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未検証

表題欄の項目と配置ルール

このページでできるようになること

Jw_cadで建築図面を仕上げるときに必要となる 表題欄(タイトルブロック) に「何を書くか」「どこに置くか」が体系的にわかるようになります。表題欄は図面の名刺のような領域で、図面名・図番・縮尺・作成日・作成者・会社情報など、その図面が 誰の責任で・いつ・何を表しているか を伝えるための欄です。このページでは表題欄の必須項目/オプション項目/配置パターン/会社ロゴの位置取り/PERSC編集部のサンプルレイアウト3種を整理します。表題欄を「Jw_cadでどう作図するか」の手順は 図面枠の作り方(表題欄付き) ※準備中 に委譲し、ここは規格・配置の解説に集中します。

背景: 表題欄は単なる装飾ではなく、図面の 管理情報を1箇所に集約するための領域 です。納品時の検収・施工時の参照・改訂時のトレース・トラブル発生時の責任所在確認、といった業務の節目で必ず読まれる欄であり、ここが整っていない図面は受け取った相手の手間を増やします。JIS A 0150 と JIS Z 8311 が定める様式を土台に、各社・各事務所が独自のテンプレートを整備するのが標準的な運用です。


表題欄とは何か

表題欄の役割

表題欄は1枚の図面に対して 1つだけ配置 する管理情報領域で、おおよそ次の4つの役割を担います。

#役割内容
1図面の同定図面名・図番・物件名から「これがどの案件のどの図面か」を一意に特定する
2縮尺・サイズの提示縮尺・用紙サイズ・単位を明示し、寸法読み取りの基準を提供する
3責任の所在表示設計者・作図者・照査者・承認者の名前で「誰がこの図面に責任を持つか」を示す
4改訂の追跡作成日・改訂日・改訂履歴で「いつ・誰が・何を変えたか」を残す

背景: 1枚の図面が10年以上参照される建築業界では、表題欄の情報が 建物のメンテナンス・改修・解体時の手がかり になります。施工後20年経って改修工事の依頼が来たとき、当時の設計図書から表題欄を頼りに担当者・縮尺・図番を辿ります。「いま読みやすければよい」ではなく「何十年後でも読める」ことを意識するのが表題欄の作り方の基本姿勢です。

表題欄と図面枠の関係

表題欄は図面枠(用紙の外周枠)の内側に配置される領域です。図面枠そのものの規格は別記事で扱うため、ここでは「表題欄は図面枠の右下/下端/右端のいずれかに配置されるブロック」として位置を押さえます。

要素役割関連記事
図面枠用紙の外周を囲う矩形と、印刷範囲・とじ代を示す枠線図面枠の規格
表題欄図面枠内に配置される管理情報ブロックこの記事
図面本体図面枠から表題欄を除いた残りの領域に描かれる作図対象Ch.4/Ch.12 各論

PERSCの推奨: 図面枠と表題欄は セットで1つのテンプレート として扱うのが運用上の標準です。新規案件のたびに表題欄を組み直すのではなく、A1・A2・A3・A4 の用紙サイズごとに「図面枠+表題欄」の組をテンプレ化しておき、案件冒頭でコピーして物件名・図番だけ書き換える、という流れが実務的です。


表題欄の必須項目

JIS A 0150/JIS Z 8311 の流れで、表題欄に 必ず記載すべき項目 とされている要素を整理します。建築実務では最低限これだけは揃えるのが標準です。

必須項目8点

#項目役割記載例
1図面名この図面が何を表しているか「1階平面図」「南立面図」「矩計図」「基礎伏図」
2図面番号(図番)図面セット内での一意ID「A-101」「S-201」「M-301」
3縮尺図面の縮尺率「1/100」「1/50」「現尺」
4作成日(図面作成日)この図面の最初の作成日「2026-05-05」
5作成者(作図者)図面を実際に描いた担当者「山田 太郎」「YT」
6設計者図面の設計責任者「設計:六波羅 涼」
7承認者社内承認・レビュー責任者「承認:所長」
8会社情報(事務所情報)図面を作成した組織の名称・連絡先「PERSC一級建築士事務所」

