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配置図の描き方(敷地・道路・方位)
このページでできるようになること
Jw_cad で 配置図(敷地と建物の位置関係を示す図面) を、敷地境界線・道路境界線・隣地境界線の引き分けから、方位記号(北矢印)の配置、敷地寸法の記入、建物本体の配置(外壁中心線・基礎範囲)、外構(駐車場・アプローチ・植栽)、レベル記号(GL・道路レベル)の記入まで、一通り描けるようになります。住宅・小規模ビルの確認申請用と工事用、それぞれの記載粒度の違いも押さえられるようになります。
背景: 配置図は確認申請の必須図書のひとつで、敷地のかたちと建物の位置関係、周辺道路との関係、方位を示すための図面です。平面図・立面図・断面図と並ぶ「申請図書4点セット」の起点になり、建ぺい率・容積率・斜線制限の根拠資料にもなります。線・寸法・面積測定コマンドそのものの操作は他章に委譲し、ここでは「配置図ならではの表現ルールと作図順序」に焦点を当てます。
注意: 本記事は Jw_cadで配置図の作図を行う方法 の解説であり、敷地面積・建ぺい率・容積率・斜線制限・道路後退の適法性を保証するものではありません。
- 敷地面積・建築面積・延床面積の算定基準は、建築基準法・建築基準法施行令第2条・特定行政庁の取扱いで異なります
- 建ぺい率・容積率・道路斜線・隣地斜線・北側斜線・道路後退(セットバック)の規制値は、用途地域・特定行政庁の条例・都市計画で異なります
- 敷地境界線・道路境界線の正本性は 確定測量図・公図・道路台帳・地積測量図 で担保される前提であり、Jw_cadで描いた配置図上の境界はそれら正本資料を作図化したものです(境界確定は土地家屋調査士・測量士の専門業務)
- 配置図上の数値が法令適合と判断するのは、設計者・確認検査機関・特定行政庁の責任です
- Jw_cadで描いた配置図は 設計検討・確認申請の参考添付 の用途であり、確認申請添付の求積書・道路斜線適合図・容積率算定書には別途専門ソフト・求積図・斜線制限検討図と審査機関への事前協議が必要です
関連: 建築基準法第52条〜第56条の2(容積率・建ぺい率・斜線制限・日影規制) / 建築基準法施行令第2条(面積、高さ等の算定方法) / 測量法 / 特定行政庁・指定確認検査機関への確認
配置図の基本ルール
配置図とは
配置図は、敷地全体を真上から見おろした 敷地スケールの図面 です。建物の外形・敷地境界・道路境界・方位を1枚に集約し、「この敷地のどこに、どの向きで、どんな建物が建つか」を示します。確認申請のほか、工事看板の参考図、施主への説明資料、登記関連の付属図にもそのまま流用できます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 敷地境界線 | 敷地と他者の土地との境を示す線 |
| 道路境界線 | 敷地と道路との境を示す線。道路法・建築基準法の規制起点 |
| 隣地境界線 | 敷地と隣地(民間の土地)との境を示す線 |
| 方位記号 | 図面の北方向を示す矢印・記号。真北または磁北で記載 |
| GL | Ground Level。敷地の地盤面(基準ゼロ)の高さ |
| BM | Bench Mark。基準点。役所・道路上のレベル基準などを参照 |
| 建築面積 | 建物の水平投影面積。建ぺい率の計算根拠 |
| 建ぺい率 | 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100(%) |
| 容積率 | 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100(%) |
配置図の三大ルール
実務で守るべき基本は次の3点です。
