Skip to content
未検証

式計算(日影倍率・ヘロン公式・三斜面積・RC断面算定)

このページでできるようになること

Jw_cadの「式計算」コマンドを使って、あらかじめ用意された 日影倍率・ヘロン公式・三斜面積計算・RC断面算定 の4つの専門計算を実行できるようになります。図面上に書込まれた数値を選択するか、ダイアログから数値を直接入力するかの 2方式 で計算を行い、結果を図面に書込むまでをワンストップで完結できます。日影図・敷地求積・構造計算など、建築実務で頻出する計算を 電卓や別ソフトを立ち上げずに Jw_cad内で済ませられるようになります。

背景: 「式計算」は単純な四則演算ではなく、専門分野で使われる定型計算式 を呼び出すコマンドです。ヘロン公式・三斜面積・日影倍率・RC断面算定という、それぞれ独立した計算ロジックが内蔵されています。同じ「計算」でも、四則演算の一括処理は 表計算 ※準備中 を使います。

注意: 本記事は Jw_cadで式計算(日影倍率・ヘロン公式・三斜面積・RC断面算定)を行う方法 の解説であり、日影規制・敷地求積・構造設計の適法性を保証するものではありません

  • 日影規制値(規制時間・測定面の高さ・測定線・緯度補正)は、建築基準法第56条の2・特定行政庁の条例で異なります
  • 敷地面積・床面積の算定基準は、建築基準法施行令第2条・特定行政庁の取扱いで異なります
  • RC断面算定(柱・梁の長期/短期検討)は、建築基準法・告示・建築学会基準(RC規準)に基づく構造一級建築士・構造設計者の判断が必要です
  • 計算結果が法令適合と判断するのは、設計者・構造設計者・確認検査機関・特定行政庁の責任です
  • Jw_cadの式計算結果は 設計検討用・社内検算用 であり、確認申請添付の日影図・求積書・構造計算書には別途専門業務(専門ソフトでの再計算・構造計算書の作成・適合性判定機関への審査)が必要です

関連: 建築基準法第56条の2(日影規制) / 建築基準法施行令第2条(面積、高さ等の算定方法) / 特定行政庁・指定確認検査機関・構造適合性判定機関への確認


このコマンドでできること

「式計算」は、初期状態で4つの計算式 が用意されているコマンドです。

計算式用途必要数値
日影倍率日影図の補正計算(緯度補正)日影時間(範囲選択) + 緯度(数値入力)
ヘロン公式三角形の3辺長から面積を算出3辺の長さ
三斜面積計算底辺×高さ÷2 で面積算出底辺・高さの2数値
RC断面算定鉄筋コンクリート断面の長期/短期検討柱: b, D, M, N(4数値)/ 梁: b, D, M(3数値)

委譲: 自作計算式の作り方(jwf_calc.dat / KEISAN1.JWM〜KEISAN9.JWM の編集)式計算 自作計算式の作り方 ※準備中(並行執筆中)。外部変形版の三斜面積計算(Bat実行型)外部変形のインストール ※準備中。天空率の三斜計算天空率 ※準備中。求積図の作り方そのもの求積図の作り方(三斜法) ※準備中。


起動方法

起動方法操作
メニューバーその他(A)」→「式計算(M)
ツールバーその他(1)」ツールバー内の「式計」ボタンを左クリック
ショートカット既定では未割当(環境設定で割当可)

要確認: メニューバー「その他(A)」→「式計算(M)」のラベル文言とキーアサインは実機で確認します。


起動直後のコントロールバー

式計算コマンドを起動すると、コントロールバーに 4つの計算式 が並びます。

項目機能
日影倍率緯度補正による日影倍率計算
ヘロン公式3辺から三角形面積を計算
三斜面積計算底辺×高さ÷2
RC 断面算定鉄筋コンクリート柱・梁の断面検討

Tips: 4つの項目は KEISAN1.JWMKEISAN4.JWM という4つのファイルに対応しています。KEISAN5.JWMKEISAN9.JWM を追加すれば、最大9個まで自作計算式を増やせます。詳細は → 式計算 自作計算式の作り方 ※準備中


日影倍率

緯度補正による日影倍率を計算する機能です。

手順サマリー(全5ステップ)