背景: 上記の 3〜4・8 は図面寸法と発注者を結びつける最低条件、5〜7 は責任の所在を示す欄、1〜2 は図面集の中での同定キーです。建築実務ではこの8点が表題欄の 共通最大公約数 で、どの組織のテンプレートを見てもおおむねこの構成を含んでいます。

改訂履歴欄(必須に準ずる)

改訂履歴は表題欄の中、または隣接した独立ブロックに配置します。建築図面はほぼ確実に1回以上改訂されるため、欄を作っておかないと運用初期で詰まります。

内容記載例
Rev.リビジョン番号A・B・C…/0・1・2…
改訂日改訂を反映した日付2026-05-12
改訂者改訂を行った担当者山田
改訂内容改訂の概要(1行)「玄関建具寸法変更」

PERSCの推奨: リビジョン記号は アルファベット(A/B/C…)か数字(0/1/2…)の片方に統一 し、案件全体で混在させないのを推奨します。社内ルールで決めておかないと、案件ごとに番号付け方法が揺れて参照時に混乱します。「製図前=0、初回提出=A」のような変則ルールも事務所ごとに分かれるため、テンプレに明記しておきましょう。

要確認: 改訂履歴欄のJIS推奨フォーマットは実機検証フェーズでJSA Webdeskの規格本文から確定します。


オプション項目(実務でよく追加される項目)

必須8点に加えて、案件・組織の事情で追加されるオプション項目があります。すべてを盛り込むと欄が肥大化して読みにくくなるため、案件種別に応じて選択するのが現実的です。

よく追加される項目

#項目追加される場面記載例
1物件名・建物名称確認申請・実施設計図書「(仮称)○○邸新築工事」
2建築主(施主)確認申請・引渡図書「建築主:○○ ○○ 様」
3工事種別設計図書全般「新築工事/増築工事/改修工事」
4用途確認申請「専用住宅/共同住宅/事務所」
5構造種別構造図・実施設計「木造2階建/RC造3階建/S造平屋」
6延床面積確認申請の意匠図「延床:123.45㎡」
7建築場所確認申請「東京都○○区○○町○丁目○番」
8設計者の建築士登録番号建築士法による表示「一級建築士 第○○○○○○号」
9事務所登録番号建築士事務所登録の表示「東京都知事登録 第○○○○○号」
10連絡先(電話番号・住所)引渡図書・印刷物として配布する図面「TEL: 03-○○○○-○○○○」
11照査者社内照査体制がある事務所「照査:副所長」
12図面区分図面セットを分割するとき「意匠/構造/設備」
13単位図面の長さ単位「単位:mm」
14着工日・竣工日竣工図書「着工:2026-04-01/竣工:2027-03-31」
15工事種別コード公共工事「工事番号:○○○○-○○」

背景: 1〜10 は意匠系図面で頻出、11〜12 は社内品質管理体制の表現、13〜15 は案件種別固有の追加情報です。意匠図・構造図・設備図でテンプレートを分け、それぞれに必要な項目だけを盛り込むのが整理しやすいです。

建築士法による表示義務

建築士が業務として作成した図面には、建築士法24条の表示義務 が関わります。設計者欄に建築士登録番号・事務所登録番号を併記しておくと、建築士法上の表示要件を満たした上で、提出先・施工者にも責任所在が明確に伝わります。

表示要素内容
建築士の資格・氏名一級建築士/二級建築士/木造建築士の別と氏名
建築士登録番号「○級建築士 第○○○○○○号(登録権者)」
建築士事務所登録「○○知事登録 第○○○○○号 ○○一級建築士事務所」
管理建築士事務所の管理建築士の氏名(事務所の登録要件)

要確認: 建築士法24条の「図面への表示」の解釈・運用範囲は実機検証フェーズで国土交通省の通達・解説書から確定します。確認申請に出さない検討用図面でも表示義務があるかは行政運用に依存するため、社内ルールで「全図面に表示」と決めておくのが安全です。

