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ハッチング 図形登録(パターン)
このページでできるようになること
Jw_cadの「ハッチ」コマンドの図形モードを使うと、自分で作図した図形をパターンの「ひとマス」として登録し、閉鎖した範囲の中にその図形を等間隔で敷き詰めることができるようになります。1線・2線・3線・馬乗り目地では表現しきれない、植栽記号・芝生模様・木目調の床・装飾タイル・砂利舗装といった自前のオリジナル模様を、面単位で一気に作図する手段が手に入ります。
背景: 標準の1線・2線・3線・馬乗り目地ハッチが「直線の繰り返し」を扱うのに対し、図形ハッチは「自分でデザインした任意の図形(点・線・円・円弧・ハッチの組み合わせ)」をパターン素材として扱えます。植物の葉っぱ記号や石ころ模様など、線の組み合わせでは描き起こしにくい意匠を、登録図形1個+配置ピッチで面に展開できる仕組みです。
注意: このページは「図形モード」固有の操作(図形の登録・登録図形でのハッチング)に絞った内容です。ハッチコマンドの起動方法・図形選択の基本は ハッチング 1線(基本)、線種別の派生モードは ハッチング 2線・3線 と ハッチング 馬乗り目地、塗りつぶしは ソリッド(塗りつぶし) をそれぞれ参照してください。図形登録機能の汎用解説は 図形登録(汎用) を参照してください。
図形ハッチで描けるパターンの全体像
ハッチコマンドの「図形」モードでは、事前にパターン素材として登録した図形を、指定の角度・縦ピッチ・横ピッチで閉鎖範囲内に並べて作図できます。代表的な活用イメージは以下のとおりです。
| パターン素材 | 縦ピッチ : 横ピッチの目安(実寸) | 用途例 |
|---|---|---|
| 樹木記号(円+枝線) | 3000 : 3000 | 配置図の植栽帯・並木 |
| 芝生の束(短い斜線×3本セット) | 200 : 200 | 庭・公園・園庭の芝生表現 |
| 砂利の粒(小円の集合) | 150 : 150 | 駐車場・園路・防犯砂利エリア |
| 木目記号(曲線セット) | 75 : 1820 | フローリング1枚分の木目 |
| 装飾タイル(菱形+ドット) | 200 : 200 | 玄関ホールの意匠床・浴室の腰壁 |
| 石ころ模様(不定形閉曲線) | 300 : 300 | 石畳・庭の小道・景石風舗装 |
| ハッチ済みの矩形 | 600 : 900 | 既存仕上げ表をそのままタイル展開 |
背景: 馬乗り目地ハッチが「矩形タイルの規則的なずらし配置」に特化していたのに対し、図形ハッチは「ずらしなし・縦横ピッチで均等格子配置」がベースです。意匠としての見え方は、登録した図形そのもののデザイン力に大きく左右されます。
図形ハッチの作図サマリー(全8ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | パターン素材になる図形を作図ウィンドウ内に作図しておく | 案件次第 |
| 2 | ハッチコマンドを起動 | 数秒 |
| 3 | コントロールバーで「図形」ラジオボタンを選択 | 数秒 |
| 4 | コントロールバー「範囲選択」ボタンをクリック → パターン素材を範囲選択 | 約30秒 |
| 5 | コントロールバー「選択図形登録」ボタンをクリック | 数秒 |
| 6 | 「角度」「縦ピッチ」「横ピッチ」を入力 | 約30秒 |
| 7 | ハッチング対象の閉鎖図形を選択(左クリック連続選択 or 一辺右クリック) | 数秒 |
| 8 | コントロールバー「実行」をクリックして確定 | 数秒 |
合計: 慣れれば素材登録こみで1パターンあたり1〜2分で展開できます。
画像準備中 — 図形ハッチ作図の全体フロー(パターン素材→図形登録→対象範囲選択→実行)
起動方法
図形ハッチはハッチコマンドのモードのひとつなので、まずハッチコマンドを起動します。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| ツールバー ★推奨 | 左側「作図(2)」ツールバー内の「ハッチ」アイコンを左クリック |
