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未検証

多重矩形・面取りされた矩形

このページでできるようになること

Jw_cadの矩形コマンドにある「多重」入力欄を使って、同一中心の入れ子矩形(多重矩形)と、四隅が面取りされた矩形(R面取り・C面取り)を1コマンドで描けるようになります。「数値1,数値2」のカンマ区切り入力で、左の値が多重の数、右の値が面取りの寸法になる仕組みを覚え、家具の枠線・サッシ枠の入れ子・コーナーRの取れた家具など、建築実務でよくある「角に丸み・面取りがある四角形」を矩形コマンドだけで完結させる感覚を身につけられます。

背景: 多重矩形と面取りはどちらも、後から複線コマンドや面取りコマンドで処理することもできます。ただ、矩形コマンドの「多重」欄は作図と同時にこの2処理が一括で済むため、家具・建具・サッシ枠のように「形が決まっていて毎回同じ処理が必要なパーツ」を描くときに大きく時短できます。

注意: この記事は矩形コマンドの「多重」入力欄に絞った内容です。矩形コマンドの起動方法・始点と対角点で描く基本手順は 矩形コマンドの基本(始点・対角点) を、横×縦の数値指定は 寸法を指定した矩形の作図 を参照してください。既存の図形に対して面取りをかけたい場合は、矩形コマンドではなく編集側の面取りコマンド(角面(C面) ※準備中 / 丸面(R面) ※準備中 / L面 ※準備中 / 楕円面 ※準備中)を使います。


「多重」入力欄の仕組み

入力欄の位置

矩形コマンドを起動すると、コントロールバーに「多重」入力欄が表示されます。コントロールバー上では「水平・垂直」「傾き」「寸法」「ソリッド」と並んでおり、その右側付近に「多重」のテキストボックスがあります。

要確認: バージョンや解像度によって表示順や表記が変わる可能性があります。実機で「多重」というラベルになっているか、入力欄の位置を確認します。

入力フォーマット: 「数値1,数値2」のカンマ区切り

「多重」欄には、多重数と面取り寸法を半角カンマ「,」で区切って入力します。

入力例数値1(多重)数値2(面取り)描かれる矩形
3,03重面取りなし同一中心の3重矩形(外・中・内)
1,101重(通常の矩形)半径10mmの丸面取り四隅をR10で丸めた1つの矩形
3,103重半径10mmの丸面取り3重 + 各重の四隅にR面取り
1,-101重辺寸法10mmの角面取り四隅をC10で角面取りした矩形
0,0 または空欄なしなし通常の矩形(多重なし・面取りなし)

Tips: 「数値1だけ使いたい」「数値2だけ使いたい」場合でも、カンマと0を必ず組にして書きます。多重なしで丸面取りだけしたいなら 1,10、面取りなしで多重だけしたいなら 3,0 のように、片方を1または0で埋めます。3 だけ・,10 だけのように半端な書き方はおすすめしません。


数値1(多重)の意味

「多重」欄の左側、数値1は多重矩形の重ね数を決めます。整数・小数・負の数で挙動が変わります。

数値1が正の整数

3,0 のように正の整数を入れると、その数だけ同一中心の矩形が等間隔で重ねて描かれます。各矩形寸法の差(重と重の間隔)が一定になるよう自動分割されます。

入力例結果
2,0外側矩形と内側矩形の2重
3,0外・中・内の3重
4,04重(重と重の間隔が等間隔)
5,05重

背景: 等間隔分割は「外側の矩形寸法を多重数で均等割りした幅で内側の矩形を縮める」仕様です。たとえば外側200×100の矩形を3重にすると、外側→中央の縮みと中央→内側の縮みが同じ大きさになるよう、内側矩形の寸法が自動計算されます。

数値1が正の小数

3.5,0 のように小数を入れると、整数部が分割数、**小数点以下が「最小矩形(最も内側の矩形)が間隔1単位の何割を占めるか」**を決めます。中心側の比率を細かく調整したいときに使います。

入力例整数部(分割)小数部(最小矩形比率)結果のイメージ
3.0,03分割1.0(フル間隔)3,0 と同じ等間隔3重
3.5,03分割0.5(半分の間隔)内側の矩形を中央寄りに縮める
3.2,03分割0.2(さらに小さく)内側がより小さく、中央が密になる

Tips: 小数指定は「立体感を出したいけど内側だけ強調したい」「中心の小矩形を視認できるサイズに保ちたい」というデザイン寄りの調整で使います。等間隔で十分な実用作図では、整数指定(3,0)で問題ありません。

