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長さ取得(線長・2点長・間隔取得ほか)
このページでできるようになること
Jw_cadの「長さ取得」コマンドを使って、すでに描かれている線・円の長さや2点間の距離を コントロールバーの「寸法」テキストボックスに自動入力 できるようになります。「同じ長さの線をもう1本引きたい」「向かい合う2線間の隙間と同じ幅で複線したい」といった場面で、定規で測って数字を打ち直す手間がなくなります。線長・2点長・数値長・間隔取得の4種類の使い分けまで通しで理解できます。
背景: 長さ取得は 計測コマンド(測定)の距離測定とは別物 です。測定は「距離の数値を画面に表示するだけ」なのに対し、長さ取得は「次に作図するコマンドの寸法テキストボックスに値を流し込む」のが目的です。同じ「長さを読む」操作でも、目的が「確認」か「再利用」かで使うコマンドが分かれます。
このコマンドでできること
「長さ取得」は、すでに作図されている図形から長さや半径を読み取り、選択中の作図コマンドに 取得した値を即座に流し込む コマンドです。
| できること | 取得元 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 線長 | 線・円 | 同じ長さの線を引く/同じ半径の円を描く |
| 2点間長(2点長) | 2点 | 2点を結ぶ仮想線の長さを引き継ぐ |
| 数値長 | 数値だけの文字 | 図面に書かれている寸法値を流用 |
| 間隔取得 | 線/円と線/円/点 | 平行2線の隙間や線と点の最短距離を取得 |
取得結果は 作図ウィンドウの左上 に表示されると同時に、「寸法」テキストボックスを持つコマンド(線・矩形・複線・2線・点・寸法など)に値が自動入力されます。
委譲: 距離を 数値として確認したいだけ(寸法への流し込み不要)の場合は、計測コマンドの距離測定を使います → 測定コマンドの基本(距離・座標・角度測定)。長さを 寸法線として図面に描く 操作は → 寸法コマンド。
起動方法
| 起動方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 「設定(S)」→「長さ取得(G)」→ サブメニュー4項目から選択 |
| ツールバー | 「設定」ツールバー内の「線長」「2点長」「間隔」ボタン |
| クロックメニュー | 線長: 線上で 右ドラッグ → 11時方向 → 左クリック / 2点間長: 点上で 右ドラッグ → 10時方向 → 左クリック |
要確認: メニューバー「設定(S)」→「長さ取得(G)」のサブメニュー並びと、各項目のショートカット文字(線長(L) / 2点間長(P) / 数値長(S) / 間隔取得(D))の正確性は実機で確認します。ツールバーには 数値長は出ていない ため、メニュー経由で起動します。
注意: 長さ取得コマンドの選択中は クロックメニューが使用できなくなります。クロックメニューと併用したい場合は、起動方法をクロックメニュー経由に切り替えるか、いったん別コマンドに戻ってから操作を組み立てます。
画像準備中 — メニューバー「設定」→「長さ取得」のサブメニュー展開
画像準備中 — 「設定」ツールバーの線長・2点長・間隔の3ボタン並び
長さ取得4種類の全体像
| # | コマンド | 指示の数 | 取得される長さ |
|---|---|---|---|
| 1 | 線長 | 線または円1個 | 線の長さ・円の半径 |
| 2 | 2点間長(2点長) | 2点 | 2点を結ぶ直線の長さ |
| 3 | 数値長 | 文字1個 | 文字に書かれた数値そのもの |
| 4 | 間隔取得 | 基準線/円+対象線/円/点 | 線間・線円間・線点間の最短距離 |
背景: 角度取得が6種類あるのに対し、長さ取得は4種類のみです。「水平方向長さ」「鉛直方向長さ」のような 方向別の取得は無い 点に注意してください。方向を区別したい場合は、計測コマンドの座標測定で X座標・Y座標 を別々に取り、その値を手で寸法に入れる運用になります。
線長
基本操作
線の 長さ または円の 半径 を取得します。
- 線を引きたいコマンド(例: 線・矩形・複線)を先に選択
- 「線長」ボタンをクリック(またはメニュー「設定」→「長さ取得」→「線長」)
- 取得したい線または円を 左クリック で指示
- 作図ウィンドウ左上に「線長 取得」と表示され、「寸法」テキストボックスに自動入力される
- そのまま作図を始めると、取得した長さで線・矩形・円が描ける
クロックメニューでの起動