| メニューバー | 「作図」 → 「ハッチ」を左クリック |
| クロックメニュー | 作図ウィンドウ内で7時方向に左ドラッグ中に右クリック |
画像準備中 — ハッチコマンドの3つの起動方法(ツールバー/メニューバー/クロックメニュー)
要確認: クロックメニューの起動方向(7時方向の左ドラッグ中に右クリック)は実機で確認します。クロックメニューの基本については マウス操作の基本 ※準備中 を参照。
図形モードへの切り替え
ハッチコマンドを起動すると、コントロールバーに「1線」「2線」「3線」「馬乗り目地」「図形」のラジオボタンが並びます。図形モードは、その中の**「図形」ラジオボタン**を左クリックで選ぶと有効になります。
「図形」ラジオボタンを選んだ直後の変化
「図形」を選ぶと、コントロールバーの構成が1線・2線・3線・馬乗り目地のときとは違うレイアウトに切り替わります。具体的には「範囲選択」ボタンと「選択図形登録」ボタンが現れ、ハッチに使う素材を登録するための導線が前面に出てくる仕組みです。「角度」「縦ピッチ」「横ピッチ」の入力欄は馬乗り目地モードと共通で使えます。
画像準備中 — 「図形」ラジオボタンを選んだ直後のコントロールバー全体(「範囲選択」「選択図形登録」ボタンが並ぶ)
要確認: 「図形」ラジオボタンの正確な表記と、選択時にコントロールバーに現れる「範囲選択」「選択図形登録」ボタンの正確な文言・表示位置を実機で確認します。
パターン素材を作図する
図形ハッチを使う前提として、ハッチに使う図形が作図ウィンドウ内に存在している必要があります。後からまとめて登録するわけではなく、登録対象を画面上で「ここからここまで」と範囲指定する流れになるため、最初に1個分の素材を画面のどこかに描いておきます。
パターン素材を描くときのコツ
- 1個分のサイズ感を意識して描く。ピッチに合わせるための寸法(たとえば縦200×横200のマス目に収まるサイズ)を決めてから線を引く
- 素材の「基点」になる位置(左下や中央)を意識しておく。図形ハッチは登録時の左下基準で配置されるため、あとで配置位置がずれて見える原因になりやすい
- 不要なはみ出し線・点を残さない。範囲選択で巻き込まれるとパターンが汚れる
- パターン素材は書込レイヤを別に分けると、ハッチング後に素材だけ非表示・削除しやすい
画像準備中 — パターン素材として描いた1個分の図形(例: 樹木記号やタイル装飾)
PERSCの推奨: パターン素材はハッチング対象の閉鎖図形からは少し離れた余白に描いておくのがおすすめです。同じレイヤ・同じ位置に描いてしまうと、最後にパターン素材だけ消したいときに範囲選択で誤って巻き込みます。「素材エリア」「作図エリア」を空間的に分ける習慣をつけると、ハッチ作業の手戻りが大幅に減ります。
パターン素材を「選択図形登録」する
素材が描けたら、ハッチコマンドの「図形」モードで素材を登録します。登録の手順は2ステップです。
手順1: 「範囲選択」でパターン素材を囲む
コントロールバーの「範囲選択」ボタンを左クリックします。マウスポインタが範囲選択モードに切り替わるので、パターン素材の左下→右上を左ドラッグでクリックして矩形範囲を作り、もう一度左クリックして範囲を確定します。範囲内に入った線・円・円弧・点が、ハッチに使う素材として候補登録されます。
画像準備中 — コントロールバー「範囲選択」をクリック後、パターン素材を矩形で囲った直後の状態
Tips: 範囲選択の操作感は通常の 範囲選択コマンドの基本 ※準備中 と似ていますが、ここで指定する範囲は「範囲内選択(線が完全に範囲内に収まっているもののみ対象)」相当の挙動になります。範囲枠から少しでもはみ出した線は登録から漏れる可能性があるため、矩形の枠は素材の外側に余裕を持たせて取るのが安全です。
要確認: ハッチコマンド側の「範囲選択」が「範囲内選択」固定か、線切り選択(範囲枠と交差した線も含む)も可能かは実機で挙動確認します。
手順2: 「選択図形登録」ボタンをクリック
