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未検証

表題欄付き図面枠の作成(会社名・図番・縮尺欄レイアウト)

このページでできるようになること

Jw_cad で、外枠(用紙枠)だけでなく表題欄(タイトルブロック)まで作り込んだ図面枠を自作できるようになります。会社名・物件名・図面名・図番・縮尺・日付・設計者欄など、住宅および小規模ビル実務でそのまま使える項目構成と、右下配置型・右側帯型のレイアウト選び方、項目枠の寸法と文字サイズの設計、文字記入とテンプレ化の手順、図番の連番ルール、ロゴ画像の取り込み、複数縮尺物件での縮尺欄の運用、印刷時の体裁チェックまでを一連の流れで身につけられます。

背景: 表題欄は「この図面が誰の・どの物件の・何の図面か」を一目で示す看板です。受注業務では事務所ロゴと図番が表題欄に揃っていることが取引先からの信頼に直結し、確認申請や工事監理でも提出図書として表題欄の整備が必須要件になります。この記事では「規格そのもの」ではなく「Jw_cad 上で実際にどう描き、どうテンプレ化するか」に絞って解説します。表題欄の規格論(項目とレイアウト原則)は 表題欄の規格 、用紙サイズ・余白・とじ代の数値ルールは 図面枠の規格 、シンプルな外枠だけの図面枠は 簡易版図面枠の作り方 ※準備中 にそれぞれ集約しています。


この記事の位置付けと前後関係

表題欄付き図面枠は、規格設計 → 作図実装 → テンプレ化 の3段階で完成します。この記事が担うのは中段の「作図実装」です。

段階内容担当記事
1用紙サイズ・余白・とじ代の標準を決める図面枠の規格
2表題欄の項目とレイアウト原則を決める表題欄の規格
3文字サイズ標準を決める文字サイズの標準
4Jw_cad で外枠+表題欄を作図する(この記事)
5テンプレ JWW として登録・配布する表題欄テンプレート ※準備中

PERSCの推奨: いきなり Jw_cad を立ち上げる前に、Ch.11 の規格2記事に必ず目を通してください。規格を決めずに作図に入ると、途中で「この欄に何を書くんだっけ」「会社名は何ポイントだっけ」と迷い続け、結局3〜4回作り直すことになります。規格を1ページの紙に書き出してから Jw_cad を開くだけで、作業時間が半分以下になります。


表題欄の構成要素(実装前のおさらい)

実装に必要な範囲だけ、項目構成を簡単におさらいします。詳細は 表題欄の規格 を参照してください。

標準項目チェックリスト

#項目名目的必須/任意
1会社名(事務所名)発行元の特定必須
2会社ロゴ視認性・ブランディング任意
3物件名案件特定必須
4工事種別(新築・改修等)確認申請・契約の区分任意
5図面名(平面図・立面図等)図面種別の特定必須
6図番(A-001 等)図面の連番管理必須
7縮尺寸法読み取りの基準必須
8作成日版管理の起点必須
9設計者(担当者)欄作図担当の明示必須
10監理者・承認欄(捺印枠)提出時の認証任意(提出図書では必須)
11改訂履歴欄バージョン管理任意
12用途・備考欄提出先・連絡事項任意

配置パターン(2型)

実装上、選択肢は実質次の2型に集約されます。

配置位置サイズ目安(A3)適する用途
右下型用紙の右下隅W170 × H45mm 程度住宅・小規模物件・確認申請
右側帯型用紙の右端を縦に1帯W40 × H297mm 相当RC造・大規模物件・施工図

要確認: 上記のサイズは事務所慣例による幅があります。A1〜A4 各サイズでの実測値は 表題欄の規格 の表を正としてください。

PERSCの推奨: 個人事務所・小規模設計事務所の住宅実務では 右下型 が最も使い勝手が良く、初心者も最初はこちらをマスターするのが近道です。RC造マンションや延床1000m²超の大規模物件、施工図主体の事務所では 右側帯型 に切り替わります。


作図前の準備

準備サマリー(全5項目)

