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点コマンド(実点・仮点)
このコマンドでできること
Jw_cadの「点」コマンドを使うと、図面の任意位置に**実点(●)または仮点(○)**を打てます。実点は印刷される塗りつぶしの丸、仮点は画面上だけに見える補助マーカーで、印刷されません。通り芯の交点マーカー、配置図の樹木中心点、敷地測量の基準点、建具中心の指示点など、「ここがポイントですよ」と図面上で示したい場面で使います。
背景: 線や円と並んで、点はもっとも基本的な作図要素のひとつです。とくに仮点は「印刷されない作図補助マーカー」として優秀で、製図中の位置決め・寸法配置の目印・距離指定の基準として、紙に出さずに使い切れるのが大きな利点です。
このページで扱う範囲
「点」コマンドの実点・仮点を任意位置に打つ基本操作を扱います。点コマンド内の派生機能(仮点消去・交点に点・距離指定点)は、検索意図が大きく異なるため別記事に委譲しています。
| 扱う内容 | このページの対象 | 委譲先 |
|---|---|---|
| 実点を任意位置に作図 | ◎ | — |
| 仮点を任意位置に作図 | ◎ | — |
| 実点と仮点の違い | ◎ | — |
| 実点サイズ(指定半径)の設定への入口 | ◎ | 基本設定(色・画面) |
| 仮点の消去(仮点消去・全仮点消去) | 概要のみ | 点コマンド(仮点消去) |
| 線・円の交わる位置に点を打つ | 概要のみ | 点コマンド(交点に点) |
| 距離を指定して点を打つ | 概要のみ | 距離指定点 |
| 線端への実点付加 | — | 線の端部に実点を付ける |
実点と仮点の違い
「点」コマンドが扱う点は、実点と仮点の2種類です。見た目だけでなく、印刷・編集での挙動が大きく異なります。
| 項目 | 実点(●) | 仮点(○) |
|---|---|---|
| 見た目 | 塗りつぶしの丸印 | 塗りつぶしのない丸印(画面表示のみ) |
| 印刷 | される | されない |
| サイズ変更 | 「指定半径」で変更可能 | 変更不可(固定サイズ) |
| 消去コマンド | 消去コマンドで消える | 消去コマンドでは消えない(仮点消去・全仮点消去で消す) |
| 複写・移動 | 通常の図形と同じく可能 | 不可 |
| 用途 | 印刷で残したいマーカー(節点・基準点) | 画面上だけの補助マーカー(位置決め・読取基準) |
背景: 仮点は「印刷されない作図補助」という、Jw_cadらしい設計の補助要素です。鉛筆で薄く下書きしておいて、清書したら消すあの感覚を、CAD上で再現したものと考えると理解しやすいです。複写や移動ができないのも「あくまで一時的なマーカーで、図面の一部ではない」という思想の表れです。
画像準備中 — 実点と仮点の見た目比較(画面拡大表示)
起動方法
点コマンドは2つの起動方法があります。どちらを使っても同じコマンドが立ち上がります。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| ツールバー ★推奨 | 左側「作図(2)」ツールバー内の「点」アイコンを左クリック |
| メニューバー | 「作図」 → 「点」を左クリック |
PERSCの推奨: 線・円・点はワンセットでよく切り替えるため、ツールバーから起動するのが効率的です。マウス移動距離が短く、線で図形を作って点でマーカーを打つ流れがスムーズに回ります。
画像準備中 — 点コマンドの2つの起動方法(ツールバー/メニューバー)
要確認: 点コマンドのツールバーアイコンの位置(作図(2)ツールバーの何番目か)と見た目は実機で確認します。
基本操作: 実点を任意位置に打つ
点コマンドの基本は、コマンド起動 → 作図位置でクリックの2手だけです。
実点作図サマリー(全3ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 点コマンドを起動 | 数秒 |
| 2 | コントロールバー「仮点」チェックがOFFであることを確認 | 数秒 |
| 3 | 作図位置を左クリック(読取点に合わせる場合は右クリック) | 数秒 |
合計: 慣れれば1点あたり3秒程度で打てます。
手順1: 点コマンドを起動する
左側ツールバーの「点」アイコン、またはメニューバー「作図」→「点」を左クリックします。コントロールバーが点コマンド用の表示に切り替わります。
画像準備中 — 点コマンド起動直後のコントロールバー全景
手順2: 仮点チェックを確認する