- 方位を最初に決める(敷地形状を真北に対してどう配置するかで図面の見え方が決まる)
- 境界線の種別を線種で区別する(敷地境界・道路境界・隣地境界はそれぞれ違う線種で描く)
- 建物は外壁芯または外壁面の見え線で表現する(基礎範囲や軒の出は補助的に)
PERSCの推奨: 配置図は「Gp.8(配置図グループ)」に集約し、平面図(Gp.0)よりも縮尺が小さい 1/100 〜 1/200 で描くのが定番です。敷地が広い場合は1/300 もあり得ます。レイヤ構成の全体像は 建築図面のレイヤ分け実践 を参照してください。
配置図の縮尺の使い分け
| 縮尺 | 用途 | 想定敷地規模 |
|---|---|---|
| 1/100 | 一般戸建住宅(敷地 30〜50坪程度) | 10m × 15m 程度まで |
| 1/200 | 中規模住宅・小規模アパート・店舗併用住宅 | 30m × 30m 程度まで |
| 1/300 | 大規模住宅・公共施設・小工場 | 50m × 50m 程度まで |
| 1/500 〜 1/1000 | 大規模開発・複数建物の配置 | 100m 超 |
縮尺の標準的な使い分けは 縮尺ルール を参照してください。
描き始める前の準備
準備1: 必要な敷地情報をそろえる
配置図を描き始める前に、以下の情報がそろっていることを確認します。
| 情報 | 入手元 |
|---|---|
| 敷地形状(辺長・隅角度) | 測量図・公図・地積測量図 |
| 道路の幅員と位置 | 道路台帳・現地測量 |
| 隣地境界の確定状況 | 確定測量図・境界確認書 |
| 真北方向 | 方位測量・地図情報・公図 |
| 敷地のレベル(GL) | レベル測量・BM からの差 |
| 道路のレベル | 道路台帳・現地レベル測定 |
| 用途地域・建ぺい率・容積率 | 都市計画情報・役所窓口 |
要確認: 確定測量図がない物件では、敷地境界の位置が 未確定 な場合があります。配置図の図面注記欄に「未確定境界あり」と記載し、後の境界確定で図面を改訂する前提で進めます。
準備2: 用紙サイズと縮尺の設定
配置図の用紙・縮尺の標準的な組み合わせは次のとおりです。
| 用紙 | 縮尺 | 想定敷地 |
|---|---|---|
| A3 | 1/100 | 戸建住宅(10m×15m) |
| A3 | 1/200 | 中規模敷地(20m×30m) |
| A2 | 1/200 | 大規模住宅・複数棟 |
| A2 | 1/300 | 大規模開発(30m×50m) |
縮尺と用紙の設定方法は 用紙サイズと縮尺の設定 ※準備中 を参照してください。
準備3: 書き込みグループとレイヤを準備する
ステータスバーで書き込み先を Gp.8(配置図) に切り替え、以下のレイヤ構成を準備します。
| レイヤ | 用途 | 線色(推奨) | 線種 |
|---|---|---|---|
| 0 | 下書き・補助線 | 線色 1(水色) | 一点鎖線 |
| 1 | 敷地境界線(道路境界・隣地境界含む全周) | 線色 5(紫) | 実線太 |
| 2 | 道路 (道路中心線・道路反対側の境界) | 線色 2(黒) | 一点鎖線(中心) |
| 3 | 建物外形(外壁面または外壁芯) | 線色 2(黒) | 実線 |
| 4 | 基礎・軒の出(建物の張り出し範囲) | 線色 1(水色) | 破線 |
| 5 | 外構(駐車場・アプローチ・塀・門柱) | 線色 2(黒) | 実線 |
| 6 | 寸法(敷地寸法・建物位置寸法) | 線色 2(黒) | 実線 |
| 7 | 文字(敷地面積・建築面積・室名・地名地番) | 線色 2(黒) | 実線 |
| 8 | 記号(方位記号・GL記号・道路レベル記号) | 線色 2(黒) | 実線 |
