Appearance
線色運用の標準(建築実務での割り当て)
このページでできるようになること
Jw_cadの「線色」を建築実務でどう使い分けるかの標準的な考え方が身につきます。線色1〜線色8の8色+補助線色+ランダム線色という独特の色番号体系を、「壁は線色2、寸法は線色6」のように 意味(用途)と紐づけて運用する ための具体的な割り当て例を、住宅・RC造・設備の3分野で確認できるようになります。
背景: Jw_cadの「線色」は、画面で見える色そのものを指すのではなく、「印刷時の線太さに紐づく色番号」 です。線色1〜線色8の8つの番号それぞれに「画面表示色(RGB)」と「印刷時の線幅(mm)」が割り当てられており、作図者は「この線は外壁だから線色2(太め)」のように 太さの種類を選ぶ目印として線色を使い分けます。一般的なドローソフトの「色=見た目」とは発想が根本から違うため、ここを取り違えると印刷時に「全部同じ太さで出てきた」というトラブルにつながります。
まず押さえる前提: 「線色=印刷時の線太さ」というJw_cad独自仕様
線色の運用ルールに入る前に、Jw_cadの線色がなぜ「使い分けが必要」なのか を理解しておきます。一般的なお絵かきソフトの感覚で「赤い線で書いたら印刷も赤」と思って使うと、現場の慣行と噛み合いません。
線色番号と画面色・印刷太さの対応(初期値の概念)
| 線色番号 | 画面表示色(初期目安) | 用途イメージ |
|---|---|---|
| 線色1 | 水色系 | 細線(補助・寸法補助線・ハッチ) |
| 線色2 | 黒〜濃色 | 太線(外壁・断面線・主要部材) |
| 線色3 | 緑系 | 中細線(建具枠・サブ部材) |
| 線色4 | 黄系 | 中線(造作・家具・記号) |
| 線色5 | 紫系 | 中太線(断面の重要部・矩計など) |
| 線色6 | 白〜灰系 | 寸法線・引出線・文字 |
| 線色7 | 桃系 | 通り芯・基準線 |
| 線色8 | 青系 | 仕上げ線・薄い線 |
| 補助線色 | 灰系 | 印刷されない補助線(位置決め用) |
| ランダム線色 | 任意 | 一時作図・チェック用 |
要確認: 上の対応はJw_cadの初期設定の「概念」を示したもので、実際のRGB値と印刷mm値は基本設定「色・画面」タブの「プリンタ出力要素」で確定します。最新版での初期値の正確な数値は実機で確認します。
注意: 画面で見える色と印刷される色(および線幅)は別物です。基本設定「色・画面」タブには「画面要素」と「プリンタ出力要素」という2つのブロックがあり、それぞれで線色1〜線色8の色と幅を独立に設定できます(参照: 基本設定 色・画面 タブ)。
「色を選ぶ=太さを選ぶ」の意味
作図者がコントロールバー左下の「線属性」ボタン、またはメニュー「設定」→「線属性」で線色を切り替える操作は、実質的に「印刷時の線の太さ」を切り替える操作 です。
背景: 一般的なCADでは「線種ごとに線幅プロパティを別途指定する」のが普通ですが、Jw_cadは設計が古く、線色番号にあらかじめ太さがバインドされている方式 を採用しています。これにより線属性ダイアログの操作が「色を選ぶだけ」で完結するメリットがある反面、「線色=意味(用途)+太さ」の二重情報を1つの番号に詰め込んでいるため、運用ルールを決めずに使うと混乱します。
PERSCの推奨: 印刷時の太さ挙動の詳細は印刷時の線幅変更、太さの mm 標準値は印刷時の線太さ標準 に委譲しています。この記事では「どの番号にどの用途を割り当てるか」の運用面に集中します。
8色+補助色の役割整理
線色を割り当てるとき、まず 「機能的にどんな種類の線が建築図面に存在するか」 を整理しておくと、番号への割り当てが楽になります。
