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未検証

2次曲線の作図

このコマンドでできること

Jw_cadの「曲線」コマンドにある「2次曲線」モードを使うと、基準線・原点・中間点・始点・終点の5要素を順に指示するだけで、放物線のような凸形のなめらかな曲線を作図できます。アーチ型の開口、パラボラ屋根の輪郭、ステンドグラスの装飾枠、ライティングの配光イメージ、構造解析でよく見るたわみ曲線の概念図など、円弧では表現できない**「等加速的に膨らむカーブ」**が必要な場面で使うコマンドです。中間点をどこに置くかで凸の深さが変わり、始点と終点を原点を挟んで左右均等にすれば数学のグラフのような左右対称の2次曲線、片側にずらせばアシンメトリな曲線も描けます。

背景: ここで言う「2次曲線」は、中学・高校の数学で扱う2次関数 y=ax² のグラフを指します。原点を頂点として、基準線(X軸に相当)に沿って左右に開いていく凸形の曲線です。Jw_cadの2次曲線コマンドは、この数学的な放物線をマウス指示だけで描けるようにした作図機能で、関数式や係数を入力する必要はありません。

注意: この記事は曲線コマンドの「2次曲線」モードのみを扱います。曲線コマンドの起動方法そのものはサイン・スプライン・ベジェと共通のため、別モードで描きたい場合はそれぞれ サイン曲線の作図スプライン曲線の作図ベジェ曲線の作図 を参照してください。3点を通る楕円弧(似て非なる曲線)は 3点指示で円・円弧を作図 に切り出してあります。


起動方法

2次曲線は、曲線コマンドを起動して「2次曲線」モードに切り替える手順です。曲線コマンドそのものの起動ルートは3つ用意されています。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(2)」ツールバー内の「曲線」ボタンを左クリック
メニューバー作図」 → 「曲線」を左クリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内で2時方向へ左ドラッグ → ドラッグ中に右クリック

起動したらコントロールバーの「2次曲線」を選択します。これで作図モードが「2次曲線」に切り替わります。

要確認: 「2次曲線」のUI種別は実機で確認します。s-projectsの解説では「選択」、jwdojoの解説では「ラジオボタンにチェックを入れる」と記述に揺れがあるため、ラジオボタンとチェックボックスのどちらで実装されているかを実機で確定させます。

PERSCの推奨: 曲線系のコマンド(サイン・2次曲線・スプライン・ベジェ)は、すべて同じ「曲線」コマンドの中でモード切替する仕組みです。曲線を描く可能性のある作業に入る前に、左ツールバーの「曲線」ボタンの位置を確認しておくと、モード切替で迷う時間が減ります。


2次曲線の作図サマリー(全7ステップ)

2次曲線は、線・矩形・円のような2〜3クリックでは終わらず、5回の指示を順に行う多段階の作図です。最初に全体像を押さえてから、それぞれの指示の意味を理解して進めます。

#操作所要
1曲線コマンドを起動(ツールバー「曲線」)数秒
2コントロールバー「2次曲線」を選択数秒
3コントロールバー「分割数」に整数を入力(初期値のままでも可)数秒
4基準線とする直線を左クリック or 右クリックで指示数秒
5原点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示数秒
62次曲線が通過する中間点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示数秒
7始点 → 終点を順に左クリック(読取点なら右クリック)で指示。終点指示で曲線が確定数秒

基本操作: 基準線・原点・中間点・始点・終点

2次曲線の作図は、5つの指示が連続して必要になる、Jw_cadの中でもクリック数の多いコマンドです。線が2点(始点→終点)、円が2点(中心→円周)、円弧が3点(中心→始点→終点)だったのに対し、2次曲線は「1本の線(基準線)+ 4つの点(原点・中間点・始点・終点)」を指示する流れになります。

手順1: 曲線コマンドを起動

左側「作図(2)」ツールバー内の「曲線」ボタンを左クリックします。コントロールバーが曲線コマンド用の表示に切り替わり、上部に「サイン曲線」「2次曲線」「スプライン曲線」「ベジェ曲線」「分割数」のオプションが並びます。

