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未検証

図面枠の作り方(印刷範囲から作る簡易版)

このページでできるようになること

Jw_cadで図面を描く前に、用紙のサイズと向きが一目で分かる 図面枠 を、印刷ダイアログの「枠書込」ボタンを使って数クリックで作れるようになります。あわせて、書き込んだ枠を FFレイヤ(レイヤグループF・レイヤ番号F) に移してプロテクトしておく運用、外枠ととじ代を考慮した内枠の足し方、線色・線種・印刷時の線幅の決め方、A1〜A4の用紙サイズと縮尺の組み合わせ、住宅実務での「A3提案版・A2施工版」の使い分けまで身に付けられます。表題欄(会社名・図番・縮尺欄)を含むレイアウトはこの記事の対象外で、 図面枠の作り方(表題欄付き版) ※準備中 に委譲します。

背景: Jw_cadの図面枠は、ゼロから線コマンドで矩形を引かなくても「印刷ダイアログの枠書込」機能で一発生成できます。用紙サイズ・向き・縮尺を Jw_cad に設定したうえでこのボタンを押すと、その印刷範囲の外形が線として作図画面に書き込まれる仕組みです。これに「とじ代を意識した内枠」を一回り内側に複線で追加し、FFレイヤに移しておけば、簡易版の図面枠としては十分実務に耐えます。表題欄を含む正式版は別記事で扱います。


用紙枠と図面枠は別物(最初に整理)

実務で混同しがちな2つの「枠」を、最初に整理しておきます。

名称実体表示・印刷編集対象
用紙枠基本設定の表示オプション。点線で用紙の外形を表示表示のみ・印刷されない移動・削除不可
図面枠(この記事の対象)線コマンドや印刷の「枠書込」で書いた 実線データ作図要素として表示・印刷される移動・削除・複線可能

「用紙枠」は基本設定 → 一般(1) タブの「用紙枠を表示する」にチェックを入れると出てくる、画面上だけの目安線です。印刷には出ません。一方この記事で作るのは、印刷した時に紙に線として乗る 図面枠(外枠+とじ代の内枠)です。

注意: 「用紙枠」の点線が画面に出ているからと言って、それは図面枠ではありません。実際に紙に印刷したい外形線は、線コマンドや「枠書込」で データとして書き込む 必要があります。

「用紙枠を表示する」のチェック有無を含む基本設定全体は 基本設定 一般(1) タブ ※準備中 を参照してください。用紙サイズの切り替え自体は 用紙サイズの設定 で扱います。


この記事の図面枠の構成(簡易版)

簡易版で作る図面枠は、表題欄を含まない最小構成です。

要素内容担当
外枠用紙端からとじ代寸法だけ内側に入った矩形この記事
内枠(とじ代を考慮した一回り内側の枠)外枠から数mm〜十数mm内側に複線した矩形この記事
表題欄会社名・図番・縮尺・図名・日付などを記入する枠図面枠の作り方(表題欄付き版) ※準備中

外枠と内枠の2本立てが定番です。外枠は「印刷ダイアログの枠書込」で一発生成、内枠は「複線」コマンドで外枠を内側にオフセットして作るのが最短ルートです。

背景: 表題欄を含めるかどうかは、図面の用途(社内検討・施主提案・現場施工・確認申請)で判断します。社内検討やDIYでは表題欄なしの簡易版で十分ですし、施主提案以降は表題欄付きが必須です。簡易版でも「あとで表題欄を追加できる空きスペース(用紙右下の100mm × 50mm 程度)」を確保しておくと、後で正式図面に昇格させやすくなります。

A1〜A4の余白寸法・とじ代寸法といった 規格値 の根拠は 図面枠の規格(余白・とじ代) に集約しています。この記事では、その規格値を 実際にどう作図するか に集中します。


全体ワークフロー

簡易版図面枠の作成は次の流れで進めます。

#工程所要
1用紙サイズと向きを Jw_cad に設定30秒
2線属性(線色・線種・太さ)を図面枠用に切り替え30秒
3印刷ダイアログを開いて「枠書込」で外枠を生成30秒
4「複線」で外枠から数mm〜十数mm内側に内枠を追加1分
5書き込んだ外枠・内枠を選択して FFレイヤに移動1〜2分
6FFレイヤをプロテクトして、以降は誤操作で動かないようにする30秒