#操作
1図面に 日影時間(数値文字列)文字 ※準備中 で書込んでおく
2日影倍率」を左クリック → 範囲選択モードへ
3日影時間の文字列を範囲選択(始点→終点を右クリックで確定)
4「数値入力」ダイアログに 緯度 を入力 → 「OK
5計算結果が仮表示される → 書込み位置を左クリック(任意点)または右クリック(読取点)

詳細手順

ステップ1: 日影時間を作図ウィンドウに書込んでおく

予め日影時間を文字コマンドで作図ウィンドウ上に書込んでおきます。

ステップ2: 「日影倍率」を起動

コントロールバーの「日影倍率」を左クリックすると、範囲選択操作に切り替わります。

ステップ3: 日影時間を範囲選択

書込んだ日影時間の文字列を範囲選択で囲みます。

ステップ4: 緯度を入力

数値入力」ダイアログが表示されるので、緯度 をテキストボックスに入力し「OK」を左クリックします。

ステップ5: 結果を書込み

選択した日影時間と入力した緯度、そして 計算結果 が仮表示されます。書込みたい位置を 左クリック(任意点) または 右クリック(読取点) で指示すると、結果が作図されます。

戻る・再実行

  • コントロールバーの「<<」を左クリック → 項目選択のコントロールバー(4項目並び)に戻る
  • 再実行」を左クリック → 日影時間の選択状態に戻る

背景: 日影倍率は、設計地の 緯度 によって太陽の南中高度が変わるため、緯度補正が必要になります。日影規制(日影規制値の検討)は法令で各地域の規制値が定められており、この計算は日影図作成の前段階で使われます。


ヘロン公式

三角形の 3辺の長さ から面積を計算します(公式: 面積 = √(s(s-a)(s-b)(s-c))s = (a+b+c)/2)。

コントロールバー

ヘロン公式」を左クリックすると、コントロールバーが切り替わり 2つの方式 が表示されます。

方式用途
3数値入力ダイアログから3辺の長さを順に入力
3数値選択図面上に書込まれた3辺の数値を範囲選択

3数値入力(手入力方式)

手順

  1. 3数値入力」を左クリック
  2. 「数値入力」ダイアログが開く → 「辺1寸法(m)」を入力 → 「OK
  3. 続けてダイアログが開く → 「辺2寸法(m)」を入力 → 「OK
  4. 続けて「辺3寸法(m)」を入力 → 「OK
  5. 3数値と計算結果が仮表示される → 書込み位置を指示(左=任意点、右=読取点)

Tips: ダイアログでは 計算式も入力可 です(kantancad記載)。例えば「1.5+2.3」と入力すれば、その値を1辺の長さとして扱います。

3数値選択(範囲選択方式)

手順

  1. 予め三角形を作図し、3辺の長さを 寸法 ※準備中 などで書込んでおく
  2. 3数値選択」を左クリック → 範囲選択モードへ
  3. 3辺の長さの文字列を範囲選択(始点→終点)
  4. 選択確定」を左クリック
  5. 選択した3数値と計算結果が仮表示される → 書込み位置を指示

注意: 範囲選択時に 不要な文字(注釈・タイトル等)が含まれる と計算が乱れます。終点を 左クリック すると追加・除外モードに入り、不要文字を 右クリックで除外 できます。

戻る・再実行

  • <<」: 項目選択(4項目並び)に戻る
  • 再実行」: 数値入力(または数値選択)の状態に戻る

三斜面積計算

三角形を「底辺 × 高さ ÷ 2」で計算します。

コントロールバー

三斜面積計算」を左クリックすると、コントロールバーが切り替わり 2つの方式 が表示されます。

方式用途
2数値入力ダイアログから底辺・高さを順に入力
2数値選択図面上に書込まれた底辺・高さを範囲選択

2数値入力(手入力方式)

手順

  1. 2数値入力」を左クリック
  2. 「数値入力」ダイアログが開く → 「底辺長さ(m)」を入力 → 「OK
  3. 続けてダイアログが開く → 「高さ(m)」を入力 → 「OK
  4. 入力した2数値と計算結果が仮表示される → 書込み位置を指示

2数値選択(範囲選択方式)