手順2: 「2次曲線」を選択

コントロールバーの「2次曲線」を左クリックして選択状態にします。これで作図モードが「2次曲線」に切り替わります。

Tips: 曲線コマンドの4つのモード(サイン・2次・スプライン・ベジェ)は排他選択で、同時に2つを選ぶことはできません。意図せず別のモードを選んでしまうと、画面の指示の出方が変わってしまうので、最初に「2次曲線」が選ばれていることを確認してから次のステップに進みましょう。

手順3: 分割数を確認・調整

コントロールバーの「分割数」に、曲線を構成する直線セグメントの数を入力します。数を増やすほど曲線がなめらかになりますが、データ量も増えます。

分割数の目安用途
16〜32概念図・スケッチ用途。なめらかさは粗いが軽い
50前後一般的な意匠図面・添景。バランスが良く標準値
100以上印刷で曲線として見えてほしい仕上げ図面

背景: Jw_cadの2次曲線は、内部的には短い直線をつなげた折れ線として作図されます。分割数を増やすと折れ線の頂点が増えて見た目の滑らかさが上がる代わりに、データ量と再描画時間が増えます。s-projectsの曲線解説でも「データ数が多くなりすぎると表示や読取りに時間がかかる」と注意があり、過剰な分割数はかえって作業効率を落とすため、用途に応じて適度な値を選ぶのが基本です。

要確認: 「分割数」の初期値・有効範囲・整数のみ受け付けるか小数も可かは実機で確認します。サイン曲線とは初期値や上限値が異なる可能性があります。

手順4: 基準線を指示

作図ウィンドウに既に描かれている直線の中から、2次曲線の基準線にしたい線を左クリックまたは右クリックで指示します。基準線は、2次曲線で言う「X軸」に相当する直線で、この線に沿って曲線が左右に展開します。

要確認: 基準線指示時の左クリックと右クリックの動作差は実機で確認します。s-projectsでは「左or右クリックで指示」と記述があり、選択された線が太くハイライトされる挙動と思われます。

Tips: 基準線になる線は、あらかじめ線コマンドで描いておく必要があります。水平線を基準線にすれば普通の上下に開く2次曲線斜めの線を基準線にすれば斜めに傾いた2次曲線が描けます。曲線を描き終わった後に基準線が不要なら、消去コマンドで削除しても2次曲線そのものは残ります。

手順5: 原点を指示

基準線指示の直後、2次曲線の原点(曲線の頂点・対称軸が通る位置)にしたい場所を左クリック(既存の点を読取りたい場合は右クリック)で指示します。原点は基準線の上に乗っていなくても良いですが、通常は基準線上に取るのが2次関数のグラフ形状になります。

背景: 数学の2次関数 y=ax² で言う原点(頂点)にあたる位置です。曲線はこの原点を中心に左右対称(または非対称)に展開し、原点が曲線の最も凹んだ/突き出した点になります。

手順6: 中間点を指示

原点指示の直後、2次曲線が通過する中間点左クリック(読取点なら右クリック)で指示します。中間点は曲線が必ず通過する点で、原点から中間点までの基準線に垂直な距離が、そのまま2次曲線の「凸の深さ(高さ)」を決めます。

Tips: 中間点を基準線から大きく離せば深い・尖った2次曲線、近くに置けば浅い・なだらかな2次曲線になります。アーチ開口の高さを決めるパラメータと思って、現場の意匠イメージに合わせて中間点の位置を決めるのが実務感覚に合います。

手順7: 始点と終点を指示して曲線確定

中間点指示の直後、続けて始点終点をそれぞれ左クリック(読取点なら右クリック)で指示します。終点を指示した瞬間に2次曲線が自動的に作図されます。

クリック役割
始点2次曲線の左端(または片端)
終点2次曲線の右端(または片端)。ここで曲線確定

要確認: 終点指示で曲線が自動確定する挙動(Enterや「作図実行」ボタン操作が不要)は、s-projects・jwdojo・kantancadのいずれの記述でも明示されています。スプライン曲線・ベジェ曲線では「作図実行」ボタンまたはEnterが必要なため、2次曲線とは確定タイミングが異なる点を実機で再確認します。


始点・終点の取り方による曲線の形

2次曲線は、始点と終点を原点を挟んでどう取るかで、できあがる曲線の形が大きく変わります。kantancadの解説でも「指示点が違うだけで違った形状になる」と紹介されている、このコマンドの肝の部分です。

