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特殊文字(ファイル名・日時・上付下付・式計算)
このコマンドでできること
Jw_cadの「文字」コマンドで、上付き文字(m²の²部分)・下付き文字(CO₂の₂部分)といった特殊な見た目の文字を入力したり、ファイル名・日時・元号などの情報を自動で埋め込む文字を作図したりできます。さらに「計算式」を打ち込んでCtrlキーを押しながら配置すれば、その場で電卓のように計算結果を文字として作図することもできます。住宅平面図の面積表記「16.5㎡」、確認申請の作成日付「令和7年5月6日」、ファイル名を入れた表題欄、面積の合計を即座に出す式計算など、図面に「ただの文字」では届かない情報を載せたい場面で活躍します。
背景: Jw_cadは文字コマンドの入力欄に特殊な記号と組み合わせた文字列を打ち込むと、その記号が「これは普通の文字ではなく、特別な意味を持つ命令だ」と解釈されて作図されます。たとえば
m^u2と打つと、mに続けて²(2乗の2)が小さく上に乗った形で書き込まれます。^uの部分が「上付き文字にしてね」という命令で、uはupの頭文字です。命令を覚えてしまえば、図面表現の幅が大きく広がります。
この記事で扱う特殊文字の全体像
「特殊文字」と一口に言っても、用途別に4つのカテゴリに分かれます。最初に全体像を押さえると、後の操作が頭に入りやすくなります。
| カテゴリ | 例 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 上付き・下付き・中付き | m^u2 → m² | 面積(㎡)・体積(m³)・化学式(CO₂) |
| 印刷時に展開される埋め込み文字 | &f → ファイル名 | 表題欄のファイル名・作図日時・元号年 |
| 書体の途中変更(制御文字) | ^! → 太字に切替 | 文字列の途中だけ強調・色変更 |
| 計算式の作図(Ctrl+配置) | 1820+910 → 2730 | 面積の足し算・寸法の合計を即時出力 |
PERSCの推奨: 4カテゴリのうち、建築実務でまず必要になるのは**上付き/下付き(㎡・㎥)と埋め込み文字(ファイル名・日時・元号)**の2つです。最初はこの2つだけ覚えれば、住宅・RC造の図面の8割はカバーできます。書体途中変更と計算式は使う場面に出会ってから順に追加していくのが現実的です。
文字コマンドの基本(起動・入力・配置の流れ)は別記事に分けています。詳しくは 文字コマンドの基本(入力・配置) を参照してください。
上付き・下付き・中付き文字
「m²」のように、ベースの文字より小さい文字を上に添える書き方が上付き文字です。下に添えるのが下付き文字、真ん中の高さに揃えて入れるのが中付き文字です。
入力ルール
文字入力ウィンドウの入力欄に、次の記法で打ち込みます。
| 種類 | 入力例 | 作図結果 | 使い道 |
|---|---|---|---|
| 上付き | m^u2 | m² | 平方メートル(面積) |
| 上付き | m^u3 | m³ | 立方メートル(体積) |
| 下付き | O^d2 | O₂(O+小さい2) | 化学式の数字 |
| 下付き | X^d1 | X₁(X+小さい1) | 通り芯記号の添字 |
| 中付き | B^cY | BとYの中央高さ揃え | 軸名・記号の中段表記 |
画像準備中 — 文字入力ウィンドウに「m^u2」と打ち込み、作図ウィンドウに「m²」が書き込まれた状態
操作手順サマリー(全5ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 文字コマンドを起動 | 数秒 |
| 2 | 文字入力ウィンドウの入力欄をクリック | 数秒 |
| 3 | m^u2(またはm^u3、O^d2等)を半角で打ち込む | 数秒 |
| 4 | 仮表示文字の見え方を確認(マウスポインタに追従) | 数秒 |
| 5 | 配置位置で左クリック(読取点なら右クリック)で確定 | 数秒 |