| 9 | 植栽・ハッチング(地盤・植栽・舗装表現) | 線色 7(薄グレー) | 実線 |
画像準備中 — ステータスバーで Gp.8 / レイヤ 1 に切り替えた状態
PERSCの推奨: 敷地境界線は 線色 5(紫)の実線太 で描くと、印刷時にひと目で「敷地のかたち」が分かります。建物外形(線色 2 の実線)と境界線が同じ線色だと、敷地境界の存在感が弱くなりがちです。
準備4: 平面図の建物外形を入手しておく
配置図の建物部分は、平面図から 外壁外形だけ を抜き出して使います。平面図が固まっていないと配置図の建物位置が描けないため、少なくとも次の情報を確定させておきます。
- 建物の総幅・総奥行(外壁芯または外壁面)
- 玄関の位置(敷地内のどこから入るか)
- 軒の出の長さ(屋根の張り出し)
- 1階のおおまかな間取り(駐車場との関係を見るため)
平面図側の作業が未着手の場合は、先に 平面図作図の全体ワークフロー と 通り芯の描き方 を進めてください。
配置図の描き方サマリー(全10ステップ)
| # | 工程 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 用紙・縮尺・書き込みレイヤを設定 | 3分 |
| 2 | 敷地形状(敷地境界線)を辺長指定で描く | 10〜15分 |
| 3 | 道路境界線・隣地境界線を線種で区別して整える | 5分 |
| 4 | 道路を一点鎖線(中心線)と境界線で描く | 5分 |
| 5 | 真北方向を確定し、方位記号を配置 | 5分 |
| 6 | 平面図から建物外形を抜き出して敷地内に配置 | 10分 |
| 7 | 基礎範囲・軒の出(屋根投影)を補助線で描く | 5分 |
| 8 | 外構(駐車場・アプローチ・塀・植栽)を作図 | 10〜20分 |
| 9 | 敷地寸法・建物位置寸法・GL/道路レベルを記入 | 10分 |
| 10 | 敷地面積・建築面積・建ぺい率・容積率を文字で付与 | 5分 |
合計: 一般的な戸建住宅で 60〜90分 が目安です。テンプレ化と平面図からの外形流用を活用すれば、2件目以降は半分の時間で仕上げられます。
手順1: 敷地形状(敷地境界線)を描く
1-1: 敷地形状の入力方法は2通り
敷地のかたちを Jw_cad に取り込む方法は、敷地の形状と精度要求で使い分けます。
| 方法 | 向いているケース | 精度 |
|---|---|---|
| 辺長と内角を順に入力(線コマンドの寸法指定) | 4〜6辺の単純な形状、確定測量図あり | 高 |
| 座標値を入力(座標ファイル読込) | 確定測量図の座標表があるケース、不整形敷地 | 最高 |
| 公図・測量図をスキャンして上にトレース | 確定図がない、概略でよい段階 | 低〜中 |
座標ファイルでの読込は 座標ファイル を参照してください。
1-2: 線コマンドで辺長を順に入力する手順
矩形(4辺)または5〜6辺までの単純な敷地は、線コマンドの寸法指定で順に描くのが最速です。
- 書き込みレイヤを レイヤ 1(敷地境界) に切り替え
- 線属性を「線色 5(紫)・実線」(太線扱い)に設定
- 線コマンドのコントロールバーで「水平・垂直」をオンにする
- 始点を 左クリック(任意点)で配置
- 寸法欄に1辺目の長さ(例: 「12000」=12m)を入力して終点をクリック
- 続く辺は「角度」または「水平・垂直」を切り替えながら順に入力
画像準備中 — 線コマンドで敷地の1辺目を辺長指定で引いた状態
1-3: 角度のある辺は「軸角」または「角度入力」を使う
不整形敷地で 斜めの辺 がある場合は、線属性の「軸角設定」または線コマンドの「傾き」欄で角度を指定します。
| 入力方法 | 操作 |
|---|---|