#準備項目内容
1用紙サイズ・縮尺の確定図面の用途から決定
2書き込みレイヤの設定レイヤ 0F(図面枠)に切替
3線属性の標準確認外枠(太線)・項目枠(中線)・表題欄罫線(細線)
4文字サイズ標準の確認物件名(大)・図面名(中)・項目見出し(小)の3段階
5表題欄レイアウト図のスケッチ紙またはテキストエディタで配置を1枚に書く

準備1: 用紙サイズと縮尺の確定

メニューバー「設定」→「用紙サイズ」で用紙を選び、ステータスバーで縮尺を設定します。一般的な組み合わせは次のとおりです。

用紙縮尺想定用途
A41/100 〜 1/200案内図・配置図のみ・打合せ用1枚もの
A31/100戸建住宅平面図・立面図
A31/50矩計図・部分詳細
A21/100中規模住宅・小規模店舗
A11/100RC造マンション・1フロアもの

用紙・縮尺設定の操作は 用紙サイズと縮尺の設定 ※準備中 を参照してください。

準備2: 図面枠用レイヤの確保

表題欄を含めた図面枠は、専用のレイヤに集約します。Ch.6 の建築標準では、図面枠は レイヤグループ F(または共通グループ)のレイヤ 0 に配置するのが推奨です。

レイヤ番号用途
0F(または 0)外枠・表題欄罫線・固定文字(会社名・項目見出し)
1F(または別レイヤ)物件名・図番・日付など物件ごとに書き換える文字

PERSCの推奨: 「固定部分」と「書き換え部分」をレイヤで分けると、テンプレ化したあとの運用がぐっと楽になります。物件名や日付を書き換えるとき、固定部分(会社名・ロゴ・項目見出し)を誤って動かしてしまう事故をゼロにできます。詳しいレイヤ運用は 建築図面のレイヤ分け実践図面枠用レイヤの分離 を参照してください。

準備3: 線属性の標準

表題欄の線属性は、用紙枠と区別がつくよう、3段階で使い分けるのが標準です。

用途線色線種印刷時の太さ
用紙の外枠線色 2 または 6実線太線(0.4mm 程度)
表題欄の外周線色 6実線中線(0.25mm 程度)
項目枠の罫線線色 1 または 8実線細線(0.13mm 程度)

要確認: 線色番号と印刷時の太さの対応は、Jw_cad の「基本設定 → 色・画面」と「印刷の線幅」設定で決まります。事務所標準を採用してください。線属性の使い分け規約は 線種使い分けルール ※準備中 を参照してください。

準備4: 文字サイズの3段階運用

表題欄内の文字サイズは、A3 / 1/100 図面で次の3段階を目安にします。

用途文字サイズ(mm)Jw_cad 文字種
物件名(最大)5.0 〜 6.0文字種5〜6
図面名・図番3.5 〜 4.0文字種3〜4
項目見出し・日付・縮尺・設計者2.5 〜 3.0文字種1〜2

背景: 文字サイズは「見やすさ」と「枠内に収まること」のバランスで決まります。物件名は表題欄の中で一番目立たせるべき情報なので最大、項目見出し(「図面名」「縮尺」等のラベル)は補助情報なので小、というメリハリが基本です。文字サイズ標準の根拠は 文字サイズの標準 を参照してください。

準備5: レイアウトのスケッチ

Jw_cad を開く前に、紙またはテキストエディタで表題欄のレイアウトを1枚にまとめます。

(A3用 右下型 W170 × H45mm の例)
+--------+----------------------------+--------+
|        | 物件名                     |        |
|  ロゴ  +----------------------------+ 図番   |
|        | 図面名         | 縮尺      |        |
| 25×25  +-------+--------+----------+ A-001  |
|        | 設計  | 監理   | 承認     |        |
|        +-------+--------+----------+ 日付   |
| 会社名 |   印   |   印  |   印     |        |
+--------+-------+--------+----------+--------+
       170mm を 5列に分割

Tips: スケッチ段階で「W170 を ロゴ25 + 物件名/図面名60 + 設計欄60 + 図番25 で5分割」のように寸法配分を決めておくと、Jw_cad での作業が「決まった寸法を打ち込むだけ」の単純作業になります。