手順1: 文字コマンドを起動
左ツールバー「文字」アイコンをクリックして文字コマンドを起動します。文字入力ウィンドウが画面上部に表示されます。起動方法の詳細は 文字コマンドの基本(入力・配置) を参照してください。
手順2: 入力欄に半角で打ち込む
入力欄をクリックしてカーソルを置き、m^u2と半角英数字で打ち込みます。^(キャレット)は日本語キーボードではShift+へで入力できます。
画像準備中 — キーボード上の「^」キーの位置(Shift+へ)
手順3: 仮表示文字を確認
打ち込んだ瞬間から、マウスポインタ位置に仮表示文字として「m²」が表示されます。仮表示の段階で上付き状態が見えるので、配置前にプレビューできます。
手順4: 配置位置で左クリック
書きたい位置(部屋名の右側など)で左クリックすると確定します。
Tips: 平方メートル「㎡」はIMEで「へいべい」「へいほうめーとる」と打って変換することでも入力できますが、フォントによっては「㎡」が表示されない/文字化けすることがあります。
m^u2方式で書いた方が、別PCで開いても再現性が高いです。
背景: なぜ
^記号で命令が指定できるのかというと、Jw_cadは文字入力欄に入った文字列を1文字ずつ走査していき、^を見つけると「次の1文字は命令だ」と判断する作りになっているためです。^uなら上付き、^dなら下付き、^cなら中付きが実行されます。
「^u」自体を文字として書きたいとき
たとえば「m^u2という記法を使います」と注記したい場合、そのまま打つと作図結果はm²になってしまいます。**^*(制御文字無効化)**を文字列の先頭に置くと、以降の^は普通の文字として扱われます。
| 入力 | 作図結果 |
|---|---|
m^u2 | m² |
^*m^u2 | m^u2(記法のまま表示) |
^*m^u2^^ | m^u2(途中までは無効・^^で再有効化) |
Tips: 製図規約や教材で「
^uを使ってください」と注釈を書きたい場面で使います。日常の図面ではほぼ出番がないので、覚えなくても困りません。
印刷時に展開される埋め込み文字
文字入力欄に&fや=Yのような特定の記号文字列を打ち込むと、作図ウィンドウには入力した文字列がそのまま表示されますが、印刷したときにファイル名や日時に置き換わって出力されます。表題欄に「ファイル名 = &f」と書いておけば、印刷物には実際のファイル名が出力される、というしくみです。
「画面でも変換表示する」設定で見えるようにできる
メニューバー「設定」→「基本設定」→「一般(2)」タブに、「プリンタ出力時の埋め込み文字(ファイル名・出力日時)を画面にも変換表示する。」という設定があります。これにチェックを入れると、作図ウィンドウ上でも変換後の文字列(実際のファイル名や日時)が表示されるようになります。
PERSCの推奨: 設計途中はチェックを外したまま(=記号のまま表示)でかまいませんが、印刷直前のチェック・受け渡し前の最終確認ではチェックを入れて実際の表示内容を目視確認するのがおすすめです。記号のままだと「本当にファイル名が出るのか」「日付が今日付になるか」が確信できないため、提出前にONにして1回画面で見るのが安全です。
要確認: 「一般(2)」タブの該当設定の正確なラベル文言と並び順は実機で確認します。基本設定全般については 基本設定[一般(1)]タブの設定値 を参照。
1文字列1埋め込みのルール
埋め込み文字は、1つの文字列の中に1個までしか有効になりません。同じ文字列に2つ以上書くと、2つ目以降は無効化されて素のまま表示されます。「作図日 &J / ファイル名 &f」のように2つ並べると正しく出ません。文字を2つに分けて配置すれば両方とも展開されます。
要確認: 「1文字列に1個まで」のルールが、改行入力で2行に分けた場合にどう適用されるか(行ごとに1個ずつOKなのか)は実機で確認します。
ファイル名系の埋め込み文字
| 入力文字 | 出力される内容 | 使い道 |
|---|---|---|
&F | フルパスのファイル名 | 図面管理用(社内のみ/提出には不向き) |