| 軸角設定 | メニューバー「設定」→「軸角・目盛・オフセット」で軸角を一時変更 |
| 傾き欄 | 線コマンドのコントロールバー「傾き」に角度(度数)を入力 |
| 水平値・垂直値 | 線コマンドの寸法欄に「水平値,垂直値」(例: 「8000,3000」)で斜めの寸法を直接指定 |
要確認: Jw_cad の角度入力は「度・分・秒」表記と「度(小数)」表記の両方が使えますが、確定測量図は度・分・秒で書かれていることが多いため、Jw_cad の角度入力ダイアログで切り替えが必要です。実機で表記モードを確認してください。
1-4: 座標法で入力する場合の概要
確定測量図の 座標表(X・Y 座標が点番ごとに記載されたもの) がある場合は、座標ファイル読込が確実です。
- テキストエディタで座標表を「X1 Y1 改行 X2 Y2 改行...」の形式に書き出す
- Jw_cad のメニューバー「その他」→「座標ファイル」を起動
- ファイル名設定で先ほどのテキストファイルを指定
- ファイル読込で作図位置を指示
詳しくは 座標ファイル を参照してください。
PERSCの推奨: 不整形敷地(5辺以上、斜めの辺多数)では、辺長入力で誤差を蓄積するより、最初から座標法で読み込む方が短時間で済みます。確定測量図のデータを土地家屋調査士に依頼する段階で、座標表を CSV やテキストで貰っておくと作業が捗ります。
画像準備中 — 敷地形状を座標ファイルから読み込んだ状態
1-5: 敷地が閉じているか確認
最後の辺を描いたら、始点と終点が一致しているか を確認します。0.1mm でもズレがあると、後の面積計算で誤差が出ます。
- 「測定」コマンドで始点と終点の距離をチェック
- 不一致があれば「伸縮」で揃えるか、座標を再入力
詳しくは 面積測定 を参照してください。
手順2: 境界線の種別を線種で描き分ける
境界線3種の表現ルール
| 境界線種別 | 標準的な表現 | 補助記号 |
|---|---|---|
| 道路境界線 | 実線太(線色 5) + ▼マーク or 黒丸記号 | 道路側に「道路境界」の文字 |
| 隣地境界線 | 実線太(線色 5) + 「隣地境界」の文字 | 隣家がある場合は地番も記載 |
| 敷地境界線 | 上記を総称した呼び方。実線太でぐるりと一周 | — |
要確認: 敷地境界線・道路境界線の線種使い分け(実線太・一点鎖線・破線等)は事務所・地域・図面用途で慣例が異なります。確認申請の図面では「敷地境界線」と「道路境界線」を文字で明示する慣例が確実です。受注先がある場合はその標準を優先してください。
境界記号の配置
道路境界には 「▼」マークまたは黒丸(●) を配置するのが慣例です。境界の確定箇所に物理的に 境界石・境界鋲 が打たれている位置を示します。
画像準備中 — 道路境界に▼マークを配置した状態
境界線の文字表記
境界線の脇または上に、以下の文字を引出線で配置します。
道路境界線(幅員 4.0m)
─────────────────
▼ ▼ ▼
敷地- 道路境界線: 「道路境界線」「道路境界」「幅員 ○m」
- 隣地境界線: 「隣地境界線」「隣地境界」 + 隣家の 住所・氏名 または 地番
- 敷地境界線: 個別の境界が指定されない場合の総称として全周に「敷地境界線」
背景: 確認申請の配置図では「真北を上にする」「敷地境界線・道路境界線を文字で明記」「前面道路の幅員を記入」「接道長さ(敷地が道路に接する長さ)を記入」が必須項目です。これらが抜けていると役所での補正指示の対象になります。
手順3: 道路を描く
3-1: 道路の表現
道路は 道路境界線(敷地側) と 反対側の道路境界 で挟まれた帯状で表現し、中央に 道路中心線(一点鎖線) を引くのが慣例です。
書き込みレイヤを レイヤ 2(道路) に切り替え、線属性を以下のように切り替えます。