コントロールバーの「仮点」チェックボックスがOFFになっていることを確認します。OFFの状態で打てば実点になります。
画像準備中 — コントロールバー「仮点」チェックボックス(OFF状態)
手順3: 作図位置をクリックする
作図ウィンドウで、点を打ちたい位置にマウスポインタを移動します。点コマンドの実行中は、マウスポインタの先端に点のプレビューが仮表示で追従します。
- 任意の位置に打つ: 左クリック
- 既存の点・交点・線端などの読取点に合わせる: 右クリック
クリックした瞬間、現在の書込レイヤに書込線色で実点が作図されます。
画像準備中 — 作図位置で左クリックして実点が打たれる様子
Tips: 点コマンドはモーダルです。1点打っただけで終了しません。続けて別の位置をクリックすれば、何点でも打てます。コマンドを抜けたい場合は、別のコマンド(線・消去など)を選びます。
仮点を打つ
仮点を打つときは、コントロールバーの「仮点」チェックボックスをONにしてから作図位置をクリックします。実点と同じ手順で、チェックボックスの状態だけが違います。
手順1: 点コマンドを起動する
実点と同じく、左側ツールバーまたはメニューバーから点コマンドを起動します。
手順2: 「仮点」チェックボックスをONにする
コントロールバーの「仮点」チェックボックスを左クリックしてONにします。チェックが入っている間、打つ点はすべて仮点になります。
画像準備中 — コントロールバー「仮点」チェックボックスをONにした状態
手順3: 作図位置をクリックする
作図ウィンドウの目的位置で左クリック(読取点に合わせる場合は右クリック)します。塗りつぶしのない丸印(仮点)が画面上に表示されます。
画像準備中 — 仮点が打たれた様子(塗りつぶしのない丸印)
注意: 仮点を打ち終わったあと、続けて実点を打ちたい場合は、「仮点」チェックボックスをOFFに戻すのを忘れないようにしましょう。チェックがONのままだと、その後の点はすべて仮点として作図されます。
Tips: 仮点は印刷されないため、「印刷で残したくないけれど、画面上では見えていてほしい」マーカーに最適です。距離指定点や交点に点で配置するときも、仮点チェックONなら仮点で配置できます。
実点と仮点の切替
「仮点」チェックボックスのON/OFFで、作図する点の種類が決まります。チェックボックスは打つたびに参照されるため、1点ごとに切り替えながら打つこともできます。
| チェックボックス | 打たれる点 |
|---|---|
| OFF | 実点(●) |
| ON | 仮点(○) |
Tips: 「実点と仮点を交互に打ちたい」場面はあまり多くありません。通常は「今は仮点で位置決めだけする」「これから実点で印刷用マーカーを打つ」と用途を区切って、まとめて打つ方がミスが減ります。
コントロールバーの設定項目
点コマンドのコントロールバーには、点の種類切替・派生機能・仮点消去がまとまっています。
| 項目 | 意味 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 仮点(チェックボックス) | 実点と仮点の切替(OFF=実点、ON=仮点) | ◎ 上で説明 |
| 交点(ボタン) | 線・円弧の交点に点を打つモードに切替 | 概要のみ。詳細は点コマンド(交点に点) |
| 仮点消去(ボタン) | 個別に仮点を消去するモードに切替 | 概要のみ。詳細は点コマンド(仮点消去) |
| 全仮点消去(ボタン) | 編集可能レイヤの全仮点を一括消去 | 概要のみ。詳細は点コマンド(仮点消去) |
要確認: 各ボタン・チェックボックスの正確な表記は実機で確認します。
画像準備中 — 点コマンドのコントロールバー全体(各ボタンに注釈)
派生パターン
パターンA: 交点に点を打つ
線同士・線と円弧・円弧同士など、2つの図形が交わる位置に点を打ちたい場合は、コントロールバーの「交点」ボタンを使います。コマンド起動後に交点ボタンを左クリックし、1つめの図形 → 2つめの図形の順にクリックすると、交わる位置に点が打たれます。仮点チェックがONなら仮点、OFFなら実点として打たれます。
Tips: 多くの場面では、交点上で右クリックすれば読取点として直接拾えるため、わざわざ交点ボタンで点を打たなくても済みます。交点ボタンが本当に役立つのは、実体としての交点が存在しない仮想交点(線を延長したら交わる位置など)に点を打ちたいケースです。詳しくは 点コマンド(交点に点) を参照してください。
パターンB: 距離を指定して点を打つ
「この線上で、始点から○○mmの位置に点を打ちたい」という場合は、点コマンドではなく 「その他」→「距離指定点」 を使います。距離を数値で入力してから線上をクリックすると、指定距離の位置に点が打たれます。詳しくは 距離指定点 を参照してください。