&f | ファイル名(拡張子なし) | 表題欄のファイル名 |
%f | ファイル名(拡張子付き) | 「○○.jww」形式で表示したいとき |
%f1〜%f9 | ファイル名の指定長さ表示 | 長いファイル名を切り詰めたいとき |
&fsn | 半角スペース区切りでn番目の語 | ファイル名から特定要素だけ抜き出すとき |
&F1〜&F9 | 上にn個遡ったフォルダ名 | プロジェクト名フォルダを表題欄に出すとき |
背景: フルパス(
&F)には個人PCのフォルダ構造(C:\Users\○○\…)が含まれてしまうため、社外提出図面に&Fは使わないのが安全です。表題欄に出すなら&f(ファイル名のみ・拡張子なし)が標準です。
画像準備中 — 表題欄に「`&f`」と書いた状態(画面上)と、印刷プレビューで実ファイル名に展開された状態(並べて比較)
ファイル保存日時系(=F・=f等)
「保存日時」とは、図面ファイルを最後に保存した日時のことです。記号は**=(イコール)で始まる**のが特徴です。
| 入力文字 | 出力される内容 |
|---|---|
=F | 保存日時(日付+時間) |
=f | 保存日時(日付のみ) |
=y | 西暦下2桁(例: 25) |
=Y | 元号年(数字部分のみ。例: 7) |
=E | 元号年(元年なら元) |
=GG | 元号(平成または令和) |
=GGE | 元号+年(令和7等) |
=GGEE | 元号+年+年表記(令和7年) |
=m | 月 |
=d | 日 |
=h | 時間(12時間表示) |
=H | 時間(24時間表示) |
=M | 分 |
=S | 秒 |
=J | 日付一括(令和7年5月6日) |
Tips: 元号系の入力は**1文字目のG(小文字g・大文字Gではなく半角G)と、2文字目以降のG・E(全角GとE)**を使い分けます。半角と全角が混ざる珍しい記法なので、IMEを半角入力 → 1文字目のGを打ち、IMEを全角入力に切り替えて残りのGEEを打つ、という手順が安全です。慣れないうちは打ち間違えやすいので、よく使う元号一括(
=GGEE)はテキストファイルに保存しておいてコピペ運用が現実的です。
要確認: 元号系記法の半角・全角の組み合わせ(特に
GGEEの打ち分け)と、IME設定がOFFのときに全角GEが入力できるかは実機で確認します。
現在の日時系(&・%等)
「現在」とは、印刷を実行した瞬間のことです。図面ファイルの保存日時とは別もので、印刷ボタンを押した時刻になります。=系と違い、&または%で始まるのが特徴です。
| 入力文字 | 出力される内容 |
|---|---|
%y | 西暦下2桁 |
&Y | 元号年(数字のみ) |
&E | 元号年(元年は元) |
&GG | 元号(平成/令和) |
&GGE | 元号+年(令和7) |
&GGEE | 元号+年+年表記(令和7年) |
&m | 月 |
&d | 日 |
&w | 曜日 |
&H | 時間(24時間) |
&M | 分 |
&J | 日付一括(令和7年5月6日) |
PERSCの推奨: 表題欄に印刷日を出すなら**
&J(現在日付一括)**が最もシンプルでおすすめです。日・月・年を別々に書いて並べる方法もありますが、その都度3つの埋め込みを並べると「1文字列1埋め込み」のルールに引っかかるので、文字を3つに分けて並べる手間が発生します。&Jなら1個で済みます。
ファイルメモ・尺度・作図時間
| 入力文字 | 出力される内容 |
|---|---|
%mm | ファイルメモ全体 |
%m1 | ファイルメモ1行目 |
%m2 | ファイルメモ2行目 |
%SS | 尺度(縮尺の表示) |
%ss | 縮尺の分母(または倍尺の分子) |
%SP/%sp | 印刷時の出力倍率を補正した尺度 |
%T | 作図時間 |
背景: ファイルメモはメニューバー「ファイル」→「ファイル情報」(バージョンによりラベル差あり)に書き込んでおいたメモ書きで、図面属性として保存されます。プロジェクト名・図面シリーズ名などを書いておけば、