PERSCの推奨: 個人事務所・小規模事務所では 建築士登録番号と事務所登録番号を表題欄に常時印字 し、テンプレートに焼き込んでおくのを推奨します。図面ごとに手入力すると入れ忘れ事故が起きやすく、1回入れ忘れるだけでクライアントへの信頼が下がります。


表題欄の配置パターン

Jw_cadで描く建築図面の表題欄は、配置位置で 3つの主要パターン に分かれます。事務所ごとにどのパターンを採用するかを決めて、社内テンプレートに落とし込むのが標準です。

パターン①:右下集約型(最も一般的)

表題欄を図面枠の 右下隅 にまとめて配置するパターン。建築実務で最もよく使われる配置で、海外規格(ISO 7200)でも推奨される様式です。

┌────────────────────────────────────────────┐
│                                              │
│                                              │
│            (図面本体)                       │
│                                              │
│                                              │
│                                ┌──────────┐ │
│                                │  表題欄    │ │
│                                │           │ │
└────────────────────────────────┴──────────┴─┘
観点評価
利点図面を巻物状に丸めて開いたとき表題欄が外側に来やすい/ファイリング後に背表紙の隣に表題が見える
欠点縦長物件の図面では右下が遠くなり、図面と表題欄を同時に確認しづらい
推奨用紙サイズA1・A2・A3
推奨案件一般的な意匠図・構造図・設備図

背景: A1図面を半分に折ると右下がちょうど表に見える位置になるため、ファイル収納・現場での確認の両方で操作性が高い配置です。海外発注案件でも違和感が出ないため、グローバル展開の可能性がある事務所はこの配置に統一しておくと後々楽です。

パターン②:用紙下端帯型

表題欄を図面枠の 下端いっぱいに横長の帯 として配置するパターン。住宅会社の意匠図や設備図で見られる様式です。

┌────────────────────────────────────────────┐
│                                              │
│                                              │
│            (図面本体)                       │
│                                              │
│                                              │
│                                              │
├──────────────────────────────────────────────┤
│ 表題欄(横長帯)                               │
└──────────────────────────────────────────────┘
観点評価
利点改訂履歴を横長に並べやすい/会社情報・連絡先を大きく表示できる
欠点縦方向の図面領域が狭くなる/パターン①より一般性が低い
推奨用紙サイズA2・A3・A4
推奨案件住宅会社の営業図面・パンフレット用図面

パターン③:用紙右端帯型

表題欄を図面枠の 右端いっぱいに縦長の帯 として配置するパターン。横長の物件(マンション・配置図など)で採用されることがあります。

┌────────────────────────────────────┬───────┐
│                                     │       │
│                                     │ 表題欄 │
│        (図面本体)                   │ 縦長  │
│                                     │       │
│                                     │       │
│                                     │       │
└─────────────────────────────────────┴───────┘
観点評価
利点横長の図面(敷地が東西に長い等)で図面領域を縦方向に確保できる
欠点文字が縦方向に並ぶと読みにくい/一般性が低い
推奨用紙サイズA1・A2
推奨案件配置図・敷地が横長の案件

PERSCの推奨: 自社のテンプレートは パターン①(右下集約型)を基本 とし、配置図など特殊な図面でのみパターン②③を例外的に使う運用がシンプルです。3パターンを並行運用すると、新人が「この図面はどのパターン?」と迷う時間が増えます。

配置の禁則

表題欄の配置で避けるべき位置もあります。

配置禁則理由
図面の中央付近図面本体と重なって読みにくい/印刷時の折り目に表題欄がかかりやすい
用紙左端ファイリング時にとじ代に隠れる/開いた状態で背表紙側に来て見えづらい
用紙の上端折り畳み時に内側に隠れる/一般的な視線の流れに合わない
図面枠の外(マージン外)印刷時に切れる可能性がある/JIS図面様式から外れる