数値1が負の数

-10,0 のように負の数を入れると、常に2重の矩形が描かれ、**負の数の絶対値がそのまま外側と内側の間隔(厚み)**になります。「重ね数ではなく厚みで指定したい」ケース向けの入力方法です。小数も使えます。

入力例結果
-10,0厚み10mmの2重矩形(壁の二重線として使える)
-25,0厚み25mmの2重矩形
-7.5,0厚み7.5mmの2重矩形

背景: 通常の正の数指定では「外側矩形を等分割して内側を縮める」ため、外側の矩形サイズが変わると内側のサイズも比率で変わります。一方、負の数指定では「外側からこの厚みだけ内側に縮めた2重」という固定値で描けるため、矩形サイズに依存しない一定の厚みを作れます。壁・枠・額縁など「いつでも同じ厚みで描きたい」要素に向いています。


数値2(面取り)の意味

「多重」欄の右側、数値2は四隅の面取り寸法を決めます。

数値2が正の値: 丸面取り(R面取り)

1,10 のように正の値を入れると、**その数値を半径とする丸面取り(R面取り)**が四隅に入ります。

入力例多重面取り結果
1,51重R5(半径5mm)四隅がR5で丸まった矩形
1,101重R10四隅がR10で丸まった矩形
1,201重R20四隅がさらに大きく丸まった矩形

数値2が負の値: 角面取り(C面取り)

1,-10 のように負の値を入れると、**絶対値が辺寸法となる角面取り(C面取り)**が四隅に入ります。一般的に建築・機械系の図面で「C面」と呼ばれる斜め面取りです。

入力例多重面取り結果
1,-51重C5(辺寸法5mm)四隅をC5で斜めに削った矩形
1,-101重C10四隅をC10で斜めに削った矩形

Tips: R面取り(丸)とC面取り(角)は、図面の用途で使い分けます。家具・建具のコーナー、サッシ枠の角はR面取りで柔らかい印象に、機械部品・木材の小口処理はC面取りで建築詳細図の表現に揃える、が一般的なルールです。

多重と面取りを組み合わせる

数値1と数値2を両方とも使うと、多重矩形のすべての重に面取りが入ります。

入力例結果
3,103重矩形 + 各重の四隅にR10面取り
2,-52重矩形 + 各重の四隅にC5面取り

内側矩形の面取り寸法は自動縮小される

数値2(面取り)に値を入れたとき、面取り寸法は最も外側の矩形に対して指定した値になります。内側の矩形にも同じ「形」の面取りは入りますが、寸法は内側矩形の縮小比率に応じて自動的に小さくなる仕様です。

矩形位置元の面取り縮小後
一番外側入力値そのまま(例: R10)R10
中央比率に応じて縮小R6.7(外の約2/3)
一番内側さらに縮小R3.3(外の約1/3)

背景: この仕様は「多重矩形が中心に向かって等比率で縮む」性質と、「面取り寸法も同じ比率で縮ませることで形のバランスを保つ」考え方によるものです。外と内で同じ大きさの面取りを入れてしまうと、内側の小さい矩形では面取りが矩形の大半を食い潰してしまうため、自動縮小によって自然な見た目を維持しています。

注意: 内側矩形の面取り寸法が比率縮小の結果0以下になると、その重には面取りが入らなくなります。極端に大きな面取り値や、非常に小さい多重矩形では、内側だけ面取りが消える挙動になります。意図せず内側の面取りが消える場合は、面取り値を小さくするか、多重数を減らしてください。


多重矩形の作図手順

「多重」欄の使い方を踏まえた、実際の作図手順をまとめます。

多重矩形・面取り矩形の作図サマリー(全5ステップ)

#操作所要
1矩形コマンドを起動数秒
2「多重」欄に「数値1,数値2」を入力(例: 3,0 1,10 3,-5数秒
3必要に応じて「寸法」「傾き」を入力数秒
4始点を左クリック(読取の場合は右クリック)数秒
5対角点を左クリックして確定数秒

合計: 慣れれば10秒程度で1つの多重矩形・面取り矩形が描けます。

手順1: 矩形コマンドを起動

左側ツールバーの「」アイコンを左クリックします。コントロールバーが矩形コマンド用の表示に切り替わります。

手順2: 「多重」欄に値を入力

コントロールバーの「多重」入力欄をクリックしてカーソルを置き、目的に合わせた値を入力します。

  • 多重だけ: 3,0(多重数3・面取りなし)
  • 面取りだけ: 1,10(多重なし・R10面取り)
  • 両方: 3,10(多重数3・各重にR10面取り)
  • 厚み指定の2重: -10,0(外側から内側へ10mmの厚みで2重)
  • 角面取り(C面): 1,-10(多重なし・C10面取り)