%m1で表題欄に呼び出せます。
書体の途中変更(制御文字)
文字列の途中で書体や色を切り替えたい場合は、制御文字を間に挟みます。たとえば「注意:強風時は使用禁止」のうち「注意」だけ太字+赤色にしたい、という場面に使います。
| 入力文字 | 効果 |
|---|---|
^! | 以降を太字 |
^/ | 以降をイタリック |
^_ | 以降にアンダーライン |
^- | 以降に消字ライン(取り消し線) |
^$1〜^$9 | 以降の文字色を線色1〜9に変更 |
^# | 標準書体に戻す(文字色は変えない) |
^¥ | フォントを「MSゴシック」に切替 |
^& | フォントを元に戻す |
^% | 制御文字による変更を全部リセット |
入力例
^$1注意^%:強風時は使用禁止 と打ち込むと、「注意」の2文字だけ線色1(赤系)になり、「:強風時は…」は元の色に戻ります。
Tips: 制御文字を1つの文字列に複数並べたとき、画面上は記号のままに見えても印刷時には適切に変換されます。記号がそのまま残って見えるのは仕様上の表示制約で、印刷物では正しく書体が変わります。提出前に印刷プレビューで実際の見た目を確認しましょう。
要確認: 制御文字(
^!、^/等)が画面上で記号のまま見えるか、書体変化が画面でも反映されるかの実機挙動を確認します。「プリンタ出力時の埋め込み文字を画面にも変換表示する」設定が制御文字にも効くかも要確認。
PERSCの推奨: 制御文字は多用しないのが基本です。1図面で2〜3か所までに抑えないと、文字列が記号だらけになって編集時に何が書いてあるか分からなくなります。強調したい注記が増えてきたら、文字種を別途用意して文字種側で色を変える方針が管理しやすいです。文字種の使い分けは 文字種・フォント・角度の指定 を参照。
計算式の作図(Ctrl+配置)
文字コマンド中に計算式を打ち込んで、Ctrlキーを押しながら配置位置を指示すると、その計算結果が文字として作図されます。図面上で「1820+910」と打って配置すれば、図面に2730が書き込まれる、という機能です。
基本パターン
| 入力 | 操作 | 作図結果 |
|---|---|---|
1820+910 | Ctrl+左クリック | 2730 |
1820+910= | Ctrl+左クリック | 1820+910=2730 |
(3+5)*100 | Ctrl+左クリック | 800 |
末尾に=を付けるかどうかで、結果のみ書くか式と結果を並べて書くかを切り替えられます。
画像準備中 — 入力欄に「1820+910=」と打ち、Ctrl+左クリックで「1820+910=2730」が作図された状態
使える演算子・関数
| 演算 | 入力 |
|---|---|
| 四則演算 | +/-/*// |
| べき乗 | 数値^数値 |
| アークタンジェント | //数値、a数値 |
| cos | c角度 |
| sin | s角度 |
| ルート | √数値、q数値 |
| 整数余り | 整数%整数 |
| 整数化 | i数値 |
| 指数 | 数値e整数 |
| 絶対値 | b数値 |
| 16進→10進 | 0x数値、&数値 |
| 常用対数 | I数値 |
| 自然対数 | n数値 |
| 円周率 | π、p、P |
Tips: 計算式に括弧
()を使えるので、(3640+1820)/2のように複雑な計算も1行で書けます。電卓を別途開かなくても、CAD上で計算 → そのまま結果配置までいけるのが時短ポイントです。
背景: この機能の正式名称は決まっていませんが、「Ctrl+計算」「文字コマンドの計算機能」「式計算」などと呼ばれます。寸法線コマンドや距離計測コマンドとは別物で、文字コマンド単体で完結します。距離計測(2点間の長さを測る)等の体系的な計算機能は別記事に分けています。詳しくは 計算式・式計算の体系 を参照。
操作手順サマリー(全4ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 文字コマンドを起動 | 数秒 |
