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図形読込(パーツ貼り付け)
このページでできるようになること
Jw_cadの 図形読込 コマンド(メニューバー「その他」→「図形」、ツールバーの「図形」)で、登録済みの図形ファイル(.jws または .jwk)を作図ウィンドウに貼り付けられるようになります。あわせて、貼り付け時の 倍率・回転角・マウス角 の指定方法、X/Y軸別の倍率指定(反転含む)、貼り付け時の 作図属性(線色・線種・レイヤをどう扱うか)の設定までを通しで身につきます。
Jw_cadの強みは、ドアやキッチン、トイレ、樹木といった図面パーツを 一度作って図形として登録しておけば、別の図面で何度でも呼び出して貼り付けられる ことです。この記事はその「呼び出し」側の操作を扱います。図形を新しく作って保存する側は 図形登録(書出)、JWK形式特有の事情は JWK形式での図形登録 を参照してください。
背景: 「図形」コマンドはJw_cad黎明期からある定番機能です。CADにおける「ブロック」「シンボル」に相当しますが、Jw_cadでは1つの図形が1つの ファイル(.jws / .jwk)として独立保存されるため、フォルダ単位での整理・再配布・チーム共有が容易です。住宅平面図のドア・建具集、設備設計の電気シンボル集など、業界別の図形ライブラリが昔から流通しているのもこの仕組みのおかげです。
このコマンドでできること
| できること | 用途 |
|---|---|
| 登録図形(.jws / .jwk)の貼り付け | 既製パーツやチーム共有図形を図面に配置 |
| 倍率指定(X/Y別) | 縮尺違いの図形を補正、上下/左右反転 |
| 回転角指定(数値・90°毎・マウス角) | 配置方向に合わせた向き指定 |
| 作図属性の上書き | 貼り付け時に線色・線種・レイヤを現在値に揃える |
| 別図形への切替(図形選択) | 仮表示中にダイアログから別ファイルに差し替え |
起動方法
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「その他」→「図形」 |
| ツールバー | 「その他(1)」ツールバー内の「図形」ボタン |
| ショートカット | 標準では未割当(基本設定 KEY タブで割当可) |
画像準備中 — メニューバー「その他」→「図形」と「その他(1)」ツールバーの「図形」ボタン位置
要確認: ツールバー上の「図形」ボタンの位置とアイコンの見た目、メニュー項目の正確な表記は実機で確認します。バージョンによって「図形(Z)」のようにアクセスキーが付く場合があります。
Tips: 図形読込は使用頻度が高いため、よく使う方は 基本設定の KEY タブ でショートカットキーを割り当てておくと作業が早くなります。詳細は 基本設定 KEY タブ を参照してください。
基本操作
貼り付け手順サマリー(全6ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 「図形」コマンドを起動 | 数秒 |
| 2 | ファイル選択ダイアログでフォルダを選ぶ | 数秒 |
| 3 | 図形ファイルをダブルクリック | 数秒 |
| 4 | 必要なら倍率・回転角を指定 | 数秒 |
| 5 | 貼り付け位置にマウスを合わせて左クリック(または右クリックで読取点) | 数秒 |
| 6 | 続けて貼り付ける場合は次の位置をクリック | 数秒 |
手順1: 「図形」コマンドを起動
メニューバー「その他」→「図形」、またはツールバーの「図形」ボタンをクリックします。ファイル選択ダイアログ が開きます。
画像準備中 — 「図形」起動直後のファイル選択ダイアログ
手順2: フォルダを選択
ダイアログ左側のフォルダツリーから、貼り付けたい図形が入っているフォルダを選択します。フォルダ内の図形が サムネイル表示 されます。
画像準備中 — フォルダツリーから図形フォルダを選択した状態(サムネイル表示)
Tips: ダイアログ上部の「リスト表示」をチェックすると、サムネイル表示からファイル名のリスト表示に切り替えられます。図形数が多いフォルダではリスト表示の方が探しやすいです。