合計: おおむね 5分以内 で1サイズ分の図面枠が完成します。これをサイズごと(A1/A2/A3/A4)に作って テンプレJWWファイル として保存しておけば、新規物件では「テンプレを開く → 名前を付けて保存」だけで済むようになります。


手順1: 用紙サイズと向きを設定する

1-1: 用紙サイズの選択

メニューバー「設定」→「用紙サイズ」をクリックすると、A0〜A4・B0〜B4 などの用紙サイズリストが表示されます。実務でよく使うサイズを選びます。

用紙寸法(mm)主な用途
A1594 × 841一般図(平面・立面・断面)、施工図ベース
A2420 × 594中規模物件の一般図、詳細部のまとめ
A3297 × 420提案資料、社内打合せ、確認申請の縮小
A4210 × 297部分詳細、メモ図、配付資料

Tips: 画面右下のステータスバーにある「A-2」のような用紙サイズ表示を 左クリック しても同じリストが出ます。よく使うのでステータスバー側が早いです。

1-2: 向き(縦・横)の確認

Jw_cadの作図領域は初期状態で 横向き になっています。縦向きで使いたい場合は、用紙サイズを選び直したあとで印刷ダイアログ側の「回転」で切り替えます(後述の手順3で扱います)。建築図面はほぼ横向き運用です。

1-3: 縮尺の設定

メニューバー「設定」→「縮尺・読取 設定」、または画面右下の縮尺表示(例: 「S=1/100」)を 左クリック して設定ダイアログを開き、目的の縮尺に変更します。

縮尺主な用途
1/100平面図・立面図(標準)
1/50部分平面・部分立面・拡大図
1/30部分詳細図・矩計の主要部
1/20・1/10納まり詳細・原寸近い詳細
1/200・1/500配置図・敷地全体

縮尺コマンドの詳細は 縮尺の設定 を参照してください。

PERSCの推奨: 図面枠を作るときは、最終的に印刷する縮尺 に揃えてから作業しましょう。「枠書込」で生成される枠は その時点の用紙設定 に対応した寸法で書かれるため、後から縮尺だけ変えても枠の位置は追従しません。縮尺ごとにテンプレを別ファイル化するのが現実的です。


手順2: 線属性を図面枠用に設定する

図面枠の線属性の考え方

図面枠は、図面本体の線(壁・建具・寸法など)と 混ざらない太さ・色 にしておくのが基本です。一般的な選び方は次のとおり。

用途線色線種印刷時の太さ目安
外枠線色 4〜6(黒・濃緑など濃い色)実線やや太め(0.4〜0.5mm 相当)
内枠(とじ代の内側)線色 4〜6実線中(0.25〜0.35mm 相当)
表題欄の枠線(参考)線色 4〜6実線

背景: 線色番号と印刷時の実太さの対応は、メニューバー「設定」→「基本設定」→「色・画面」タブと「線幅」タブの設定で決まります。事務所内で線色1〜8の太さルールを揃えておくと、誰が描いた図面でも見栄えが揃います。線色と線幅の規約は 線種使い分けルール ※準備中 を参照してください。

線属性ダイアログを開く

メニューバー「設定」→「線属性」、または Ctrl+1 で線属性ダイアログを開きます。

  • 線色: 線色 4 など(事務所標準に合わせる)
  • 線種: 実線
  • 線幅: 「線色による線幅」(既定)または「個別指定」

Tips: 「枠書込」ボタンで書かれる枠は、 その時点で書き込み中の線属性 に従います。先に線属性を切り替えてから枠書込ボタンを押すのが正解です。先に枠書込してしまった場合は、書かれた枠を選択してから「属性変更」で線色・線種を一括変更できます。


手順3: 印刷ダイアログから「枠書込」で外枠を生成する

ここがこの記事の中核です。線コマンドで矩形を引かなくても、印刷ダイアログの中にある「枠書込」ボタンを押すだけで、現在の用紙設定に合わせた矩形が作図画面に書き込まれます。

3-1: 印刷ダイアログを開く

メニューバー「ファイル」→「印刷」、ツールバーの「印刷」アイコン、またはショートカット Ctrl+P で印刷ダイアログを開きます。

3-2: プリンタと用紙サイズを確認して「OK」

「プリンターの設定」ダイアログで、使うプリンタ・用紙サイズ・向きを確認して「OK」をクリックします。

要確認: 「枠書込」で書き込まれる枠が用紙端ぴったりの寸法か、プリンタの印字可能領域だけ内側に縮むかは、プリンタドライバ依存の挙動があります。実機で1度だけ実寸法を計測して、事務所標準としてどのプリンタ設定を使うかを決めておくと安全です。

