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登録選択図形(一時図形貼付)
このページでできるようになること
Jw_cadの 登録選択図形 コマンド(メニューバー「その他」→「登録選択図形」、ツールバーの「選図」)を使って、ファイル化せずに一時的に登録した図形 を作図ウィンドウに貼り付けられるようになります。あわせて、登録の前段である 「範囲選択」コマンドの「選択図形登録」操作、貼り付け時の倍率・回転角・マウス角・作図属性の設定方法、JWS図形ファイル(図形読込)との使い分けまでを通しで身につきます。
背景: 「登録選択図形」は その場限りの即席パーツ を作って繰り返し貼り付けたいときに便利な機能です。「フォルダにJWSファイルを作るほどでもないけれど、図面内の同じパーツを複数箇所に同じ大きさ・同じ向きで貼り付けたい」といった一時的な再利用ニーズに応えます。Windowsで言えば クリップボードに似た一時保管領域 を持っているイメージです。
登録選択図形と図形読込の違い
| 項目 | 登録選択図形(選図) | 図形読込(図形) |
|---|---|---|
| 登録の場所 | メモリ上の 一時領域(ファイル化なし) | JWS/JWKファイル として永続保存 |
| 登録の手順 | 範囲選択コマンドの「選択図形登録」をクリック | 図形登録コマンドで保存先・名前を指定 |
| 保持期間 | Jw_cad起動中の一時的な保持 | 永続(ファイル削除まで) |
| 用途 | その物件内・短期の繰り返し貼付 | 長期再利用するパーツライブラリ |
| ファイル管理 | 不要(フォルダ汚染なし) | 必要(フォルダ・命名管理) |
| 関連コマンド | 範囲選択 + 登録選択図形 | 図形登録 + 図形読込 |
PERSCの推奨: 同じ図面内・同じ作業セッション内で 5回以上同じパーツを貼り付ける ような場面では、登録選択図形が大きく手数を減らせます。逆に 将来別の物件でも使う可能性がある パーツは 図形登録(書出) でJWS化しておくのが基本です。
起動方法
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「その他」→「登録選択図形」 |
| ツールバー | 「その他(2)」ツールバー内の「選図」ボタン |
| ショートカット | 標準では未割当(基本設定 KEY タブで割当可) |
画像準備中 — メニューバー「その他」→「登録選択図形」と「その他(2)」ツールバーの「選図」ボタン位置
要確認: ツールバー上の「選図」ボタンの位置、メニュー項目名「登録選択図形」の正確な表記は実機で確認します。
注意: 図形が一時登録されていない状態では「登録選択図形」「選図」が薄字(無効)になり選択できません。先に「範囲選択」コマンドから「選択図形登録」を実行する必要があります。
基本操作
全体フロー(前段+本コマンド)
| # | 操作 | 主体 |
|---|---|---|
| 1 | 「範囲選択」コマンドを起動 | 範囲選択 |
| 2 | 登録したい図形を範囲選択(左クリックで枠表示→終点指示) | 範囲選択 |
| 3 | コントロールバーの「選択図形登録」を左クリック | 範囲選択 |
| 4 | 作図ウィンドウに「図形登録」と表示され登録完了 | 範囲選択 |
| 5 | 「その他」→「登録選択図形」(または「選図」)を起動 | 登録選択図形 |
| 6 | 仮表示された図形を確認、必要なら倍率・回転角を指定 | 登録選択図形 |
| 7 | 貼り付け位置を左クリック(任意点)/右クリック(読取点) | 登録選択図形 |
| 8 | 続けて貼り付ける場合は次の位置をクリック | 登録選択図形 |
ステップ1〜4は 範囲選択 ※準備中 のコマンドで行います。ステップ5以降がこの記事の「登録選択図形」コマンドの操作範囲です。
前段: 範囲選択コマンドで「選択図形登録」を実行
登録選択図形を貼り付けるには、まず 元になる図形を範囲選択コマンドから一時登録 する必要があります。
手順1: 範囲選択コマンドを起動
メニューバー「編集」→「範囲選択」、またはツールバーの「範囲」ボタンで起動します。
画像準備中 — 範囲選択コマンドの起動
手順2: 図形を範囲選択
登録したい図形を範囲選択します。文字を含む場合は 終点を右クリック で確定します。
画像準備中 — 図形を範囲選択して選択状態にした画面
手順3: 「選択図形登録」をクリック
範囲選択が確定したら、コントロールバーの「選択図形登録」ボタンを 左クリック します。