範囲選択が確定すると、コントロールバーの「選択図形登録」ボタンが押せる状態になります。これを左クリックすると、選択範囲内の図形が今回のハッチ作業で使うパターン素材として登録されます。
画像準備中 — 「選択図形登録」ボタンをクリックした直後(登録完了の状態)
Tips: 「選択図形登録」は 図形登録(汎用) で扱う「JWS/JWK形式の部品ファイルへの保存」とは別物で、ハッチコマンドの中だけで使われる一時的な素材枠として扱うのが基本理解です。コマンドを抜けても次回のハッチ起動時に直前のパターンが残ることはあるものの、PCを再起動するとリセットされる実装、と考えておくと運用ミスを防げます。
要確認: 「選択図形登録」が一時保持か永続保持かは、別セッションでの再起動後に動作確認します。永続したい場合は、汎用の図形登録(JWSファイル化)を別途行う運用が必要かもあわせて検証します。
角度・縦ピッチ・横ピッチを入力
素材を登録したら、図形ハッチの配置ルールを3つの数値で決めます。馬乗り目地モードと入力欄の構成は同じです。
縦ピッチ
登録した図形を縦方向に何mm間隔で並べるかを入力します。樹木記号で並木をつくるなら3000、植栽帯の芝生束なら200、装飾タイルなら200、というように、配置間隔をそのまま指定します。
横ピッチ
登録した図形を横方向に何mm間隔で並べるかを入力します。基本的に縦ピッチと同じ値で正方格子配置、横を長くすれば横長の格子配置になります。
角度
並べたパターン全体を何度傾けるかを入力します。0なら水平基準、45なら45度傾斜のパターンになります。フローリングを斜め張りに見せたいときや、植栽帯のラインを敷地境界に合わせたいときに使います。
| 入力例(縦, 横, 角度) | 完成イメージ | 主な用途 |
|---|---|---|
3000, 3000, 0 | 大きめの樹木記号を3m間隔で並べる | 配置図の並木・庭木 |
200, 200, 0 | 芝生束を20cm間隔で密に並べる | 庭・公園の芝生表現 |
150, 150, 45 | 砂利粒を斜め45度の格子で配置 | 防犯砂利エリア・通路 |
75, 1820, 0 | フローリング1枚分の木目を縦75・横1820で配置 | 床仕上げ図 |
200, 200, 30 | 装飾タイルを30度傾けたデザイン展開 | アクセント床・店舗内装 |
画像準備中 — 「角度」「縦ピッチ」「横ピッチ」に数値を入力した状態(樹木記号3000×3000の例)
Tips: ピッチは登録した図形のサイズより大きい値を入れるのが基本です。図形サイズより小さいピッチを入れると、図形同士が重なり合って黒く潰れたような結果になります。素材サイズを300×300で描いたなら、最低でもピッチ300以上を入れて重ならないようにします。
要確認: 図形ハッチ専用の「倍率」入力欄が存在するか(馬乗り目地にはない図形モード固有のオプション)、ピッチで間接的に拡大縮小をコントロールするかは実機で挙動確認します。
「実寸」チェックの効き方
馬乗り目地と同じく、図形ハッチでも**「実寸」チェック**でピッチの解釈が変わります。
| チェック | ピッチの解釈 | 1/100の図面で「200」と入れた場合 |
|---|---|---|
| OFF | 用紙上のミリ | 用紙上200mm間隔(実物では20m間隔) |
| ON | 実寸(建物のミリ) | 用紙上2mm間隔(実物では200mm間隔) |
PERSCの推奨: 建築図面では**「実寸」チェックON**を基本にして使います。実物の樹木間隔・タイル寸法をそのまま入力できるため、縮尺を変更したときも自動で見た目が追従します。1/50の詳細図と1/100の配置図で同じパターンを共用するときも、実寸ONなら数値を変えなくて済みます。
要確認: 「実寸」チェックON時に、登録した図形そのものの寸法も縮尺に合わせて拡大縮小されるか、それともピッチだけが実寸換算され図形は登録時のサイズ固定で配置されるかを実機で確認します。図形そのもののスケーリング挙動が実装次第なため、最初に小さなテスト範囲で挙動を見てから本図面に適用する運用が安全です。
ハッチング対象の閉鎖図形を選択