建築図面に出てくる線の種類(機能別)
| 機能カテゴリ | 代表例 | 推奨される太さ感 |
|---|---|---|
| 主要構造線(断面線) | 外壁・屋根の断面・地盤線 | 太 |
| 副次構造線 | 内壁・建具枠 | 中太 |
| 仕上げ線・造作 | 巾木・廻り縁・家具・什器 | 中 |
| 通り芯・基準線 | X/Y通り芯・GL線・FL線 | **中(一点鎖線で表現) |
| 寸法・引出線・記号 | 寸法線・室名引出・方位記号 | 細 |
| ハッチ・補助 | ハッチング・面ハッチ・斜線 | 極細 |
| 補助線(非印刷) | 位置決め・あたり線 | 印刷されない |
Jw_cadの線色は8色+補助色で、ちょうど上のカテゴリ7つに「予備1色」を加えた粒度になっています。つまり線色1〜線色8は、建築図面の線種類に1対1で対応させる前提で設計された色数 といえます。
補助線色の特殊性
補助線色は他の線色と性格が違います。作図中は画面で見えますが、印刷時には基本的に出力されません(厳密には基本設定の補助線関連オプションで挙動が変わります)。
要確認: 補助線色で描いた線が実際に印刷されない条件と、補助線種(点線等)との組み合わせ挙動は実機で確認します。
PERSCの推奨: あたり線・位置決め線・作図検討用のメモは 必ず補助線色 で書く運用を徹底します。これだけで「印刷したら不要な線が大量に出てきた」という典型ミスがほぼ防げます。
ランダム線色の使いどころ
ランダム線色は「まだ用途を確定したくない一時的な線」に割り当てるための予備色です。正式な図面では使わず、検討途中の試し描きや、レビュー時にチェック対象を可視化するため に活用するのが現場の慣行です。
PERSC推奨: 線色割り当て標準(住宅)
ここからが本題の 線色運用ルール です。木造・鉄骨造の戸建住宅・小規模アパート向けの一般的な割り当てを示します。
住宅向け線色割り当て表
| 線色 | 用途 | 線種 | 印刷太さ目安 |
|---|---|---|---|
| 線色1 | ハッチング・タイル割付・床仕上げパターン | 実線 | 極細 |
| 線色2 | 外壁の断面線・主要構造の見え掛かり | 実線 | 太 |
| 線色3 | 内壁・間仕切壁・建具枠 | 実線 | 中太 |
| 線色4 | 家具・建具・什器・造作 | 実線 | 中 |
| 線色5 | 屋根伏せ・特殊強調線 | 実線 | 中太 |
| 線色6 | 寸法線・引出線・文字・室名 | 実線 | 細 |
| 線色7 | 通り芯・GL線・基準高さ線 | 一点鎖線 | 中 |
| 線色8 | 仕上げ線・タイル目地・薄い表現 | 実線 | 細〜極細 |
| 補助線色 | 位置決め・あたり線(非印刷) | 任意 | — |
設計判断の理由
背景: 上記の割り当ては「太い線ほど目立たせたい主要要素」「細い線ほど補助情報」という 線階層の原則 に従います。建築図面では「断面線(その面で実際に切られている線)」を最も太く描き、「見え掛かり(奥に見える線)」を中太、「補助情報(寸法・記号)」を細く描くのがJIS A 0150の基本思想です。線色2を最太に充てるのは、初期設定で線色2の画面色が黒〜濃色になっており 作図中の視認性も高い ためです。
通り芯はなぜ線色7なのか
通り芯(建物の柱位置を示す基準線)は 一点鎖線で描き、線色7に割り当てる運用が多数派 です。理由は2つあります。
- 印刷太さが「中」程度: 通り芯は基準線として目立たせたいが、断面線(線色2)より目立つと主従が逆転するため、ワンランク細い太さが妥当
- 画面色が桃系で他と差別化しやすい: 画面でも「あ、これは通り芯」と一目で分かる