要確認: 「ファイルの種類」プルダウンで「.jws」「.jwk」の表示切替が必要かどうか、初期状態でどちらが選ばれているかは実機で確認します。
手順3: 図形ファイルをダブルクリック
貼り付けたい図形を ダブルクリック します。ダイアログが閉じ、作図ウィンドウ上にその図形が 赤い仮線 で表示され、マウスカーソルに追従するようになります。
画像準備中 — 図形が仮表示された状態(マウス追従)
手順4: 必要に応じて倍率・回転角を指定
このタイミングで、コントロールバーの「倍率」「回転角」「マウス角」「90°毎」「作図属性」「図形選択」の各項目で貼り付け条件を指定できます。詳細は次節「コントロールバーの設定項目」を参照してください。
画像準備中 — 図形仮表示中のコントロールバー全体
手順5: 貼り付け位置を確定
貼り付けたい位置にマウスを合わせて、
- 左クリック: 任意点(マウスカーソル位置そのまま)
- 右クリック: 読取点(既存図形の端点・交点・中点などへスナップ)
で確定します。クリックした位置に図形が作図されます。
画像準備中 — 左クリックで貼り付け確定した直後の状態
背景: 既存の図面の端点や中点に正確に合わせたいときは、ほぼ必ず「右クリック=読取点」で配置します。たとえば壁の交点にドアを配置する、通り芯の中央に設備シンボルを置く、といった操作はすべて右クリック前提です。読取点の種類と仕様は 読取点(端点・交点・中点) を参照してください。
手順6: 続けて貼り付け(連続貼り付け)
確定後も同じ図形がマウスに追従し続けるため、別の位置にも続けて貼り付けられます。別の図形に切り替えたい 場合はコントロールバーの「図形選択」ボタンをクリックして、ダイアログから別ファイルを選び直します。終了したい場合は別のコマンドに切り替えます。
画像準備中 — 連続貼り付け中(複数箇所に同じ図形が配置された状態)
コントロールバーの設定項目
| 項目 | 意味 | 操作 |
|---|---|---|
| 図形選択 | 別の図形ファイルに差し替え | クリックでファイル選択ダイアログ再表示 |
| 作図属性 | 線色・線種・レイヤの扱いを設定 | クリックで作図属性設定ダイアログ |
| 倍率 | X軸方向・Y軸方向の倍率指定 | テキストボックスに数値入力(例: 2,1) |
| 回転角 | 図形の回転角度(度) | テキストボックスに数値入力(例: 90) |
| 90°毎 | 回転角を90°刻みで切替 | クリックで「無指定→90→180→270→無指定」 |
| マウス角 | マウスカーソル方向で図形を回転 | クリックでX軸方向追従、2回でY軸方向追従、3回で解除 |
倍率の指定方法
「倍率」テキストボックスには、X方向倍率とY方向倍率をカンマで区切って入力 します。
| 入力 | 効果 |
|---|---|
1 または 1,1 | 等倍(デフォルト) |
2 または 2,2 | 縦横とも2倍に拡大 |
2,1 | 横に2倍、縦は等倍(横長になる) |
0.5,0.5 | 縦横とも半分に縮小 |
-1,1 | 左右反転(X方向のみマイナス) |
1,-1 | 上下反転(Y方向のみマイナス) |
-1,-1 | 180°回転と同じ(両方反転) |
Tips: 縮尺の異なる図面から流用したい図形は、倍率で補正できます。たとえば1/100で作った図形を1/50の図面に貼り付けたいときは倍率を
2,2にすれば見た目の大きさが揃います。ただし 本来は流用元と同じ縮尺の図面に貼り付けるのが基本 です(縮尺と図形の関係は基本設定で確認)。
回転角の指定方法
「回転角」には度数を直接入力します。たとえば 45 で反時計回りに45°回転、-30 で時計回りに30°回転です。
「90°毎」ボタンを左クリックすると、「無指定→90→180→270→無指定」 の順に切り替わります。階段や建具を90°ごとに向きを変えて配置するときに便利です。
要確認: 「90°毎」ボタンの正確な表記、回転方向(反時計回りが正か)、マイナス値入力時の挙動は実機で確認します。
マウス角の使い方
「マウス角」ボタンを 左クリックすると、図形の基準点からX軸プラス方向がマウスカーソルの方向を向くように図形が自動回転 します。
| 左クリック回数 | 効果 |
|---|---|
| 1回 | 図形のX軸プラス方向がマウス方向を向く |
| 2回 | 図形のY軸プラス方向がマウス方向を向く |