表題欄の作図手順(右下型・A3)

作図手順サマリー(全10ステップ)

#操作所要
1用紙枠(外枠)を作図1分
2表題欄の外周を矩形で描く1分
3表題欄の内側を縦罫線で分割2分
4横罫線で行を分割2分
5線種・線色を確認1分
6項目見出しの文字を記入(固定部分)5分
7会社名・住所等の固定情報を記入3分
8物件名・図面名・図番欄を空欄で配置(書き換え部分)2分
9ロゴ画像を取り込み(任意)3分
10テンプレ JWW として保存1分

合計: 初回はおおむね 20〜25分 が目安です。2回目以降はテンプレを呼び出して書き換えるだけなので、1〜2分で済みます。


手順1: 用紙枠(外枠)を作図

簡易版図面枠と同じ要領で、用紙枠を作図します。詳細は 簡易版図面枠の作り方 ※準備中 を参照してください。

ここでは、A3横(420 × 297mm)の用紙にとじ代 25mm(左)+ 余白 5mm(上下右)で作図する例で進めます。

  1. 左ツールバー「」(矩形)をクリック
  2. コントロールバーで「寸法」に 390 , 287 を入力(横390 × 縦287mm の作図エリア)
  3. 用紙の中央付近(とじ代と余白を考慮した位置)に左クリックで配置

Tips: 用紙枠の数値(390 × 287)は「420 - 25 - 5 = 390」「297 - 5 - 5 = 287」の計算結果です。とじ代を左 25mm、上下右を 5mm にした場合の作図エリアの内寸となります。とじ代寸法の根拠は 図面枠の規格 を参照してください。

手順2: 表題欄の外周を矩形で描く

用紙枠の右下隅から、表題欄の外周を矩形で描きます。

  1. 矩形コマンドの寸法欄に 170 , 45 を入力(W170 × H45mm の右下型)
  2. 配置基準点を「右下」に切り替え
  3. 用紙枠の右下角を 右クリック(読取点)してスナップ

PERSCの推奨: 配置基準点は必ず「右下」にしておきましょう。「左下」のまま配置すると、170mm 分が用紙枠の右側にはみ出してしまいます。基準点変更は矩形コマンドのコントロールバーまたは右クリックメニューから可能です。

手順3: 表題欄の内側を縦罫線で分割

表題欄の中を、項目ごとに縦罫線で5列に分割します。先ほどのレイアウト例(ロゴ25 + 物件名/図面名60 + 設計欄60 + 図番25)を実装します。

  1. 線コマンド + 「水平・垂直」ON
  2. 表題欄の上辺を始点(基準点を読取り)
  3. 複線コマンドで、表題欄の左辺から間隔 25mm の縦罫線を作成(ロゴ枠の右端)
  4. 続けて間隔 60mm(物件名・図面名枠の右端)
  5. 続けて間隔 60mm(設計・監理・承認欄の右端)
  6. 残り 25mm が図番枠

Tips: 複線コマンドを「連続」モードにしておくと、間隔を打ち込むたびに次々と縦罫線が引けます。複線の連続モードは 複線(ダブル線)の基本 ※準備中 を参照してください。

手順4: 横罫線で行を分割

縦罫線が描けたら、項目ごとに横罫線で行を分割します。例えば「物件名」「図面名・縮尺」「設計・監理・承認」の3段に分けるなら、表題欄の上辺から 15mm + 15mm + 15mm の3段で 45mm が埋まります。

  1. 表題欄の左辺を選択(または上辺)
  2. 複線コマンドで間隔 15mm の横罫線
  3. 同様にもう1本(合計 2本の横罫線で3段構成)

背景: 段数と1段あたりの高さは、項目数と文字サイズで決まります。文字 5mm の物件名なら段高 12〜15mm が読みやすく、文字 3mm の項目見出しなら段高 8〜10mm でも納まります。詰めすぎると印刷時に文字が枠線に触れて読みにくくなるため、上下に最低 2〜3mm の余白を確保してください。