画像準備中 — コントロールバー「選択図形登録」ボタンの位置
手順4: 登録完了の表示
「選択図形登録」を実行すると、作図ウィンドウに「図形登録」と表示され、一時登録が完了します。この時点ではファイルは作成されません。
画像準備中 — 「図形登録」の表示が出た登録完了画面
要確認: 「選択図形登録」ボタンの正確な表記、「図形登録」の表示タイミング・位置は実機で確認します。
背景: 図形が一時登録されている間、「その他」メニューの「登録選択図形」と「その他(2)」ツールバーの「選図」が アクティブ(クリック可能) になります。登録前は薄字で選択できないので、メニューが薄字なら範囲選択コマンドの「選択図形登録」をやり直してください。
本コマンド: 登録選択図形で貼り付け
手順5: 「登録選択図形」コマンドを起動
メニュー「その他」→「登録選択図形」、またはツールバーの「選図」をクリックします。
画像準備中 — 「登録選択図形」コマンドの起動
手順6: 仮表示と設定
コマンド起動と同時に、登録した図形が 赤線などの仮線 で作図ウィンドウに表示され、マウスに追従するようになります。
このタイミングで、コントロールバーの「作図属性」「倍率」「回転角」「マウス角」「90°毎」で貼り付け条件を指定できます(詳細は次節「コントロールバーの設定項目」)。
画像準備中 — 図形仮表示中のコントロールバー全体
手順7: 貼り付け位置を確定
貼り付けたい位置にマウスを合わせて、
- 左クリック: 任意点
- 右クリック: 読取点(端点・交点・中点等にスナップ)
で確定します。クリックした位置に図形が 現在の書込みレイヤ に作図されます。
画像準備中 — 左クリックで貼り付け確定した直後の状態
手順8: 連続貼り付け
確定後も同じ図形がマウスに追従するため、別の位置にも続けて貼り付けられます。終了したい場合は別のコマンドに切り替えます。
画像準備中 — 連続貼り付け中(複数箇所に同じ図形が配置された状態)
コントロールバーの設定項目
| 項目 | 意味 | 操作 |
|---|---|---|
| 作図属性 | 線色・線種・レイヤの扱いを設定 | クリックで作図属性設定ダイアログ |
| 倍率 | X軸方向・Y軸方向の倍率指定 | テキストボックスに数値入力(例: 2,1) |
| 回転角 | 図形の回転角度(度) | テキストボックスに数値入力(例: 90) |
| 90°毎 | 回転角を90°刻みで切替 | クリックで「無指定→90→180→270→無指定」 |
| マウス角 | マウスカーソル方向で図形を回転 | クリックでX軸方向追従、2回でY軸方向追従、3回で解除 |
設定項目は 図形読込 と共通です。詳細な使い方や倍率パターン早見表は図形読込の記事を参照してください。
倍率(X,Y別指定)の要点
1または1,1: 等倍2,1: 横2倍・縦等倍-1,1: 左右反転1,-1: 上下反転
回転角・マウス角の要点
- 「90°毎」ボタン: クリックごとに「無指定→90→180→270→無指定」
- 「マウス角」: 1回でX軸方向追従、2回でY軸方向追従、3回で解除
作図属性
「作図属性」ダイアログで以下を切り替えられます。
- 文字も倍率
- 点マーカも倍率
- 元グループに作図 / 元レイヤに作図
- 書込レイヤ・元線色・元線種で作図
- 書込み線色 / 書込み線種で作図
各項目の意味は 図形読込 の「作図属性の設定」節で詳しく解説しています。
派生パターン
パターンA: 同じ部屋に什器を一気に配置
オフィス平面図でデスク・チェアを大量配置する場合、
- デスク1セットを描く
- 範囲選択 → 選択図形登録
- 「選図」起動 → 連続して貼り付け(マウス角で向きも調整)
JWSファイル化しなくても、その物件内で素早く配置を済ませられます。
パターンB: 反転コピーで対称配置
倍率に -1,1(左右反転)を入れて貼り付ければ、左右対称の家具配置や建具対をすぐに作れます。コピー&ペーストでは反転できないため、登録選択図形の方がスムーズです。
パターンC: 仮置きパーツの試行錯誤
「家具配置のレイアウト案を3パターン試したい」といった検討段階で、登録選択図形を使うとファイルを汚さずに済みます。気に入った配置だけ確定し、不要なら戻る(戻る・進む ※準備中)でクリアできます。
パターンD: 寸法線を含めた一時登録
寸法線も含めて範囲選択→選択図形登録すれば、寸法込みで貼り付けられます。図面内の同じディテール部分を複数箇所に展開するときに便利です。
実務での使い方 ★PERSC独自
「ファイル化までは要らない、けれど繰り返し使う」場面の専用ツール
PERSC編集部での実務感覚として、登録選択図形の出番は次のような場面です。
