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ハッチング 2線・3線
このページでできるようになること
Jw_cadの「ハッチ」コマンドにある「2線」「3線」モードを使って、平行な2本線・3本線で構成されるハッチング模様を一度に作図できるようになります。コントロールバーで「2線」または「3線」を選ぶと「線間隔」の入力欄が追加され、ピッチ(ハッチ線の繰り返し間隔)と線間隔(2本ペア・3本ペアの内部間隔)を組み合わせて、木造壁の充填断熱層・RC壁の補強筋表現・床下断熱の積層図・複層ガラスの断面など、建築実務で頻出する「ペアで現れる平行線」のパターンを最短手順で表現できるようになります。
背景: 1線ハッチが「角度+ピッチ」の2軸で決まるのに対し、2線・3線ハッチは「角度+ピッチ+線間隔」の3軸で挙動が決まります。ピッチが「ペア全体の繰り返し周期」、線間隔が「ペア内部の線同士の距離」を決めるので、両者の関係を押さえておくと、想定どおりの密度・厚みのハッチを作りやすくなります。
注意: このページは「2線・3線」モード固有の操作(コントロールバーの選択、線間隔入力、3線の中心線扱い)に絞った内容です。ハッチコマンドの起動方法・図形選択・1線ハッチの基本は ハッチング 1線(基本)、馬乗り目地は ハッチング 馬乗り目地、登録図形を使うパターンハッチは ハッチング 図形 を参照してください。
2線・3線ハッチの作図サマリー(全7ステップ)
2線・3線ハッチは、ハッチコマンド起動 → ラジオボタン切替 → 数値3つ入力 → 図形選択 → 実行、という流れです。1線ハッチに「線間隔の入力1つ」が加わるだけなので、慣れれば1組のハッチを20秒前後で作図できます。
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | ハッチコマンドを起動(メニューバー「作図」→「ハッチ」、またはツールバー「ハッチ」) | 数秒 |
| 2 | コントロールバーで「2線」または「3線」のラジオボタンを左クリック | 数秒 |
| 3 | 「角度」「ピッチ」「線間隔」の3項目に数値を入力 | 約10秒 |
| 4 | ハッチング範囲を線・円弧で順番に左クリックで選択(または連続線を右クリック1発で選択) | 約10秒〜 |
| 5 | 最初に選んだ波形表示の線をもう一度左クリックして選択範囲を確定 | 数秒 |
| 6 | 必要なら「基点変」で基点を調整 | 数秒 |
| 7 | コントロールバー「実行」を左クリックで作図確定 | 数秒 |
画像準備中 — 2線ハッチの作図フロー全体(コントロールバー入力→図形選択→実行)
「2線」「3線」ラジオボタンの位置と切替
ハッチコマンドを起動すると、画面上部のコントロールバーに「1線」「2線」「3線」「馬乗り目地」「図形」のラジオボタンが並びます。「2線」または「3線」を左クリックして選ぶと、コントロールバー右側に「線間隔」の入力欄が追加表示されます。
| ラジオボタン | できる作図 | 入力欄 |
|---|---|---|
| 1線 | 平行な等間隔ハッチ | 角度・ピッチ |
| 2線 | 2本ペアの平行ハッチ | 角度・ピッチ・線間隔 |
| 3線 | 3本ペアの平行ハッチ(中心線あり) | 角度・ピッチ・線間隔 |
| 馬乗り目地 | レンガ風の交互配列 | 角度・縦ピッチ・横ピッチ |
| 図形 | 登録図形によるパターン | 角度・縦ピッチ・横ピッチ |
要確認: 「線間隔」入力欄の正確な表記(「線間隔」/「線間」のいずれか)と、コントロールバー上の表示位置(ピッチ欄の右隣か、別の位置か)は実機で確認します。
画像準備中 — コントロールバーで「2線」ラジオボタンが選ばれ、「線間隔」欄が追加表示された状態
画像準備中 — 「3線」を選んだときのコントロールバー表示(同じ「線間隔」欄)
