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未検証

図形複写(位置・倍率・回転)

Jw_cadの「図形複写」コマンドは、選択した図形や文字をまとめて別の場所に複写する機能です。単純な位置の複写だけでなく、倍率の拡大・縮小や回転角の指定、連続複写まで一つのコマンドで実行できます。

クリップボードを使った「コピー&貼り付け」(5-5)との大きな違いは、図形複写がファイル内の操作として完結し、倍率や回転を複写と同時に指定できる点です。同じ図面内で部品を配置・展開する場面では、図形複写のほうが直感的に操作できます。


図形複写コマンドの起動方法

図形複写コマンドは次の3つの方法で起動できます。

方法操作
メニューバー「編集」→「図形複写」
ツールバー「編集(1)」ツールバー内の「複写」ボタンをクリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内で左ドラッグを7時方向へ

要確認: クロックメニューからの起動方向(左ドラッグ7時位置)を実機で確認してください。


基本操作フロー

基本操作サマリー(全5ステップ)

#操作ポイント
1図形複写コマンドを起動するメニュー・ツールバー・クロックいずれかで
2複写したい図形を範囲選択で囲む文字を含む場合は終点を右クリック
3「選択確定」で選択を確定するまたはEnterキー
4基準点を指定する左クリック=任意点、右クリック=読取点
5複写先をクリックして確定する左クリック=任意点、右クリック=読取点

ステップ1: コマンドを起動する

メニューバー「編集」→「図形複写」を選択してコマンドを起動します。コントロールバーが図形複写用の表示に切り替わります。

ステップ2: 複写したい図形を範囲選択で囲む

複写したい図形を含む領域を、左クリックで始点を指定し、もう一方の角で再びクリックして選択枠を作ります。

注意: 選択枠の終点で文字も選択に含めたい場合は右クリックで終点を指定します。左クリックで終点を指定すると、範囲内にある文字は選択から除外されます。

選択された図形や文字は選択色(ピンク等)に変わります。

ステップ3: 選択を確定する

コントロールバーの「選択確定」ボタンをクリックするか、Enterキーを押して選択を確定します。

要確認: 「選択確定」ボタンの正確なラベル文言を実機で確認してください。

確定後、選択した図形と同じ形がマウスカーソルに追従して仮表示されます。

ステップ4: 基準点を指定する

複写の基準となる点をクリックで指定します。

  • 左クリック: 任意の位置を基準点に設定
  • 右クリック: 読取点(既存の点・端点・交点など)を基準点に設定

Tips: 基準点は後からでも「基点変更」ボタンで変更できます。とりあえず図形の一点を選んで進めても問題ありません。

ステップ5: 複写先をクリックして確定する

マウスを複写先の位置に移動し、クリックで確定します。

  • 左クリック: 任意の位置に配置
  • 右クリック: 読取点(既存の点・端点・交点など)に正確に合わせて配置

複写が完了すると、元の図形はそのまま残り、指定した位置に同じ図形が追加されます。


コントロールバーの設定項目(基準点確定後)

基準点を確定した後、コントロールバーに以下の設定項目が表示されます。

CB項目役割補足
複写チェックON=複写、チェックOFF=移動チェックを外すと図形移動コマンドとして動作
作図属性複写後の図形属性を変更するダイアログを開く線色・線種・レイヤ等を変更可
任意方向複写先の移動方向を制限するクリックで「X方向」「Y方向」「XY方向」に切替可
基点変更基準点を変更する左クリック=任意点、右クリック=読取点
倍率複写時の拡大・縮小倍率を入力「1」=等倍。コンマ区切りでX,Y別指定も可
回転角複写時の回転角度を入力(度)プラスで反時計回り、マイナスで時計回り
数値位置複写先をX,Y座標値で数値指定コンマ区切りでX軸,Y軸の順
マウス倍率マウス操作で倍率を決めるモードに切替基準点からの距離比で倍率が決まる
マウス操作で回転角を決めるモードに切替基準点からの方向で角度が決まる
反転基準線に対して鏡映反転した図形を複写基準線をクリックで指定
連続前回の複写設定を累積して繰り返す右ボタン押しっぱなしで連続処理

