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未検証

既存線に垂直な線の作図(クロックメニュー併用)

このコマンドでできること

Jw_cadの「線」コマンドとクロックメニューを組み合わせると、すでに作図されている線に対してぴったり直角(90度)の線を一発で引けます。線の上で右ボタンをAM0時方向にドラッグするだけで、その線を基準にした垂直な仮表示線が現れ、終点をクリックすれば作図完了です。建築図面の壁に対して直角な間仕切り線を引きたい場面、寸法補助線を作図線に対して垂直に出したい場面で、毎回角度を計算せずに済みます。

背景: 既存線が斜め(たとえば30度傾いている)でも、この操作なら自動的に「30度+90度=120度」の線が引けます。手で角度を入力する必要がなく、クロックメニューを覚えるとそれまで何度も角度計算していた作業が一瞬で片付きます。


操作の前提

この操作は、すでに線が1本以上作図されている状態が出発点です。以下の3点を満たしている必要があります。

前提内容
既存線がある垂直の基準にする直線が作図ウィンドウ上にあること
線コマンドが起動可能な状態AUTOモードまたは線コマンド実行中(実機では一度線コマンドを起動しておくのが確実)
クロックメニューが有効「設定」→「基本設定」→「一般(1)」タブの「クロックメニューを使用しない」のチェックが外れていること

要確認: 線コマンド未起動の状態(AUTOモードのみ)で既存線上のAM0時方向右ドラッグだけで垂直線作図が始まるかは実機で確認します。線コマンドを先に起動しておくと確実です。

Tips: クロックメニューそのものの仕組み(左ドラッグと右ドラッグの違い、AM/PMの切替方法、12方向の機能割り当て)は クロックメニュー入門 で詳しく解説します。この記事ではクロックメニューの「AM0時方向 右ドラッグ」だけに絞って手順を説明します。


基本操作: 既存線への垂直線を引く

操作サマリー(全4ステップ)

#操作ポイント
1線コマンドを起動ツールバー「/」または メニュー「作図」→「線」
2既存線の上にカーソルを合わせる端点・交点ではなく線の途中に合わせる
3右ボタンを押したままAM0時方向(真上)にドラッグクロックメニューAMの「0時」位置でボタンを離す
4終点を指示左クリック(任意点)または右クリック(読取点)

合計: おおむね数秒で完了します。慣れると一連のドラッグ動作で完結します。

手順1: 線コマンドを起動

左側「作図(1)」ツールバーの「」アイコンを左クリックして線コマンドを起動します。コントロールバーが線コマンド用の表示に切り替わります。

Tips: メニューバー「作図」→「」、またはクロックメニューAM1時方向(左/右ドラッグ)でも線コマンドを起動できます。詳しくは 線コマンドの基本 を参照。

手順2: 既存線の上にカーソルを合わせる

垂直線の基準にしたい既存線の上に、マウスポインタを乗せます。このとき、線の端点や交点ではなく、線の途中(中央寄り)にカーソルを合わせるのがコツです。端点・交点では他のクロックメニュー機能(読取点・線の中心点など)が優先されてしまうことがあります。

手順3: 右ボタンを押したままAM0時方向(真上)へドラッグ

既存線上でマウスの右ボタンを押し込み、押したまま画面の真上(AM0時方向)へ少し動かします。クロックメニューが表示され、0時の位置に「線・矢印・1線」など垂直線関連の文字が見えたら、そのまま右ボタンを離します。

要確認: AM0時方向に対応するクロックメニューの正確な表示文言(「線・矢印」「線」など)は実機で確認します。バージョンや基本設定によって表示が異なる可能性があります。

Tips: 「AM0時方向」とは、アナログ時計の文字盤の「12時」の位置、つまり画面の真上方向のことです。クロックメニューはAMとPMの2状態を持ちますが、ドラッグを始めた直後はAM状態になっています。

手順4: 仮表示線(垂線)が現れたことを確認

右ボタンを離した瞬間、既存線上のドラッグ開始位置を始点として、その線に対して90度直交する向きで赤い仮表示線が現れます。マウスポインタを動かすと、仮表示線の長さがリアルタイムで変化します。

手順5: 終点を指示

仮表示線を伸ばしたい位置にマウスを移動し、左クリックで終点を確定します。既存の点や線端にぴったり合わせたい場合は右クリック(読取点指示)を使います。

背景: 仮表示線が必ず元の線に直角になるのは、Jw_cadが内部で「ドラッグ開始位置の線の角度」を取得し、そこに+90度した方向に始点ベクトルを設定しているからです。手動で角度を計算しなくても、線が傾いていればその傾きに追従して常に直角を保ちます。