| 描く対象 | 線色 | 線種 |
|---|---|---|
| 道路反対側の境界 | 線色 5(紫) | 実線太 |
| 道路中心線 | 線色 1(水色) | 一点鎖線 |
| 道路名称・幅員の文字 | 線色 2(黒) | — |
画像準備中 — 道路の幅員を中心線・両側境界で表現した状態
3-2: 幅員の標準的な値
| 道路種別 | 幅員 | 備考 |
|---|---|---|
| 公道(4m道路) | 4.0m | 建築基準法42条1項道路の最小値 |
| 公道(6m道路) | 6.0m | 都市計画道路によく見られる |
| 位置指定道路 | 4.0〜6.0m | 開発時に指定された私道 |
| 2項道路(みなし道路) | 実幅員 < 4m | 中心後退義務あり |
3-3: 接道長さの記入
敷地が道路に接している 接道長さ を寸法線で明記します。建築基準法では 2m 以上の接道 が建築可能の必要条件です。
画像準備中 — 接道長さの寸法を記入した状態
注意: 2項道路(みなし道路)の場合、現況道路中心から 2m 後退した位置 が法的な敷地境界扱いになります(中心後退)。配置図では現況境界と後退境界の両方を描き、後退後の敷地形状で建築面積を計算する必要があります。詳しくは 面積測定 を参照してください。
手順4: 真北方向と方位記号を配置する
4-1: 真北の確定
配置図の 真北方向 は次のいずれかから確定します。
| 入手元 | 精度 |
|---|---|
| 確定測量図に記載された真北角度 | 最高 |
| 公図・地積測量図の方位 | 高 |
| Google マップ・地理院地図からの読み取り | 中 |
| 磁石による現地測定(磁北→真北補正必要) | 低 |
要確認: 真北と磁北は 6〜7度ズレ(東京付近で2026年現在 約7°西偏)があります。配置図には 真北 を記載するのが原則です。磁北で記載する場合は注記必須。
4-2: 方位記号の標準的なデザイン
方位記号は 円の中に北向きの矢印 が定番です。サイズは縮尺によって調整します。
| 縮尺 | 方位記号の外径目安(図寸) |
|---|---|
| 1/100 | 外径 15〜20mm |
| 1/200 | 外径 10〜15mm |
| 1/300 〜 | 外径 8〜12mm |
画像準備中 — 方位記号(北矢印)の標準的なデザイン例
4-3: 方位記号の作図手順
- 書き込みレイヤを レイヤ 8(記号) に切り替え
- 「○」(円)コマンドで外径相当の円を描く
- 「/」(線)コマンドで円の上端から中心に向かって矢印を描く
- 矢印の上端に「N」の文字(または「真北」)を配置
- 矢印を真北方向に向くよう 回転 で角度補正
画像準備中 — 方位記号の各構成要素を組み立てた状態
4-4: 方位記号は図形登録で再利用する
方位記号は 物件ごとに新規作図する必要はなく、一度作って図形登録しておけば次回から呼び出すだけです。
詳しくは 図形登録 ※準備中 を参照してください。
PERSCの推奨: 方位記号は事務所の標準デザインを 3〜5パターン(シンプル・装飾的・北矢印のみ・コンパス型・ロゴ風)作って図形登録しておき、図面用途や顧客の好みで使い分けるのが定番です。確認申請用は シンプル型、施主プレゼン用は 装飾型 が一般的です。
4-5: 真北角度の指定
敷地形状を真北に対して 正しい角度で 配置します。確定測量図に「真北方向 ○度○分○秒」と記載されている場合、敷地全体を回転または方位記号を回転 のどちらかで合わせます。
| 方針 | 操作 |
|---|---|
| 敷地を回転して真北を上に向ける(推奨) | 敷地全周を範囲選択→「回転」で真北角度分回転 |
| 方位記号を回転(敷地形状はそのまま) | 方位記号を範囲選択→「回転」で真北角度分回転 |