要確認: 「数値位置」「マウス倍率」「角」の正確なラベル文言を実機で確認してください。バージョンによって表記が異なる可能性があります。


複写先の方向を制限する(任意方向・X方向・Y方向・XY方向)

「任意方向」ボタンをクリックするたびに、複写先の方向が切り替わります。

モード動作
任意方向マウスの位置そのままが複写先になる(制限なし)
X方向X座標のみ移動。Y座標は元の図形と同じ位置に固定
Y方向Y座標のみ移動。X座標は元の図形と同じ位置に固定
XY方向基準点から延びるX・Y方向の仮想直線のうち、マウスに近い方向に自動固定

Tips: 水平・垂直方向に正確に並べたい場合は「X方向」または「Y方向」を使うと、マウスのわずかなブレを気にせず配置できます。


倍率を指定して複写する(拡大・縮小)

コントロールバーの「倍率」欄に数値を入力することで、複写と同時に図形を拡大・縮小できます。

数値による倍率指定

入力値結果
1等倍(サイズ変更なし)
22倍に拡大
0.5半分に縮小
2,1X方向2倍・Y方向1倍(横方向のみ拡大)
-1,1X方向を反転(左右鏡映)

要確認: 倍率欄に「X,Y」形式でカンマ区切りを入力した場合の動作を実機で確認してください。

背景: X方向とY方向に異なる倍率を指定することで、縦横比を変えた複写(例:横伸ばし、縦伸ばし)が可能です。マイナス値を使うと軸方向の鏡映反転になります。

マウスによる倍率指定(マウス倍率)

「マウス倍率」ボタンをクリックすると、マウスの位置関係で倍率を決めるモードに切り替わります。

  1. 図形の「対角位置」をクリックで指示します。基準点からこの対角位置までの距離が倍率1の基準になります
  2. 次に複写先をクリックします。このとき、基準点からマウスまでの距離が「手順1の距離に対して何倍か」が自動的に倍率として計算されます

確定後、計算された倍率が「倍率」欄に自動入力されます。

Tips: 既存の図形のサイズに合わせて複写したい場合など、「何倍か」より「この点に合わせたい」という場面でマウス倍率が便利です。


回転角を指定して複写する

「回転角」欄に角度(度)を入力することで、複写と同時に図形を回転させられます。

入力値結果
0回転なし(等倍と同じ向き)
90反時計回りに90度(左に倒れた向き)
-90 または 270時計回りに90度(右に倒れた向き)
45反時計回りに45度
180180度回転(上下逆)

背景: Jw_cadの回転は「プラス値=反時計回り」が基本です。通常の数学の角度(反時計回りが正)と同じ向きです。

マウスによる回転角指定(角ボタン)

「角」ボタンをクリックすると、マウスの方向で回転角を決めるモードに切り替わります。

  1. 基準点からの「角度方向の基準」をクリックで指示します。基準点と同じ位置を指示するか、もう一度「角」ボタンをクリックすると0°(水平)が基準になります
  2. 次に複写先をクリックします。このとき、基準点からマウスカーソルへの方向が、手順1で指定した基準方向と何度ずれているかが回転角として自動計算されます

Tips: Shiftキーを押しながらマウスを動かすと、0°・90°・180°・270°のキリの良い角度にスナップします。斜め部材を水平・垂直に向き直して複写したい場面で使えます。