手順5: 線種・線色を確認

ここまでで表題欄の罫線が完成しました。線色がバラついていないか、外周と内側で太さの差が付いているかを確認します。

部位線色
外周(表題欄の枠線)線色 6(中線)
内側(項目枠の罫線)線色 1 または 8(細線)

線属性が揃っていない場合は、「属性変更」コマンド(左ツールバー)で対象線を選択し直して属性を統一します。

Tips: 「属性変更」コマンドはまとめて選択した線の線色・線種を一括変更できます。範囲選択で表題欄の罫線をすべて選択し、「線色 1・実線」に変更すれば、内側の罫線が一発で揃います。属性変更コマンドの詳細は 属性変更 ※準備中 を参照してください。

手順6: 項目見出しの文字を記入(固定部分)

表題欄の各セルに、項目の見出し(ラベル)を記入します。これは物件が変わっても変わらない固定部分です。

配置位置文字文字サイズ
物件名セルの左上「物件名」文字種2(2.5mm)
図面名セルの左上「図面名」文字種2
縮尺セルの左上「縮尺」文字種2
設計セルの上「設計」文字種2
監理セルの上「監理」文字種2
承認セルの上「承認」文字種2
図番セルの上「図番」文字種2
図番セルの下「日付」文字種2

文字記入コマンドの操作は 文字記入の基本 を参照、文字基点(左下・中心など)の使い分けは 文字基点 を参照してください。

PERSCの推奨: 項目見出しの基点は 「左上」 で統一すると、各セルの左上隅から数mm 内側にきれいに揃います。中央寄せにすると、長さの違う見出し(「設計」と「物件名」など)が縦線でずれて見えるため避けるのが無難です。

手順7: 会社名・住所等の固定情報を記入

ロゴ枠(または会社名枠)に、事務所の固定情報を記入します。

配置内容文字サイズ
ロゴ枠(中央配置)「PERSC設計事務所」(または事務所名)文字種3〜4
ロゴ枠の下(または欄外)住所・電話番号文字種1(2mm)
ロゴ枠の中(任意)一級建築士事務所登録番号文字種1

背景: 一級建築士事務所登録番号、または二級建築士事務所登録番号の表記は、建築士事務所として開設している場合に建築士法上の義務です。表題欄に常時表記しておくと、新規物件のたびに記入し忘れる事故が防げます。

手順8: 物件名・図面名・図番欄を空欄で配置(書き換え部分)

物件ごとに書き換える部分は、テンプレ段階では空欄のままにしておきます。後でこのセルだけ書き込むことで、他の枠を誤操作で動かす心配がなくなります。

書き換え部分用のレイヤ(推奨: レイヤ 1F)に切り替えてから、物件名・図面名・図番・縮尺・日付・設計者名のサンプル文字(「○○邸新築工事」「平面図」「A-001」「1/100」「2026.05.07」「担当者名」など)を仮入力してもよいでしょう。テンプレとして配布するときは、この仮入力をすべて削除します。

PERSCの推奨: テンプレ JWW を作るときは、書き換え部分に「_物件名_」「_図面名_」のように 目立つ仮文字を入れておくのがおすすめです。「未記入のまま提出」事故を予防できます。アンダーバー記号は実用文字として誤用されにくく、版管理ソフトの差分でも見つけやすい記号です。

手順9: ロゴ画像の取り込み(任意)

事務所ロゴをロゴ枠に配置したい場合は、画像を Jw_cad に取り込みます。

ロゴ画像の取り込み手順

  1. ロゴ画像を BMP 形式で保存(推奨: 100 × 100px 程度の小サイズ)
  2. Jw_cad のメニューバー「編集」→「画像編集」→「画像挿入
  3. ダイアログで BMP ファイルを選択
  4. 配置位置を左クリックでロゴ枠の中央付近に指示
  5. サイズ調整は「画像編集」コマンドの 倍率変更 で実施

要確認: Jw_cad でサポートされる画像形式は標準では BMP のみです。JPG/PNG を扱うには Susie プラグインの導入が必要です。プラグイン無しの環境では、画像編集ソフト(ペイント等)で BMP に変換してから取り込みます。