Tips: 線色+線種で表現するため、線色7(中太)×一点鎖線で「通り芯」、線色1(極細)×実線で「ハッチ」のように 2軸の組み合わせで線の意味を確定 します。線種の使い分け詳細は線種の使い分け を参照ください。
PERSC推奨: 線色割り当て標準(RC造・S造)
鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)の中規模建築物向け割り当て例です。住宅より部材種類が多く、配筋図・伏図・矩計図などの 詳細図比率が高い ため、線色の粒度を上げます。
RC造・S造向け線色割り当て表
| 線色 | 用途 | 線種 | 印刷太さ目安 |
|---|---|---|---|
| 線色1 | ハッチング・コンクリートパターン・配筋詳細の補助 | 実線 | 極細 |
| 線色2 | 躯体断面線(壁・梁・スラブの切断面) | 実線 | 太 |
| 線色3 | 仕上げ線・スラブ上端・梁見え掛かり | 実線 | 中太 |
| 線色4 | 鉄筋(主筋)・接合金物 | 実線 | 中 |
| 線色5 | 鉄筋(あばら筋・帯筋) | 実線 | 中細 |
| 線色6 | 寸法線・配筋寸法・呼び名 | 実線 | 細 |
| 線色7 | 通り芯・X/Y軸基準線 | 一点鎖線 | 中 |
| 線色8 | 隠れ線・破線(裏側部材) | 破線 | 細 |
| 補助線色 | 位置決め・あたり線 | 任意 | — |
木造との違い
- 線色4・線色5を鉄筋表現に充てる: 配筋図では主筋とあばら筋を太さで描き分けるため、住宅で「家具」に充てていた線色4を「主筋」に転用
- 線色8を破線(隠れ線)専用化: RC造では裏面の梁・基礎ベースなどを破線で示すケースが多く、線色8を破線専用に固定すると属性切替が安定する
PERSCの推奨: RC造の事務所・工務店では「配筋図テンプレートでは線色4=主筋、線色5=あばら筋を固定する」運用が一般的です。プロジェクト開始時にテンプレートファイル(
*.jww)を1つ用意し、そこから派生させるとブレません。
配筋図特有の運用
配筋図(鉄筋コンクリート構造の鉄筋配置図)では、鉄筋の太さ表現が最重要 です。実物の鉄筋径(D10/D13/D16/D19/D22/D25 など)と図面上の線太さは厳密には比例させませんが、「主筋は中太、あばら筋は中細」のように二段階で太さを使い分ける のが見やすさの定石です。
PERSC推奨: 線色割り当て標準(設備図)
電気・給排水・空調などの設備図は、建築意匠図とは別の凡例体系を持つため、線色運用も意匠図とは違う発想で組みます。
設備図向け線色割り当て表
| 線色 | 用途 | 線種 | 印刷太さ目安 |
|---|---|---|---|
| 線色1 | 床仕上げ表現・建築背景の薄表示 | 実線 | 極細 |
| 線色2 | 新設配管・新設ダクト(メイン系統) | 実線 | 太 |
| 線色3 | 既存配管(残置) | 実線 | 中太 |
| 線色4 | 新設電気配線・コンセント・照明シンボル | 実線 | 中 |
| 線色5 | 既存電気配線 | 一点鎖線 | 中 |
| 線色6 | 寸法線・系統名・機器番号 | 実線 | 細 |
| 線色7 | 建築通り芯(背景として薄表示) | 一点鎖線 | 中細 |
| 線色8 | 撤去配管・撤去配線(破線で示す) | 破線 | 中 |
| 補助線色 | 位置決め・あたり線 | 任意 | — |
設備図ならではの2大原則
- 新設・既存・撤去を線色+線種で識別する: 改修工事では「新設配管」「既存配管」「撤去配管」の3区分が頻出するため、線色2(新設)/線色3(既存)/線色8の破線(撤去)に固定すると現場で迷いません