| 3回 | マウス角が解除(角度フリー) |
斜めの線の上に矢印やシンボルを貼り付けるとき、いちいち角度を計算しなくてもマウスを線の方向に動かすだけで向きが揃います。
画像準備中 — マウス角を有効にして、斜め線の方向に図形が追従している様子
作図属性の設定
「作図属性」ボタンをクリックすると 作図属性設定ダイアログ が開きます。図形が持っている元の線色・線種・レイヤをそのまま使うか、現在の書込み属性に置き換えるかを選べます。
| 設定項目 | 意味 |
|---|---|
| 文字も倍率 | チェック時、図形内の文字サイズも指定倍率で拡大縮小 |
| 点マーカも倍率 | チェック時、点マーカも指定倍率で拡大縮小 |
| 元グループに作図 | チェック時、図形を 元レイヤグループの元レイヤ に作図 |
| 元レイヤに作図 | チェック時、現在の書込みレイヤグループ内の元レイヤに作図 |
| 書込レイヤ、元線色、元線種 | 書込みレイヤグループ・書込みレイヤに、元の線色・線種で作図 |
| 書込み[線色]で作図 | チェック時、現在の書込み線色で作図 |
| 書込み線種で作図 | チェック時、現在の書込み線種で作図 |
画像準備中 — 作図属性設定ダイアログ全体
背景: 「文字も倍率」をオフにしておくと、図形を拡大縮小しても 文字サイズだけは元のまま になります。たとえば「DN」「UP」のような階段表記文字は、図形を縮小しても文字を読める大きさに保ちたいので、用途に応じて使い分けます。
要確認: 「文字も倍率」「点マーカも倍率」のチェックボックスの正確な表記、ダイアログ内のボタン配置(OKボタンの位置)は実機で確認します。
派生パターン
パターンA: 図形を別ファイルに差し替えながら配置
仮表示中に「図形選択」をクリックすると、ファイル選択ダイアログが再表示されます。複数の図形を順に配置していくとき、コマンドを抜けずに連続して切り替えられます。
たとえばキッチン平面に「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」を順に配置するとき、それぞれの図形ファイルを「図形選択」で切り替えながら一連の流れで貼り付けられます。
パターンB: 同じ図形を反転配置
倍率に -1,1(左右反転)または 1,-1(上下反転)を入力すると、図形を鏡像反転して配置できます。
たとえば「右開きドア」のJWS図形しかない場合に、-1,1 を入れて貼り付ければ「左開きドア」として使えます。専用ファイルを別に持つ必要がありません。
パターンC: マウス角で斜め配置
斜めに通っている線の上に方位マークや設備シンボルを置きたいとき、「マウス角」を1回クリックしてからマウスを線の方向に動かすと、図形がその角度に追従します。回転角を電卓で計算する必要がなく、視覚的に向きを合わせられます。
パターンD: 作図属性で書込みレイヤに統一
図形ファイルが「2レイヤ」で保存されていても、貼り付け先の図面で 書込みレイヤに統一して配置したい 場合があります。「作図属性」で「元レイヤに作図」のチェックを外し、現在の書込みレイヤに揃える設定にしておけば、レイヤ整理の手間が減ります。
実務での使い方 ★PERSC独自
住宅平面図でのパーツ貼り付け運用
住宅平面図を描くとき、ドア・引違い窓・キッチン・浴槽・洗面台・トイレといった定番パーツは 1/50・1/100の縮尺ごと に図形ライブラリを作っておくと、新規物件のたびに描き起こす手間が省けます。
PERSC編集部が運用している標準フローは次の通りです。
- 物件着手時、
C:\JWW\図形\住宅\1-50\のような縮尺別フォルダを開く - 必要なパーツを「図形」で順次貼り付け
- 個別の寸法調整が必要なら倍率で微調整
- 配置確定後、ブロック化または範囲選択で位置調整
PERSCの推奨: 図形フォルダは 縮尺別 × 部位別(住宅/RC/設備/外構)で階層化すると、現場ごとに迷わず取り出せます。フォルダ命名は半角英数推奨(一部の旧バージョンで日本語フォルダ名が文字化けする事例あり)。
設備図のシンボル一括配置
電気・衛生設備の記号(コンセント・スイッチ・照明・給排水シンボル)は、JWS図形として登録しておくと 書込み線色を変えるだけで強・弱・衛生を色分け できます。「作図属性」で「書込み[線色]で作図」をチェックしておけば、レイヤ別の色管理ルールにも自動的に従います。