注意: 表題欄は必ず 図面枠(印刷範囲)の内側 に配置します。印刷範囲の外に出してしまうと、PDF書き出しや印刷時に欠落する事故が発生します。


会社ロゴの配置

表題欄に会社ロゴ(事務所ロゴ)を入れる場合の配置ルールを整理します。

ロゴ配置の3パターン

パターン配置適する場面
A. 表題欄内左上表題欄の左上隅にロゴを配置一般的な意匠図・構造図
B. 表題欄上部独立帯表題欄の上に横長のロゴ帯を独立配置営業用図面・パンフレット用
C. 図面枠右上隅表題欄とは別に、図面枠の右上にロゴ単独配置ブランド訴求が強い住宅会社

PERSCの推奨: 個人事務所・中小設計事務所では パターンA(表題欄内左上)が最もシンプル で運用しやすいです。ロゴサイズは表題欄の高さの1/3〜1/2程度に収め、白黒印刷でも判読できる単色ロゴをテンプレートに焼き込むのを推奨します。

ロゴ画像の解像度・形式

Jw_cadで会社ロゴを配置する際の画像形式の選び方です。

形式推奨度注意点
BMPJw_cad標準形式。サイズは大きいが安定
JPEG写真系には向くが、ロゴ(線・面)にはBMPが推奨
白黒2値印刷時にじまない/ファイルサイズ最小
カラーカラー印刷案件のみ。白黒印刷では潰れることがある

背景: Jw_cadは画像挿入機能がBMP前提で設計された経緯があり、JPEG・PNGは互換性のため対応されているものの、白黒の線図形ロゴは BMP単色(白黒2値) で用意するのが最も安定します。実際の画像挿入操作は 画像の挿入と配置 ※準備中 を参照してください。

PERSCの推奨: ロゴ画像は A4印刷時に高さ8〜12mm程度 で見栄えが取れるサイズに調整し、テンプレートに焼き込みます。毎回画像挿入し直すと、サイズ・位置のブレが必ず発生します。


PERSC編集部のサンプルレイアウト

建築実務でよく出会う3種類の物件タイプ別に、表題欄のサンプルレイアウトを提示します。自社のテンプレート整備時の出発点として活用してください。

サンプルA:個人住宅(木造2階建)

幅180mm × 高さ55mm 程度の表題欄を A2・A3 の右下に配置するパターン。

┌──────────────────────────────────────────────┐
│ [PERSCロゴ]  (仮称)○○邸新築工事             │
│             建築主:○○ ○○ 様                 │
├──────────────────────────────────────────────┤
│ 図面名:1階平面図                              │
│ 図番:A-101    縮尺:1/100    用紙:A2         │
├─────────────┬─────────────┬───────────────────┤
│ 設計:六波羅 │ 作図:山田  │ 承認:六波羅       │
│ 2026-05-05   │ 2026-05-05  │ 2026-05-05         │
├──────────────────────────────────────────────┤
│ Rev. │ 日付      │ 改訂者 │ 内容              │
│  A   │ 2026-05-12│ 山田   │ 玄関建具寸法変更  │
├──────────────────────────────────────────────┤
│ PERSC一級建築士事務所                          │
│ 一級建築士 第○○○○○○号 / 知事登録 第○○○号     │
└──────────────────────────────────────────────┘
採用項目コメント
必須8点すべて採用
物件名・建築主採用(確認申請・引渡対応)
改訂履歴2行1案件あたり2〜3回改訂が多いため2行確保
建築士登録/事務所登録テンプレに焼き込み
用途・面積別図(特記仕様)に切り出し

サンプルB:RC造マンション(実施設計図書)