注意: ロゴ画像のファイルパスは Jw_cad の図面ファイル(.jww)から 相対パスで記録されます。ロゴファイルを別フォルダに移動すると、図面を開いたときに「画像が見つからない」となります。テンプレ運用では、ロゴ画像を テンプレ JWW と同じフォルダに置くか、事務所共通の固定パス(例: C:\JWW\logo\persc-logo.bmp)に配置するのが安全です。

Tips: 画像なしで「事務所名のテキストロゴ」を装飾文字で代用する運用もあります。文字種5以上の太字 + 枠線で囲むだけで「画像ロゴ風」に仕上がります。画像のパス管理が面倒な場合は、テキストロゴが現実的です。

手順10: テンプレ JWW として保存

完成した図面枠を、テンプレファイルとして保存します。

  1. メニューバー「ファイル」→「名前を付けて保存
  2. 保存先: 事務所共通の テンプレフォルダ(例: C:\JWW\template\
  3. ファイル名: template_a3_h_with-title.jww(用紙サイズ・向き・表題欄有無が分かる名前)

PERSCの推奨: テンプレファイル名は「用紙サイズ_向き_表題欄型_縮尺」の規則で命名します。例: template_a3_h_right-bottom_s100.jww(A3横・右下型・1/100)。用紙サイズと縮尺が一目で分かると、新規物件で「どのテンプレを開けばよいか」が即決できます。


派生パターン(実務で頻出するバリエーション)

パターンA: 戸建住宅・確認申請用(A3 右下型)

戸建住宅の確認申請では、表題欄に確認申請に必要な項目を必ず含めます。

項目記載内容
物件名「○○邸新築工事」
工事種別「新築工事」
図面名「1階平面図」「2階平面図」「立面図」「矩計図」等
図番「A-001」「A-002」…
縮尺「1/100」
設計者欄一級建築士または二級建築士の氏名・登録番号
監理者欄工事監理を行う建築士(同一の場合は同じ氏名)
事務所登録一級建築士事務所登録番号

背景: 確認申請では、設計者と工事監理者の建築士登録番号の記載が建築士法で義務付けられています。表題欄にこの欄を最初から組み込んでおけば、申請書類作成時の記入漏れが減ります。

パターンB: 戸建住宅・打合せ用(A3 右下型・簡略版)

クライアント打合せ用の中間図面では、表題欄を簡略化します。

項目記載内容
物件名「○○邸新築計画」
図面名「平面図」
図番「P-01」「P-02」(プラン番号として)
縮尺「1/100」
日付提案日
設計者担当者名
備考「第○案」「打合せ用」

PERSCの推奨: 打合せ用は「第○案」「打合せ用」の文字を表題欄に明示しておくと、後で混乱しません。クライアントが過去の案を持ち出してきたとき、表題欄を見るだけでバージョンが特定できます。

パターンC: 小規模ビル・施工図用(A2 右側帯型)

小規模ビル(延床 500m² 程度)の施工図では、施工者向けに改訂履歴承認欄が重要になります。右側帯型を使い、縦に項目を並べます。

項目配置
改訂履歴欄最上部(5〜6行確保)
承認欄(捺印枠)改訂履歴の下(設計・監理・施主の3欄)
物件名中段
図面名中段
図番・縮尺・日付下段
会社名・ロゴ最下部

Tips: 施工図では1物件で 50〜100枚規模の図面が出るため、図番のプレフィックス(A-意匠 / S-構造 / E-電気 / M-機械)で管理します。表題欄にはこのプレフィックスを含めて表示してください。

パターンD: 複数縮尺の物件(縮尺欄の運用)

