが「基点(0点)」**として記録されます。これからの全ての寸法はこの点からの距離として書き込まれます。
通り芯X1の交点で右クリックします。基点位置に**小さな円(基点円)**が描かれ、寸法値「0」または基準を示す印が配置されます(基点円の有無と半径は寸法設定で調整可能。詳しくは「基点円の設定」節を参照)。
画像準備中 — 基点(X1)を右クリックして基点円が描かれた状態
要確認: 基点位置に「0」という寸法値が書き込まれるか、寸法値は省略されて円だけが描かれるかは実機で確認します。
注意: 基点は1回だけ指示します。手順5で指示した点が、これからの全寸法の起点として固定されます。途中で基点を変えたい場合は、いったん「リセット」してやり直します。
手順6: 各点を順に右クリック
基点を指示したら、続いて寸法を測りたい点を右クリックで順に指示していきます。1点指示するごとに、基点からその点までの距離が同じ寸法線上に追加で書き込まれます。
- X2の交点を右クリック → 基点(X1)からX2までの距離(例: 2,730)が書き込まれる
- X3の交点を右クリック → 基点(X1)からX3までの距離(例: 6,370)が書き込まれる
- X4の交点を右クリック → 基点(X1)からX4までの距離(例: 10,000)が書き込まれる
画像準備中 — X2・X3・X4と順に右クリックして累進寸法が並んだ完成状態
背景: 直線寸法(区間寸法)モードでは「前の終点=次の始点」のリレー方式で連続寸法を書きますが、累進寸法は「最初の基点」がずっと固定されている点が違います。施工時には「基点(X1)から測ればすべての位置が確定する」というメッセージを図面で伝えられるのが累進寸法の強みです。
要確認: 累進連続作図中に左クリックで点を指示した場合の挙動(基点が切り替わるか、左クリック自体が無効か)は実機で確認します。
連続作図の終了と次の累進寸法の作図
ある寸法線上での累進寸法を書き終えて、別の寸法線位置で新しい累進寸法(基点も新しく取り直し)を書きたいときは、コントロールバーの「リセット」ボタンをクリックします。
リセットを押すと、現在の寸法線位置と基点が解除され、次のクリックから新しい引出線開始位置の指示(手順3)に戻ります。これにより、たとえば「水平方向の累進寸法を1本書き終えたら、リセットして垂直方向の累進寸法を別の寸法線で書き始める」といった使い方ができます。
画像準備中 — 「リセット」ボタンの位置と、リセット後に新しい寸法線位置を指示する様子
要確認: 「リセット」を押したあと、累進モード自体は維持されるか、それとも直線寸法モードに戻るかは実機で確認します。
累進モードを終了して直線寸法に戻す
累進寸法の入力をやめて、通常の直線寸法(区間寸法)に戻したいときは、コントロールバーの「累進」ボタンをもう一度クリックして累進モードを解除します。または半径・直径・角度などの別モードのボタンを押せば、そちらのモードに切り替わります。
要確認: 「累進」ボタンを再度クリックしたときに直線寸法モードに戻る挙動かは実機で確認します。「累進」ボタンが押下中/非押下のトグル表示になるかも合わせて確認します。
基点円の設定(累進寸法の見た目を整える)
累進寸法の特徴のひとつが、基点位置に描かれる基点円です。基点円は「ここがすべての寸法の起点(0点)です」という印で、施工現場で図面を読むときに「どこから測ればよいか」が一目で分かるようになります。
基点円の有無と半径は、寸法設定ダイアログから変更できます。
設定ダイアログを開く
コントロールバーの「設定」ボタン(または メニューバー「設定」→「寸法設定」)で寸法設定ダイアログを開きます。ダイアログの下半分(2ページ目)に累進寸法専用の設定項目があります。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 基点円 | チェックを入れると、基点位置に円を描く。チェックを外すと点だけ |
| 円半径 | 基点円の半径を指定(mm単位) |
| 文字高位置中心 | チェックを入れると寸法値が引出線の中央に揃う(外すと引出線の上に乗る) |
画像準備中 — 寸法設定ダイアログの累進寸法エリア
画像準備中 — 基点円あり/なしの比較、円半径を変えたときの見た目の違い
PERSCの推奨: 建築図面では「基点円あり・半径1〜1.5mm(紙上の見え寸法)」が定番です。基点円が小さすぎると印刷時に潰れますし、大きすぎると寸法線とぶつかってうるさくなります。図面の縮尺と印刷サイズに合わせて調整しましょう。