手順3: 「寸法」「傾き」を併用する場合は入力

サイズや角度を指定したい場合は、合わせて「寸法」「傾き」も入力します。寸法欄には「横,縦」、傾き欄には角度を入れます。

Tips: 寸法・傾きの併用は、たとえば「寸法 600,400 + 多重 1,30」で「家具の角がR30で丸まった600×400の枠」が一発で描けます。寸法指定の作法は 寸法を指定した矩形の作図 を参照してください。

手順4: 始点を指示

矩形の角のひとつになる位置で左クリックします。既存の点や交点を拾いたい場合は右クリックで読取り指示します。

手順5: 対角点を指示して確定

対角の角にしたい位置で左クリック(読取りなら右クリック)します。仮表示が確定し、多重・面取りが適用された矩形が作図されます。


多重矩形のデータ上の扱い

多重矩形コマンドで描いた矩形は、データ上は**それぞれの重ごとに4本の線(または面取り部分の線・円弧)**として扱われます。範囲選択でかこむと、外・中・内の各重が独立した線群として選択されます。

作図タイプデータ上の扱い
通常矩形(多重なし・面取りなし)独立した4本の線
多重矩形(数値1のみ)各重ごとに独立した4本の線(3重なら12本)
面取り矩形(数値2のみ・R面取り)4本の直線 + 4つの円弧(角部分)
面取り矩形(数値2のみ・C面取り)8本の直線(各辺2本 + 面取り4本)
多重 + 面取り各重ごとに上記の組み合わせが重複する

背景: 多重も面取りも、確定後は普通の線・円弧の集合として扱われるため、後から1辺だけ消す・1本だけ複線するなどの編集は通常の線編集コマンドで自由に行えます。「ひとまとまり」として扱いたい場合は、範囲選択 → ブロック化を使います。

Tips: 多重矩形を描いた後で「外側だけ別の線色にしたい」「内側だけ消したい」といった編集も、線単位で自由にできます。多重で生成された各辺は他の方法で描いた線とまったく同じデータ構造のため、属性変更や部分編集に制限はありません。


他のオプション(寸法・傾き・ソリッド)との併用

「多重」欄は、矩形コマンドの他のオプションと併用できます。

寸法 + 多重

「寸法」欄でサイズを指定し、「多重」欄で多重数や面取り値を入れると、サイズ確定の多重矩形が描けます。

用途例寸法多重
1820×910の3重枠(壁断面の表現等)1820,9103,0
600×400・R30の家具枠600,4001,30
100×100・C10の柱面取り表現100,1001,-10

傾き + 多重

「傾き」欄に角度を入れ、「多重」と組み合わせると、傾いた多重矩形を描けます。

用途例傾き多重
30度傾いた3重矩形303,0
45度傾いたR10面取り矩形451,10

注意: 「水平・垂直」チェックボックスがONになっていると、傾き入力が無視されます。傾きを使いたいときは「水平・垂直」のチェックを外してから「傾き」を入力します。詳しくは 角度を指定した矩形の作図 を参照。

ソリッド + 多重

「ソリッド」チェックボックスを入れた状態で「多重」欄に値を入れた場合、塗りつぶしと多重が併用される挙動になります。

要確認: ソリッドONでの多重矩形は、各重ごとにソリッドが適用されるのか、外側矩形のみソリッドになるのかをはじめ、面取りと組み合わせた場合の塗りつぶし範囲などを実機で確認します。

PERSCの推奨: 多重とソリッドの併用は表現としては可能ですが、見た目の意図が伝わりにくい組み合わせになりがちです。多重矩形は「枠線で輪郭を見せたい」用途、ソリッドは「面で塗りたい」用途と性質が異なるため、多重なら多重・ソリッドならソリッドのどちらかに絞る運用が無難です。塗り分けプレゼンには ソリッド(塗りつぶし) の任意色機能を使うほうが扱いやすいです。


入力値が残るときのクリア方法

「多重」欄も「寸法」欄と同様、一度入れた値はコマンドを切り替えてもJw_cad終了まで保持されることがあります。前の作業で多重・面取り設定を入れたまま新規矩形を描こうとすると、意図せず多重・面取り付きで描かれてしまう事故につながります。

クリア手順

  1. 「多重」入力欄をマウスでクリックしてカーソルを置く
  2. Ctrl + A で全選択Delete または Backspace で削除
  3. 空欄になったことを確認