始点位置のコントロール

この操作で引かれる垂直線の**始点は「ドラッグを開始した位置」**になります。既存線の端寄りで右ドラッグを始めれば端寄りに、中央でドラッグを始めれば中央に、始点の位置を自分で決められます。

パターンA: 線の中央付近を始点にする

既存線の中央寄りにカーソルを合わせて右ドラッグします。線の途中から枝分かれするような垂直線になります。間仕切り壁の取り付け位置や、寸法補助線の根元に使います。

パターンB: 線の端寄りを始点にする

既存線の端から少し内側にカーソルを置いて右ドラッグします。端点ぴったりではなく、端から少し離れた線上点が始点になります。

要確認: 端点に「ぴったり」始点を合わせたい場合、右ドラッグの開始位置がどこまで端に寄っても線上点として認識されるかは実機で確認します。端点判定との境界位置の挙動が記述対象です。

パターンC: 既存線の中点を始点にしたい

ドラッグ開始位置が任意点となる仕様のため、線のちょうど真ん中(中点)から垂直線を出したい場合は、別の手順を踏むのが確実です。

  1. まず線コマンドの「水平・垂直」チェックを外す
  2. 始点指示のタイミングで、既存線の中点位置を右ドラッグの右方向(線の中心点クロックメニュー) で指示する
  3. 終点側で角度入力(既存線の傾き+90度)を使って引く

中点始点の処理はクロックメニュー併用での「直交」操作からは外れるため、必要なら 線コマンドの基本クロックメニュー入門 の中点読取の節を組み合わせて使います。


AUTOモードとの併用

AUTOモード(特定のコマンドを起動していない待機状態)でも、既存線上のAM0時方向右ドラッグで線コマンドが立ち上がりつつ垂直線作図に入る場合があります。ただし、バージョンや基本設定の状態で挙動が分かれることが知られています。

要確認: AUTOモード単独からこの操作が成立するか、線コマンドを事前に起動しておく必要があるかは実機で検証します。検証時は「コマンドを何も起動していない初期状態 → 既存線上でAM0時方向右ドラッグ」のシーケンスでテストします。

確実なのは、先に線コマンドを起動してから既存線への右ドラッグに移る順序です。この記事の手順1で線コマンド起動を必須としているのはそのためです。


書込線色・線属性との関係

この操作で引かれる垂直線は、ほかの線コマンドと同様に現在の書込線色・線種で作図されます。元になった既存線の色や線種は引き継ぎません。

既存線と同じ線色・線種で引きたい場合

  1. 既存線をクリックして属性を確認するか、属性取得(メニューバー「設定」→「属性取得」)で既存線の属性を書込属性に取り込む
  2. 書込線属性が切り替わったことをステータスバー右下の線属性表示で確認
  3. その状態で既存線への垂直線作図に進む

Tips: 寸法補助線(既存線に対する垂直線として頻出)は、本線とは別の線色(補助線色)で引くのが製図の慣例です。書込線色を切り替えてから垂直線作図に入ると、後で線種だけ変更する手間が減ります。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。


垂直交点位置への自動スナップ

引いている垂直線の終点を、別の線との交点位置に正確に止めたい場合、終点指示時に**右クリック(読取点指示)**を使えば交点に吸着します。

ケース操作
任意の終点位置終点で左クリック
既存図形の点・端点・交点に合わせる終点で右クリック
別の線への垂直交点で止めたい終点を別の線上で右クリック → 交点位置に吸着

背景: 「線への垂直線」と「読取点での終点指示」を組み合わせると、たとえば「壁線Aから壁線Bへの垂直距離」を求めるための補助線が一発で引けます。CADでよくある「直角を取りたい+交点で止めたい」の典型的な作業パターンです。


実務での使い方 ★PERSC独自

住宅平面図の間仕切り壁を主壁に直角で引く

住宅平面図では、外壁(主壁)に対して直角な間仕切り壁を引く場面が頻出します。外壁が水平・垂直なら線コマンドの「水平・垂直」チェックで済みますが、L字型やコの字型の建物で斜めの主壁がある場合、その壁に直角な間仕切りを毎回角度計算するのは手間です。

この場面でクロックメニュー併用の垂直線作図を使うと、「斜めの主壁の上で右ドラッグ → 真上 → 終点クリック」だけで直角の間仕切り壁が出ます。設計の途中で外壁の角度を変更しても、引き直す際に同じ手順を繰り返すだけで追従できます。

RC造詳細図のフカシ・捨てコン基準線

RC造(鉄筋コンクリート造)の詳細図では、躯体線に対してフカシ(仕上げのための寸法逃げ)や捨てコン基準線を直角に出す場面があります。躯体線が斜めに走る複雑な平面でも、この操作なら躯体線の傾きに追従した垂直線が出るため、フカシ寸法の数値だけ意識すれば良い作業に変わります。