PERSCの推奨: 確認申請の配置図は 「真北を上にする」 のが慣例です。敷地形状を回転して真北を上にそろえると、立面図・平面図との方位関係も整理しやすくなります。
画像準備中 — 敷地を真北に合わせて配置した状態
4-6: 日影図コマンドとの連動
将来 日影図・天空率の計算 が必要になる場合は、日影図コマンドで真北を再指定する必要があります。配置図段階で 真北線 を一点鎖線で1本引いておくと、日影図コマンドの「真北」設定で右クリックするだけで角度が取得できて便利です。
詳しくは 日影図 ※準備中 を参照してください。
手順5: 建物を敷地内に配置する
5-1: 平面図から建物外形を抜き出す
平面図(Gp.0)から 外壁の外形線だけ を範囲選択でコピーし、配置図グループ(Gp.8)に貼り付けます。
- Gp.0 の平面図を表示
- 「範囲」コマンドで外壁外形を選択(窓・建具・室名は除外)
- 「コピー」コマンド
- Gp.8 の配置図グループに切替
- 「貼付」コマンドで配置位置を指定
画像準備中 — 平面図から建物外形を範囲選択した状態
背景: 配置図に描く建物は 外壁の見え線 が基本で、内部の間仕切りや家具・建具は描きません。屋根伏図的な情報(屋根の形状)を重ねる場合もありますが、基本は 平面シルエット です。
5-2: 建物位置の決定
敷地内のどこに建物を置くかは、設計上の判断です。配置図上では以下を意識して位置決めします。
| 検討項目 | 慣例値 |
|---|---|
| 道路境界線からの後退(道路後退) | 0.5〜1.5m(駐車場の長さに合わせる) |
| 隣地境界線からの後退(民法234条) | 0.5m 以上(隣家の窓位置や日照を考慮) |
| 北側斜線・道路斜線 | 用途地域の規定に従う |
注意: 民法234条で「境界線から 50cm 以上後退」が定められています。集合住宅・店舗併用住宅など特例もありますが、戸建ではほぼ守るべきルールです。法令確認は実務担当者の責任で行ってください。
5-3: 配置の固定とロック
建物位置が固まったら、平面図側の通り芯と整合をとってから 配置図上の建物外形をプロテクト します。これで以降の外構作図で建物を誤って動かす事故を防げます。
PERSCの推奨: 建物外形と敷地境界の 隅から隅までの距離寸法 をすべて記入してから、建物外形をプロテクトする運用が安全です。プロテクトは プロテクトレイヤ ※準備中 を参照してください。
画像準備中 — 建物を敷地内に配置した状態
手順6: 基礎範囲と軒の出(屋根投影)を描く
6-1: 基礎範囲の表現
建物の 基礎の張り出し範囲 は、外壁面から少し外側に張り出します(基礎フーチングの幅)。配置図では補助的に 破線 で表現することが多いです。
| 構造 | 基礎の張り出し量 |
|---|---|
| 木造在来軸組 | 100〜150mm(布基礎フーチング) |
| 木造ベタ基礎 | 100〜150mm |
| RC造 | 200〜400mm(独立基礎・直接基礎の場合) |
書き込みレイヤを レイヤ 4(基礎・軒の出) に切り替え、線属性を「線色 1(水色)・破線」にします。
画像準備中 — 基礎範囲を破線で表現した状態
6-2: 軒の出(屋根投影)の表現
屋根の張り出し(軒の出)は、外壁から外側に張り出した範囲を破線または点線 で表現します。配置図では「敷地内に屋根がどこまで張り出すか」を示すために重要です。
| 屋根形状 | 軒の出の標準 |
|---|---|
| 木造(在来) | 600〜900mm |
| 木造(軒短め) | 300〜450mm |
| RC造(陸屋根) | 0〜300mm(パラペットの幅) |
| 陸屋根 + 庇付 | 庇分(800〜1500mm) |