矩計図・部分詳細・配置図など、1つの物件で複数縮尺が混在する場合、縮尺欄の扱いに注意が必要です。

運用案A: 縮尺欄を物件ごとに書き換え

1図面1縮尺の場合は、表題欄の縮尺欄を「1/100」「1/50」と物件ごとに書き換えます。最もシンプルな運用です。

運用案B: 1図面に複数縮尺を併記

1枚の用紙に「平面図 1/100」「断面詳細 1/30」が並ぶ場合、表題欄の縮尺欄には「S=1/100, 1/30」と併記します。

運用案C: 「図中表記」と書く

部分図ごとに縮尺が違う場合は、表題欄に「図中表記」と記入し、各部分図のすぐ下に縮尺バーまたは「S=1/30」を個別表記します。

PERSCの推奨: 矩計図や詳細図中心の事務所は 運用案C が無難です。1枚に4〜5種類の縮尺が混在することがあるためです。住宅実務中心なら 運用案A が最もシンプルで間違いが起きにくく、推奨します。

パターンE: 図面集(図面リスト・案内図扱い)

図面集の表紙や図面リストは、本文の図面と表題欄を区別したい場合があります。表題欄の図番欄を「00」「INDEX」とするか、別枠でリスト用の表題欄を用意します。

図番図面名
A-000図面リスト
A-001案内図・配置図
A-002〜各階平面図・立面図・矩計図

図番の付け方(連番ルール)

図番プレフィックスの標準

実務で広く使われる図番プレフィックスは次のとおりです。

プレフィックス図面種別
A意匠図(Architectural)
S構造図(Structural)
E電気設備図(Electrical)
M機械設備図(Mechanical)
P配管設備図(Plumbing)
L外構・造園図(Landscape)

戸建住宅の小規模物件では「A」のみで通すことも多く、施工図主体の事務所ではすべての記号を使い分けます。

連番の標準

プレフィックスの後ろに「-」と3桁の連番を付けるのが一般的です。

A-001  意匠図 1枚目(表紙・図面リスト)
A-002  案内図・配置図
A-003  仕上表
A-100  1階平面図   (100番台が平面図)
A-101  2階平面図
A-200  立面図      (200番台が立面図)
A-201  立面図2
A-300  断面図      (300番台が断面・矩計図)
S-001  構造図表紙
E-001  電気図表紙

要確認: 図番の桁数(2桁・3桁・4桁)と連番ルール(連続/100番台ブロック制)は事務所差が大きいため、受注先または社内標準を確認してください。

PERSCの推奨: 戸建住宅の小規模物件なら「A-001 〜 A-020 程度の連続連番」が現実的です。RC造マンションなど50枚を超える物件は、平面図100番台・立面図200番台のような ブロック制 にしておくと、後から図面を挿入したときに番号体系が崩れにくくなります。

改訂版の図番

改訂が入った場合は、図番に枝番を追加します。

A-100        初版
A-100-rev1   1次改訂
A-100-rev2   2次改訂

または、表題欄の改訂履歴欄に 改訂日・改訂内容を記録するだけで、図番は変えない運用もあります。


印刷時の体裁チェック

表題欄付き図面枠を作ったら、必ず印刷プレビューと実機印刷で体裁を確認します。

体裁チェックの観点

#チェック項目確認方法
1表題欄が用紙範囲内に収まっているか印刷プレビュー
2文字が罫線に触れていないか印刷プレビュー拡大
3ロゴ画像の解像度が荒くないか実機印刷
4線の太さの差が出ているか(太・中・細)実機印刷
5縮尺欄・図番欄の文字サイズが小さすぎないか実機印刷
6改訂履歴欄の罫線がきれいに揃っているか実機印刷

Tips: 印刷プレビューは画面表示だけでは見抜けない問題(線が細すぎてかすれる、文字がにじむ等)があります。テンプレ完成時には必ず A4 で実機印刷して目視確認してから事務所共通フォルダに配布しましょう。

印刷時のよくある問題と対処

症状原因対処
表題欄が用紙からはみ出す用紙余白とプリンタの印刷可能範囲のズレ用紙枠を 5mm 程度内側に配置
線が薄くて見えない線色番号と印刷時太さの設定不一致「印刷」コマンドの「線属性」設定を確認
ロゴ画像がギザギザに印刷されるBMP の解像度不足元画像を 300dpi で再保存
文字が中央からズレている文字基点の選択間違い文字基点を「中心」または「左上」に統一