左右対称の2次曲線(標準形)

始点と終点を、原点を挟んで左右均等な位置に取ると、数学のグラフのような左右対称の2次曲線になります。中間点を高い位置にすれば深い椀型、低い位置にすれば浅い椀型の対称曲線が描けます。

始点・終点の位置関係結果
原点から左右に同距離左右対称の2次曲線
中間点が高い深い椀型/鋭い凸
中間点が低い浅い椀型/ゆるい凸

片側だけ長い2次曲線(非対称形)

始点と終点を、原点から片側だけ大きく伸ばした非対称な位置に取ると、片側だけ長く伸びた2次曲線になります。kantancadの記述では「片面だけの曲線も描ける」「終点の指示位置が違うだけで途中の操作は同じ」と紹介されています。

始点・終点の位置関係結果
始点を原点に近く・終点を原点から遠く右側だけ長い片側曲線
始点を原点から遠く・終点を原点に近く左側だけ長い片側曲線
始点と終点を原点の同じ側に取る原点を含まない部分だけの2次曲線(部分弧的)

Tips: 「左右対称の2次曲線」が必要な場面は、装飾的なアーチ・パラボラ屋根・センターアラインの意匠など限られています。建築実務でよくあるのは「片側だけ伸ばしたい」シーン(たとえば壁に沿って下がっていく曲線、片流れのカーブなど)で、このときは始点と終点を意図的に非対称に取ります。原点を中央に置く必要はないと覚えておくと、表現の幅が広がります。


中間点と凸の深さの関係

2次曲線の「凸の深さ(曲線の膨らみ)」は、中間点をどこに置くかだけで決まります。中間点が原点から基準線方向にいくら離れていても、曲線の幅は始点・終点の位置で決まるため影響しません。

中間点位置と曲線形状の対応

中間点の位置曲線の形
基準線から大きく離す(高い位置)深い・尖った凸(鋭いアーチ)
基準線にやや近い標準的な凸(一般的なアーチ)
基準線にほぼ重ねる浅い・なだらかな凸(ゆるい弧に近い)
基準線を挟んで原点と反対側逆向きの凸(下に開く曲線)

背景: 中間点を基準線の上下どちら側に取るかで、2次曲線の開く向き(凹凸の向き)も決まります。基準線を上下に挟んで「原点と中間点が同じ側」にあれば、中間点側に向かって膨らむ曲線が描かれます。「原点と中間点が反対側」にあれば、原点から見て下方向に膨らむ逆向きの曲線になります。


「2次曲線」と他の曲線モードの違い

「2次曲線」は曲線コマンドの4モードのうちの1つです。他の3モード(サイン・スプライン・ベジェ)とは、指示する点の数確定タイミングが違います。

モード主な指示確定タイミング用途
2次曲線基準線+原点+中間点+始点+終点終点指示で自動確定放物線・アーチ・パラボラ
サイン曲線基準線+原点+振幅頂点+1サイクル点+始点+終点終点指示で自動確定波形・周期曲線
スプライン曲線通過点を順に指示(任意数)作図実行ボタン or Enter自由なめらか曲線
ベジェ曲線始点・制御点・終点(以降も連続可)作図実行ボタン or Enter制御点で形を作る曲線

要確認: 各モード間の排他選択挙動・モード切替時のコントロールバー表示変化を実機で確認します。

Tips: 「自由な曲線をなめらかに描きたい」だけならスプライン、「制御点で形を作りたい」ならベジェ、「数学的な放物線が必要」なら2次曲線、「波形が必要」ならサイン、と4種類を使い分けます。意匠的なアーチを描く目的では2次曲線が最も「数学的にきれいな放物線」になりますが、形を細かく調整したい場合はスプラインやベジェのほうが融通が効きます。


2次曲線のデータ構造(折れ線として記録される)

2次曲線コマンドで描いた曲線は、データ上は短い直線をつなげた折れ線として記録されます。中心や半径を持つ単一要素の円・円弧とはデータ構造が根本的に異なります。

作図方法データ上の扱い
線コマンド1本の線
円コマンド1つの円要素(中心+半径)
円弧コマンド1つの円弧要素(中心+半径+始点角+終点角)
2次曲線コマンド多数の短い直線の集合(分割数で本数が決まる)
スプライン・ベジェ曲線同様に短い直線の集合