素材登録とピッチ入力が終わったら、ハッチを敷きたい閉鎖図形を選択します。選択方法は1線・馬乗り目地と共通で、2通りあります。
方法1: 線を1本ずつ左クリック
閉鎖図形の輪郭を順番に左クリックします。最初に選んだ線が**ランダム線(指示色の波形)**で表示され、1周回って最初の線をもう一度クリックすると範囲が確定します。
方法2: 一辺を右クリック(連続線一括選択)
閉鎖図形の一辺を右クリックすると、つながった連続線全体が一括で選択されます。長方形の壁面・床・庭のような単純な閉鎖図形なら、こちらが大幅に速いです。
画像準備中 — 閉鎖図形の一辺を右クリックして全体を選択した状態
PERSCの推奨: 図形ハッチは大面積に展開する用途が多いため、右クリック1発の連続線一括選択を標準にしましょう。長方形の植栽帯や四角い駐車場区画なら、迷わず右クリックです。
注意: 右クリック選択は閉鎖された連続線にしか正しく機能しません。線端がわずかにずれているとハッチが途切れて作図されます。ハッチ前にコーナー処理コマンドで端点を整えておきましょう。
「実行」ボタンで確定
範囲が確定すると、コントロールバーに「実行」ボタンが表示されます。これを左クリックすると、登録した図形が指定の角度・ピッチで閉鎖範囲内に敷き詰められます。
画像準備中 — 「実行」ボタンをクリックして図形ハッチが一括展開された結果(樹木記号が並ぶ庭の例)
Tips: 実行を押す前に**「縦ピッチ」「横ピッチ」「実寸チェック」「登録図形の中身」の4点を確認**する習慣をつけると、想定外のサイズ・密度でハッチが展開されて消去のやり直しになる事故を減らせます。とくに前回のハッチ操作で登録した別パターンが残ったままになっていることがあるため、新しい素材で描くときは必ず登録し直します。
基点変・クリアーの併用
図形ハッチでも、コントロールバーの「基点変」と「クリアー」は1線・馬乗り目地と同じ役割で使えます。
基点変
「基点変」ボタンを左クリックしてから作図ウィンドウ内の任意点を指示すると、その位置を基点として図形が並びます。庭木の並木で「最初の1本を玄関アプローチに合わせたい」というケースで、目地を合わせるのと同じ要領で位置調整できます。
要確認: 図形ハッチでも基点変が同じ手順で効くかは実機確認します。馬乗り目地と同じUI上にあるため共通動作と推測しますが、図形配置時の基点解釈(左下・中心など)はパターンによって挙動が変わる可能性があります。
クリアー
「クリアー」ボタンを左クリックすると、ハッチ対象の選択がリセットされます。登録した素材自体はクリアーでは消えない点に注意します。素材ごと差し替えたいときは、再度「範囲選択」→「選択図形登録」を実行して上書きします。
画像準備中 — 「基点変」「クリアー」ボタンの位置と使い分け
図形ハッチで作図された結果のデータ構造
図形ハッチを実行すると、登録した素材の構成要素(線・円・円弧)がピッチ間隔ごとに展開された個別の線・円として作図されます。ハッチ実行後は登録図形のひとマスが分解され、データ上は単なる線・円の集合として扱われるイメージです。あとから修正したい場合は、範囲選択 → 消去でハッチをまるごと削除し、ピッチや素材を変えて再実行する流れになります。
要確認: 図形ハッチの作図結果がデータ上「個別線・円の集合」として展開されるか、登録図形を1ブロックとして配置する形か(ブロック解除で展開可)は実機でデータ構造を確認します。前者であれば部分修正で線色変更などができ、後者であればブロック解除→修正の手順になります。
背景: ハッチコマンドは作図時点での書込線色・線種で線が引かれる仕様なので、図形ハッチでも基本は登録時の線属性ではなく作図時の書込線属性でパターンが描かれることが多いです。色を分けたいパターンは、ハッチ実行前に書込線色を切り替えてから実行する運用になります。
実務での使い方 ★PERSC独自
配置図・外構図の植栽記号
住宅・店舗の**配置図(敷地図)**や外構工事図で、樹木・低木・芝生範囲を表現するときに図形ハッチが活躍します。樹木記号(円+枝線)を1個分作図して登録、縦横ピッチを3000mm(高木の標準間隔)に設定して敷地内に展開すれば、並木のリズムが一発で描けます。低木の植え込みなら縦横ピッチ500mm、地被植物(グラウンドカバー)なら200mm、と植栽密度に応じてピッチを切り替える運用が定番です。