3-3: 印刷範囲の仮枠を確認

「OK」をクリックすると、作図ウィンドウに 赤い仮枠 で印刷範囲が表示されます。同時にコントロールバーが印刷モードに切り替わります。

3-4: 必要なら「回転」で向きを揃える

印刷範囲の仮枠が縦長で、横向き図面にしたい場合(または逆)は、コントロールバーの「回転 0°」ボタンを押すたびに「0° → 90° → -90°」と切り替わります。

3-5: 「枠書込」ボタンをクリック

コントロールバー右側付近にある「枠書込」ボタンを左クリックします。これで赤い仮枠の位置に、現在の 書き込み中レイヤ・現在の線属性 で外枠の矩形が書き込まれます。

要確認: 「枠書込」のラベルが「枠書込」か「枠書き込み」か、コントロールバー内の正確な配置位置はバージョン差がある可能性があるため、実機で確認します。

注意: 「枠書込」で書き込まれた直後は、まだ印刷モードのままです。印刷を実行せず、コントロールバー左側の他のコマンド(線・複線など)に切り替えると、枠線データだけが残ります。誤って「印刷(L)」ボタンを押すと実際にプリンタへ出力されてしまうため、書き込み確認後はすぐに別コマンドに切り替えましょう。

3-6: 別コマンドに切り替えて確認

ツールバーの「」や「消去」など別コマンドに切り替えると、印刷モードを抜けます。書き込まれた外枠の矩形だけが画面に残っていれば成功です。

背景: kantancad(参考サイト)でも、この「印刷ダイアログ → 枠書込」の流れが「Jw_cadにある図面枠の描き方」として紹介されています。実線の矩形を線コマンドで地道に引くより、用紙サイズと向きが自動で反映される点で確実・早い、というのが共通見解です。


手順4: 内枠(とじ代を考慮した一回り内側)を追加する

外枠だけでも図面枠としては機能しますが、実務では 外枠の内側に数mm〜十数mm 内側にもう一本 矩形を入れて二重枠にするのが定番です。

なぜ二重枠にするのか

理由内容
とじ代の見える化製本用の穴あけや背とじが、内枠の外側で行われる前提を示す
文字・図形の限界線図面要素は「内枠の内側」までで描き、外枠との間は 空きスペース として確保
見栄え1本線より2本線の方が「正式な図面」感が出る

二重枠の寸法目安

用紙外枠の用紙端からの距離内枠の外枠からの距離(とじ代側)内枠の外枠からの距離(その他3辺)
A110〜20mm25mm(左辺=とじ代)5〜10mm
A210〜15mm25mm(左辺=とじ代)5〜10mm
A35〜10mm25mm(左辺=とじ代)5mm
A45mm20〜25mm(左辺=とじ代)5mm

要確認: 上記の数値は一般的な目安です。事務所・施主・自治体で慣例が異なるため、提出先がある場合はその標準を優先してください。具体的な根拠と他のパターン(縦使い時のとじ代位置など)は 図面枠の規格(余白・とじ代) を参照してください。

4-1: 「複線」コマンドを起動

左ツールバー「複線」をクリックするか、ショートカット H を押します。複線コマンド全般は 複線(ダブル線)の基本 ※準備中 を参照してください。

4-2: 外枠を選択して内側にオフセット

外枠の矩形を 左クリック で選択します。連続した矩形として認識させるため、コントロールバーの「連続線選択」を有効にしてから外枠の1辺をクリックすると、4辺が一気に選択されます。

コントロールバーの「複線間隔」に内枠までの距離(例: 5)を入力し、外枠の 内側方向 にマウスを動かして左クリックで確定します。これで矩形が一回り内側に複製されます。

Tips: 矩形の連続線選択がうまくいかない場合は、4辺それぞれを個別に複線して、4本を「コーナー処理」コマンドで角を整える方法もあります。手間は増えますが確実です。

