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範囲選択の基本(窓選択・追加・解除・全選択)
このページでできるようになること
Jw_cadの「範囲選択」コマンドを使って、図面上の線・円・文字などをまとめて選択できるようになります。範囲枠を使った基本の選択方法(完全に囲む・はみ出しを含める)、追加選択・除外選択・選択解除・全選択まで、選択操作の全体像を理解できます。
背景: 範囲選択は、移動・複写・消去・属性変更など、あらゆる編集コマンドの「前工程」として使う最重要コマンドです。「この線を動かしたい」「この部分をまるごとコピーしたい」という場面で必ず登場します。選択操作を確実に身につけておくと、その後の編集作業全体のスピードが大幅に上がります。
起動方法
範囲選択コマンドは3つの方法で起動できます。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| ツールバー ★推奨 | 「編集(1)」ツールバー内の「範囲」ボタンを左クリック |
| メニューバー | 「編集」 → 「範囲選択」を左クリック |
| クロックメニュー | 作図ウィンドウ内でAM4時方向に左ドラッグ |
PERSCの推奨: 「編集(1)」ツールバーの「範囲」ボタンが最も素早く起動できます。移動・複写・消去コマンドも同じツールバー内に並んでいるため、「範囲選択 → 編集コマンド」という流れをマウスだけで素早く完結できます。
要確認: クロックメニューの起動方向(AM4時方向)は実機で確認します。クロックメニューの基本については クロックメニュー入門 を参照。
画像準備中 — 範囲選択コマンドの起動方法(ツールバー「範囲」ボタンの位置)
コマンド起動直後のコントロールバー
範囲選択コマンドを起動すると、コントロールバーに次のボタンが並びます(図形を選択する前の状態)。
| ボタン | 役割 |
|---|---|
| 切取り選択(チェックボックス) | はみ出した線・円を枠境界で切り取って選択するモード |
| 前範囲 | 直前に選択した範囲を再度選択する |
| 全範囲 | 編集可能な全図形・文字を一括選択する |
図形を選択すると、コントロールバーが切り替わり「追加範囲」「除外範囲」「選択解除」などのボタンが追加表示されます。この「選択前」と「選択後」でコントロールバーが変化する点は、初心者がよく戸惑うポイントです。
画像準備中 — 選択前のコントロールバー全体(各ボタンの配置)
基本操作: 範囲枠で図形を囲む(窓選択)
基本手順サマリー(全4ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 範囲選択コマンドを起動 | 数秒 |
| 2 | 始点を左クリックで指示 | 数秒 |
| 3 | マウスを動かして赤い範囲枠を広げる | 数秒 |
| 4 | 終点を左クリック(文字除く)または右クリック(文字含む)で確定 | 数秒 |
手順1: 範囲選択コマンドを起動
「編集(1)」ツールバーの「範囲」ボタンを左クリックします。コントロールバーが範囲選択用の表示に切り替わります。
手順2: 始点を指示
選択したい図形を囲み始める位置で左クリックします。これが範囲枠の始点(角)になります。
Tips: 始点は「選択したい図形の外側」に置くのがポイントです。図形の真上で始点を置くと、その図形に当たってしまい意図した位置にならないことがあります。図形の少し外側の空白部分で始点をクリックしましょう。
画像準備中 — 始点をクリックした状態
手順3: 範囲枠を広げる
始点を指示すると、マウスポインタを動かすにつれて赤い矩形の範囲枠が広がります。選択したい図形をすべて枠内に収めるようにマウスを動かします。
画像準備中 — 赤い範囲枠で図形を囲んでいる状態
手順4: 終点を指示して選択を確定
選択したい図形が枠内に収まったら、終点位置でクリックして確定します。
| 終点でのクリック | 選択される要素 |
|---|---|
| 左クリック | 枠内に完全に収まっている線・円・点(文字は除外) |
| 右クリック | 枠内に完全に収まっている線・円・点 + 文字も含む |
選択された図形は色が変わり(選択色に変化)、選択状態になったことが視覚的にわかります。