「文字高位置中心」の使いどころ
「文字高位置中心」をチェックすると、累進寸法の数値が引出線の中央高さに揃います。チェックを外すと、寸法値が引出線の上側に乗る配置になります。
| チェック | 寸法値の配置 |
|---|---|
| なし(既定) | 引出線の上に寸法値が乗る配置 |
| あり | 引出線の中央高さに寸法値が乗る配置 |
背景: 累進寸法は引出線が長くなりがち(基点から離れた点ほど引出線が伸びる)なので、寸法値を中央に置くと図面が整って見えるという考え方があります。会社や図面様式の流派によって好みが分かれる項目で、「文字高位置中心」を使う事務所と使わない事務所が両方あります。詳しくは 寸法設定(矢印・文字位置・単位・引出線) を参照。
累進寸法と一括処理の併用
累進寸法は、寸法の一括処理 と組み合わせると、同一線上に並ぶ複数の端点に対して、基点からの累進寸法をまとめて書き込むことができます。
操作の流れ:
- 寸法コマンドを起動
- コントロールバーで「累進」ボタンをクリック(累進モードON)
- 続けて「一括処理」ボタンをクリック
- 一括処理する始線・終線の指示と基点指示を行う
- 「実行」ボタンで累進寸法が一括作図される
通り芯の本数が多いとき(X1〜X10など)に、1本ずつ右クリックで拾うのではなく、X方向の通り芯全体をまとめて拾って累進寸法を一気に並べるといった使い方ができます。
要確認: 累進モードONの状態で「一括処理」を押したときに、本当に基点からの累進寸法として一括作図されるかは実機で確認します。
画像準備中 — 累進+一括処理の操作画面
詳しくは 寸法の一括処理 を参照。
累進寸法と直線寸法の使い分け
実務では、同じ図面の中で直線寸法(区間寸法)と累進寸法を併用するのが一般的です。両者の違いと使い分けを表で整理します。
| 項目 | 直線寸法(区間寸法) | 累進寸法(累寸) |
|---|---|---|
| 何を測るか | 隣り合う2点間の距離 | 基点(0点)から各点までの距離 |
| 始点の扱い | 連続作図時は前の終点が次の始点になる | 最初の基点が固定。以降の点はすべて基点起点 |
| 1点目の右クリック後の動き | 始点として記録 | 基点(0点)として記録され基点円が描かれる |
| 寸法値の例 | 2730 / 3640 / 3640 / 2730(区間ごと) | 0 / 2730 / 6370 / 10000 / 12730(累積) |
| 主な使いどころ | 区間ごとの寸法(建具開口幅・部屋寸法・梁スパン) | 基点からの位置確定(通り芯位置・基礎高さ・道路ベンチマーク) |
| 図面上の配置 | 多くは内側の寸法線 | 多くは外側の寸法線(直線寸法より外側) |
Tips: 住宅平面図では、図面の上下左右の寸法線を「内側=直線寸法(区間)/外側=累進寸法(基点からの距離)」で2段並列にするのが定番スタイルです。施工者は内側を見れば壁・建具1個ずつの寸法が、外側を見れば建物の左端からの位置がそれぞれ分かります。
画像準備中 — 直線寸法(内側)と累進寸法(外側)を2段並列で配置した図面例
コントロールバーの設定項目(累進モード時)
累進モードでも、寸法コマンドのコントロールバーの主要項目は直線寸法時と共通です。累進固有の挙動になる項目だけを抜粋します。
| 項目 | 累進モードでの挙動 |
|---|---|
| 傾き | 累進寸法の寸法線の角度を指定(0度/90度/任意角度) |
| 0°/90° | 0度⇔90度をワンクリック切替 |
| =/=(1)/=(2)/ー | 引出線位置タイプ。直線寸法と同じ挙動(要実機確認) |
| リセット | 寸法線位置と基点を解除して引出線開始位置の指示前に戻す |
| 累進 | 累進モードのON/OFF切替 |
| 一括処理 | 累進ONのまま「一括処理」を押すと、基点からの累進寸法を一括作図 |
| 小数桁 | 寸法値の小数点以下0〜3桁を切替 |
| 端部 | 寸法線端部の矢印・点・斜線等を切替 |
| 設定 | 寸法設定ダイアログを開く(基点円・文字高位置中心の設定もここ) |
詳しくは各記事を参照: 直線寸法の基本 / 寸法設定(矢印・文字位置・単位・引出線) / 寸法の一括処理。
実務での使い方 ★PERSC独自
通り芯間累進寸法(建築平面図の最重要寸法)
住宅平面図の上側または下側に、通り芯間の累進寸法を1本載せます。X1を基点(0点)として、X2、X3……の交点を順に右クリックすると、X1からの距離がすべて1本の寸法線上に並びます。