4-3: とじ代側だけ内枠を内側に寄せる

左綴じが標準の場合、左辺だけ内枠をもう少し内側に寄せます。具体的には、左辺の内枠を「移動」コマンドで右に20mm 程度ずらすか、「伸縮」で上下端を切り詰めて、左綴じ部分の余白を作ります。

PERSCの推奨: A1・A2の本格的な提出図面では、左辺のとじ代を 25mm 確保するのが安全です。A3・A4の社内提案資料程度なら 20mm でも十分です。製本用の穴あけ位置(中心が用紙端から10mm 程度)を内枠が踏まないようにします。


手順5: 書き込んだ枠を「FFレイヤ」に移動する

ここが住宅実務での生産性を左右する独自運用です。書き込んだ図面枠は、デフォルトでは 書き込み中のレイヤ(多くの場合 Gp.0 のレイヤ0) に入っています。これを レイヤグループF・レイヤF(参考サイト用語で「FFレイヤ」)に移して、図面本体の作業中は触れない状態にします。

なぜFFレイヤに移すのか

配置場所メリットデメリット
デフォルトの 0-0 レイヤ何もしなくていい図面本体と同じレイヤなので 誤って図面枠を編集してしまう 事故が起こる
F-F レイヤ(FFレイヤ)256枚あるレイヤの最終位置にあるため、通常作業で触らない / プロテクトしておけば誤操作ゼロ1度だけ移動の手間がかかる

背景: kantancad(参考サイト)が提唱する運用で「FFレイヤ図面枠」と呼ばれます。レイヤグループ・レイヤ番号ともに16進数で「0〜F」の16段階あり、Fが最終位置です。普通の図面作成ではここまで使わないため、図面枠の置き場所として最適、という発想です。

レイヤと図面枠の関係全般は レイヤと図面枠の運用(FFレイヤ) を参照してください。

5-1: 範囲選択モードで枠を選択

ツールバー「範囲」コマンドを起動し、図面枠(外枠+内枠)を囲むように 始点を左クリック → 終点を右クリック(読取点)で確定します。

Tips: 終点を 右クリック にすることで「文字も含めて全選択」になります。表題欄を後から追加した時にも文字を一緒に選択できる癖をつけておくと安全です。

5-2: 基準点を仮点で設定

コントロールバーの「基準点変更」をクリックし、図面枠の 左下角右クリック(読取点)で指示します。

要確認: 切り取り→FFレイヤ貼り付けで基準点が「実点」だと貼り付け先で見えなくなる場合があるため、参考サイトでは 仮点運用 が推奨されています。最新版でも同じ挙動か実機で再確認します。

5-3: 「切り取り」で枠を一時退避

メニューバー「編集」→「切り取り」をクリックします。図面枠が画面から消えて、内部バッファに一時保管されます。

5-4: 書き込みレイヤを「F-F」に切り替え

ステータスバー右下の レイヤグループ番号 を右クリック → リストから「F」を選択します。続けて レイヤ番号 を右クリック → 「F」を選択します。これで書き込みレイヤがF-Fに切り替わりました。

Tips: レイヤグループ・レイヤ番号は 左クリックで表示状態切替右クリックで書き込み状態切替 です。誤って表示状態を変えてしまった場合は レイヤシート操作 ※準備中 を参照してください。

5-5: 「貼り付け」でFFレイヤに枠を移す

メニューバー「編集」→「貼り付け」をクリック。マウスポインタに枠の仮線が付いてくるので、 元の左下角の位置右クリック(読取点)で指示します。これでFFレイヤに枠が貼り付き、元の位置に戻ります。

5-6: プロテクトして完了

ステータスバーで F-F レイヤを 左クリックを2回 程度押して状態を切り替え、 プロテクト(鍵マーク) にします。これで以降の作業中、図面枠は移動・削除できなくなります。

PERSCの推奨: プロテクトしておけば、平面図・立面図・詳細図のどれを作業していても 「壁を消すつもりで枠まで消した」 事故が完全になくなります。設計変更で枠を動かすときだけプロテクト解除→修正→再プロテクト、と運用します。


手順6: テンプレJWWファイルとして保存する

ここまで作った図面枠は、新規物件で繰り返し使えるよう テンプレJWWファイル として保存しておくと毎回ゼロから作り直す手間がなくなります。

6-1: 「名前を付けて保存」

メニューバー「ファイル」→「名前を付けて保存」で、Jw_cadインストールフォルダ配下に テンプレ専用フォルダ(例: C:\JWW\templates\)を作って保存します。