| 2 | 入力欄に計算式を打ち込む(例: 1820+910) | 数秒 |
| 3 | 必要なら末尾に=を付ける(式+結果を出したいとき) | 数秒 |
| 4 | Ctrlキーを押しながら配置位置を左クリック(読取点なら右クリック) | 数秒 |
Ctrlを押し忘れると普通の文字になる
Ctrlを押さずに左クリックすると、入力した式(1820+910)がそのまま文字として書かれてしまいます。式計算したいときは必ずCtrl押しっぱなしで配置するのがポイントです。
要確認:
Ctrl+左クリックとCtrl+右クリック(読取点)の両方で計算結果作図ができるかは実機で確認します。読取点側でCtrl併用が効くなら、既存の点位置に正確に計算結果を置けて便利です。
コントロールバー・基本設定との関係
特殊文字の作図は文字コマンドのコントロールバー設定(書込み文字種・基点・角度等)の影響をそのまま受けます。
| 影響する設定 | 具体例 |
|---|---|
| 書込み文字種 | 上付きの²部分も書込み文字種のサイズで縮小される |
| 基点 | &J等の埋め込みも、基点設定どおりの位置に配置 |
| 角度 | 角度45度設定なら、m²も45度傾く |
| レイヤ | 書込みレイヤに作図される(埋め込み文字も同じ) |
文字スタイル全般の設定は 文字種・フォント・角度の指定 を参照、配置基準点については 文字基点・周囲線(基点切替・囲み線) を参照してください。
実務での使い方 ★PERSC独自
平面図の面積表記「○○㎡」を書く
住宅平面図でもっとも頻繁に登場するのが、各部屋の面積表記です。「リビング」「16.5㎡」のように室名の下に面積を併記します。**「㎡」を文字種3で書きたいならm^u2**が定番の方法です。
具体的な手順は次の流れです。文字コマンドを起動し、書込み文字種を「寸法・面積用」(多くは文字種3、3mm前後)に切り替えます。文字入力ウィンドウに 16.5m^u2 と打ち、部屋の中央付近を左クリックで配置。仮表示文字の段階で「16.5m²」と表示されるので、見た目を確認してから配置できます。
構造図・設備図の体積表記「○○㎥」を書く
RC造(鉄筋コンクリート造)の構造図や、設備図のダクト容量表記では「m³」(立方メートル)が使われます。m^u3で書きます。配筋図のかぶり厚指示「20mm」「D13」と並んで、コンクリート打設量を「12.5m³」のように記入する場面に出てきます。
通り芯記号・添字の下付き表記
構造図の通り芯記号で、メイン記号に添字を付ける表記(X₁、Y₂等)は下付き文字で書けます。X^d1、Y^d2のように打ち込めば、添字が右下に小さく入った形で配置されます。鉄筋記号「D₁₃」のような表記もこの方式で書けます。
確認申請の作成日付・元号年表記
確認申請図面や検査済証関連の図面には、表題欄に作成年月日を入れます。元号で書く場合は=GGEE&m月&d日のような組み合わせ……ではなく、&J1個だけで「令和7年5月6日」と展開されるので楽です。「1文字列1埋め込み」のルールがあるため、複数の埋め込みを連結したい場合は文字を分けて配置します。
PERSCの推奨: 確認申請等の公的提出図面には、印刷日が変動する
&J(現在日付)よりも、保存日時ベースの=J(保存日)か、固定の文字列(手打ち)を推奨します。&Jは印刷ボタンを押した瞬間の日付になるため、提出済みの図面を後で印刷すると違う日付になってしまいます。
表題欄のファイル名自動更新
表題欄にファイル名を入れたい場合、固定文字列で「平面図.jww」と書いてしまうと、ファイル名を変更したときに表題欄も書き直さないといけません。&fを使って「&f」とだけ書いておけば、ファイル名を変更しても印刷時に自動的に新しいファイル名が出力されます。差し替え運用が頻繁な物件で重宝します。
設計打合せ日の図面埋め込み
打合せに使う検討図面に、その時点の日付を入れたい場面があります。&Jを表題欄付近に配置しておけば、印刷した瞬間の日付が出るので、「いつ打合せに使った版か」が紙面で識別できます。同じ図面ファイルを月をまたいで2回印刷したら、それぞれの印刷物に違う日付が出るので版管理が楽です。