位置を数値で指定して複写する

「数値位置」欄にX,Y座標値を入力することで、複写先の位置を数値で正確に指定できます。

  • 入力形式: X座標値, Y座標値(コンマ区切り)
  • 1つの数値のみ入力した場合: X軸・Y軸の両方に同じ数値が使われます

要確認: 「数値位置」入力欄の正確なラベル名と、基準点からの相対座標か絶対座標かを実機で確認してください。


反転して複写する

「反転」ボタンをクリックした後、基準線を指示することで、その線を境に鏡映反転した図形を複写できます。

Tips: 左右対称の建具(引き違い窓・扉など)や設備機器を反転コピーするときに便利です。対称軸となる基準線を中心線の位置でクリックするのがポイントです。

要確認: 反転操作のフロー(「反転」ボタン後に基準線をどのようにクリックするか)を実機で確認してください。


倍率・回転角・位置を組み合わせて使う

倍率・回転角・数値位置の3つは組み合わせて指定できます。

例: 「2倍に拡大しつつ90度回転させて、X方向に500mm離れた位置に複写する」という場合は、

  • 倍率欄: 2
  • 回転角欄: 90
  • 数値位置欄: 500, 0

の3つを同時に設定してから複写先をクリックします。


連続複写モード

複写が完了すると「連続」ボタンが有効になります。連続ボタンをクリックするたびに、前回の複写での倍率・回転角・数値位置の設定が累積されながら繰り返されます。

操作動作
「連続」を左クリック1回分の累積複写を実行
「連続」を右ボタン押しっぱなし押している間、連続処理が繰り返される

連続複写の活用例:

  • 回転角を30°に設定して連続 → 30°ずつ回転しながら複写(円形配置に使える)
  • 数値位置をX方向に1000mmに設定して連続 → 1000mmピッチで横に並べる複写

Tips: 等間隔に並べた図形のパターン(柱・窓・家具など)を素早く配置するときに連続複写が活躍します。

要確認: 連続複写の累積動作(特に回転角が累積されるかどうか)を実機で確認してください。


作図属性(複写後の図形属性を変更する)

「作図属性」ボタンをクリックすると、複写後の図形属性を変更するダイアログが表示されます。元の図形の線色・線種・レイヤ等を引き継ぐか、別の属性に変更して複写するかを選べます。

通常は属性をそのまま引き継ぐのが一般的ですが、別のレイヤに複写したい場合などに活用します。

要確認: 「作図属性」ダイアログで変更できる属性項目の一覧を実機で確認してください。


図形複写とクリップボードコピーの使い分け

Jw_cadには図形を複写する方法が大きく2つあります。使い分けの判断基準を理解しておきましょう。

比較項目図形複写(このコマンド)クリップボードコピー(5-5)
操作完結ファイル内で完結クリップボード経由
別ファイルへの複写不可(同一ファイル内のみ)可能(Jw_cad間・他アプリへ)
倍率指定可(コマンド内で指定)不可(貼り付け後に別途操作)
回転角指定可(コマンド内で指定)不可(貼り付け後に別途操作)
連続複写可(「連続」ボタン)不可
反転複写可(「反転」ボタン)不可

PERSCの推奨: 同じ図面内での複写・配置作業は図形複写コマンドを使いましょう。倍率・回転の変更と複写を1操作でまとめられるため、手順が少なく済みます。別ファイルの図形を取り込む場合にのみクリップボードコピー(5-5)を選択してください。


実務での使い方

平面図の家具・設備の配置

住宅平面図でユニットバス・洗面台・トイレなど設備機器を左右対称に配置する場面では、片側を図形複写の「反転」機能で複写すると手早く仕上がります。洗面台の引き出し方向が部屋の開口側を向くよう、中心軸を基準線に指定して反転複写します。

柱・束の等間隔配置

木造住宅の伏図や軸組図では、柱・束を等ピッチで配置することが多くあります。1本目の柱を描いた後、数値位置をX方向に「910」(尺モジュール)や「1000」(メートルモジュール)に設定し、連続複写を繰り返すことで均等配置を素早く完成させられます。

Tips: 連続ボタンを右ボタン押しっぱなしにすれば、必要な本数まで一気に配置できます。柱の本数が多い大型物件でも短時間で均等配置が仕上がります。

建具の方向違いのバリエーション作成

引き戸・開き扉などの建具シンボルは、開口方向(左開き・右開き)によって同じ図形の鏡映反転が必要です。片方向を描いた後に反転複写すれば、もう一方向の建具を描き直さずに済みます。90°・180°回転複写も合わせて使うことで、4方向の建具バリエーションを素早く用意できます。