Tips: 1線→2線→3線とラジオボタンを切り替えていくと、コントロールバーの表示が動的に変わります。「線間隔」欄が出ている状態は、ハッチが2線または3線モードで動くことを示すシグナルだと覚えておきましょう。
「ピッチ」と「線間隔」の関係
2線・3線ハッチで一番つまずきやすいのが、ピッチと線間隔の役割分担です。両者を混同すると、思ったより密集したハッチになったり、逆にスカスカになったりします。図にすると次のような関係になります。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| ピッチ | 1組のペア(2本または3本)の繰り返し周期。ペアの先頭線同士の間隔 |
| 線間隔 | 1組のペアの内部の線間距離。2線なら2本の間、3線なら隣接2本の間 |
たとえば「ピッチ100・線間隔20」と入力すると、
- 2線モード: 「2本の線が20mm間隔で並ぶペア」が、100mmごとに繰り返される
- 3線モード: 「3本の線が20mm-20mmの2区間で並ぶペア」が、100mmごとに繰り返される
という動きになります。
背景: 「ピッチ」をペアの先頭間隔として固定したまま「線間隔」だけを変えれば、ペアの密度を変えずにペア内部の太さ感だけを調整できます。逆に、線間隔を固定してピッチだけ大きくすれば、同じ太さのペアが疎らに並ぶ動きになります。この2軸を独立に動かせるのが、2線・3線ハッチの最大の利点です。
画像準備中 — 「ピッチ100・線間隔10」と「ピッチ100・線間隔30」の比較画像(同じピッチでもペアの太さが違う)
2線ハッチの作図手順
2線ハッチは、平行な2本ペアが等間隔で並ぶハッチング模様です。木造壁の充填断熱層・RC壁の鉄筋表現・床下断熱の表現などで頻出します。
手順1: ハッチコマンドを起動
メニューバー「作図」→「ハッチ」、またはツールバー「ハッチ」を左クリックします。コントロールバーがハッチコマンド用に切り替わります。
要確認: クロックメニューからの起動(作図ウィンドウ内で7時方向に左ドラッグ→右クリック)の挙動も実機で確認します。
画像準備中 — ハッチコマンドの起動方法3種(メニュー・ツールバー・クロックメニュー)
手順2: 「2線」ラジオボタンを選択
コントロールバーの「2線」ラジオボタンを左クリックします。「線間隔」入力欄がコントロールバーに追加表示されます。
画像準備中 — 「2線」ラジオボタンを選択した直後のコントロールバー
手順3: 角度・ピッチ・線間隔を入力
コントロールバーの3つの入力欄にそれぞれ数値を入れます。
- 角度: ハッチ線の傾き。
0で水平、45で右上45度、90で垂直、-45で右下45度 - ピッチ: 1組のペアの繰り返し間隔(mm)
- 線間隔: ペア内の2本の線の間隔(mm)
Tips: 角度の正負はJw_cadの一般的な角度ルールと同じです。0度を基準に反時計回りが正、時計回りが負。
45と-45では模様の向きが対称になります。
画像準備中 — 角度・ピッチ・線間隔の3欄に数値が入った状態
手順4: ハッチング範囲を選択
ハッチングしたい閉じた図形(壁断面・部屋境界など)を選択します。選択方法は2つです。
- 左クリックで線や円弧を1本ずつ選択していく方法。最初に選んだ線が波形表示になり、図形を一周して再度その波形線を左クリックすると範囲が確定する
- 右クリックで連続線をまとめて選択する方法。端点でつながっている線群が一発で選択される
Tips: 単純な閉じた多角形なら、右クリック一発の方が大幅に速くなります。複雑に重なった線群や、開いた図形を部分的にハッチしたい場合のみ、左クリックで1本ずつ選んでいく方法を使います。
画像準備中 — 図形の右クリック1発選択と、左クリック1本ずつ選択の比較
手順5: 必要なら基点を変更
コントロールバーの「基点変」ボタンを左クリックすると、ハッチングの基点位置を任意の点に指定できます。基点を指定しないと、ハッチ線の位置が図形の枠に対してズレて入ることがあるため、整然と並べたい場合は壁端や交点を基点に指定するのが定石です。