または、

  1. 「多重」入力欄をダブルクリックして中身を全選択
  2. Delete または Backspace で削除

通常の矩形に戻したいときは、空欄にするか 0,0 を入力すれば多重・面取りなしの作図に戻ります。

要確認: 「多重」欄の値が次回コマンド再起動時にも保持されるか、コマンド切替で自動クリアされるかは実機で確認します。


実務での使い方 ★PERSC独自

壁の二重線表現(負の数指定の活用)

平面図で壁を描く際、芯線の両側に厚みを取った壁の二重線を矩形で一気に描くテクニックがあります。多重欄に負の数を入れて2重矩形にすると、外と内の間隔(壁厚)が固定されるため、矩形のサイズが変わっても壁厚は一定に保てます。

例: 壁厚100mmの間仕切り

  1. 矩形コマンドを起動
  2. 「多重」欄に -100,0 と入力(外側から100mm内側に2重)
  3. 「寸法」欄に外側サイズ(例: 2730,2730
  4. 配置位置でクリックすると、外形2730角・壁厚100の二重矩形が完成

背景: 通常の複線コマンドで壁の二重線を作ると、矩形を描いてから複線で内側オフセット → 4辺それぞれの端処理(コーナー処理)が必要になります。多重矩形の負の数指定なら1コマンドで完結するため、間仕切り壁の数が多い平面図ほど作業時間の差が出ます。

家具の枠と内部表現(多重指定)

リビングのテーブル、ダイニングのキャビネット、収納家具などは、外形と座面・天板の縁取りを多重矩形で一気に描けます。3重指定で「外形・縁・天板」の3層を作り、内部の表現を線で追加するワークフローが効率的です。

例: ダイニングテーブル(1600×900・3重表現)

  1. 「多重」欄に 3,0、「寸法」欄に 1600,900
  2. 配置位置でクリック
  3. 1コマンドで「外形・中間枠・内側天板の輪郭」が完成

その後、椅子の位置や天板の意匠線を追加すれば、家具の見下げ表現が短時間で仕上がります。

サッシ枠の入れ子(多重 + 面取り)

立面図のアルミサッシは、外枠・障子・ガラス押縁の入れ子構造で表現することが多いです。多重矩形に小さなR面取りを組み合わせると、サッシ枠特有の角の丸みも同時に表現できます。

例: サッシ外枠(1690×1100・3重・R3)

  1. 「多重」欄に 3,3、「寸法」欄に 1690,1100
  2. 配置位置でクリック
  3. 3重の枠線 + 各重に半径3mmの丸みが付いた状態で完成

実際の図面では仕上げに線種を変えて意匠線・基準線を区別しますが、ラフ段階のサッシ表現としては十分です。

家具コーナーR表現(面取りのみ)

ローテーブル・ベンチ・ベッドのマットレスのように、角が丸まった家具は、面取り矩形(多重1・正の面取り値)で簡単に描けます。

例: ローテーブル(W900×D450・R30)

  1. 「多重」欄に 1,30、「寸法」欄に 900,450
  2. 配置位置でクリック
  3. R30で四隅が丸まったテーブル天板が完成

PERSCの推奨: 家具表現では「角を四角にしたまま」より「コーナーRを取った」状態のほうが現代的で柔らかい印象になります。プレゼン用の家具配置図ではR10〜R30程度の面取りを入れるだけで図面の雰囲気が一段上がります。

部材小口のC面取り表現(角面取り)

詳細図の木材断面・鉄骨小口・コンクリート角部のように、実物が斜めに削られた部材は、C面取り(数値2が負)で描くと建築詳細図のお作法に合います。

例: 木材柱の小口C5面取り

  1. 「多重」欄に 1,-5、「寸法」欄に 120,120
  2. 配置位置でクリック
  3. 四隅をC5で斜めに削った120角柱の小口が完成

二重線で囲むパース風家具

平面パース風の表現として、家具を二重の線で囲って影を表現するテクニックがあります。多重矩形の負の数指定(厚み2〜3mm程度)で外側に薄い枠を作ると、家具が紙面から少し浮いて見える効果が出ます。

PERSCの推奨: 担当する案件種別ごとに、よく使う多重・面取りパターンを「自分のチートシート」にしておくと作図効率が大きく上がります。家具枠 3,0、サッシ枠 3,3、コーナーR家具 1,30、壁二重線 -100,0 のように、用途とコマンド入力を1対1で覚えると毎回の検討時間が消えます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 3,10 と入れたのに、ただの矩形しか描かれない

→ 「多重」欄ではなく別の入力欄に入力している可能性があります。コントロールバー上の「多重」というラベルの真横にある入力欄であることを確認してください。「寸法」欄に 3,10 を入れると「横3mm × 縦10mm」の小さな矩形が1つ描かれるだけになります。