折れ線として扱われる影響

  • 範囲選択でかこむと、分割数の本数だけ線として選択される
  • 1本ずつ消去・属性変更することも可能(ただし手間がかかる)
  • 「中心点取得」「半径測定」のような円・円弧専用の読取りは使えない
  • 全体をまとめて編集したい場合は、範囲選択後にブロック化コマンドでひとまとまりにすると扱いやすい

Tips: 2次曲線・サイン曲線・スプライン・ベジェ曲線はいずれも折れ線扱いのため、後から「曲線そのものの形を編集する」のは難しいコマンド群です。形を変えたい場合は、消去して描き直すのが基本動線になります。ブロック化しておくと「曲線ひとかたまり」として複写・移動・回転が楽になるので、確定直後にブロック化する運用を推奨します。詳しくは ブロック化コマンド ※準備中 を参照。

要確認: 描画後のデータ構造(短い直線の集合か、専用の曲線要素として記録されるか、自動でブロック化されるか)を実機で確認します。範囲選択時に何要素として選ばれるかが判定の決め手です。


書込線色・線種の継承

2次曲線は、コマンド実行時の書込線色・線種・書込レイヤで作図されます。曲線を描く前に 線属性(線色・線種)の設定 で、目的の線色(通常は補助線色や添景用の薄い色)に切替えてから作図するのが定石です。

設定項目反映タイミング
書込線色コマンド実行時の現在値が、確定する全直線セグメントに反映
書込線種同上(実線・破線・点鎖線など)
書込レイヤ同上(指定レイヤに全セグメントが入る)

Tips: 装飾的な2次曲線を本図と同じ線色で描くと、図面の視認性が悪くなることがあります。補助線色または専用レイヤを割り当てて作図し、印刷時にレイヤ表示を切り替えるか、薄い線色で出すとよいです。

要確認: 描画後の各直線セグメントが現在の書込属性で記録されているか、ブロック化されている場合の属性継承の挙動を実機で確認します。


実務での使い方 ★PERSC独自

アーチ型開口(パラボラ・放物線アーチ)

エントランス、玄関ポーチ、ニッチ(壁龕)など、意匠的なアーチ型開口を描く際に2次曲線が使えます。半円アーチや円弧アーチでは「真円の一部」の形しか作れませんが、2次曲線なら頂点に向かって徐々に細くなるシャープなパラボラ型も描けます。教会のゴシックアーチ風の鋭いアーチ、モダニズム建築のなめらかなパラボラ開口など、円弧では出せない曲線形状の場面で活躍します。

  • 開口の下端に水平線(敷居ライン)を描いておき、それを基準線として右クリックで指示
  • 開口の中心位置(頂点)を原点として右クリック
  • アーチの最高点を中間点として、開口の上下中心位置で右クリック
  • 開口の左下端を始点・右下端を終点として右クリック
  • 終点指示で対称的なアーチが描かれる

中間点の高さを変えれば、同じ開口幅でも「浅いアーチ」と「深いアーチ」を描き分けられます。意匠検討の初期段階で複数パターンをサッと描いて比較する用途にも向きます。

パラボラ屋根・キャッチング屋根の輪郭

商業施設の意匠的なエントランスキャノピー、競技場や公共建築のシェル構造、ガレージのR屋根など、断面が放物線的に膨らむ屋根形状を立面・断面図に描く場面でも2次曲線が出番です。屋根の左右端(軒先)を始点・終点、屋根の最高点(むね位置)を中間点として指示すれば、対称的なパラボラ屋根が一発で描けます。

実務では、屋根の構造解析的な放物線そのものを描く必要は少なく、**「放物線らしい意匠表現」**としての概略図用途が中心です。詳細な構造線は別途作成し、意匠検討用の輪郭線として2次曲線を重ねる流れが多いです。

ステンドグラス・装飾枠の意匠線

教会や邸宅の意匠的な室内装飾、ステンドグラスの枠形状、装飾アーチの輪郭など、手描きでは難しい数学的にきれいな曲線を図面に表現したいときに2次曲線が便利です。手で描いたフリーハンド線とは違い、左右対称の数学的に美しい放物線が出るので、装飾意匠の図面表現の品質が上がります。