画像準備中 — 「基点変」で基点を指定したハッチと、指定なしのハッチの比較
詳しくは ハッチング 1線(基本) の基点変節を参照してください。
手順6: 「実行」で作図確定
コントロールバーの「実行」ボタンを左クリックすると、選択範囲内に2線ハッチが作図されます。
画像準備中 — 「実行」ボタンクリック直後の2線ハッチ作図結果
3線ハッチの作図手順
3線ハッチは、3本の平行線がペアで並ぶハッチング模様です。複層ガラスの断面(外側ガラス・中空層・内側ガラスの3層)や、配筋詳細図でセパレータと主筋を一緒に表現する場合などで使われます。
操作の流れは2線ハッチと同じで、「2線」ラジオボタンの代わりに「3線」を選ぶ点のみが異なります。
3線時の中心線の扱い
3線ハッチでは、ペアを構成する3本のうち中央の1本が、線間隔で挟まれる位置に作図されます。
| 線の位置 | 役割 |
|---|---|
| 1本目(外側) | ペアの先頭線(ピッチで決まる位置) |
| 2本目(中央) | 1本目から線間隔ぶん離れた位置 |
| 3本目(外側) | 2本目からさらに線間隔ぶん離れた位置 |
つまり、3本の線は**等間隔(線間隔と同じ間隔)**で配置されます。線間隔を 20 にすると、1本目と2本目の間が20mm、2本目と3本目の間も20mmになり、ペア全体の幅は40mmです。
要確認: 3線の中心線が「ピッチで決まる位置に来る線」か「ペア全体の中央に来る線」かを実機で確認します。s-projectsとjwdojoの解説では明示されていないため、実機画像で確定する必要があります。
画像準備中 — 3線ハッチの拡大図(1本目・2本目・3本目の位置関係に寸法を入れたもの)
背景: 3線ハッチを「2線ハッチ+中心線」とイメージしておくと使いやすいです。2線で表現していた「ペアの先頭と末尾」の中間に、もう1本線が加わったのが3線、と覚えると線間隔の値が直感で決められます。
数値入力の典型例(実務シーン別)
2線・3線ハッチでよく使う数値の組み合わせを、建築実務の代表例で示します。実寸モード(縮尺乗算なし)で表記しています。
| シーン | モード | 角度 | ピッチ(mm) | 線間隔(mm) | 説明 |
|---|---|---|---|---|---|
| 木造壁の充填断熱層 | 2線 | 45 | 50 | 5 | 5mm間隔の細い2本線が50mmごとに繰り返す |
| RC壁の主筋表現 | 2線 | 0 | 200 | 20 | 水平な2本線が200mm間隔で配筋ピッチを示す |
| 床下断熱の積層 | 2線 | 0 | 30 | 10 | 床下スラブ上の断熱層を細かい2線で示す |
| 複層ガラス断面 | 3線 | 90 | 50 | 12 | ガラス・中空・ガラスの3層を3本線で表現 |
| RC配筋詳細(主筋+帯筋) | 3線 | 0 | 150 | 25 | 主筋2本+帯筋1本の組み合わせ表現 |
PERSCの推奨: 自分の業務でよく使う組み合わせ(断熱層・配筋・複層ガラス等)は、チートシート化して手元に置くことをおすすめします。建築用語と数値の対応を毎回考え直す時間が消えるため、図面のラフ組みが大幅に速くなります。
画像準備中 — 上記表の各シーンを実際に作図したサンプル図(5パターン並べたもの)
縮尺と「実寸」チェックの関係
ハッチコマンドのコントロールバーには「実寸」というチェックボックスがあります。このチェックの状態で、ピッチ・線間隔の数値の評価ルールが変わります。
| 状態 | ピッチ・線間隔の評価 |
|---|---|
| 実寸チェックOFF(既定) | 入力値は**用紙上の寸法(mm)**として評価される。縮尺を乗算する必要がある |
| 実寸チェックON | 入力値は**実寸(mm)**として評価される。縮尺の計算が不要 |