6-2: 命名ルール

ファイル名は用紙・縮尺・とじ代有無が一目で分かるように付けます。例:

ファイル名例内容
frame_A1_1-100_simple.jwwA1 横・縮尺1/100・簡易版(表題欄なし)
frame_A2_1-100_simple.jwwA2 横・縮尺1/100・簡易版
frame_A3_1-100_simple.jwwA3 横・縮尺1/100・簡易版
frame_A4_1-50_simple.jwwA4 横・縮尺1/50・簡易版

6-3: 新規物件での呼び出し方

新規物件を始めるときは、テンプレを 「名前を付けて保存」で別名コピー してから編集します。テンプレ自体は読み取り専用にしておくのが安全です。

PERSCの推奨: テンプレは A1/A2/A3/A4 × 縮尺1/100・1/50・1/30 の組み合わせで12〜16本あれば、住宅実務の8割をカバーできます。最初に1本作って、用紙サイズと縮尺だけ変えながら派生版を量産すれば、半日で揃います。配布版は 図面枠テンプレート(A1) ※準備中 などで提供予定です。


派生パターン

パターンA: A3提案版(住宅プラン提案・社内打合せ用)

施主への初期プラン提案や、社内設計会議で使う簡易版です。

項目
用紙A3 横
縮尺1/100
外枠の用紙端からの距離5mm
内枠のとじ代側距離20mm
内枠の他3辺距離5mm
表題欄なし(または右下に薄く「物件名・日付」のメモ程度)
線色線色 4(細め)

背景: A3はカラーレーザープリンタで気軽に出せるサイズで、施主との打合せにもそのまま持参できます。提案段階では表題欄なしでも違和感がないので、簡易版で運用するのが現実的です。

パターンB: A2施工版(現場用・職人配付用)

A2サイズで、平面図・立面図・矩計のうち1〜2枚を1図面枠に収める用途です。施工管理用や職人配付用に多用されます。

項目
用紙A2 横
縮尺1/100(平面)または 1/50(部分詳細)
外枠の用紙端からの距離10〜15mm
内枠のとじ代側距離25mm
内枠の他3辺距離5〜10mm
表題欄後で追加できる空きを確保(右下150 × 50mm 程度)
線色線色 5(やや濃い)

PERSCの推奨: A2施工版は、A3提案版を 倍寸でコピー したものではなく、最初からA2用紙サイズ設定で「枠書込」したテンプレを別途用意します。サイズ変更で済ませると、あとで縮尺を変えた時に枠の比率が崩れることがあります。

パターンC: A1一般図版(確認申請・公共工事用)

確認申請の意匠図、公共工事の一般図として使うサイズです。表題欄付きが必須なので、簡易版を作って後から表題欄を追加するか、最初から表題欄付き版(12-12)を使うかを選びます。

項目
用紙A1 横
縮尺1/100(一般図)または 1/50(部分詳細)
外枠の用紙端からの距離10〜20mm
内枠のとじ代側距離25mm
内枠の他3辺距離5〜10mm
表題欄この記事の対象外。 表題欄付き版 ※準備中 を参照
線色線色 6(最も濃い)

注意: 確認申請の図面枠は、自治体・特定行政庁の様式に従う必要があります。簡易版のまま提出はできませんので、申請用は別途整備してください。

パターンD: 複数縮尺の物件(同一図面に1/100と1/50を混在)

詳細図を同じ用紙にまとめたいとき、Jw_cadでは レイヤグループごとに縮尺を変える 仕組みを使います。

  • レイヤグループ 0(Gp.0): 縮尺 1/100(平面図用)
  • レイヤグループ 1(Gp.1): 縮尺 1/50(部分詳細用)
  • レイヤグループ F(Gp.F): 縮尺 1/1(図面枠専用 ※用紙寸法をmm 実寸でそのまま描く)

このとき、図面枠は 縮尺1/1のレイヤグループF に置くことで、レイヤグループ0や1の縮尺を変更しても枠の表示位置が動きません。

PERSCの推奨: 図面枠を置くレイヤグループは 縮尺1/1 に固定するのが定石です。レイヤグループF・レイヤFの縮尺を1/1に設定してから、手順5の貼り付けを行いましょう。レイヤグループ縮尺の詳細は レイヤグループ縮尺 ※準備中 を参照してください。