- 建築背景は線色を1段階薄くする: 設備図では建築意匠の壁・通り芯は「背景情報」のため、意匠図と同じ線色を使うと設備配管が埋もれます。意匠図の線色2(太)=設備図では線色3(中太)に格下げするなど、用途に応じて再割当します
Tips: 設備図のテンプレートを意匠図テンプレートからコピーで作る場合、全レイヤを範囲選択 →「属性変更」で線色を一括書き換え する運用が定着しています。属性変更の操作詳細は属性変更 ※準備中 を参照ください。
線色運用を統一するためのチーム共有ルール
複数人で図面を扱うチーム・事務所では、線色運用が 「人による・案件による」 で散乱しがちです。これを防ぐ実務レベルの仕組みを提示します。
1. テンプレートファイルで初期値を固定する
新規案件の開始時に毎回ゼロから線色を決めるのは現実的ではありません。事務所で「住宅用」「RC造用」「設備用」の3種類のテンプレート .jww ファイル を用意しておき、新規案件はテンプレートをコピーして始める運用に統一します。
PERSCの推奨: テンプレートには線色設定だけでなく、レイヤ命名・図面枠・標準縮尺・用紙サイズ までセットアップ済みにしておくと、どの担当者が始めても初期状態が揃います。レイヤ命名標準はレイヤ命名規則 を参照。
2. 凡例表を図面枠の中に常設する
図面枠の余白や表題欄付近に 「線色凡例表」を常設 しておくと、後工程の担当者・施主・施工者が図面を読むときの判断基準になります。凡例表には以下を記載します。
- 線色番号
- 用途名(例: 外壁断面)
- 印刷太さ(mm 表記)
- 該当する代表記号(実線・破線・一点鎖線)
背景: JIS A 0150(建築製図通則)でも「凡例の明示」は推奨事項です。CAD設計では凡例を省略しがちですが、第三者が読む可能性のある図面(確認申請・施主提出・現場引渡し)では凡例を必ず付けます。
3. 印刷確認は「実印刷 or プレビュー」で行う
線色運用の最終確認は 画面上ではなく印刷物(または印刷プレビュー) で行います。画面色と印刷色は別物のため、画面で「太く見える」線が印刷で「細く出る」ケースが起きえます。
注意: 印刷確認をせずに納品するのは典型的なミス源です。新しい線色運用ルールを導入したら、最初の1〜2案件はテスト印刷を1回必ず挟む のが現場慣行です。印刷時の太さ挙動の詳細は 印刷時の線幅変更 を参照ください。
実務での使い方 ★PERSC独自
シーン1: 木造平面図(縮尺1/100)の線色運用
木造2階建て住宅の平面図を縮尺1/100で描く想定で、線色をどう振るかの実例です。
| 描く対象 | 線色 | 線種 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 通り芯(X1〜X5、Y1〜Y5) | 線色7 | 一点鎖線 | レイヤは「通り芯」専用 |
| 柱(105角) | 線色2 | 実線 | 矩形コマンドで配置 |
| 外壁(壁厚 150mm) | 線色2 | 実線 | 2線コマンドで一気に |
| 内壁(壁厚 100mm) | 線色3 | 実線 | 2線コマンドで一気に |
| 建具開口部 | 線色3 | 実線 | 包絡処理で開口 |
| 家具・什器(ベッド・キッチン等) | 線色4 | 実線 | 図形登録から呼び出し |
| 寸法線・引出線 | 線色6 | 実線 | 寸法コマンドで自動 |
| 室名・帖数 | 線色6 | (文字) | 文字種5前後 |
| 床仕上げパターン(フローリング目地等) | 線色1 | 実線 | ハッチコマンドで作図 |
| あたり線・補助線 | 補助線色 | 任意 | 印刷されない |
このパターンを テンプレートに固定しておくと、別案件で同じ線色運用が即座に再現できます。