庭の芝生・グラウンドカバー表現
外構図・庭園図で芝生範囲を視覚的に示したいときは、短い斜線3〜4本セットの「芝束記号」を素材登録して、縦横ピッチ200×200で展開します。1線ハッチの斜線だけだと「砂利?舗装?」と読み手に伝わりにくいケースでも、芝束の図形ハッチなら一目で芝生だと判別できます。プレゼン用のCGっぽさを出したい外観パースの下絵としても重宝します。
フローリング1枚ごとの木目
床仕上げ図で無垢フローリングの木目を表現するときは、木目1枚分の曲線セットを素材登録し、縦ピッチ75(板幅)×横ピッチ1820(標準長さ)で展開します。馬乗り目地ハッチが「目地のずれ」しか表現できないのに対して、図形ハッチなら板1枚ごとの木目柄まで描き込めるため、本格的な意匠図のクオリティが出ます。乱尺張りの場合は、横ピッチを短めに(例: 910)して板の継ぎ目を多く見せる調整が効きます。
砂利舗装・防犯砂利エリア
エクステリア(外構)の砂利舗装・防犯砂利エリアでも図形ハッチが効きます。小さな円を3〜5個ランダムっぽく組み合わせた「砂利粒記号」を素材登録し、縦横ピッチ150×150で展開すれば、駐車場やアプローチの砂利仕上げが面で表現できます。コンクリート舗装と区別したいときは、書込線色を変えて図形ハッチを上書きすると、線色凡例なしでも素材の違いが伝わります。
装飾タイル・モザイク
店舗・浴室・玄関ホールの装飾床タイルを意匠提案するときは、菱形+ドットの組み合わせや、3色組み合わせのタイル柄を素材登録して、ピッチ200×200で展開します。馬乗り目地ハッチが「同一矩形の繰り返し」しか作れないのに対し、図形ハッチは自分でデザインした柄をそのまま面展開できるため、施主提案の説得力が桁違いになります。
既存・撤去・新設の区別マーカー
リフォーム図面で撤去範囲・新設範囲の区別をパターンで示すときに、シンプルな「×印」や「斜線+ドット」の素材を登録してハッチング展開する運用もあります。撤去部分は密なピッチで×印を並べる、新設部分はピッチを広めにドット模様、というように、図形ハッチを「変更箇所マーカー」として使うと、施主・職人への伝達精度が上がります。
PERSCの推奨: 案件ごとに「自分のパターン素材ライブラリ」を1つのJWSファイルにまとめておくと再利用効率が一気に上がります。樹木記号・芝束・砂利粒・木目・装飾タイル、と用途別に図形を集めたパレットファイルを用意しておけば、案件のたびに素材を描き起こす手間が消え、ハッチ展開だけに集中できます。図形登録の永続化については 図形登録(汎用) を参照。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「図形」ラジオボタンを選んでも何も登録されていない
→ 「図形」モードは選んだだけでは何も起きません。**「範囲選択」→ パターン素材を囲む →「選択図形登録」**の3ステップを通らないと、ハッチ実行時に展開する素材が空っぽです。コントロールバーに「範囲選択」ボタンが出ていない場合は、図形モードがまだ有効になっていない可能性があるため、ラジオボタンが選ばれているか確認します。
Q: 「実行」を押したのに何も描かれない
→ 図形が登録されていないか、対象の閉鎖図形が選択確定していない可能性があります。素材登録の有無は、いったんハッチを抜けて再度起動 →「図形」モード → 適当な閉鎖範囲で実行してみると、直前の素材が残っていれば展開されます。展開されない場合は素材登録ステップから再実行します。
Q: ハッチが図形同士で重なって黒くつぶれる
→ ピッチ値が登録図形のサイズより小さいことが原因です。素材を300×300で描いたなら、ピッチも最低300以上、できれば余裕を見て350〜400以上を入れます。素材の外形寸法を測ってから、その値より大きいピッチを設定するのが基本ルールです。
Q: 思った位置に図形が並ばない(基準位置がずれる)