実務での標準ワークフロー:
- 寸法コマンドを起動 → 「累進」ボタンをクリック
- 「0°/90°」で水平に設定、引出線位置タイプは「=(2)」(直線寸法より外側にオフセット)
- X1の交点を右クリック → 引出線開始位置になる
- 寸法線位置を左クリック(直線寸法の寸法線よりさらに外側)
- X1の交点を右クリックで基点(0点)を指示
- X2 → X3 → X4 → X5……と右クリックで累進寸法を連続作図
これで「基点X1から各通り芯までの累積距離」が1本の寸法線にまとまります。直線寸法(区間寸法)とセットで上下2段に並べると、施工現場では基点からの位置確定が容易になります。
建具寸法の累進記入
建具(ドア・窓)の開口寸法を、図面の左端を基点として累進で書く方法もあります。「左端から1820の位置に幅720mmの引違い窓、左端から3640の位置に幅1690mmの掃出し窓」というように、開口位置を基点からの累積距離で指定する書き方です。
特にプレカットや建具発注で、左端からの距離で位置指定する方式の現場では、累進寸法での建具位置記入が施工ミスを減らします。
床高さ・天井高の累進寸法(断面図)
断面図や矩計図(かなばかりず)では、**1階FL(床仕上げレベル)を基点(0点)**として、構造体・仕上げ・建具枠・天井の高さをすべて1FL基点の累進寸法で並べる書き方が標準です。
例:
- 1FL = 0(基点)
- 1階窓下端 = 800
- 1階窓上端 = 2,800
- 1階天井 = 2,400
- 2階FL = 2,950
- 2階窓下端 = 3,750
- 軒高 = 5,950
この書き方だと、施工時に「1FLから測れば全ての高さが確定する」という明確な基準が立ちます。垂直方向の累進寸法を断面図の左側または右側に1本配置するのが定番です。
屋根勾配・斜め部材の累進寸法
斜め屋根や勾配のある部材に沿って累進寸法を書きたいときは、コントロールバーの「傾き」テキストボックスに屋根勾配の角度を入力してから累進寸法を作図します。たとえば4寸勾配(約21.8度)なら「傾き」に「21.8」と入れて累進寸法を打つと、勾配に沿った累進寸法が作図できます。
棟までの距離を勾配方向で測る・軒先からの距離を累進で並べる、といった屋根伏図の寸法記入で活躍します。
道路測量・外構図のベンチマーク累進
外構図や敷地図では、敷地の角または既知点(ベンチマーク)を基点として累進寸法を並べる書き方が標準です。境界杭の位置・建物の配置寸法・植栽位置をすべてベンチマークからの累進距離で記入することで、現場での位置出しがスムーズになります。
道路図では、道路の起点(ベンチマーク)から信号・カーブ・橋・橋脚位置までの距離をすべて累進寸法で記入する例も多く、累進寸法の本来の使い道に近い使い方です。
累進寸法の段取り
実務で累進寸法を使う前に、寸法設定で次の項目を整えておくとスムーズに進められます。
- 「基点円」をチェックON、「円半径」を1〜1.5mm程度(紙上の見え寸法)
- 「文字高位置中心」は事務所の流派に合わせて設定
- 「指示点からの引出線位置 指定[=(2)]」のオフセット量を直線寸法より外側に取るように調整
これらを最初に固めておくと、累進寸法を打つたびに見え方が揃って図面の整合感が出ます。詳しくは 寸法設定(矢印・文字位置・単位・引出線) を参照。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「累進」ボタンを押したのに、書き方が直線寸法と変わらない
→ 累進モードに切り替わっていても、最初の手順(引出線位置→寸法線位置)は直線寸法と同じです。違いが出るのは手順5の基点指示と手順6の連続点指示からです。基点指示時に基点円が描かれるかを目視で確認してください。基点円が描かれない場合は、寸法設定の「基点円」のチェックが外れている可能性があります。
Q: 基点位置に円が描かれない
→ 寸法設定ダイアログ(コントロールバー「設定」ボタン)の2ページ目にある「累進寸法 > 基点円」のチェックボックスがOFFになっていないか確認してください。チェックを入れれば基点円が描かれるようになります。詳しくは 寸法設定 を参照。
Q: 基点を別の点に変えたい
→ 累進寸法は最初の基点が固定されるため、途中で基点を変える操作はありません。基点を変えたいときは、コントロールバーの「リセット」ボタンを押して寸法線位置と基点を解除し、新しい引出線開始位置の指示からやり直してください。