実寸OFFのときの計算
縮尺 S=1/100 で「ピッチ30」と入力すると、図面上のハッチ線間隔は 30mm × 100 = 3000mm(実寸) になります。実寸で30mm間隔のハッチを描きたい場合は、**ピッチ「0.3」**と入力する必要があります。
実寸ONのときの計算
縮尺 S=1/100 で「ピッチ30」と入力すると、図面上のハッチ線間隔は実寸で 30mm になります。割り切れない縮尺(1/50、1/250など)でも数値計算が不要です。
PERSCの推奨: 実務では「実寸チェックON」を基本にして、入力値を直接の実寸ミリで考えるほうが楽です。1/100以外の縮尺(1/50・1/200・1/250など)の図面では、縮尺を乗算する手間が省けるぶん、ミスも減ります。
要確認: 「実寸」チェックのON/OFFが、ピッチだけでなく線間隔の評価にも同じルールで適用されるかを実機で確認します。s-projects/kantancadの解説ではピッチについての説明のみで、線間隔は触れられていません。
画像準備中 — 実寸チェックOFF・ONそれぞれで「ピッチ30・線間隔10」と入力した結果の比較
角度・ピッチ・線間隔を変えた挙動の整理
2線・3線ハッチは3つのパラメータで挙動が決まるため、組み合わせの感覚を掴むには実際に値を変えて見るのが早いです。代表的な組み合わせを表にまとめます(2線モード、実寸ON、ピッチ100基準)。
| パラメータの組み合わせ | 完成イメージ | 用途 |
|---|---|---|
| 角度45・ピッチ100・線間隔10 | 細い2線ペアが疎らに並ぶ | 充填断熱層・補助的な表現 |
| 角度45・ピッチ100・線間隔30 | 中間の太さのペア | 標準的な2線ハッチ |
| 角度45・ピッチ100・線間隔80 | 太いペア(ペア間が狭い) | 厚みを強調したい場合 |
| 角度45・ピッチ50・線間隔10 | 細いペアが密集 | 高密度の充填表現 |
| 角度45・ピッチ200・線間隔10 | 細いペアが粗らに | 配筋ピッチが大きい場合 |
| 角度0・ピッチ100・線間隔20 | 水平な2線ペア | 床下断熱・水平構造の表現 |
| 角度90・ピッチ100・線間隔20 | 垂直な2線ペア | 縦構造の表現・パイプ断面 |
Tips: ピッチを線間隔とほぼ同じ値まで近づけると、ペア間とペア内部の差がなくなり、見た目はほぼ「1線ハッチ」と区別がつかなくなります。逆にピッチを線間隔の3倍以上取ると、はっきりとペア感のあるリズムになります。
画像準備中 — 上記表の代表4パターンを並べた比較画像
2線・3線ハッチのデータ上の扱い
2線・3線ハッチで作図された平行線群は、それぞれが独立した直線要素として記録されます。範囲選択でかこむと、線の本数ぶんが個別に選択され、1本だけ消去・線色変更・線種変更などの後編集ができます。
要確認: 2線・3線ハッチが「個別の独立した直線」として作図されるか、「グループ化された1要素」として作図されるかを実機(範囲選択 → 図形情報)で確認します。s-projects/jwdojo/kantancadの解説では明記されていません。
背景: データ上は独立した直線なので、ペア間で線色を変えたり、外側だけ線種を変えたりといった作図後のカスタマイズも自由に効きます。逆に「ひとまとまり」として後から扱いたい場合は、範囲選択 → ブロック化を別途行います。
画像準備中 — 範囲選択で2線ハッチのうち1本だけを選び、線色を変更した例
実務での使い方 ★PERSC独自
木造壁の充填断熱層を表現する
木造住宅の壁断面で、柱と柱の間に詰められるグラスウールやロックウールの充填断熱層を表現するのに、角度45度・ピッチ50・線間隔5の2線ハッチが使いやすいです。1線ハッチでも断熱を示せますが、2線ハッチにすると「密に充填された繊維質の素材」という印象が出るため、矩計図(建物の縦断面詳細図)の見栄えが上がります。壁厚に応じてピッチ40〜60で微調整するのが定石です。