詳しい印刷設定は 印刷の基本 ※準備中 を参照してください。


実務での使い方 ★PERSC独自

表題欄テンプレを「サイズ別」「用途別」で揃える

事務所運用では、テンプレを次のマトリクスで整備しておくと、新規物件のたびに「どれを使うか」が即決できます。

推奨テンプレ構成

用紙向き縮尺用途ファイル名例
A41/100案内図・打合せ簡易版template_a4_h_simple_s100.jww
A31/100戸建住宅・標準template_a3_h_with-title_s100.jww
A31/50矩計図・部分詳細template_a3_h_with-title_s50.jww
A21/100中規模物件template_a2_h_side-stripe_s100.jww
A11/100RC造マンションtemplate_a1_h_side-stripe_s100.jww

PERSCの推奨: 最初から全サイズを揃えようとせず、最も使う1〜2サイズだけ作り込むのが現実的です。戸建住宅中心の事務所なら A3 横 + A4 横の2種類で 9割の物件をカバーできます。残りは案件発生時に派生させる運用で十分です。

物件開始時のテンプレ複製手順

新規物件の図面開始は、次の3ステップで進めます。

  1. テンプレフォルダから該当テンプレ JWW を **「名前を付けて保存」**で物件フォルダに複製
  2. 物件名・図面名・図番・日付・設計者をテンプレの仮文字(「_物件名_」等)に上書き
  3. 図面本体(平面図・立面図等)の作図に進む

Tips: テンプレを 直接開いて編集しないでください。次の物件で再びテンプレを使おうとしたときに、前物件の物件名が残っていて事故になります。「名前を付けて保存」で複製してから編集する運用を厳守します。

「未記入欄」を防ぐチェックリスト

物件完了時に、表題欄の記入漏れを防ぐチェックリストです。

#確認項目確認方法
1物件名が「_物件名_」のままになっていないか表題欄の物件名セル目視
2図面名が空欄になっていないか表題欄の図面名セル目視
3図番が連番で抜けがないか全図面の図番一覧化
4縮尺の記入が物件全体で整合しているか各図面の縮尺欄一覧化
5設計者・監理者の氏名が記入されているか表題欄の設計欄目視
6改訂版が混在していないか改訂履歴欄の最終行確認

PERSCの推奨: このチェックリストを 印刷前のルーチンとして運用に組み込んでおくと、提出後のクレームをほぼゼロにできます。確認申請の差し戻し原因の上位に「表題欄の記入漏れ」が常に入っているため、ここを潰すだけで再申請の手間が大きく減ります。

図面集(事務所アーカイブ)への反映

完了物件は、表題欄の情報をそのまま事務所アーカイブに登録します。

アーカイブ列表題欄の対応項目
物件名物件名
完了年月日付(最終版)
図面枚数図番の最終番号(A-020 なら20枚)
担当者設計者欄

表題欄が標準化されていれば、アーカイブ Excel の入力が コピー&ペーストで済むため、事務処理時間が激減します。

図面の電子配布時の注意

PDF 化して配布する場合、表題欄の文字サイズが過度に小さいと、ディスプレイ表示で読み取れません。A3 印刷で文字 2.5mm 以上を確保しておくと、PDF を画面で 100% 表示しても十分読み取れます。

Tips: 受け手の環境(モバイル端末・タブレット閲覧)も考慮し、重要項目(物件名・図面名・図番)は文字サイズを大きめに取るのがおすすめです。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 表題欄の罫線が用紙枠から少しずれている

→ 配置基準点が「左下」のままで配置していると、表題欄の右辺と用紙枠の右辺が揃いません。矩形コマンドのコントロールバーで **配置基準点を「右下」**に切り替え、用紙枠の右下角に右クリックでスナップして配置し直してください。

Q: 表題欄の中の文字が罫線にめり込んでいる

→ 文字記入時の基点が「中心」になっていて、セル中央配置のつもりが罫線寄りに置かれている可能性があります。**項目見出しは「左上」、本文(物件名等)は「中心」または「左上」**で統一すると安定します。文字基点の使い分けは 文字基点 を参照してください。

Q: 印刷したら線の太さに差が出ない(全部同じ太さで出る)