ステンドグラスの場合、外形を2次曲線で描いた後、内部の鉛枠を線・円弧で構成し、ハッチコマンドでガラス部分を塗り分ける流れになります。詳しくは ハッチコマンドの基本 ※準備中 を参照。

ライティングの配光イメージ図

照明計画図で、**ペンダントライト・スポットライト・ダウンライトの配光(光が床面に届く範囲)**を概念的に表現する場面で2次曲線が使えます。光源を原点、配光の最遠点を中間点、床面ラインを始点・終点として指示すると、配光のなめらかな広がりを2次曲線で描けます。

実際の配光分布は機器カタログのIES曲線で表現するのが正式ですが、プレゼン用の意匠図面では2次曲線で「らしい」配光を描くだけで雰囲気が伝わります。半円や楕円弧よりも放物線のほうが、光が床に向かって広がる視覚イメージに近いことが多いです。

構造解析の概念図(たわみ曲線・モーメント図)

構造設計の概略説明図で、**梁のたわみ曲線・曲げモーメント図(M図)**を意匠用途に描く場面でも2次曲線が役立ちます。等分布荷重を受ける単純梁のたわみ曲線は数学的に2次関数に近いため、2次曲線コマンドで描いた線が概念図として視覚的に納得感があります。

設計説明資料・構造説明書の挿絵レベルの用途で、簡易的に「らしい」M図やたわみ曲線が必要なときに、2次曲線が手軽に使えます。実際の構造計算結果は別途専用ソフトで出力する前提で、意匠の説明図用と割り切って使うのがコツです。

庭園・外構のなめらかな園路カーブ

外構図・植栽配置図で、敷地に沿ってなめらかにカーブする園路や植栽帯の輪郭を描く場面でも2次曲線が選択肢になります。円弧で描くと「規則的な丸み」が出てしまい、ランドスケープの自然なカーブの表現には向かないことがあります。2次曲線で描けば「数学的だが自然に見える」カーブが出せるため、エントランスアプローチや庭園内園路の意匠表現に合います。

ただし、より自由な形が必要な場合はスプライン曲線 のほうが融通が効きます。「左右対称の意匠的なカーブ」が欲しいときに2次曲線を選び、「自由な蛇行」が欲しいときはスプラインを選ぶ、と使い分けます。

PERSCの推奨: 2次曲線は**「数学的にきれいな放物線が欲しい場面」**に絞って使うのが効果的です。フリーハンドのなめらかさが欲しい場合はスプラインまたはベジェ、円の一部で良い場合は円弧を選ぶほうが、結果として図面の品質が上がります。「とりあえず曲線を描きたい」目的だと2次曲線が選ばれにくく、用途を意識した使い分けが重要なコマンドです。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「2次曲線」を選んだのに曲線が描けない・反応しない

→ コントロールバーの「2次曲線」が選択されているかを確認してください。曲線コマンドの4モード(サイン・2次・スプライン・ベジェ)は排他選択のため、別のモードが選ばれていると2次曲線にはなりません。また、最初に基準線を指示しないと原点指示の段階に進めないので、作図ウィンドウに既存の直線が無い場合は、先に線コマンドで基準線を1本描いておく必要があります。

Q: 基準線として指示できる線がない

→ 2次曲線は基準線(既存の直線)が必須のコマンドです。作図ウィンドウに直線が1本もない場合、コマンドを進められません。先に 線コマンドの基本 で水平線か斜めの直線を1本描いてから、2次曲線コマンドに入ってください。曲線が完成した後、不要なら基準線を消去すれば、2次曲線だけが残ります。

Q: 始点・終点を指示したのに曲線が反対側に伸びる

→ 中間点が基準線に対して原点と反対側に置かれている可能性があります。中間点と原点を基準線の同じ側に取ると、その側に向かって膨らむ曲線が描かれます。意図と逆向きになった場合は、Esc(操作の巻き戻し)で中間点指示前に戻し、中間点を反対側に取り直してから再度始点・終点を指示してください。