線または円の上で 右ドラッグ → 11時方向 → 左クリック で、コマンド起動と図形指示が同時に行われます。
円を指示した場合
円を左クリックすると、その円の 半径 が取得されます(直径ではありません)。「○」コマンドを選択中なら、別の場所に同じ半径の円を描けます。
矩形と組み合わせる
「□(矩形)」コマンドを選択中に線長を取得すると、その長さの 正方形 が描けます。寸法のわからない部材と同じサイズの正方形を別の場所に作りたいときに有用です。
画像準備中 — 線長で線指示後の左上「線長 取得」表示と「寸法」入力
2点間長(2点長)
基本操作
2点を指示して、2点を結ぶ直線の長さ を取得します。
- 線・矩形などを先に選択
- 「2点長」ボタンをクリック
- 基準点を 右クリック(読取点)または左クリック(任意点) で指示
- 終点を 右クリック(読取点)または左クリック(任意点) で指示
- 2点を結ぶ直線の長さが「寸法」に自動入力される
用途
「線として描かれていないが、点と点の距離を引き継ぎたい」場面で使います。例えば柱の中心同士を結ぶ通り芯の距離、敷地境界線の角点間の距離など。
円中心を基準点にする
基準点指示のときに 円を右クリック すると、その円の中心点を指示できます。円で表現された柱の中心同士の距離を取りたいときに使えます。
クロックメニューでの起動
点の上で 右ドラッグ → 10時方向 → 左クリック で、コマンド起動と基準点指示が同時に行われます。続けて終点を指示すれば長さが取得されます。
Tips: 各点は 必ず右クリック(読取点) で取りましょう。左クリックの任意点だと、わずかなズレで小数点以下まで誤差が出ます。
画像準備中 — 2点長で基準点+終点を指示した直後の表示
数値長
基本操作
数値だけが書かれている 文字 を指示して、その数値を長さとして取得します。
- メニュー「設定」→「長さ取得」→「数値長」を選択(ツールバーには無し)
- 図面中の数値文字(例:
1820,910.5)を 左クリック で指示 - その数値が「寸法」テキストボックスに自動入力される
用途
仕様書・寸法表に書かれた寸法値を、わざわざ手入力せずに引き継ぎたいときに使います。全角の数値文字 も取得できるとされています(実機検証で確定)。
要確認: 全角文字の取得可否、および小数点・カンマ付き文字(例:
1,820)の取り扱いは実機で確認します。
Tips: 数値長と数値角度は機能としては地味ですが、寸法表が文字データとして整理された図面 ではかなり強力です。とくに表計算ソフトから貼り付けた寸法を引き継ぐ場面で重宝します。
間隔取得
基本操作
線・円と、別の線・円・点の 最短距離 を取得します。線間・線円間・線点間など複数のパターンに対応します。
- 複線・2線などを先に選択(取得した値を「寸法」に流し込む先のコマンド)
- 「間隔」ボタンをクリック
- 基準線として線または円を左クリック で指示
- 続けて、間隔を取得する 線/円を左クリック、または 点を右クリック で指示
- 2要素の最短間隔が「寸法」に自動入力される
平行でない線同士の場合
基準線と対象線が平行でないとき、間隔は クリックした位置に近い端点との距離 になります。完全に平行な線同士なら一定値ですが、傾いている線同士では「どこを基準に測ったか」で値が変わるため意識が必要です。
円を指示した場合
円を指示すると、円周上からの最短距離(≠中心からの距離)が取得されます。
用途
向かい合う 2本の線の隙間と同じ幅 で複線・2線を引きたいとき、線と既存図形の間隔を維持したまま新規線を入れたいとき、などで力を発揮します。「線長」では線そのものの長さしか取れないため、隙間を扱うときは間隔取得が専用コマンドになります。
Tips: 間隔取得は 次に使うコマンド(複線・2線・矩形 など)を先に選択 してから使うと効果が出ます。単体で取っただけでは値の活かしどころがありません。
画像準備中 — 間隔取得で2本の平行線の隙間を取得した状態
派生パターン
パターンA: 複線の間隔を既存2線から流し込む
- 「複線」コマンドを選択
- 「間隔」で既存2線の隙間を指示
- 取得値が複線の「寸法(複線間隔)」に入る
- 元線を選び、複線で同じ間隔の線を引く
パターンB: 既存線と同じ長さの矩形を別位置に作る
- 「□(矩形)」コマンドを選択
- 「線長」で既存線を指示
- 取得した長さの正方形が描ける状態になる
- 配置先で2点指示
パターンC: 寸法文字をそのまま新規線の長さに
- 「線」コマンドを選択
- 「数値長」で図面中の数値文字(例:
1820)を指示 - その数値が線コマンドの「寸法」に入る
実務での使い方 ★PERSC独自