→ Jw_cad の「印刷」コマンドの設定で、線色ごとに印刷時の太さを設定する必要があります。線色 1 = 0.13mm、線色 2 = 0.25mm、線色 6 = 0.4mm などに割り当てるのが標準的です。詳しくは 印刷の基本 ※準備中 を参照してください。

Q: ロゴ画像を取り込んだら、別 PC で開いたときに「画像が見つからない」と出た

→ Jw_cad の画像はファイルパス(外部参照)で記録されているため、画像ファイルを別 PC に持っていく必要があります。ロゴ画像はテンプレ JWW と同じフォルダに置くか、事務所共通の固定パスC:\JWW\logo\ など)に配置してから、共有 PC でも同じパスでファイルを置いてください。

Q: 表題欄を作り直したいが、過去物件の表題欄も作り直す必要がある?

→ 過去物件はそのままにし、今後の新規物件のみ新テンプレに切り替えるのが推奨です。過去物件を遡って差し替えると、現場や施主との版管理が混乱します。

Q: 図番の連番が途中で抜けてしまった

→ 図番の連番は「物件のすべての図面を一覧化したリスト」で管理するのが基本です。物件単位で 図面リスト(A-000 INDEX) を作っておけば、抜けや重複が即座に分かります。

Q: 「設計」「監理」「承認」欄に捺印するスペースが小さすぎる

→ 捺印を想定する場合は W15 × H15mm 以上の枠が必要です。文字「設計」のラベルは枠の上、捺印スペースは枠の下、と上下で分けると印鑑がはみ出しません。表題欄の H45mm では3段構成が限界のため、捺印重視なら H60mm 以上に拡張してください。

Q: 表題欄を作ったが、別レイヤから誤って動かしてしまった

→ 表題欄は完成後に レイヤをプロテクトしておくと、誤操作で動かす事故を完全に防げます。プロテクトの操作は 図面枠用レイヤの分離 を参照してください。

Q: 縮尺を変えたら、表題欄の文字サイズも一緒に変わってしまった

→ 表題欄の文字サイズは **「実寸ではなく図寸(用紙上のサイズ)」**で扱うのが基本です。文字記入コマンドのコントロールバーで「文字種」を選び、「文字サイズ(mm)」が用紙上の値になっていることを確認してください。実寸モードだと縮尺変更で文字サイズが連動してしまいます。詳しくは 文字記入の基本 を参照してください。

Q: 表題欄に書ききれない情報(敷地住所・建築主の住所等)はどこに書く?

→ 表題欄に入りきらない長文情報は、**用紙枠の左上または下部に「概要欄」**として別枠を設けるか、図面リスト(A-000 INDEX)の表紙にまとめて書くのが一般的です。表題欄を肥大化させず、別枠に分離するのがすっきり納まるコツです。


関連項目


まとめ

  • 表題欄付き図面枠は「規格設計(Ch.11)→ 作図実装(この記事)→ テンプレ化(Ch.15)」の3段階で完成する
  • A3 戸建住宅では 右下型 W170 × H45mm が標準、RC造大規模物件では 右側帯型 W40 × H297mm に切り替える
  • レイヤは「固定部分(会社名・項目見出し)」と「書き換え部分(物件名・図番)」を分離するとテンプレ運用が楽になる
  • 線属性は 太線(外枠)・中線(表題欄外周)・細線(項目枠) の3段階で使い分ける
  • 文字サイズは 物件名(最大)・図面名/図番(中)・項目見出し(小) の3段階でメリハリを付ける
  • 図番は A-001 / S-001 / E-001 のプレフィックス + 3桁連番が標準、住宅小規模物件は連続連番、大規模物件はブロック制が便利
  • ロゴ画像は BMP 形式で固定パス配置、または テキストロゴで代用してパス管理を回避
  • テンプレ JWW は「用紙サイズ_向き_表題欄型_縮尺」の規則で命名し、新規物件は「名前を付けて保存」で複製してから編集する
  • 印刷前には用紙範囲・線太さ・文字サイズの3点を必ず実機チェック、提出前には未記入欄チェックリストで記入漏れを防ぐ