パターンC: 仮点をまとめて消す
打った仮点が不要になったときは、点コマンドのコントロールバーから「仮点消去」または「全仮点消去」を使います。消去コマンドでは仮点は消えない点が要注意ポイントです。詳しくは 点コマンド(仮点消去) を参照してください。
実点のサイズと色
実点は既定では画面倍率や尺度に左右されない一定サイズで描かれます。これだと縮尺の異なる図面で見た目がバラつくため、業務図面では「指定半径」で統一するのが安全です。
実点サイズ: 基本設定の「色・画面」タブ
メニューバー「設定」→「基本設定」を開き、「色・画面」タブを選択します。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 実点を指定半径で画面に描画 | チェック時、画面上の実点が指定半径で描かれる |
| 実点を指定半径でプリンタ出力 | チェック時、印刷時の実点が指定半径で出力される |
| 半径 | 実点の半径(数値) |
背景: 既定では「実点は環境に左右されない一定の見た目」で表示されます。このままだと「縮尺1/100の図面と1/10の詳細図で実点の大きさが揃わない」「印刷したら点が消えた」といった不具合が起きやすくなります。指定半径での描画・出力にチェックを入れると、図面座標系でのサイズが固定され、見た目を統一できます。
要確認: 「実点を指定半径で画面に描画」「実点を指定半径でプリンタ出力」の正確な文言、半径の単位(mm基準か図面座標基準か)、および未チェック時の画面・印刷それぞれの挙動は実機で確認します。
画像準備中 — 基本設定「色・画面」タブの実点サイズ設定欄
詳しい設定の中身は 基本設定(色・画面) で扱います。
実点の色: 書込線色 + 寸法設定の「矢印・点色」
点コマンドで打った点は、現在の書込線色で作図されます。書込線色を変えれば、その後に打つ点の色も変わります。一方、線の端部に付ける実点(線コマンドの「●」チェック)は寸法設定の「矢印・点色」で管理されています。
| 点の作図方法 | 色の決まり方 |
|---|---|
| 点コマンドで打った実点 | 現在の書込線色 |
| 線コマンドの「●」チェックで線端に付けた実点 | 寸法設定の「矢印・点色」 |
PERSCの推奨: 図面内の点・マーカーの色を統一したい場合は、書込線色を切り替えてから点を打つ運用が分かりやすいです。線端の実点と打点コマンドの実点で色が合わないと感じたら、両方の管理場所を意識して調整しましょう。
仮点の見た目は変えられない
仮点の大きさ・色は変更できません。常に固定サイズの塗りつぶしのない丸印として、仮表示色で描画されます。仮点は印刷されないため、見た目を細かく調整する意味も薄く、そのままで問題ありません。
実務での使い方 ★PERSC独自
通り芯の交点マーカー(住宅平面図)
住宅平面図では、X方向通り芯(X1・X2…)とY方向通り芯(Y1・Y2…)の交点を「通り芯交点」と呼び、柱・壁の配置基準にします。この交点位置を実点で明示しておくと、後工程の柱配置・壁芯の引き直しがスムーズです。
PERSCの推奨: 通り芯の交点マーカーは実点(印刷で残す)で打ち、半径を「指定半径」で揃えておくと、印刷図面でも交点位置がはっきり伝わります。プロジェクト共通のテンプレートで半径を決めておくと、複数物件でも一貫した見た目になります。
配置図の樹木中心点
配置図で植栽(樹木)を表現するとき、樹木の中心位置を実点で打って、そこを基準に円(樹冠)を描く運用が便利です。実点を中心とした円が並ぶと、樹木の配置が視覚的に整います。
Tips: 樹木中心は印刷時にも見えるよう実点で打ち、樹冠の円は中心の実点から「線・円」コマンドの中心指定で描くと、ズレずに揃います。
敷地測量点・基準点
敷地測量図の境界点・基準点(BM)には、実点を打って番号テキストと組み合わせるのが定番です。境界点が多い敷地でも、実点を統一サイズで揃えておけば測量図らしい見た目になります。
PERSCの推奨: 測量関連の実点は、業務テンプレートで半径と色を固定(例: 半径0.5mm・線色1)しておくと、複数案件で一貫した見た目を保てます。
建具中心マーカー(仮点で位置決め)
建具(ドア・窓)の配置を検討するとき、仮点で建具中心の候補位置を画面に並べて見比べる運用が便利です。仮点なら印刷されないため、検討中の位置をいくつ並べても図面の最終出力には影響しません。配置が決まったら全仮点消去で一括クリーンアップできます。
距離指定点との組み合わせ(位置決めの基準)