注意: 枠から少しでもはみ出している図形は選択されません。壁の外形線や長い通り芯が途中まで枠に入っていても、端点が枠外に出ていれば選択されません。これは「窓選択(完全に囲まれたものだけを選ぶ)」という動作です。はみ出しを含めて選択したい場合は、次節の「ダブルクリックによるはみ出し選択」を使います。
画像準備中 — 終点を左クリックして図形(線・円)のみが選択された状態
画像準備中 — 終点を右クリックして図形と文字が両方選択された状態
はみ出した図形も選択する(ダブルクリック)
通り芯のような長い直線や、部屋の輪郭線が範囲枠を突き抜けている場合、通常のクリックでは選択できません。このような「枠をまたいでいる図形」を選択に含めたいときは、終点でダブルクリックを使います。
ダブルクリックによるはみ出し選択の流れ
- 始点を左クリックで指示
- マウスを動かして範囲枠を広げる
- 終点で左ダブルクリック(文字除く)または右ダブルクリック(文字含む)して確定
左ダブルクリックを使うと、枠内に完全に収まっている図形に加えて、枠をまたいでいる(はみ出している)線・円も選択されます。
要確認: ダブルクリックによるはみ出し選択の挙動(左ダブルクリック・右ダブルクリックの違い)は実機で確認します。
画像準備中 — ダブルクリックで枠をまたいでいる長い線も選択された状態
選択後に個別でON/OFFを切り替える
範囲枠で一括選択した後、特定の図形だけ選択から外したい(または追加したい)場合は、個別クリックで選択状態を1つずつ切り替えられます。
| 操作 | 効果 |
|---|---|
| 選択中の線・円を左クリック | その図形の選択状態をON/OFFで切り替える |
| 選択中の文字を右クリック | その文字の選択状態をON/OFFで切り替える |
これにより「まず大きく囲んでから、不要なものを外す」という直感的な選択ルーティンが使えます。
Tips: 個別クリックによるON/OFFはショートカット的な操作です。「不要な線が1本だけ含まれてしまった」という場合に、選択をやり直さずにその線だけを左クリックで除外できます。
画像準備中 — 個別左クリックで特定の線を選択解除している状態
選択範囲を追加する(追加範囲)
一度の範囲枠では選択しきれない図形がある場合(離れた2か所を一緒に選択したい場合など)、「追加範囲」ボタンを使います。
追加範囲の手順
- 最初の範囲枠で図形を選択する(終点クリックで確定)
- 選択確定後、コントロールバーに表示された「追加範囲」ボタンを左クリック
- 追加する範囲の始点を左クリックで指示
- 範囲枠を広げ、終点で左クリック(文字除く)または右クリック(文字含む)で確定
追加の範囲選択が完了すると、最初の選択範囲の図形と、追加した範囲の図形が合わせて選択されている状態になります。
追加範囲は何度でも繰り返せます。複数の離れたエリアを選択したいときは、「追加範囲 → 選択 → 追加範囲 → 選択…」と繰り返すことで対応できます。
Tips: 最初の選択が切取り選択や範囲外選択だった場合でも、追加範囲では通常の範囲内選択として動作します。
画像準備中 — 最初の選択(ピンク)と追加した選択(ピンク)が合わさった状態
選択範囲の一部を除外する(除外範囲)
一括選択した後、特定のエリアにある図形だけをまとめて選択から外したいときは「除外範囲」ボタンを使います。個別クリックでは対応しにくい「一定の範囲ごと外す」操作に向いています。
除外範囲の手順
- 通常の範囲枠で図形を選択して確定する
- コントロールバーの「除外範囲」ボタンを左クリック
- 除外したい範囲の始点を指示
- 範囲枠を広げ、終点をクリックして除外範囲を確定
除外範囲内に収まっている図形が選択から解除されます。枠からはみ出している図形は除外されません。
画像準備中 — 除外範囲を使って一部の図形だけ選択解除された状態
すべての図形を一括選択する(全範囲)
図面全体の図形をまとめて選択したい場合は、コントロールバーの「全範囲」ボタンを使います。
全範囲の使い方
範囲選択コマンドを起動した直後(図形を選択する前の状態)で、コントロールバーの「全範囲」ボタンを左クリックします。
これで、作図ウィンドウ上の編集可能なレイヤに存在する全図形・文字がすべて選択状態になります。