外注先からのDXFパーツをJWS化
外部からDXFで送られてきた家具やシンボルは、いったんJw_cadで開き、必要部分を範囲選択して 図形登録(書出) でJWS化すると、以降は図形読込で素早く再利用できます。DXF経由の文字化けや線種ずれもこの段階で吸収できます。
倍率反転で「対」のパーツを1ファイル運用
「右開き/左開き」「右勝手/左勝手」のように 左右対称の組 で必要になる図形は、片方だけ作って 倍率 -1,1 で反転貼り付け すれば、ファイル数を半分に減らせます。図形フォルダの管理コストが下がり、命名ミスも防げます。
配布図形ライブラリの取り扱い
メーカーやコミュニティが配布している図形集(建具集・家具集・設備集)は、ダウンロード後に必ず実物のサイズと縮尺をチェック してから運用に組み込みます。寸法線つきのサンプル図面で実寸を測り、想定縮尺と合わなければ倍率で補正するか、別フォルダに分けて管理します。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: ファイル選択ダイアログに図形ファイルが表示されない
→ ダイアログ上部の「ファイルの種類」プルダウンが「.jws」「.jwk」のどちらかに固定されている可能性があります。表示したい形式に切り替えるか、「すべて」相当の選択肢があるか確認してください。
Q: 貼り付けた図形が極端に大きい・小さい
→ 図形ファイルの縮尺と現在の図面の縮尺が合っていない 可能性が高いです。倍率で補正できますが、根本的には縮尺を揃えた図形ライブラリを使う方が安全です。縮尺の確認方法は 縮尺の設定 ※準備中 を参照。
Q: 倍率に「2」とだけ入れたら縦だけ伸びた/挙動が予想と違う
→ 倍率は X方向とY方向のカンマ区切り が正しい入力形式です。2 だけだと解釈がバージョンによって変わる可能性があるため、明示的に 2,2 と入れる ことを推奨します。
Q: マウス角を解除したいのに動かなくなった
→ 「マウス角」ボタンを 3回左クリック すると解除されます。1回(X軸追従)、2回(Y軸追従)、3回(解除)の順です。
Q: 貼り付けた図形のレイヤが意図と違う
→ 「作図属性」ダイアログの「元レイヤに作図」「元グループに作図」のチェック状態を確認してください。書込みレイヤに揃えたい場合はチェックを外します。レイヤ全般は レイヤの基本 ※準備中 を参照。
Q: 図形読込で貼り付けた要素がブロック扱いになっている/なっていない
→ Jw_cadの図形読込は ブロック化された状態では貼り付けません(個々の線・円・文字としてバラバラに配置されます)。1つの単位として動かしたい場合は、貼り付け後に ブロック化 ※準備中 で1つにまとめる運用になります。
Q: 配布された図形ファイルが文字化けする
→ 古い時代に作られた JWK形式 の図形は、Windows環境の文字コードと相性が悪い場合があります。ファイル名や図形内文字が化ける場合は、コピーをJWSに保存し直す方が安定します。詳細は JWK形式での図形登録 を参照。
関連項目
- 図形登録(書出) — 自作パーツをJWS図形として登録する側の操作
- JWK形式での図形登録 — DOS版互換のJWK形式での登録手順
- 登録選択図形(一時図形貼付) — ファイル化せず一時的に登録した図形を貼り付ける
- 読取点(端点・交点・中点) — 右クリック貼り付け時のスナップ仕様
- 基本設定 KEY タブ — 図形コマンドにショートカットを割り当てる
- 線記号変形 ※準備中 — 既存線を記号付きに置き換える図形系コマンド
- 範囲選択の基本 ※準備中 — 図形登録の前段としての範囲選択
- ブロック化 ※準備中 — 貼り付け後の図形を1単位にまとめる
- PERSC推奨初期設定 ※準備中 — 図形フォルダ運用込みの推奨設定
まとめ
- 「図形」コマンドは登録済みパーツ(.jws / .jwk)を貼り付ける機能
- 仮表示中に 倍率(X,Y別)・回転角・マウス角 をコントロールバーで指定できる
- 倍率にマイナス値を入れると 左右/上下反転 が可能(
-1,1で左右反転) - 「作図属性」で 線色・線種・レイヤを書込み属性に揃えるか を切り替えられる
- 貼り付けは 左クリック=任意点・右クリック=読取点(既存図形にスナップ)