手順

  1. 予め三角形を作図し、底辺と高さの数値を書込んでおく
  2. 2数値選択」を左クリック → 範囲選択モードへ
  3. 底辺・高さの長さ文字列を範囲選択(始点→終点)
  4. 選択確定」を左クリック
  5. 選択した2数値と計算結果が仮表示される → 書込み位置を指示

背景: 三斜面積は、敷地など多角形を 複数の三角形に分割して合算 する求積法です。この式計算は 1個の三角形 を計算する機能で、求積図全体は複数回繰り返して合計します。求積図の全工程は → 求積図の作り方(三斜法) ※準備中

委譲: 多角形を一括で三斜分割→面積合計 する用途には、外部変形版の三斜面積計算が向きます → 外部変形のインストール ※準備中


RC断面算定

鉄筋コンクリート造の 柱・梁 の断面検討を行います。

コントロールバー

RC 断面算定」を左クリックすると、コントロールバーが切り替わり 4つの項目 が表示されます。

項目用途必要数値
①柱【長期】柱の長期荷重時検討b(cm), D(cm), M(t・m), N(ton)
②柱<短期>柱の短期荷重時検討(地震時等)b(cm), D(cm), M(t・m), N(ton)
③梁【長期】梁の長期荷重時検討b(cm), D(cm), M(t・m)
④梁<短期>梁の短期荷重時検討b(cm), D(cm), M(t・m)

①柱【長期】の手順

  1. 予め4つの数値(b(cm), D(cm), M(t・m), N(ton))を 文字 ※準備中 などで作図しておく
  2. ①柱【長期】」を左クリック → 範囲選択モードへ
  3. 4つの数値を範囲選択(始点→終点)
  4. 選択確定」を左クリック
  5. 選択した4数値と計算結果が仮表示される → 書込み位置を指示

②柱<短期> / ③梁【長期】 / ④梁<短期>

  • ②柱<短期>: 計算結果が異なるだけで、操作手順は ①柱【長期】と同じ。
  • ③梁【長期】 / ④梁<短期>: 必要数値が b(cm), D(cm), M(t・m) の3つ に減るだけで、手順は同じです(軸力 N がない)。

背景: RC断面算定は 構造設計 の領域で使われる機能です。長期/短期は荷重ケースの区分で、長期 = 常時の固定+積載荷重短期 = 地震・風など短時間に作用する荷重 を指します。実務での詳細検討は別途構造計算ソフトで行うのが標準ですが、Jw_cadで 概算チェック ができます。


派生パターン

パターンA: 数値入力でクイック確認

既に決まっている数値(手元のメモ・打合せ中の口頭値など)を、図面に書込まずに 直接ダイアログ入力 で計算するシナリオ。ヘロン・三斜の数値入力方式が向きます。

パターンB: 図面上の寸法から数値選択で計算

寸法コマンド ※準備中 で図面に書込まれた数値を 数値選択方式 で計算するシナリオ。図面更新で寸法が変わっても再選択で再計算でき、設計変更に強い使い方です。

パターンC: 計算結果を求積表に組み込む

ヘロン公式・三斜面積計算で算出した複数の三角形面積を、表計算 ※準備中 の 範囲内合計 で合算すれば、敷地全体の求積表ができあがります。式計算 → 表計算の連携が求積図ワークフローの基本です。

パターンD: 緯度違いの日影倍率を比較

同じ日影時間データに対して 緯度を変えて再実行 すると、北海道と沖縄での日影倍率の差が即座にわかります。日影規制が適用される地域での感度確認に使えます。


実務での使い方 ★PERSC独自

敷地求積(三斜法)の現場対応

確認申請・登記の敷地求積では、敷地を三角形に分割して合算する 三斜法 が使われます。本コマンドの三斜面積計算で 底辺×高さ÷2 を1個ずつ計算し、結果を表計算で合算すれば、求積表が完結します。三角形分割の幾何作業は手作業ですが、計算部分はJw_cadだけで完結できます。

ヘロン公式で「角度がわからない三角形」に対応

三斜面積(底辺×高さ÷2)は 高さの実測 が必要ですが、ヘロン公式は 3辺の長さだけ で計算できます。現地測量で「3点間距離だけ取得した」状況には、ヘロン公式が向きます。