シーン2: RC造矩計図(縮尺1/30)の詳細表現
RC造の矩計図(断面詳細図)では、配筋・防水・断熱層・仕上層など 層構成が複雑 になります。線色運用の例:
- 線色2(太): コンクリート断面の輪郭(ベース・梁・スラブ・壁)
- 線色3(中太): 仕上げ線(モルタル・タイル・床仕上げ層の輪郭)
- 線色4(中): 主筋(D13・D16)の表現
- 線色5(中細): あばら筋・配力筋
- 線色1(極細): コンクリートハッチング・断熱材ハッチング
- 線色6(細): 寸法・配筋ピッチ表記・部材呼び名
矩計図の縮尺は1/30〜1/50と詳細寄りのため、線色1(ハッチ)を使い分けないと真っ黒な図面になります。ハッチングは必ず最も細い線色1に振り、断面輪郭との太さコントラストを作るのがコツです。
シーン3: 改修工事図面の「新設・既存・撤去」表現
改修工事では、同じ図面に 3つの工事区分が混在 します。線色+線種の組み合わせで識別する運用例:
| 工事区分 | 線色 | 線種 | 視覚的な意味 |
|---|---|---|---|
| 新設 | 線色2 | 実線 | 太く目立つ |
| 既存(残置) | 線色3 | 実線 | やや細め |
| 撤去 | 線色8 | 破線 | 細く破線、消える方向 |
PERSCの推奨: 改修図面では 凡例を必ず図面右上または右下に常設 します。施主・施工者が「これは残るのか撤去なのか」を即座に判別できないと、現場での誤施工・追加費用発生 につながりやすくなります。
シーン4: 確認申請用図面の線色制約
建築確認申請の図面審査では、審査員が図面を読みやすいことが重要です。カラー印刷ではなくモノクロ印刷で提出する慣行 が根強く、線色は「太さの差」だけで意味伝達する必要があります。
背景: 確認申請図面では伝統的にモノクロ印刷が前提でした。現在はカラーPDF提出も増えていますが、白黒印刷した時に線色1(細)と線色2(太)の太さ差が明確になっているか をテンプレート設計時に確認します。詳細は カラー印刷とモノクロ切替 を参照ください。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 印刷したら線が全部同じ太さで出てきた
原因: 画面では色が違って見えていても、「プリンタ出力要素」の線幅設定が全色1.0に揃っている ケース。画面要素の色だけ変えて、印刷側の線幅を未設定のまま使っていることが多いです。
対処: メニュー「設定」→「基本設定」→「色・画面」タブを開き、「プリンタ出力要素」の線色1〜線色8の 「線幅」列の数値 を線色ごとに変えます。一般的には線色1=1、線色2=4、線色3=2、線色4=2、線色5=3、線色6=1、線色7=2、線色8=1 程度(数値は1/100mm単位の場合)から調整を始めます。詳細は 印刷時の線幅変更 を参照。
Q: 補助線色で描いたのに印刷されてしまった
原因: 「補助線色」と「補助線種」を混同しているケース。補助線種(点線で描かれるあたり線) と 補助線色(色番号としての補助色) は別概念で、印刷されないのは前者です。
対処: 線属性ダイアログで 「補助線種」 を選択して描き直します。補助線色だけでは印刷を止められない場合があります。
要確認: 「補助線色」「補助線種」のどちらか(または両方)が「印刷されない」を担うのかは、Jw_cadバージョンと基本設定により挙動差があります。実機で確認します。
Q: 線色を変えたいのに画面で色が変わらない
原因: 「画面要素」の色設定で、線色1〜線色8 のRGB値が偶然似た色に揃ってしまっている ケース。または背景色が白の状態で「白に近い線色」を選んでいる。