幅220mm × 高さ75mm 程度。図番体系が複雑なため、図番欄を大きめに確保。

┌────────────────────────────────────────────────────┐
│ [PERSCロゴ]   (仮称)○○マンション新築工事           │
│              建築主:○○不動産株式会社               │
├────────────────────────────────────────────────────┤
│ 工事種別:新築 / 構造:RC造 5階建 / 用途:共同住宅    │
├────────────────────────────────────────────────────┤
│ 図面区分:意匠 / 図面名:基準階平面図                  │
│ 図番:A-201 / 縮尺:1/100 / 用紙:A1 / 単位:mm        │
├──────────┬──────────┬──────────┬──────────────────┤
│ 設計     │ 作図     │ 照査     │ 承認              │
│ 六波羅   │ 山田     │ 副所長   │ 所長              │
├────────────────────────────────────────────────────┤
│ Rev. 履歴 (4行確保)                                  │
├────────────────────────────────────────────────────┤
│ PERSC一級建築士事務所                                │
│ TEL 03-○○○○-○○○○ / 事務所登録 第○○○号           │
└────────────────────────────────────────────────────┘
採用項目コメント
図面区分(意匠/構造/設備)必須(複数区分を1案件で扱う)
構造種別・用途必須(実施設計図書として一目で読める)
照査欄採用(社内品質管理)
改訂履歴4行規模が大きく改訂回数が多いため4行確保
連絡先電話採用(施工会社からの問い合わせ対応)

サンプルC:公共建築(学校・庁舎)

幅240mm × 高さ80mm 程度。発注者である行政の体裁に合わせる。

┌──────────────────────────────────────────────────────┐
│ ○○市立○○小学校 校舎改築工事                         │
│ 工事番号:R8-○○-○○○                                │
├──────────────────────────────────────────────────────┤
│ 用途:学校 / 構造:S造一部RC造 3階建 / 延床:3,200㎡    │
│ 建築場所:○○市○○町○丁目○番                           │
├──────────────────────────────────────────────────────┤
│ 図面区分:意匠 / 図面名:1階平面図                      │
│ 図番:A-101 / 縮尺:1/200 / 用紙:A1                    │
├──────────┬──────────┬──────────┬──────────┬─────────┤
│ 設計     │ 作図     │ 照査     │ 担当主任 │ 承認     │
│ ○○      │ ○○      │ ○○      │ ○○      │ ○○      │
├──────────────────────────────────────────────────────┤
│ Rev. 履歴 (5〜6行確保 / 設計協議・施工段階の変更を吸収) │
├──────────────────────────────────────────────────────┤
│ 設計:PERSC一級建築士事務所 / 発注:○○市              │
│ 一級建築士 第○○○○○○号 / 大臣登録 第○○○号           │
└──────────────────────────────────────────────────────┘
採用項目コメント
工事番号必須(公共工事案件番号)
担当主任欄採用(公共工事は5階層の責任表示が一般的)
用途・構造・面積・建築場所必須(公共建築工事標準仕様書要件)
改訂履歴5〜6行設計協議が多く改訂が頻発
発注者表記必須(行政発注を明示)

要確認: 公共建築工事標準仕様書での表題欄項目指定の有無は実機検証フェーズで国土交通省 大臣官房官庁営繕部の最新版から確定します。

PERSCの推奨: サンプルA・B・Cの3種類を テンプレートライブラリとして社内共有 し、案件着手時にコピーして使うのが運用効率の最大化につながります。サンプル単位で「個人住宅/RC共同住宅/公共建築」と用途別にフォルダ分けしておくと、新人が迷わずに済みます。


文字サイズと線太さの目安

表題欄の中で使う文字サイズ・線太さの目安です。詳細は別記事に委譲しますが、表題欄として整合させるべき水準を提示します。

文字サイズの目安

表題欄内の要素目安サイズ(印刷後)文字種番号の目安
物件名(最上段)5〜7 mm文字種5〜6
図面名4〜5 mm文字種4〜5
図番・縮尺3.5〜5 mm文字種4〜5
担当者名・日付2.5〜3.5 mm文字種3
改訂履歴・連絡先2〜2.5 mm文字種2〜3

詳しくは 文字サイズの標準 を参照してください。

線太さの目安

表題欄内の要素線太さ(印刷後)線色の目安
表題欄の外周枠0.5 mm線色6(緑)
表題欄内部の区切り線0.25 mm線色2(黒)
改訂履歴の罫線0.18 mm線色1(水色)

詳しくは 印刷時の線太さ標準 を参照してください。

PERSCの推奨: 表題欄の枠線は 本文の最外形線と同程度の太さ(0.5 mm 程度) に統一すると、図面全体の見た目に統一感が出ます。表題欄だけ極太にする・極細にすると、視線誘導が崩れて図面の読みやすさが落ちます。