Q: 多重数を 3 だけ入れたのに反応しない

→ 「多重」欄はカンマ区切りの2値入力が前提です。3 のみ入れた場合、Jw_cadが値を解釈できずに無視するか、面取り値を不定値として扱う可能性があります。面取りなしでも 3,0 のように2値で入力してください。

Q: 全角カンマ「,」を入れたら多重が効かない

→ 「多重」欄は**半角カンマ「,」**のみ受け付けます。日本語入力がONになっていると全角カンマになりやすいので、Shift キーや 半角/全角 キーで半角入力に切り替えてから入力します。

Q: 内側の矩形だけ面取りが消えている

→ 仕様通りの挙動です。面取り寸法は外側矩形に対して指定した値で、内側に行くほど比率縮小されます。極端に大きな面取り値や、非常に小さな矩形では、縮小の結果が0以下になって面取りが消えます。面取り値を小さくするか、多重数を減らしてみてください。

Q: R面取りとC面取り(角面取り)の使い分けがわからない

→ R面取り(数値2が正)は半径の丸面取り、C面取り(数値2が負)は辺寸法の角面取りです。建築では家具・建具・サッシのコーナーはR、木材・鉄骨小口や詳細図の角部処理はCが一般的です。住宅の家具配置図ならR10〜R30、構造詳細図の柱小口ならC5〜C10程度が目安になります。

Q: 多重矩形と複線コマンドの使い分けがわからない

→ 矩形コマンドの「多重」は作図と同時に多重を入れる機能で、これから新規に多重矩形を描く場合に向いています。既存の矩形に内側もう1本足したいときは、矩形を描き直すよりも編集側の複線(オフセット) ※準備中 のほうが速いです。新規描画は多重・既存編集は複線と覚えておきましょう。

Q: 既存の矩形に後から面取りをかけたい

→ 矩形コマンドの「多重」は作図時のみ有効です。既に描いた矩形の角を後から丸めたい・斜めに削りたい場合は、編集側の面取りコマンドを使います。R面取りなら丸面(R面) ※準備中、C面取りなら角面(C面) ※準備中、L字面取りならL面 ※準備中、楕円面取りなら楕円面 ※準備中 を参照してください。

Q: 「多重」欄の値が前回作業から残っていて意図せず多重矩形が描かれた

→ 「多重」欄の値はコマンド切替後も保持される場合があります。新規作業の前に**「多重」欄をダブルクリック → Delete** で空欄に戻すか、0,0 を入力してから矩形を描き始めてください。コントロールバーの状態確認を矩形作図の前のチェック項目として習慣化するのが有効です。

Q: 負の数指定(-10,0)と複線で作る2重矩形は何が違う?

→ 仕上がり自体はほぼ同じですが、操作の手数と「形状の連動」が違います。負の数指定は1コマンドで完結し、外側矩形のサイズと厚みを独立に管理できます。複線コマンドは既存の矩形に後付けできる代わりに、4辺それぞれの端処理が必要です。新規矩形を一気に描くなら多重の負の数指定が速いです。

Q: 多重矩形を描いたあと、各重を別々に動かしたい

→ 多重矩形で描かれた各重は、データ上は独立した4本の線です。範囲選択で動かしたい1重だけをかこんで、移動コマンドで個別に動かせます。「重ごとにブロック化したい」場合は、範囲選択 → ブロック化を使います。

Q: 「多重」欄が見当たらない

→ 矩形コマンドが起動できていないか、コントロールバーが非表示になっています。

  • メニューバー「作図」→「矩形」、またはツールバーの □ アイコンで矩形コマンドを起動
  • ステータスバーに矩形コマンドの状態が表示されているか確認
  • 「表示」メニューで「コントロールバー」が有効になっているか確認

詳細は 矩形コマンドの基本(始点・対角点) を参照してください。


関連項目


まとめ

  • 矩形コマンドの「多重」入力欄は、「数値1,数値2」のカンマ区切りで多重矩形と面取り矩形を一括指定する
  • 数値1(多重): 正の整数で等間隔多重、正の小数で最小矩形比率調整、負の数で2重矩形+絶対値が厚み
  • 数値2(面取り): 正の値で半径R面取り、負の値で辺寸法C面取り、0で面取りなし
  • 内側矩形の面取りは比率縮小で自動小さくなり、0以下になると消える
  • データ上は重ごとに独立した線・円弧として扱われ、後から線単位で編集できる
  • 既存図形への面取り・コーナー処理は矩形コマンドの守備範囲外。Ch.5の面取り・コーナー処理コマンドを参照