→ 図形ハッチの配置基準は登録した素材の左下角になることが多いです。素材を描くときに左下を「(0,0)」のような明確な基点に合わせて作図しておくか、ハッチコマンドの「基点変」で配置開始位置を指定し直すと、想定通りの位置に並びます。
Q: パターン素材を消したい・別の素材に差し替えたい
→ 「クリアー」では選択範囲しかリセットされず、登録素材は残ります。新しい素材に差し替えるには、再度「範囲選択」→ 別の素材を囲む →「選択図形登録」のステップを実行して上書きします。素材自体を完全消去したい場合は、Jw_cadを再起動するか、図形モード以外を選んで再度図形モードに戻ると初期化されることがあります。
Q: 登録した素材だけ画面から消えていない
→ 図形ハッチの「素材」は、画面に描いた現物を範囲選択で登録しただけのため、登録後も画面上に元の素材が残っています。ハッチング対象範囲に展開された図形とは別物なので、不要なら範囲選択 → 消去で個別に削除します。素材エリアを別レイヤに描いておけば、レイヤ単位で非表示・削除できて運用が楽になります。
Q: 縮尺を変えたら図形ハッチのサイズだけ追従しない
→ 「実寸」チェックの状態を確認します。チェックOFFのときは用紙上のミリ解釈なので、縮尺を変えても素材サイズはそのまま。チェックONなら実寸基準でピッチが評価され、縮尺変更時に自動で見た目が追従します。建築図面では実寸ONを標準にしましょう。
Q: 描いた図形ハッチを修正したい
→ 図形ハッチは1回ごとに新規作図する仕様で、既存ハッチの一部だけ修正する機能はありません。範囲選択 → 削除でいったん消し、素材やピッチを変えて再度ハッチコマンドで描き直す流れになります。図形ハッチ専用のレイヤを分けておくと、素材ごとに範囲選択で一括削除しやすく、修正サイクルが回しやすくなります。
Q: 「選択図形登録」と通常の「図形登録」コマンドは別物?
→ ハッチコマンド内の「選択図形登録」は、ハッチ作業の中で一時的に使う素材枠として理解するのが安全です。一方、Ch.9で扱う 図形登録(汎用) はJWS/JWK形式の部品ファイルとして永続保存する仕組みで、別案件・別セッションでも使い回せます。同じ素材を継続利用したいなら、汎用の図形登録で部品ファイル化しておく運用が適切です。
Q: 図形ハッチの線色を後から変えたい
→ ハッチで作図された線・円は、実行時の書込線色・線種で確定されます。事後に色だけ変えたい場合は、範囲選択 → 属性変更で一括変更します。詳しくは 属性変更で線色・線種だけ変える ※準備中 を参照。
関連項目
- ハッチング 1線(角度・ピッチ) — 基本の斜線ハッチ
- ハッチング 2線・3線 — 線間隔つきの平行線ハッチ
- ハッチング 馬乗り目地 — レンガ・タイル目地パターン
- ソリッド(塗りつぶし) — 単色塗りつぶし
- 図形登録(汎用) — JWS/JWK部品ファイルとしての永続登録
- 範囲選択コマンドの基本 ※準備中 — 範囲指定の基本操作
- 線属性(線色・線種)の設定 — 書込線色・線種の切替
- 線の作図(基本) — パターン素材の前段としての線作図
- 円コマンドの基本(中心・半径指定) — 樹木記号・砂利粒に使う円
- 属性変更で線色・線種だけ変える ※準備中 — ハッチ後の色一括変更
- トラブルシュート: 閉鎖図形にならない ※準備中
まとめ
- 図形ハッチは、コントロールバーの**「図形」ラジオボタン**を選び、「範囲選択 →(パターン素材を囲む)→ 選択図形登録」で素材を登録してから、角度・縦ピッチ・横ピッチを入力して使う
- ピッチは登録図形のサイズより大きい値を入れるのが基本。重なりを避けて素材外形+余裕の値を設定する
- 建築図面では**「実寸」チェックON**を標準にして、現実の植栽間隔・タイル寸法をそのまま入力する
- 配置図の植栽記号・庭の芝生・木目床・装飾タイル・砂利舗装など、1線・2線・3線・馬乗り目地では表現できない自前パターンを面展開できる
- 素材は案件のたびに描き起こすと手戻りになるため、汎用の 図形登録 でパレットファイル化しておくと再利用効率が大幅に上がる
- 図形ハッチで作図された結果は線・円の集合として展開されるため、修正は範囲選択 → 削除 → 再ハッチが基本フロー