注意: レイヤで「非表示」または「編集不可」に設定されているレイヤの図形は、全範囲でも選択されません。「全部選択したはずなのに一部が動かない」という場合は、レイヤの表示・ロック状態を確認してください。レイヤの操作については レイヤの表示・非表示切替 を参照。
Tips: 「全部消去したい」「属性を図面全体で一括変更したい」といった場面で、全範囲 + 消去/属性変更の組み合わせが使われます。ただし、消去は取り消せないため(Escキーで巻き戻しは可能ですが)、本当に全図形を消してよいか確認してから実行しましょう。
画像準備中 — 全範囲ボタン押下後、全図形が選択色になった状態
選択状態をすべて解除する(選択解除)
選択した図形を編集する前に気が変わった場合や、選択をやり直したい場合は「選択解除」ボタンで全選択を一括解除できます。
選択解除の方法
図形が選択されている状態で、コントロールバーの「選択解除」ボタンを左クリックします。選択されていた図形がすべて通常の状態(非選択)に戻ります。
Tips: 別のコマンド(線・複写・消去など)に切り替えると多くの場合は選択が解除されますが、移動・複写・消去コマンドへの切替は選択を維持したまま移行します。これらのコマンドで「選択を引き継いで編集したい」という場面と、「選択をリセットしてやり直したい」という場面を意識して使い分けましょう。
画像準備中 — 選択解除後、図形の選択色が消えた状態
前の選択範囲を再利用する(前範囲)
「さっきと同じ範囲をもう一度選択したい」という場合は、「前範囲」ボタンが便利です。直前に選択した範囲を再度呼び出して選択状態にします。
- 同じ範囲を使って別の編集(まず移動、次に属性変更など)を繰り返す場面で役立ちます。
実務での使い方 ★PERSC独自
住宅平面図の一室分をまとめて移動する
住宅平面図で部屋の位置を後から調整したい場合、その部屋の壁・開口(建具)・寸法・室名などをすべて範囲選択し、移動コマンドで一括移動します。
操作の流れは次のとおりです。
- 範囲選択コマンドを起動
- 移動したい部屋の外郭を少し外側から囲むように始点をクリック
- 終点を右クリックで確定(文字の室名も含めて選択するため)
- はみ出した通り芯などは個別左クリックで除外
- 移動コマンドを選択 → 基準点を指示して移動先へ
「終点を右クリック」の一点を忘れると室名だけが残ってしまいます。建築実務では文字(室名・面積・注記)を含む範囲を移動することが多いため、終点は右クリックが基本と覚えておくと安全です。
RC造断面図でレイヤを横断した一括選択
RC造(鉄筋コンクリート造)の断面詳細図では、躯体・鉄筋・寸法・符号などが複数のレイヤに分けて描かれています。全部のレイヤを書込み可能(編集可能)にした状態で全範囲を実行すると、一括で属性変更できます。
ただし、レイヤをまたいだ一括操作は意図しない変更を招くリスクがあります。属性変更前にレイヤの状態を確認し、不要なレイヤは非表示にしてから全範囲を使うのが安全です。
PERSCの推奨: 全範囲を使う前は、必要なレイヤだけ編集可能にしておく習慣をつけましょう。「全部選択 → 属性変更」というルーティンは強力ですが、レイヤ管理が前提です。
通り芯・符号をまとめてコピーする(類似階の流用)
複数階の平面図を描く際、下階で描いた通り芯・符号・縦軸文字(「X1」「Y1」など)を上階へそのままコピーする作業があります。このとき、複数の離れた通り芯を選択するには「追加範囲」を活用します。
- まずX方向(横)の通り芯群を範囲枠で選択
- 「追加範囲」でY方向(縦)の通り芯群を追加
- 最後に符号の文字群も追加範囲で加える
- 複写コマンドで別の場所に貼り付ける
一度の範囲枠では収まらないケースでも、追加範囲を繰り返すことでミスなくまとめて選択できます。
変更したい線だけを除外範囲で絞り込む
設備改修の図面修正で「配管ルートは変えず、寸法線だけを新しい規格に変えたい」という場面では、全範囲で選択後に除外範囲を使って配管ラインを選択から外し、残った寸法線だけに属性変更を適用することができます。「大きく囲んで不要なものを除外する」という考え方は、細かいクリック操作を繰り返すより大幅に効率的です。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 囲んだのに選択されない図形がある