既存平面図から壁厚を取得して内壁・外壁を一気に描く
平面図の修正案件で、既存壁と同じ厚みで増設壁を引きたい場面では、間隔取得 で既存外壁線2本の隙間を取り、そのまま 2線コマンド に流し込むと壁厚を完全に一致させられます。寸法を目で読んで打ち直す手間と打ち間違いが消えます。
通り芯間距離を引き継いで建具配置位置を決める
通り芯×柱モジュールが固定の物件で、新規建具の配置位置を決めるとき、2点長 で柱中心間距離を取得 → 距離指定点で建具中心位置を決定、という連携が効きます。
寸法表の数値を「数値長」で吸い出す
仕様書末尾の表組みに「梁成 H=300」のような寸法だけ並ぶ表があるとき、数値長 で 300 を吸い出してから線コマンドで描けば、表組みと作図値が完全に一致した状態を保てます。
半径を「線長」で取得して同サイズの円を量産する
設備機器の円形シンボル(消火栓・点検口など)を量産するとき、1個目の円を 線長 で半径取得 → 円コマンドで配置 を繰り返せば、すべて同サイズで揃います。
PERSCの推奨: 長さ取得は 次に描くコマンド によって取得結果の使われ方が変わります。「線長」を矩形コマンドで使うと正方形、円コマンドで使うと半径として扱われます。先にコマンドを選んでから取得 の順序を体に覚えさせると応用が利きます。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 長さ取得を実行したのに「寸法」に値が入らない
→ 次に描くコマンドを先に選択 していますか? 長さ取得は「次のコマンドの寸法欄に流し込む」仕組みのため、線・矩形などの作図コマンドを 長さ取得より前に 選択しておく必要があります。
Q: 円を線長で指示したら「直径」が欲しいのに「半径」が入った
→ これは 仕様 です。「線長」は円から半径を取得します。直径が欲しい場合は、半径を手で2倍するか、計測コマンドの距離測定で円の両端を指示する方法になります。
Q: 2点長で値が小数点以下まで微妙にずれる
→ 各点を 右クリック(読取点) で取っていますか? 左クリックの任意点だと、ピクセル単位のズレが小数誤差として出ます。読取点を使えば座標は完全一致します。
Q: 間隔取得で平行線の隙間を取ったのに値が安定しない
→ 基準線と対象線が 完全に平行でない 場合、クリック位置に近い端点との距離が取られるため、クリックする場所で値が変わります。本当に平行ならば一定値が出るはずなので、平行性を確認してください。
Q: 数値長がツールバーに無い
→ 数値長は ツールバーに配置されていません。メニューバー「設定」→「長さ取得」→「数値長」から起動してください。よく使う場合はショートカットキーを割り当てると効率的です。
Q: 長さ取得中にクロックメニューが反応しない
→ 長さ取得コマンドの選択中は クロックメニューが無効 になります。クロックメニュー操作が必要なら、いったん別のコマンドに戻ってから操作を組み立ててください。
Q: 「寸法」テキストボックスにすでに値が入っているのに上書きされる
→ 長さ取得は既存値を 上書き します。意図しない取得をしてしまった場合は、コントロールバーの「寸法」入力欄に直接タイプして値を戻してください。
関連項目
- 測定コマンドの基本(距離・座標・角度測定) — 距離を 数値表示するだけ の用途はこちら
- 角度取得(線角・鉛直・X軸・2点角ほか) — 同じ系統の「角度」版取得コマンド
- 距離指定点 — 始点からの距離で点を打つ
- 座標ファイル(読込・書込) — 座標値の読み書き
- 線コマンドの基本 ※準備中 — 「寸法」テキストボックスの使い方本体
- 長さを指定した線・寸法値付きの線 ※準備中 — 取得した長さの活用先
- 複線コマンド ※準備中 — 間隔取得との連携先
- 2線コマンド — 間隔取得を壁厚に流し込む
- 寸法コマンド — 取得した長さを寸法線として描く
- クロックメニュー基本 ※準備中 — 長さ取得のクロック起動
まとめ
- 長さ取得は「測定」とは別。次の作図コマンドの寸法に流し込む のが目的
- 4種類: 線長・2点長・数値長・間隔取得
- ツールバーから起動できるのは 線長・2点長・間隔 の3種類。数値長はメニュー経由
- 必ず 次に描くコマンドを先に選択 してから長さ取得を実行する
- 取得結果は 作図ウィンドウ左上 と 「寸法」テキストボックス に表示される
- 円を「線長」で指示すると 半径 が取得される(直径ではない)
- 間隔取得は 複線・2線との連携が強力。壁厚や隙間幅を完全一致させられる
- 長さ取得中は クロックメニュー無効。併用したい場合はクロック起動を使う