対処: 基本設定「色・画面」タブの「画面要素」で、線色ごとのRGB値を 背景色とコントラストが取れる色 に再設定します。背景白で使うなら、線色8(白系)は使わずに線色2(黒系)を主力にする、といった調整が必要です。
Q: 既存図面の線色を全部書き換えたい(テンプレートに合わせたい)
対処: 範囲選択 →「属性変更」コマンドで一括書き換えできます。「線色変更」のチェックをONにし、変更後の線色を指定すれば、選択範囲内の線が一気に置き換わります。レイヤ別に書き換える場合は レイヤ非表示・表示で対象を絞り込んで から範囲選択するのが安全です。
Q: 線色6(寸法)と線色1(ハッチ)が画面で見分けにくい
原因: 寸法線とハッチ線が画面上で同じくらい薄く表示されると、編集中に どの線がどの用途か判別不能 になります。
対処: 「画面要素」の線色1と線色6で 画面表示色を意図的に大きく変えます(例: 線色1=水色、線色6=黄色)。画面色と印刷色は独立に設定できる ため、画面で識別しやすい色+印刷で見やすい太さ、の両立が可能です。
Q: SXF対応拡張線色を使うか・通常の線色を使うか
原因: Jw_cadには SXF(電子納品の標準フォーマット)対応の拡張線色 モードがあります。建築実務では通常の線色1〜線色8 で十分なケースが多いですが、官公庁向け案件では拡張線色が必要な場合があります。
対処: 官公庁・電子納品案件以外では通常の線色1〜線色8 を使う のが運用負担が軽い選択です。SXF拡張線色は線色種類が多くなるため、運用ルールも複雑になります。
PERSCの推奨: SXF拡張線色は その案件で必要と要件定義された場合に限り 使い、平時は通常線色8色で運用するのが事務所運用の実務知見です。
Q: 同じ線色なのに印刷時の太さが図面によって違う
原因: 基本設定の「色・画面」タブの線幅設定は 個別の図面ファイル(.jww)に保存される 場合があります。テンプレートを使わずに新規作成した図面と、テンプレート派生の図面で、初期値が違う状態。
対処: 事務所で 必ずテンプレートから派生 する運用に統一します。または、線幅設定を「色彩の初期化」ボタンで揃えてから作図を始める習慣を付けます(基本設定「色・画面」タブの下部に「色彩の初期化」ボタンがあります)。
関連項目
- 基本設定 色・画面 タブ — 線色RGB・印刷太さ・dpi切替の操作画面
- 線属性ダイアログ — 書込み線色・線種を切り替える操作
- 線種の使い分け — 実線・破線・一点鎖線・二点鎖線の使い分け規約
- 印刷時の線太さ標準(mm基準) — 線色×太さ mm の標準値
- JIS A 0150(建築製図通則)の全体像 — 上位の製図規格
- カラー印刷とモノクロ切替 — 印刷時の色設定挙動
- 印刷時の線幅変更 — プリンタ出力要素の操作詳細
- 属性変更 ※準備中 — 既存線の線色を一括書き換え
- レイヤ命名規則 — 線色とセットで運用するレイヤ標準
- トラブルシュート: 印刷時に線が太すぎる・細すぎる — 印刷時の線太さ異常への対処
まとめ
- Jw_cadの線色は 「印刷時の線太さに紐づく色番号」 で、画面色と印刷色は別設定
- 線色1〜線色8+補助線色+ランダム線色の体系は、建築図面の線種類(断面・仕上げ・通り芯・寸法・ハッチ・補助)にちょうど対応する粒度
- 住宅・RC造・設備の3分野で線色割り当ての標準パターンが異なる。事務所で テンプレートに固定 して運用するのが実務の鉄則
- 補助線色(または補助線種)は 印刷されないあたり線専用。位置決めメモには必ず使う
- 改修工事では 線色+線種 の組み合わせで「新設・既存・撤去」を識別する慣行が定着
- チーム運用では「テンプレート」「凡例表」「印刷確認」の3点セットで線色運用を統一する