→ 範囲枠から少しでもはみ出している図形は選択されません。通り芯のような長い線は端点が枠外に出ているだけで除外されます。対処法は2つです。
- 範囲枠をもっと広げて完全に囲む
- 終点でダブルクリックして「はみ出し含む」モードで選択する
また、図形が非表示レイヤまたは編集不可レイヤにある場合も選択できません。レイヤの状態を確認してください。
Q: 文字が選択されない(または選択したくないのに文字も入った)
→ 終点でのクリック方法で制御できます。
- 文字を含まないようにしたい → 終点で左クリック
- 文字を含むようにしたい → 終点で右クリック
この使い分けを知らないまま操作すると、「文字だけ動かなかった」「余計な文字まで消えた」というトラブルにつながることがあります。
Q: 追加範囲ボタンが見当たらない
→ 追加範囲ボタンは最初の範囲選択を確定した後にコントロールバーに現れます。コマンドを起動しただけでは表示されません。一度目の範囲選択(始点→終点クリック)を完了してから確認してください。
Q: 選択解除したいのにボタンがない
→ 選択解除ボタンも図形を選択した後のコントロールバーに表示されます。選択を確定する前の状態では表示されません。また、別のコマンドに切り替えても解除されることが多いですが、移動・複写・消去コマンドへの切替は選択を維持したまま移行するため、これらのコマンドに切り替えた場合は選択解除ボタンで明示的に解除します。
Q: 全範囲を実行したら一部の図形だけ選択されなかった
→ 選択されなかった図形があるレイヤが非表示または編集不可に設定されている可能性があります。レイヤバーでそのレイヤの状態を確認し、編集可能(書込み可)に切り替えてから再度全範囲を試してください。詳しくは レイヤの表示・非表示切替 を参照。
Q: 範囲選択から別のコマンドに移ったら選択が解除されてしまった
→ 移動・複写・消去コマンドへの切替は選択を維持しますが、線・矩形・文字などの作図コマンドに切り替えると選択は解除されます。選択したまま使えるのは編集系コマンドだけと覚えておくと混乱が減ります。前の選択を再利用したいときは「前範囲」ボタンを使います。
Q: 「さっき選択した範囲をもう一度使いたい」
→ コントロールバーの「前範囲」ボタンを使います。直前の選択範囲を再度呼び出せます。ただし、Jw_cadを再起動すると前範囲の記憶はリセットされます。
Q: 個別クリックで選択状態を切り替えようとしたら動かない
→ 個別クリックによる選択ON/OFFは、範囲枠で選択を確定した後の状態でのみ有効です。コマンドを起動しただけ(まだ範囲を確定していない)状態では動作しません。まず範囲枠で大まかに選択してから個別クリックで調整します。
関連項目
- マウス操作の基本(左右クリック・ダブルクリック) — 左クリック(任意点)と右クリック(読取点)の基本
- クロックメニュー入門 — クロックメニューで範囲選択を起動する方法
- レイヤの表示・非表示切替 — 非表示レイヤの図形が選択されない場合の対処
- 消去コマンドの基本 ※準備中 — 選択した図形を消去する
- 図形移動(位置・倍率・回転) ※準備中 — 選択した図形を移動する
- 図形複写(位置・倍率・回転) ※準備中 — 選択した図形を複写する
- 属性変更コマンドの基本 ※準備中 — 選択図形の属性をまとめて変更する
- 属性別選択(文字のみ・線色別・レイヤ別) — 属性で絞り込んで選択する
- 選択図形の登録 — 選択した図形を図形登録する
- 戻る・進む(取り消し・やり直し) — 選択・編集操作の取り消し
まとめ
- 範囲選択は「範囲」ボタン(編集(1)ツールバー)で起動し、始点→終点をクリックして赤い枠で図形を囲む
- 終点で左クリックすると文字を除く図形のみ、右クリックすると文字も含めて選択できる
- 範囲枠から少しでもはみ出した図形は選択されない。はみ出しを含めるには終点でダブルクリック
- 選択後に個別クリック(線=左クリック・文字=右クリック)で選択ON/OFFを1つずつ切り替えられる
- 離れた複数のエリアを選択したいときは「追加範囲」を繰り返す
- 全図形をまとめて選択するには「全範囲」ボタン(非表示・編集不可レイヤは除外される)
- 選択をやり直したいときは「選択解除」ボタンで一括リセット