「この線上で1mごとに点を打ちたい」場合は、距離指定点と仮点を組み合わせると効率的です。仮点で1mごとのマーカーを並べておき、その仮点に右クリックで吸着して柱や設備機器を配置していきます。配置完了後に全仮点消去で仮点だけまとめて消せます。
実点で「節点」を表現する図面
土木の構造解析図・FEM解析の入力モデル図では、節点(ノード)位置に実点を並べる慣習があります。線が連続する角・接合部・端部に実点を打つと、節点位置が一目で分かる図になります。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 仮点が印刷されない
→ これは仕様通りです。仮点は「印刷されない作図補助マーカー」として設計されています。印刷で残したい場合は、実点(コントロールバー「仮点」チェックOFF)で打ち直します。詳しくは上の「実点と仮点の違い」表を参照してください。
Q: 仮点が消去コマンドで消えない
→ これも仕様です。仮点は通常の消去コマンドでは消えません。消すには、点コマンドのコントロールバーにある「仮点消去」(個別に消す)または「全仮点消去」(編集可能レイヤの全仮点を一括)を使います。詳しくは 点コマンド(仮点消去) を参照してください。
Q: 実点が小さすぎて見えない・印刷で消える
→ 「設定」→「基本設定」→「色・画面」タブで「実点を指定半径で画面に描画」と「実点を指定半径でプリンタ出力」の両方にチェックを入れ、半径を適正値(建築意匠図なら0.5〜0.7mm程度)に設定してください。チェックを入れない既定状態だと、画面倍率や印刷ドライバによって実点の見た目が安定しません。
要確認: 推奨半径の数値は一般的な目安です。実機検証で実際の見え方を確認したうえで推奨値を確定します。
Q: 仮点を打ったつもりが実点で打たれた
→ コントロールバーの「仮点」チェックボックスがOFFになっていないか確認してください。チェックOFFのまま打つと実点になります。打ち間違えた実点は通常の消去コマンドで消せます。
Q: 実点を打ったつもりが仮点になった
→ 上の逆パターンです。「仮点」チェックがONになったまま打ち続けると仮点が並びます。チェックをOFFに戻してから打ち直し、誤って打った仮点は「全仮点消去」で一括クリーンアップしましょう。
Q: 仮点の大きさ・色を変えたい
→ 仮点の見た目(大きさ・色)は変更できません。これは仕様です。「印刷されない補助マーカー」として固定サイズで使うことを想定した設計のため、サイズ調整が必要な場合は実点を使います。
Q: 既存の交点に点を打ちたいが、交点ボタンを使うべき?
→ 多くの場合、右クリックで交点を読取点として直接拾えるため、交点ボタンを使う必要はありません。交点ボタンが本当に役立つのは、仮想交点(実線が交わってはいないが、延長すれば交わる位置)に点を打ちたい場面です。詳しくは 点コマンド(交点に点) を参照してください。
Q: 距離を測って正確な位置に点を打ちたい
→ 「点」コマンドではなく「距離指定点」(メニューバー「その他」→「距離指定点」)を使います。距離を数値入力してから線上をクリックすると、その距離の位置に点が打たれます。詳しくは 距離指定点 を参照してください。
Q: 点コマンドが終わらない(モーダルが続く)
→ 点コマンドはモーダルで、1点打っただけでは終了しません。続けて何点でも打てる仕様です。コマンドを抜けたい場合は、別のコマンドを選ぶ(線・消去など)か、ツールバーから「点」アイコンをもう一度クリックして抜けます。
関連項目
- 線の基本(直線を引く) — 始点・終点の指示、水平垂直の作図
- 線の端部に実点を付ける — 線コマンドの「●」チェックで線端に実点を付ける
- 点コマンド(仮点消去) — 仮点消去・全仮点消去の使い分け
- 点コマンド(交点に点) — 線・円弧の交わる位置(仮想交点含む)に点を打つ
- 距離指定点 — 距離を数値指定して線上に点を打つ
- 基本設定(色・画面) — 実点の指定半径・画面色の設定
- 読取点の種類 — 右クリックで拾える既存図形の点の種類
- 消去コマンドの基本 ※準備中 — 仮点が消去コマンドで消えない仕様の補足
まとめ
- 「点」コマンドは実点(●・印刷される)と仮点(○・印刷されない)を任意位置に打つ作図コマンド
- コントロールバー「仮点」チェックのON/OFFで、打つ点の種類を切り替える
- 仮点は印刷されない・消去コマンドで消えない・複写移動できないという3つの特徴を持つ補助マーカー
- 実点のサイズは「設定」→「基本設定」→「色・画面」の「指定半径」で統一するのが業務運用上のおすすめ
- 通り芯交点・配置図の樹木中心・敷地測量点・建具中心マーカーなど、建築実務での出番が多い基本コマンド