Q: 累進寸法を打ったら寸法値がすべて区間ごとの距離になってしまう(累積になっていない)
→ 「累進」ボタンが押されていない可能性があります。コントロールバー上の「累進」ボタンの状態(押下中の表示になっているか)を確認してください。直線寸法モードのままだと、連続寸法は「前の終点=次の始点」になり、累進寸法にはなりません。
Q: 累進寸法の連続中に間違って左クリックしてしまったら、累進が解除された
→ 累進連続作図中の左クリックは、点指示として無効になるか、または基点が切り替わる挙動になる可能性があります(実機検証で確定予定)。間違って左クリックしてしまったときは、Escキー(操作の巻き戻し)で1段階戻すか、リセットして最初の基点指示からやり直してください。
Q: 寸法値が引出線の上にあるのが好みじゃない(中央に揃えたい)
→ 寸法設定ダイアログの「累進寸法 > 文字高位置中心」のチェックを入れると、寸法値が引出線の中央高さに揃います。事務所や図面様式の好みに合わせて選んでください。詳しくは 寸法設定 を参照。
Q: 基点円が大きすぎる/小さすぎる
→ 寸法設定ダイアログの「累進寸法 > 円半径」の数値を調整してください。建築図面(A2〜A1サイズ・縮尺1/100程度)であれば、紙上で1〜1.5mm相当の半径が見やすい目安です。
Q: 累進寸法を打ち終わって、次は直線寸法に戻りたい
→ コントロールバーの「累進」ボタンをもう一度クリックすると累進モードが解除され、直線寸法に戻ります。または半径・直径・角度などの別モードのボタンを押せば、そちらのモードに切り替わります。詳しくは 直線寸法の基本(引出線・寸法線・始点終点) を参照。
Q: 累進寸法と直線寸法を同じ寸法線上に混在させたい
→ 同じ寸法線上に直線寸法と累進寸法を混ぜることはできません。寸法線2本(直線用と累進用)を上下に並べて配置するのが標準的な対応です。実務でも、内側に直線寸法(区間寸法)、外側に累進寸法を上下2段で並べる書き方が定番です。
Q: 寸法値「0」が基点に書かれない
→ 基点位置の寸法値(0表記)の有無は、Jw_cadのバージョンや寸法設定によって挙動が変わる可能性があります(実機検証で確定予定)。基点であることを示したい場合は、基点円のサイズを大きめに取るか、別途文字コマンドで「0」「BM」「±0」などの記号を補足記入する方法が確実です。
Q: 累進寸法を後から編集したい
→ 累進寸法も、書き込み済みの寸法は個別の線・文字として作図されています。寸法線・寸法値・基点円はそれぞれ独立した要素として、移動コマンドや属性変更コマンドで個別編集が可能です。寸法線の長さと数値を連動させたい場合は「寸法図形」化が必要です。詳しくは 寸法図形化 を参照。
関連項目
- 直線寸法の基本(引出線・寸法線・始点終点) - 寸法コマンドの基本操作・引出線位置タイプ・連続寸法
- 寸法設定(矢印・文字位置・単位・引出線) - 基点円・円半径・文字高位置中心の設定
- 読取点の操作(中心点・端点・交点) - 基点指示時の正確な点指示
- 円周寸法 - 円弧の円周長を作図
- 寸法値のみ作図 - 引出線・寸法線なしで数値だけ作図
- 寸法の一括処理 - 同一線上の複数寸法を一括(累進と併用可)
- 傾き角度を指定した寸法 ※準備中 - 任意角度の寸法線
- 角度寸法 ※準備中 - 角度寸法の作図
- 半径・直径寸法 ※準備中 - 円・円弧の寸法
- 長さ取得(実寸測定) ※準備中 - 累進寸法の前段で実寸を確認
- 寸法図形化 ※準備中 - 寸法線と寸法値を連動させる
- 文字サイズの製図規約 - 寸法値の文字サイズの考え方
まとめ
- 累進寸法は寸法コマンドのモードのひとつで、コントロールバーの「累進」ボタンで切り替える
- 基点(0点)を1点指示すると、それ以降に右クリックする全ての点が基点からの累積距離として同じ寸法線上に並ぶ
- 基点位置には基点円が描かれ、寸法設定ダイアログの「基点円」「円半径」「文字高位置中心」で見た目を調整できる
- 別の寸法線位置で新しい累進寸法を始めたいときは「リセット」、累進モード自体を終了したいときは「累進」ボタンを再クリック
- 直線寸法(区間寸法)と累進寸法を上下2段に並べる書き方が住宅実施設計図の標準スタイル
- 通り芯間累進寸法・建具開口の累進記入・床高さの累進・斜め部材の累進・敷地ベンチマーク累進など、実務では基点からの位置確定が必要な場面で活躍する