Q: 曲線がギザギザして滑らかに見えない

→ コントロールバーの「分割数」が小さすぎる可能性があります。分割数を50〜100程度に増やして再度作図し直すと滑らかに見えます。ただし分割数を上げすぎるとデータ量が増えて再描画が遅くなるため、用途に応じてバランスを取ります。A4印刷で曲線として違和感なく見えるのは50前後が目安です。

Q: 描いた曲線を後から伸縮・変形したい

→ 2次曲線は短い直線の集合として記録されるため、「曲線そのものの形を後から伸縮する」操作はできません。形を変えたい場合は、消去して描き直すのが基本動線です。始点・終点・中間点・分割数を変えたバリエーションを比較したい場面では、最初の1本を描いてから、続けて分割数や中間点位置を変えた2本目・3本目を別レイヤに描き、後から比較するワークフローがおすすめです。

Q: 描いた曲線が範囲選択でバラバラに分解される

→ 2次曲線は折れ線として記録されるため、範囲選択でかこむと分割数の本数だけ線として選ばれます。1要素として扱いたい場合は、範囲選択した後に ブロック化コマンド ※準備中 でブロック図形にすると、以降は1ブロックとして複写・移動・回転できます。

Q: 始点と終点を入れ替えたら曲線の形が変わった

→ 2次曲線は始点と終点の指示順でも形が変わる場合があります。始点を原点に近く取って終点を遠くに取った場合と、その逆では片側の長さが入れ替わります。始点と終点を「左→右」または「右→左」の順で取るのかは作図したい曲線形状に合わせて決めます。原点を中央にして左右対称にしたい場合は、始点と終点を原点から等距離に取れば、指示順は影響しません。

Q: クロックメニューから曲線コマンドが起動できない

→ クロックメニューでの曲線コマンド起動は「2時方向に左ドラッグしながら、ドラッグ中に右クリック」というやや特殊な操作です。一度ドラッグを離してから右クリックでは起動しません。詳しくは クロックメニュー入門 ※準備中 を参照してください。慣れないうちは左ツールバーの「曲線」ボタンから起動するのが確実です。

Q: 「2次曲線」と「サイン曲線」の使い分けが分からない

→ 2次曲線は**1つの凸(放物線)を描くコマンド、サイン曲線は繰り返す波形(山と谷の連続)**を描くコマンドです。アーチや屋根の輪郭のように「単一の膨らみ」が必要なら2次曲線、フェンスの装飾やグラフィカルな波模様のように「周期的な波」が必要ならサイン曲線、と使い分けます。詳しくは サイン曲線の作図 を参照。

Q: 3点を通る2次曲線(放物線回帰)を描きたい

→ Jw_cadの2次曲線コマンドは「3点を通る放物線」を直接描く機能はありません。3点指定で曲線を描きたい場合は、3点指示の円弧 (3点指示で円・円弧を作図) またはスプライン曲線 (スプライン曲線の作図) を使います。2次曲線は「1本の基準線に対して原点・中間点・始点・終点で形を決める」発想のコマンドなので、純粋な3点回帰ではない点に注意してください。

Q: 描いた2次曲線の中心点や頂点を後から拾いたい

→ 2次曲線は折れ線扱いのため、「曲線の頂点」を直接読取点として取得することはできません。原点・中間点・始点・終点の正確な位置が必要な場合は、2次曲線を描く前に点コマンドで原点と中間点に点記号を打っておくのがおすすめです。後から原点位置を拾いたいときに、その点記号を右クリックで読み取れます。


関連項目


まとめ

  • 2次曲線は「作図(2)」ツールバーの「曲線」ボタン → コントロールバー「2次曲線」選択で起動する
  • 作図フローは基準線 → 原点 → 中間点 → 始点 → 終点の5指示。終点指示で自動確定される
  • 始点と終点を原点を挟んで左右均等に取れば対称形、片側だけ伸ばせば非対称形になる
  • 中間点を基準線から離す距離で凸の深さ(曲線の膨らみ)が決まる。離すほど深く・尖った曲線
  • データ上は短い直線の集合として記録され、分割数で滑らかさが決まる(標準50前後)
  • 範囲選択で複数線として選ばれるため、1ブロックとして扱いたい場合はブロック化を併用
  • アーチ開口・パラボラ屋根・装飾意匠・配光イメージ・構造概念図など、「数学的にきれいな放物線」が必要な場面で円弧では代替できない曲線を提供する