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 物件固有のサイン計画 | 物件特有の表示なのでJWS化は不要 |
| 試行錯誤中の家具レイアウト | レイアウト確定前にファイル化しても無駄 |
| 同じ階の同じ部屋を別フロアにも配置 | フロア間コピーが頻発 |
| 集合住宅の住戸タイプ別展開 | タイプAを基準に貼り回す |
| 法令検討用の仮図(避難経路・採光計算等) | 検討終了後は不要 |
これらは 物件単位・セッション単位で完結する用途 であり、フォルダにJWSを増やすほどではありません。
コピー&ペーストとの使い分け
Jw_cadには 切取・コピー・貼付 ※準備中 もありますが、登録選択図形との使い分けは次のようになります。
| 機能 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| コピー&ペースト | 別ファイル間の貼付に有効 | 倍率・回転・マウス角の細かい指定が弱い |
| 登録選択図形 | 倍率・回転角・マウス角が同コマンドで指定可 | 別ファイルへの持ち出しは不可(一時保管のため) |
同じファイル内の繰り返し貼付・倍率指定が必要な場合は登録選択図形、別ファイルへの持ち出しが必要ならコピー&ペースト、と覚えておくと迷いません。
JWS化への昇格判断
登録選択図形で何度も使ううちに「これは他物件でも使うな」と気づいたパーツは、その時点で 図形登録(書出) でJWS化します。一時登録の状態で範囲選択し、図形登録コマンドからファイル名を付けて保存すれば、以降は永続的に使えるパーツになります。
PERSCの推奨: 「3物件連続で使ったらJWS化」を運用ルールにすると、ライブラリが自然に育ちます。逆に1物件限りで終わるなら登録選択図形で十分です。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「登録選択図形」「選図」が薄字でクリックできない
→ 図形が一時登録されていない状態です。先に「範囲選択」コマンドの「選択図形登録」を実行 してください。これを実行すると「登録選択図形」「選図」がアクティブになります。
Q: 文字が選択範囲に含まれない
→ 範囲選択コマンドの 終点を右クリック で確定する必要があります。左クリックは線・円のみ、右クリックは文字も含む、という仕様です。
Q: Jw_cadを再起動したら登録図形が消えた
→ 登録選択図形は 一時保管 のため、Jw_cadを再起動するとクリアされます。永続的に使いたいパーツは 図形登録(書出) でJWS化してください。
Q: 「選択図形登録」を実行しても作図ウィンドウに何も表示されない
→ 範囲選択が空(何も選択されていない)状態の可能性があります。範囲選択枠で図形を囲んでから、もう一度「選択図形登録」をクリックしてください。
Q: 倍率を指定したのに反映されない
→ 倍率は X方向・Y方向のカンマ区切り が正しい入力形式です。2 だけより 2,2 と明示する方が安全です。また、入力後にEnterキーを押すか、入力欄外をクリックして確定する必要があります。
Q: 同じ図形をもう一度別の向きで登録し直したい
→ 範囲選択 →「選択図形登録」を 再度実行 すると、新しい登録で 上書き されます。前の登録は失われるので、複数バージョンを保持したい場合はJWS化してください。
Q: 別ファイルで同じ一時登録図形を使いたい
→ できません。一時登録は 同一Jw_cadセッション・同一ファイル内 での再利用に限定されます。別ファイルでも使いたい場合は 図形登録(書出) でJWS化してください。
Q: 貼り付けたら大きすぎる・小さすぎる
→ 貼り付け先の縮尺と元図形の縮尺が違う可能性があります。同じ図面内 で使う限り縮尺ミスマッチは起きませんが、図面をまたいで運用したい場合は倍率で補正するかJWS化を検討してください。
関連項目
- 図形読込(パーツ貼り付け) — JWS/JWKファイル化されたパーツを貼り付ける(永続版)
- 図形登録(書出) — 一時登録図形を永続化する(JWS化)
- JWK形式での図形登録 — DOS版互換のJWK形式で永続化する
- 範囲選択の基本 ※準備中 — 「選択図形登録」操作の前段
- 切取・コピー・貼付 ※準備中 — クリップボード経由の別系統機能
- 戻る・進む ※準備中 — 試行錯誤中の取り消し
- 基本設定 KEY タブ — 「選図」コマンドにショートカットを割り当てる
- 読取点(端点・交点・中点) — 右クリック貼り付け時のスナップ仕様