RC壁の主筋・配筋を簡略表現する
鉄筋コンクリート造の壁断面詳細では、配筋ピッチを示すのに2線・3線ハッチが効きます。主筋を2線(縦方向)・帯筋を別レイヤで2線(横方向)として重ねれば、配筋詳細図のラフがすぐに作れます。施工図レベルではないのでシンボルではなく簡略表現で済ませる場面、たとえば確認申請図書の構造概要図などに使えます。
複層ガラス・断熱サッシの断面表現
サッシ枠の断面詳細で**複層ガラス(ペアガラス)**を表現する場合、3線ハッチが向いています。角度90度・ピッチ50・線間隔12にすると、外側ガラス(4mm)・中空層(12mm)・内側ガラス(4mm)の組み合わせをコンパクトに示せます。トリプルガラス(三層ガラス)でも同じ3線ハッチで「ガラス・中空・ガラス」の関係を強調できます。
床下断熱層と防湿層の積層表現
基礎断面詳細で床下スラブ上の断熱層と防湿シートの組を示す場合、角度0度・ピッチ30・線間隔10の2線ハッチが使えます。実寸の図面ならピッチ30mmが断熱層厚に見えるよう調整し、線間隔は防湿シートの厚みを誇張表現する形にすると読みやすくなります。
コンクリート打継部・水平構造の表現
土木・基礎の図面でコンクリート打継部の水平線を強調するのに、角度0度・ピッチ大きめ・線間隔小さめの2線ハッチが効きます。1本線では弱い、しかし完全な塗りつぶしでは情報過多、という場合の中間表現として使えます。
屋根葺き材・外装の連続パターン
屋根伏図や立面図でスレート葺き・横葺き金属屋根などの連続するライン要素を表現する場合、2線ハッチで「軒先と棟側のラインのペア」を一気に繰り返し配置できます。手作業で1本ずつ複線していくよりも、端から端までのリズムが安定するため、図面全体の印象が整います。
PERSCの推奨: 2線・3線ハッチは「1線ハッチでは表現が薄い、しかし塗りつぶしでは過剰」というシーンで威力を発揮します。図面の縮尺・読み手・伝えたい情報量に応じて、1線・2線・3線・塗りつぶしの中から最適な表現を選ぶ判断ができるようになると、図面の表現力が一段上がります。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 「線間隔」入力欄が見当たらない
→ コントロールバーの**「2線」または「3線」ラジオボタンが選択されていない**可能性があります。1線・馬乗り目地・図形の各モードでは「線間隔」欄は表示されません。まずラジオボタンで「2線」または「3線」を選び直してください。
Q: 「線間隔」を入力したのに、ハッチが1線に見える
→ 線間隔がピッチに対して非常に小さい(例: ピッチ100に対して線間隔0.5)か、縮尺の計算違いの可能性があります。実寸チェックOFFで縮尺1/100の図面に「線間隔10」と入れると、図面上では1mmの線間隔となり、紙に印刷したときは1線とほぼ判別不能になります。実寸チェックONにするか、縮尺を乗算した値を入れてください。
Q: ピッチと線間隔の関係がわからない
→ 「ピッチ=ペアの繰り返し周期」「線間隔=ペア内部の線の距離」と覚えてください。ピッチが大きいとペアが粗らに並び、ピッチが小さいとペアが密集します。線間隔は同じペア内の太さ感を決めます。両者は独立に動かせるので、まずピッチでペアの密度を決めてから、線間隔でペアの太さを調整する順序で考えると整理しやすいです。
Q: 3線ハッチの中心線がズレて見える
→ 3線ハッチの中央線は、1本目から線間隔ぶん離れた位置に作図されます。**「ペア全体の中央」ではなく、「1本目から線間隔×1の距離」**にあるため、線間隔を変えると中央線の見た目位置も変わります。ペアを左右対称に見せたい場合は、線間隔を「ペア幅の半分」と意識して入力してください。
Q: 「実行」を押しても何も描かれない