計算式で面積合計を即時出力
「リビング14.5㎡+ダイニング8.0㎡+キッチン6.0㎡=28.5㎡」のような合計値を図面に書きたい場合、電卓を使わなくても文字コマンドの計算機能で出せます。14.5+8.0+6.0=と入力 → Ctrl+左クリックで「14.5+8.0+6.0=28.5」が作図されます。式と結果が並んで残るので、後で見た人にも計算根拠が伝わります。
屋根の勾配計算で角度を即時算出
屋根勾配が「4寸」のときの角度(rad換算ではなく°換算)を図面に書きたいとき、a(0.4)のようにアークタンジェントを使えば計算結果が出ます。実用的には現場慣習で「21.8°(4寸勾配)」と固定値で書くことが多いですが、変則的な勾配(3.5寸・4.7寸など)の角度をその場で計算したい場面で便利です。
住宅性能評価書の単位表記との整合
長期優良住宅・性能評価書の図面には「断熱区分6地域」「UA値0.46W/(㎡・K)」「ηAC値2.5」のような専門単位が並びます。「W/(㎡・K)」のような分数表記は通常の文字では書けないので、W/(m^u2・K)の形で書くか、より厳密に書くなら制御文字を併用して斜線分数の見た目を再現します。性能評価書の運用では分母分子が分かれば十分なので、W/(m^u2・K)方式が現場では実用的です。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: m^u2と打ったのに「m²」にならない・記号がそのまま出る
→ ^(キャレット)を全角で入力してしまっていないか確認してください。^uは半角で打ち込む必要があります。日本語入力ONの状態でShift+へを押すと全角の「^」が入ってしまうので、IMEをいったんOFF(半角英数)にしてから^uを入力します。
Q: ファイル名(&f)が画面に出てこない
→ &fは画面では記号のまま表示されるのが標準仕様です。画面でも実ファイル名で表示したい場合は、メニューバー「設定」→「基本設定」→「一般(2)」タブで**「プリンタ出力時の埋め込み文字(ファイル名・出力日時)を画面にも変換表示する。」**にチェックを入れてください。チェックを入れた直後から、画面でも実ファイル名に置き換わって表示されます。
Q: 印刷したらファイル名が出ない・記号のまま印刷された
→ &fを1つの文字列の中に2つ以上書いていないか確認してください。「1文字列1埋め込み」のルールがあり、2個目以降は無効化されてそのまま印刷されます。複数の埋め込みを並べたい場合は、文字を別々に配置して個別の文字列として記録する必要があります。改行入力で並べた場合の挙動はバージョン依存なので、念のため別々の文字として配置するのが安全です。
Q: 元号系(&GGEE)で半角・全角が分からなくなる
→ &GGEEは1文字目のGだけ半角、2文字目以降のGとEは全角という変則記法です。打ち間違えると元号が出ません。よく使う組み合わせをテキストファイルに保存しておいてコピペ運用するのが現実的です。&J(日付一括)で済む場面なら&Jを選ぶと、半角・全角の混在を回避できます。
Q: 上付き^uの文字サイズが思ったより小さい・大きい
→ 上付き・下付き文字のサイズは、書込み文字種のサイズに対する自動縮小が適用されます。画面上で違和感がある場合は、書込み文字種のW(横幅)・H(縦幅)を変えてベースの文字サイズを調整してください。文字種ごとの数値設定は 基本設定[文字]タブの設定値 を参照。
Q: 計算式を打ったのに、計算結果ではなく式そのものが書かれた
→ 配置時にCtrlキーを押し忘れている可能性が高いです。式計算で結果を作図するには、Ctrlを押しっぱなしにしながら配置位置をクリックする必要があります。普通に左クリックすると、式が文字としてそのまま書かれます。
Q: 計算式で「=」を末尾に付けたのに、答えだけ出てしまう
→ =は半角で入力する必要があります。全角の「=」だと演算子として認識されません。半角入力モードで=を入れ直してください。
Q: 制御文字(^!太字等)が記号のまま画面に出て、書体が変わって見えない