実務での使い方 ★PERSC独自

「A3提案版」と「A2施工版」を使い分ける

住宅設計実務では、提案フェーズと施工フェーズで使う用紙サイズを意識的に変えます。

フェーズ用紙図面枠の傾向表題欄
初期プラン提案A3簡易版(外枠+内枠のみ)なし
詳細プラン提案A3簡易版+小さなロゴ軽量(物件名・日付・縮尺のみ)
確認申請A1〜A2自治体様式表題欄付き
施工図A1〜A2簡易版+表題欄表題欄付き(図番・縮尺・図名・改訂履歴)
部分詳細A3〜A4簡易版軽量
DIY・自宅改装A3〜A4簡易版で十分なし

A3提案版で作った内容を、後でそのままA2施工版に流し込むことはありません。プラン確定後に A2施工版テンプレを開いて、A3で作った要素を適切なサイズに調整して貼り直す のが標準ワークフローです。

図面枠は「物件をまたいで使い回す」前提で設計

住宅設計事務所では、年間20〜30件の物件をこなすと、図面枠だけで毎回20〜30回作ることになります。テンプレ化していないと、その都度「印刷ダイアログ → 枠書込 → 複線 → FFレイヤ移動」の5分作業を繰り返すことになり、 年間100〜150分(2〜3時間)の純粋なロスです。

PERSCの推奨: 入社1年目のスタッフでも、最初の1物件目で「テンプレJWWを作る」「物件ファイル名を 物件名_日付.jww で命名する」までを徹底すると、2件目以降の立ち上がりが格段に早くなります。テンプレは事務所共有フォルダ(shared\jw_templates\)に置き、編集は管理者のみ可能にしておくと崩されません。

DIY・セルフリノベーションでの使い方

自宅改装や趣味の家具設計でJw_cadを使う場合は、表題欄なしの A4・A3簡易版 で十分です。

DIY向けの最小セット

  • A4 横・縮尺1/30: 家具(机・棚・椅子)の作図
  • A3 横・縮尺1/50: 部屋単位のレイアウト変更(壁付け収納の追加・間仕切り変更)
  • A3 横・縮尺1/100: 戸建ての全体プラン把握

背景: DIYでは、提出先がない・印刷も自宅プリンタ前提・とじ代も気にしない、という条件のため、外枠1本だけでも実用に耐えます。「枠書込」一発でA4が出来上がる気軽さがJw_cadの魅力でもあります。

設計変更で図面枠を直す時の手順

施主からの設計変更で、図面が用紙に収まらなくなった場合は次のいずれかで対応します。

対応内容影響
用紙サイズを大きくする(A2→A1 など)印刷ダイアログを開き直して新サイズで「枠書込」既存の枠を削除して作り直す必要あり
縮尺を小さくする(1/100→1/200)縮尺設定だけ変更図面要素は自動追従、枠は要追従確認
図面を分割する(1枚→2枚)2枚目用に新規ファイルを作成図番管理が増える

注意: 図面枠を作り直すときは、FFレイヤのプロテクトを必ず解除 してから操作します。プロテクトのまま削除しようとしてもエラーが出ますが、慌てて他のレイヤを触ってしまう事故の元です。

印刷時のチェック観点

図面枠を含む印刷物の最終チェックでは、次の項目を見ます。

#チェック項目
1外枠が用紙端で切れていないか(プリンタの印字可能領域に収まっているか)
2とじ代側の内枠余白が綴じ位置を踏んでいないか
3内枠の内側に図面要素がすべて収まっているか
4線色設定により枠線が想定の太さで出ているか
5カラー印刷時に枠線が見にくい色になっていないか
6縦横の向きが想定どおりか

印刷ダイアログ全般は 印刷とプリンタ設定印刷時の倍率と縮尺 を参照してください。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「枠書込」を押しても何も変化が見えない

→ 印刷モード(赤い仮枠表示中)のままだと、書き込まれた実線の枠が赤い仮枠と重なって見えづらくなります。コントロールバーの別項目(線・複線など)に切り替えて印刷モードを抜けると、書き込まれた枠だけが残って見えるようになります。