寸法補助線を斜めの作図線から直角で出す

立面図や断面図で、屋根勾配線・斜路ラインに対する寸法補助線を引きたいとき、勾配線の上で右ドラッグして垂直線を伸ばし、終点を寸法を測りたい位置で右クリック(読取点)すれば、補助線が一発で完成します。寸法線コマンドの「線間寸法」を使う前段の補助線として頻用します。

設備図の機器配置基準線

設備図では、配管経路(斜め)に対して機器の取付位置基準線を直角に出す作業があります。配管中心線の上で右ドラッグ → 真上 → 機器中心位置で終点指示、という流れで「主経路に対する直角の取り付け線」が確実に出ます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: クロックメニューが反応しない

→ 右ボタンを「クリック」しているだけで終わっていないか確認します。クロックメニューは右ボタンを**押し込んだまま少し動かす(ドラッグ)**操作で初めて表示されます。一度離すとただの右クリック扱い(読取点指示)になるため、ドラッグ動作になっているかが分かれ目です。

クロックメニューそのものが無効化されている可能性もあります。「設定」→「基本設定」→「一般(1)」タブの「クロックメニューを使用しない」にチェックが入っていないか確認します。チェックが入っていれば外します。

詳しい設定確認は クロックメニュー入門 を参照してください。

Q: 0時方向にドラッグしているのに違うコマンドが起動する

→ ドラッグ開始位置が既存線の上ではない可能性があります。何もない作図ウィンドウ上でAM0時方向右ドラッグをすると、クロックメニュー(1)の0時に割り当てられた別機能(用紙枠書込など、設定によって異なる)が起動します。必ず既存線の線上にカーソルがある状態でドラッグを開始しましょう。

線の真上にカーソルが乗っているかは、ステータスバー左下の指示文の変化で見分けられる場合があります。

Q: 想定と違う角度に垂直線が引かれる

→ 始点を取った既存線が、見た目には1本に見えても実は複数の線分で構成されている場合、ドラッグ開始位置の線分の角度に対して直角が出ます。たとえば連続線で曲がった部分を渡る位置で右ドラッグすると、思っていた線分とは別の線分の角度を拾うことがあります。

ドラッグ開始位置を、対象としたい線分の中央付近に明確に置くと回避できます。曲がりの近くは避けます。

Q: 仮表示線(垂線)が表示されない

→ 線コマンドが起動していない可能性があります。コントロールバーの表示が「水平・垂直」「矩形」「傾き」「寸法」になっているか確認してください。違うコマンドのコントロールバーが出ている場合は、左ツールバーの「」アイコンを左クリックして線コマンドを再起動してから、もう一度既存線への右ドラッグを試します。

Q: 端点ぴったりから垂直線を出したい

→ AM0時方向右ドラッグでは、ドラッグ開始位置が「線上点」として始点になるため、端点には完全には吸着しません。端点始点の垂直線が必要な場合は、以下のいずれかが推奨されます。

  1. 一度任意位置から垂直線を引き、後で端点側に伸縮コマンドで移動する
  2. 始点を端点で右クリック取得 → 終点側で角度入力(既存線の傾き+90度)を手で指定する
  3. 補助線を1本引いてから、それを目印に正確な垂直線を引き直す

Q: 円弧に対して同じ操作をしたい

→ 円弧に対するAM0時方向右ドラッグは、線への直交とは別の挙動になる可能性があります。

要確認: 円弧上でのAM0時方向右ドラッグの挙動(接線の法線方向に垂直線が出るのか、別機能が起動するのか)は実機で確認します。

Q: クロックメニューを使わずに同じことをしたい

→ クロックメニューを使えない/使いたくない場合、以下の手順で同じ垂直線が引けます。

  1. 既存線の傾きを計測コマンド(「その他」→「測定」→「角度測定」)で取得する
  2. 線コマンドの「傾き」テキストボックスに「取得した傾き+90」の数値を入力する
  3. 始点・終点の順にクリックする

クロックメニュー併用に比べて手順が増えますが、クロックメニューが苦手な方や、入力で確実性を担保したい場面で使えます。

詳しくは 角度を指定した線 を参照してください。


関連項目


まとめ

  • 既存線の上で右ボタンをAM0時方向(真上)にドラッグすると、その線に対して直角な仮表示線が出る
  • ドラッグ開始位置がそのまま垂直線の始点になる。端寄り・中央寄りで始点位置を調整できる
  • 終点は**左クリック(任意点)または右クリック(読取点)**で確定する。別の線との交点に止めたい場合は右クリック
  • 既存線が傾いていてもJw_cadが自動で直角を計算するため、手動の角度計算は不要
  • クロックメニューが反応しない時は、右ボタンが「ドラッグ」になっているか・「クロックメニューを使用しない」設定になっていないかを確認する