→ 制御文字は画面表示では記号のまま見える仕様の場合があります。実際の書体変化は印刷時に反映されるため、画面で確認したい場合は印刷プレビューを開いてください。基本設定「一般(2)」の埋め込み文字変換表示が制御文字にも効くかは、バージョンと運用状況によって挙動が違うため、印刷プレビュー確認が確実です。
Q: ^*(制御文字無効化)で書いた^uが変な位置で切れる
→ ^*は直後の文字列にだけ無効化が効き、^^を後ろに置くと再有効化されます。長い注記文の中で部分的に^uを文字として書きたい場合は、説明:^*m^u2^^のように書きますのように、無効化と再有効化を対で挟みます。
Q: SXFファイル形式に変換すると特殊文字が崩れる
→ 上付き・下付き・制御文字はJw_cad独自の記法のため、SXF形式に保存し直すと記号がそのまま残ることがあります。SXF経由で他社CADと連携する案件では、特殊文字を使わず**素のテキスト(「m2」「16.5平米」等)**で書く運用に切り替えるのが安全です。詳しくは 異なる形式(SXF・DXF・PDF)への保存 ※準備中 を参照。
Q: 元号や日付の埋め込み文字を「画面でも表示する」設定にしたら印刷スピードが遅くなった
→ 画面表示への変換処理が増えるため、複雑な図面ほど画面再描画が重くなることがあります。設計途中はチェックを外しておき、印刷前の確認時だけONにする運用をおすすめします。
Q: 図面を別PCに持っていったら、ファイル名(&f)が前PCのファイル名のまま印刷された
→ &fは印刷時点のファイル名に置き換わる仕様なので、別PCで開いてファイル名が同じなら同じ結果になります。前のファイル名のまま出る場合、ファイル名を別名保存していないか、印刷時点でJw_cadが古い情報をキャッシュしていないか確認してください。一度ファイルを閉じて再度開き直すと最新のファイル名が反映されます。
Q: 計算式に括弧を使ったら結果が変になった
→ 括弧の入れ子・優先順位は通常の数学ルールに従いますが、全角括弧は認識されません。(と)は半角で入力してください。また、*(掛け算)も半角で入れる必要があります。
関連項目
- 文字コマンドの基本(入力・配置) — 文字コマンドの起動・基本入力
- 文字編集(変更・移動・複写・切断) — 入力済み特殊文字の編集
- 文字種・フォント・角度の指定 — 書込み文字種の切替(上付き・下付きのベースサイズ)
- 文字基点・周囲線(基点切替・囲み線) — 配置基準点
- 行間・列間(連続入力) — 改行入力との組み合わせ
- 文字を縦書きにする — 縦字との組み合わせ
- 外部エディタ・テキストファイル連携 — 元号などのコピペ用テキスト保存
- 基本設定[一般(1)]タブの設定値 — 「一般(2)」相当(埋め込み文字の画面変換表示)
- 基本設定[文字]タブの設定値 — 文字種1〜10のサイズ・色一括設定
- 読取点(右クリック)の使い方 — Ctrl+読取点での計算結果作図
- 印刷の基本(印刷ダイアログ・縮尺) — 埋め込み文字の出力タイミング
- 計算式・式計算の体系 — Ctrl+計算機能の数学的詳細
- 文字サイズの製図規約(住宅・RC造) — 面積表記のサイズ目安
- 図面に書く文字種・フォントの運用ルール — フォント・装飾の使い分け運用
まとめ
- 上付き
^u・下付き^d・中付き^cで、面積(m²)・体積(m³)・添字(X₁等)を半角記法で書ける - ファイル名・日時・元号などの埋め込み文字は印刷時に展開され、画面では「設定」→「基本設定」→「一般(2)」のチェックで変換表示にできる
- 埋め込み文字は1文字列に1個まで。複数並べたい場合は文字を分けて配置する
- 元号系(
&GGEE)は半角と全角が混在する変則記法。よく使う組み合わせはテキスト保存からコピペが楽 - 制御文字(
^!太字等)で書体の途中切替が可能だが、多用すると編集時に判別しづらくなるため2〜3か所までに抑える - 計算式は文字コマンド中に式を打ってCtrlを押しながら配置で結果を作図。
=を末尾に付けると式+結果が並ぶ