Q: 書き込んだ枠が用紙端ぴったりではなく、内側に縮んでいる

→ プリンタの 印字可能領域 が用紙端より内側に設定されているためです。多くのインクジェット・レーザープリンタは数mm の印字不可領域を持ちます。気になる場合は、プリンタドライバの設定で「フチなし印刷」を選ぶか、許容して 印字可能領域 = 図面枠の外形 として運用します。 印刷範囲書込みの詳細 も参照してください。

Q: 「枠書込」で書かれた枠が思った線色・線種と違う

→ 「枠書込」を押した瞬間の 書き込み中の線属性 で書かれます。先に線属性ダイアログ(Ctrl+1)で線色・線種を確定してから「枠書込」を押すのが正解です。すでに書いてしまった場合は、書き込んだ枠を「範囲」コマンドで選択 → 「属性変更」で線色・線種を一括変更できます。

Q: 用紙サイズを変えたら、枠の位置がずれた

→ 「枠書込」で書いた枠は その時点の用紙設定の位置 に固定されます。後から用紙サイズを変えても枠はその場に残るため、ずれて見えます。用紙サイズを変える場合は 古い枠を削除して、新サイズで再度枠書込する のが基本です。

Q: 縮尺を変えたら、枠の寸法が変わってしまった

→ 図面枠を 縮尺1/1のレイヤグループ(推奨: Gp.F) に置いていない場合、縮尺変更で枠も追従して伸縮します。図面枠のレイヤグループの縮尺を1/1に設定してから手順5の貼り付けをやり直すと、以降は縮尺変更で動かなくなります。

Q: FFレイヤに移したら、枠が見えなくなった

→ F-Fレイヤの 表示状態 を確認してください。ステータスバーでF-Fレイヤを 左クリック すると、表示・編集可能・プロテクトの状態が切り替わります。「非表示」になっていると枠が見えなくなります。レイヤ状態の見方は レイヤと図面枠の運用(FFレイヤ) を参照してください。

Q: 切り取り→貼り付けで、貼り付け位置がずれる

→ 切り取り前に基準点を 仮点で正確に設定 していないと、貼り付け先で位置合わせがずれます。手順5-2で「基準点を仮点・図面枠の左下角」に設定する操作を省略しないでください。仮点で設定しておけば、貼り付け先のレイヤでも基準点が見えてスムーズに位置合わせできます。

Q: 内枠が外枠と重なって見える

→ 複線間隔が小さすぎる(1mm 未満など)ことが原因の可能性があります。実物縮尺だと数mm でも、A1全体を画面表示している倍率では1ピクセル未満になることがあります。マウスホイールで拡大表示してから確認すると、ちゃんと2本に分かれているのが見えます。

Q: 印刷したら枠線が出ていない

→ 線色の設定で、その線色が 印刷時に「印刷しない」 に設定されている可能性があります。基本設定 → 「線幅」タブ → 各線色の印刷有無設定を確認してください。一般的には線色1〜8はすべて印刷有効です。

Q: 表題欄を後から付けたい

→ 簡易版の図面枠の右下や下中央に、表題欄を追加で描き込めます。書き込み先は F-Fレイヤのプロテクトを一時解除 してから行います。表題欄のレイアウト・寸法・項目は 図面枠の作り方(表題欄付き版) ※準備中 を参照してください。

Q: A1〜A4 のとじ代寸法を正確に知りたい

→ 規格値は 図面枠の規格(余白・とじ代) に集約しています。事務所・自治体・施主で異なる場合があるため、提出先の標準を優先してください。


関連項目


まとめ

  • 簡易版の図面枠は 「印刷ダイアログ → OK → 枠書込」 の3クリックで外枠が一発生成できる
  • 内枠は 複線コマンド で外枠から数mm〜十数mm 内側にオフセット、左綴じ側だけ20〜25mm 確保
  • 書き込んだ外枠・内枠は FFレイヤ(レイヤグループF・レイヤF) に切り取り→貼り付けで移し、プロテクトしておく
  • 線色・線種・太さは線属性ダイアログで先に決めてから「枠書込」する。後からでも属性変更で一括修正可能
  • 用紙サイズと縮尺はあらかじめ確定する。後から変えると枠の位置・寸法がズレるためテンプレを別ファイル化するのが現実的
  • A3提案版・A2施工版・A1一般図版を 物件用途で使い分ける のが住宅実務の定番
  • 表題欄を含む正式版は 図面枠の作り方(表題欄付き版) ※準備中 に委譲