日影規制の予備検討

設計初期の ボリュームスタディ段階 で、おおまかな日影時間を文字で書込んで日影倍率を計算し、「この緯度・この高さで日影規制をクリアできるか」の感触を掴む使い方。本格的な日影図は別途作成しますが、初動の絞り込みに有効です。

RC断面算定での寸法決め初期検討

構造設計者と打合せする前に、柱・梁の概算寸法 を意匠側で当たりを付けたい場面。RC断面算定で b, D, M, N を仮値で入れて、断面サイズの妥当性を確認できます。最終決定は構造設計者の検討に委ねますが、意匠案の整合確認に使えます。

PERSCの推奨: 式計算の結果は 計算式名・入力値・結果 がセットで作図されるため、求積図・日影図・構造図の 計算根拠の追跡可能性(トレーサビリティ) が確保されます。提出図面では、計算結果文字を 専用レイヤ に分離し、線色・文字種を統一する運用が見やすさにつながります。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 数値入力ダイアログに何を入れるかわからない

→ ダイアログには 「辺1寸法(m)」「底辺長さ(m)」「高さ(m)」「b(cm)」 などの 項目名と単位 が表示されます。表示文言を見て、その数値を入力してください。日影倍率の場合は 緯度(度)、RC断面算定の場合は b(cm), D(cm), M(t・m), N(ton) という単位混在に注意します。

Q: 計算結果が想定値と大きく違う

入力単位の取り違え が最大の原因です。三斜・ヘロンは m単位、RC断面算定の b, D は cm単位、N は ton単位 など、項目ごとに単位が異なります。ダイアログ表示の単位を毎回確認してください。

Q: 数値選択で範囲を囲んだのに計算が始まらない

→ 「選択確定」ボタンを押し忘れている可能性があります。範囲選択した後、コントロールバーの「選択確定」を必ずクリックしてください。

Q: 不要な文字まで一緒に選択してしまった

追加・除外モード で個別に外せます。範囲選択の終点を 左クリック すると追加・除外モードに入り、不要な文字を 右クリックで除外 してから「選択確定」できます。

Q: 計算結果を別の位置に書き直したい

→ 仮表示の状態で 書込み位置を確定する前なら、書込み位置の指示を別の場所に変えるだけで再配置できます。書込み済みの結果を移動するには、消去 → 再実行 か、移動 ※準備中 コマンドで対応します。

Q: 「再実行」と「<<」の違いは?

→ 「再実行」は 数値選択(または数値入力)の状態に戻る、「<<」は 項目選択(4項目並び)に戻る です。同じ計算式で別の数値で再計算したいときは「再実行」、別の計算式に切り替えたいときは「<<」を使います。

Q: 自分の業務に合った計算式が4つの中にない

→ 自作計算式を追加できます。KEISAN5.JWMKEISAN9.JWM のファイルを作成して計算式を記述すれば、最大9個まで増やせます。詳細は → 式計算 自作計算式の作り方 ※準備中

Q: 表計算と式計算をどう使い分ける?

表計算 は四則演算(A群×B群・範囲内合計など)で 複数の数値を一括処理 するコマンド、式計算専門的な定型計算 を実行するコマンドです。求積表の合計算出は表計算、個々の三角形面積計算は式計算(三斜面積計算)が向きます。両者を組み合わせると求積ワークフローが完結します。


関連項目


まとめ

  • 式計算は「専門分野で使われる定型計算式 を実行」するコマンド
  • 起動: 「その他」→「式計算」、またはツールバー「式計
  • 4つの既製式: 日影倍率 / ヘロン公式 / 三斜面積計算 / RC断面算定
  • 入力方式は2種類: 数値入力(ダイアログ手入力)数値選択(範囲選択)
  • 範囲選択時の終点 左クリック=追加除外モード、右クリック=確定
  • 書込み位置 = 結果の小数点の位置
  • <<」で項目選択へ戻り、「再実行」で同一計算式の数値選択へ戻る
  • 単位は項目ごとに異なる(m / cm / t・m / ton)ため要注意
  • 表計算と組み合わせて 求積図ワークフロー に活用
  • 自作計算式は KEISAN5.JWMKEISAN9.JWM に追加可能(→ 自作計算式 ※準備中)