→ 図形選択が完了していない可能性があります。最初に選んだ線が波形表示のまま残っている場合、そのまま波形線をもう一度左クリックして選択範囲を確定する必要があります。または「作図されない部分があります」というメッセージが出ていれば、図形が閉じておらず、開いている部分の周辺にハッチが入りません。詳しくは ハッチング 1線(基本) の図形選択節を参照してください。
Q: ハッチが図形枠からはみ出す
→ 範囲選択時に外側の線も含めて選んでいないか、図形が閉じていない可能性があります。閉じた図形を右クリック1発で選択するルートに切り替えると、選択ミスが減ります。それでもはみ出す場合は、ハッチ実行後に「消去」コマンドの節間消し(一部消去)で余分な線を整理する手もあります。
Q: 角度を変えてもハッチの向きが変わらない
→ 角度欄が0のまま、もしくは別の数値を入れたあとEnterキーを押し忘れて確定していない可能性があります。コントロールバーの数値欄に値を入れたら、Tabキーまたは別の欄をクリックして確定させてから「実行」を押してください。
Q: 線間隔がピッチを超える値を入れてしまった
→ 線間隔がピッチより大きいと、ペア内の線がペア間の線と重なるため、見た目はぐちゃぐちゃになります。「線間隔 < ピッチ」を必ず守って入力してください。
Q: 1線・2線・3線を切り替えたら数値が消えた/残った
→ ラジオボタンを切り替えても、角度・ピッチ・線間隔の入力値は基本的にそのまま保持されます。意図せず前回の値が残ったまま「実行」してしまうことがあるため、新しいハッチを描く前に必ず3つの数値欄をすべて確認する習慣をつけましょう。
Q: ハッチの基点がバラバラで見栄えが悪い
→ 「基点変」ボタンで基点を指定していない場合、ハッチ線の位置が図形枠と無関係に決まるため、隣り合うハッチの境界で線がズレて見えます。壁端や交点を基点に指定するだけで、図面全体のハッチ位置が整列します。詳しくは ハッチング 1線(基本) の基点変節を参照してください。
Q: 後から1本だけ線色を変えたい
→ 2線・3線ハッチで作図された各線は独立した直線要素なので、範囲選択で1本だけ選んで属性変更すれば、その線だけ線色・線種を切り替えられます。「外側だけ太線・中央だけ点線」のような表現も後付けで可能です。属性変更の詳細は 線属性(線色・線種)の設定 を参照してください。
関連項目
- ハッチング 1線(基本) — 1線ハッチの起動・図形選択・基点変・実寸チェックの基本
- ハッチング 馬乗り目地 — レンガ風の千鳥配列ハッチ
- ハッチング 図形 — 登録図形を使ったパターンハッチ
- 線コマンドの基本(始点・終点・水平垂直) — ハッチ枠を構成する直線の作図
- 矩形コマンドの基本(始点・対角点) — ハッチ枠の四角を作図
- 円コマンドの基本 — 円形範囲のハッチ枠
- 多重円の作図 — 同心円リングと組み合わせる円形ハッチ
- 線属性(線色・線種)の設定 — ハッチ線の線色・線種の事前指定
- 線色標準(PERSC推奨) — 充填断熱・配筋・ガラスを示す標準線色の使い分け
- 読取点の指示方法 — ハッチ範囲選択で交点・端点を確実に拾う
- マウス操作の基本(左右クリック・ダブルクリック) ※準備中 — 左クリック1本ずつ選択と右クリック連続線選択の使い分け
- 範囲選択の基本 ※準備中 — ハッチ範囲を範囲選択コマンドから引き継ぐ
まとめ
- ハッチコマンドのコントロールバーで「2線」「3線」ラジオボタンを選ぶと、「線間隔」入力欄が追加表示される
- ピッチはペアの繰り返し周期、線間隔はペア内の線同士の距離。両者を独立に動かして密度と太さを調整する
- 3線ハッチは、1本目から線間隔ぶんずつ離れた位置に2本目・3本目が並ぶ。ペア全体の幅は「線間隔×2」になる
- 縮尺の影響を回避したい場合は「実寸」チェックをONにすると、入力値がそのまま実寸ミリで評価される
- 木造壁の充填断熱・RC配筋・複層ガラス・床下断熱など、建築実務の「ペアで現れる平行線」シーンで威力を発揮する