実務での使い方 ★PERSC独自

個人事務所での運用:1テンプレ主義

個人建築士事務所・小規模事務所では、全図面を1種類の表題欄テンプレートに統一 するのが最も運用負荷が低い選択です。意匠図・構造図・設備図で表題欄を分けると、テンプレートのメンテナンス工数が3倍になります。

PERSCの推奨: 個人事務所のスタートアップ時は、サンプルA(個人住宅)の表題欄を A1/A2/A3/A4 の4サイズに展開 したテンプレートを1度きっちり作り、以降は物件名と図番だけ書き換える運用にしましょう。1ヶ月後・1年後・5年後に図面を見返したとき、表題欄の体裁がバラバラだと「あの案件の表題欄を流用したい」と思っても流用できません。

ゼネコン設計部での運用:図面区分別テンプレ

ゼネコン設計部・大手設計事務所では、図面区分(意匠/構造/設備/土木)ごとに表題欄テンプレートを分けるのが標準です。意匠図と構造図では作成者の専門・責任範囲が違い、表題欄の責任所在欄の項目も微妙に異なるためです。

区分表題欄の特徴
意匠(A-)意匠設計者・意匠担当主任の名前を表示
構造(S-)構造設計者・構造担当主任の名前/構造設計一級建築士の登録番号を表示
設備(M-/E-/P-)設備設計者・設備担当主任/設備設計一級建築士の登録番号を表示
土木(CV-)土木技術者の名前/技術士登録番号を表示

確認申請添付図面での運用

確認申請に添付する図面の表題欄は、確認申請書の様式と整合 させるのが基本です。

整合させる項目確認申請書側の記載表題欄側の記載
建築主建築主氏名同じ氏名・敬称
設計者設計者欄の建築士・登録番号同じ建築士・登録番号
物件名工事名称同じ工事名称
建築場所建築場所同じ建築場所
建築面積・延床面積申請書面積表題欄/特記仕様の面積

背景: 確認申請書と添付図面の表題欄に齟齬があると 指定確認検査機関から訂正指示が入り、審査が止まります。書類間の整合は提出前に必ずチェックします。

改修工事・既存建物調査図面での運用

改修工事・既存建物の現況調査図面では、表題欄に 「現況図」「改修前図」「改修後図」 の区別を明示します。

表題欄の表記例内容
図面名:1階平面図(現況)改修前の現状を表す
図面名:1階平面図(改修前)改修工事の対象範囲が含まれる現状
図面名:1階平面図(改修後)改修後の完成イメージ
図面名:1階平面図(増築部)増築範囲のみを表す

PERSCの推奨: 改修案件では新築案件以上に 「いつ時点の図面か」 を明確にすることが重要です。表題欄の図面名に括弧書きで「現況」「改修前」「改修後」を書く運用が、最もシンプルで誤読を防げます。

図面の電子化と表題欄

近年は図面のPDF配布・電子納品が増えており、表題欄に 電子的な情報 を組み込むケースも増えています。

追加要素内容採否の目安
QRコード(図面ID)スキャンで詳細情報DBへ遷移大規模案件・公共工事で採用増
電子署名設計者の電子署名電子納品案件で必須
ハッシュ値図面ファイルの改ざん検知公共工事の電子納品で採用例あり
バーコード図面管理システム連携大手設計事務所で採用

PERSCの推奨: 個人事務所・小規模事務所では電子要素は 当面不要 です。クライアントから要求があった時点で対応する形で十分。先行投資すると運用負荷だけ増えます。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 表題欄の幅・高さに決まりはあるか?

→ JIS A 0150/JIS Z 8311 では表題欄の 正確な寸法 までは定めていません(項目構成の指針のみ)。実務では用紙サイズに応じて以下の目安が一般的です。

用紙幅の目安高さの目安
A1200〜250mm60〜80mm
A2180〜220mm55〜75mm
A3150〜180mm50〜60mm
A4120〜150mm40〜50mm

A4で表題欄を大きくしすぎると図面領域が狭くなりすぎるため、用紙面積の10〜15%程度 に収めるのを目安にします。

Q: 表題欄をどのレイヤに描けばよいか?