断面詳細図の部材コピー

断面図・矩計図では、同じ部材断面(柱断面・梁断面など)が繰り返し登場します。詳細に描いた断面の図形を倍率1・回転角0で複写し、各位置に順に配置していく使い方がよく見られます。連続複写を使えば等間隔の反復配置も効率的に行えます。


つまずきポイント・対処

Q: 複写しようとしたら図形が移動してしまった

→ コントロールバーの「複写」チェックボックスが外れている状態です。基準点確定後に表示される「複写」チェックボックスを確認し、チェックが入っていることを確認してから複写先をクリックしてください。チェックがOFF=移動(図形移動コマンドと同じ動作)になります。

Q: 文字が複写されない(図形だけ複写された)

→ 範囲選択の終点を左クリックで指定すると、文字は選択から除外されます。文字も含めて複写したい場合は、終点を右クリックで指定してください。

Q: 倍率を変えて複写したが、意図した方向・比率にならない

→ 倍率の基準となるのは「基準点」の位置です。基準点を図形の中心に設定してから倍率を変えると、中心を固定して拡大・縮小されます。基準点の位置を変えたい場合は「基点変更」ボタンを使って再指定してください。

Q: 回転角を入力したが、どの方向に回転するのかわからない

→ プラスの角度値を入力すると反時計回りに回転します。マイナスの値を入力すると時計回りになります。90°=左回転(画面上で図形が左に倒れる)、-90°=右回転と覚えておくと判断しやすいです。迷ったときは一度仮の値で複写して方向を確認し、Ctrl+Z で取り消してから正しい値を入力してやり直しましょう。

Q: 連続複写したら配置がずれていった

→ 連続複写は前回の数値位置・倍率・回転角を累積します。最初の1回目の設定が正しくないと、繰り返すたびにズレが拡大します。1回目の複写結果を確認してから連続を使い始めるか、Ctrl+Zで取り消して設定を見直しましょう。

Q: 読取点に正確に合わせたいが、ずれてしまう

→ 複写先を指定するとき、右クリックで読取点(端点・交点・中点など)にスナップさせることができます。左クリックだと任意点になるため、スナップせずにずれます。正確な位置合わせが必要な場合は右クリックを使ってください。

Q: クリップボードで貼り付けた場合(5-5)と図形複写の違いがわからない

→ 最大の違いは「倍率・回転・連続複写」が使えるかどうかです。クリップボード経由の貼り付けは別ファイルへの持ち越しができる反面、複写と同時に拡大縮小・回転・連続配置を行うことはできません。同じ図面内で部品を展開・配置する用途では図形複写のほうが機能が豊富です。


関連項目

  • 選択の基本(範囲選択・属性選択) — 図形選択の基本操作
  • 切り取り・コピー・貼り付け — クリップボード経由の複写・移動
  • 貼り付けオプション — クリップボード貼り付け時の詳細設定
  • 図形移動 ※準備中 — 図形複写と同じ操作体系で「移動」を行う
  • 複写と移動の切替 ※準備中 — 「複写」チェックボックスで複写⇄移動を切り替える操作
  • 戻る・進む(取り消し・やり直し) — 複写ミスの取り消し
  • 範囲複線 ※準備中 — 選択範囲の全線分への複線一括作成

まとめ

  • 図形複写は選択→基準点→複写先の3ステップが基本。倍率・回転角の変更も同時に行える
  • 文字を含む図形を選択するときは、範囲選択の終点を右クリックで指定する
  • 連続複写の「連続」ボタンは前回の設定を累積するため、等間隔配置・円形配置に活用できる
  • クリップボードコピー(5-5)との違いは「同一ファイル内完結・倍率/回転/連続複写が使えること」