→ 表題欄専用のレイヤ(例:レイヤ「F-表題欄」「A-Title」)を1つ確保し、図面本体のレイヤとは分けて配置します。表題欄を本体と同じレイヤに描くと、図面要素を範囲選択する際に表題欄まで巻き込まれます。詳しくは レイヤ命名規則 で扱います。

Q: 物件名が長くて表題欄に入らない

→ 物件名欄を 2行に分割 するか、文字サイズを1段階下げて対応します。「(仮称)○○マンション新築工事 ○○邸新築工事」のような長い物件名は、改行で「(仮称)○○マンション新築工事/○○邸新築工事」と整理するのが読みやすいです。

Q: 改訂のたびに表題欄の中身を書き換えるべきか?

→ 改訂履歴欄に 新しい行を追加 し、図番欄の末尾にリビジョン記号を追記する運用が標準です。元の作成日・作成者は残し、改訂日と改訂者を別行に記録します。「上書き」ではなく「追記」が原則です。

Q: 設計者と作図者の名前は本名フルネームか・略号か

→ 事務所の運用ルールで決めて統一しましょう。一般的には 設計者は本名フルネーム(責任の所在を明確にするため)、作図者は略号やイニシャル(運用負荷軽減のため)でも問題ありません。ただし建築士法24条の表示要件に絡む設計者欄は本名・登録番号のセットが安全です。

Q: 会社ロゴが手に入らない(個人事務所立ち上げ時)

→ ロゴが整備されるまでは 事務所名のテキスト表記のみ で構いません。「PERSC一級建築士事務所」のようにフォントを統一して大きめに表記すれば、ロゴなしでも体裁は保てます。ロゴが完成したらテンプレートに差し替えます。

Q: PDFで配布したとき、表題欄が小さくて読めないと言われた

→ PDF作成時の用紙サイズ設定を確認してください。A1原稿をA4に縮小印刷すると、表題欄の文字サイズが2.5mm → 1.25mm に縮み、判読限界を下回ります。対策は次の3つです。

  1. PDFを原寸(A1)で書き出し、相手側で必要に応じて拡大表示してもらう
  2. 表題欄部分のみを別途A4で書き出す(縮小なし)
  3. 表題欄の文字サイズを最初から大きめ(3.5mm以上)に設定しておく

Q: 海外案件で表題欄に何を書くか分からない

→ ISO 7200(タイトルブロック規格)が ISO の表題欄規定で、JIS A 0150 もISOへの整合化が進んでいます。大枠の項目(図面名・図番・縮尺・作成者・会社情報)は共通なので、英文表記(Drawing Title/Drawing No./Scale/Drawn By/Company)に置き換える方針で対応します。

Q: 古い図面の表題欄を引き継ぎたい

→ 既存図面の表題欄部分を 範囲選択 → 図形登録 で部品化しておき、新規案件のテンプレートに貼り付けるのが手早いです。図形登録の操作は 図形登録 ※準備中 で扱います。


関連項目


まとめ

  • 表題欄は図面の 管理情報を1箇所に集約する領域 で、図面の同定・縮尺提示・責任所在表示・改訂追跡の4役割を担う
  • 必須項目は 図面名・図番・縮尺・作成日・作成者・設計者・承認者・会社情報の8点 +改訂履歴
  • オプション項目は物件名・建築主・工事種別・建築士登録番号など。案件種別で選択する
  • 配置は 右下集約型(パターン①)が最も一般的 で、海外規格にも整合する
  • 会社ロゴは表題欄左上にBMP白黒2値で配置するのが安定
  • PERSC編集部のサンプルA(個人住宅)/B(RC共同住宅)/C(公共建築)の3パターンを社内テンプレ整備の出発点に
  • 表題欄の作図手順は Ch.12 図面枠の作り方(表題欄付き) ※準備中 で扱う