背景: 軒の出が 隣地境界線を越える と建築基準法違反になります。配置図上で軒の出ラインが境界線内に収まっていることを 視覚的にチェック するのが、配置図の重要な役割のひとつです。
画像準備中 — 軒の出を破線で示した状態
6-3: 庇・バルコニー・外部階段の張り出し
軒の出のほか、以下の張り出し物も配置図に描きます。
- 庇(玄関・各居室上部): 出寸法 800〜1500mm
- バルコニー: 出寸法 1000〜1500mm
- 外部階段: 階段の踏面幅・段数を平面投影
- エアコン室外機・給湯器: 設置位置と機器サイズ
これらは すべて隣地境界・道路境界からの後退距離をチェック する根拠になります。
手順7: 外構(駐車場・アプローチ・植栽)を描く
7-1: 駐車場の作図
駐車場は 車1台分 ごとに矩形で表現し、内部に「P-1」「駐車場 1」などの記号を配置します。
| 駐車種別 | 標準寸法(幅×奥行) |
|---|---|
| 普通車1台 | 2500×5000mm |
| 軽自動車1台 | 2000×3500mm |
| 来客用 | 2500×5000mm |
| バイク・自転車 | 1000×2000mm |
| 車椅子使用者用 | 3500×5000mm |
書き込みレイヤを レイヤ 5(外構) に切り替えます。
画像準備中 — 駐車場を矩形と記号で表現した状態
7-2: アプローチ・玄関ポーチの作図
玄関までのアプローチ(通路)は、実線で輪郭 + 舗装表現のハッチング で示します。
| アプローチ表現 | 仕上げ材 |
|---|---|
| コンクリート土間 | 線色 7 のハッチング(細密) |
| 化粧コンクリート | クロスハッチング |
| タイル張り | 縦横の格子(タイルサイズに合わせて) |
| 砂利・砕石 | 点描(ドット) |
| 芝生・グラウンドカバー | 短い線の集合 |
画像準備中 — アプローチを舗装表現とともに描いた状態
7-3: 塀・門柱・フェンスの作図
敷地周囲の塀・門柱・フェンスは、実線(短い) または ジグザグ で表現します。
| 構造 | 表現 |
|---|---|
| ブロック塀(高さ1.2m) | 二重線(厚み 100〜150mm) |
| メッシュフェンス | 短い実線の連続 |
| 木製目隠しフェンス | 厚み付きの実線 |
| 生垣 | 雲形の連続 |
注意: 道路境界に塀を立てる場合、道路後退義務(建築基準法上、塀も「建築物」として扱われる場合あり)があります。境界からの後退距離は地域条例で異なるため、施工前に役所確認が必要です。
画像準備中 — 塀・門柱・フェンスを表現した状態
7-4: 植栽の表現
植栽は シンボル化された樹木表現 で簡略に描きます。
| 樹種 | 表現 |
|---|---|
| 高木(広葉樹) | 雲形(外径 1500〜3000mm) |
| 高木(針葉樹) | 三角形・星形(外径 1000〜2000mm) |
| 中木 | 小さな雲形(外径 500〜1500mm) |
| 低木・植え込み | 小さな円・楕円の集合 |
| 芝生 | 短い線・点描 |
PERSCの推奨: 植栽は事務所の標準として 5〜10パターン を図形登録しておき、配置図ごとに呼び出して使うのが効率的です。詳しくは 外構素材集 ※準備中 を参照してください。
手順8: 寸法とレベルを記入する
8-1: 敷地寸法の記入
書き込みレイヤを レイヤ 6(寸法) に切り替えます。
敷地寸法は次の項目を記入します。
| 寸法 | 記入位置 |
|---|---|
| 各辺の辺長 | 各辺の外側 |
| 対辺の対角距離 | 不整形敷地の場合 |
| 接道長さ | 道路に接する辺の脇 |
| 建物位置寸法(敷地隅から建物までの距離) | 4方向すべて記入 |
30000(北側辺長)
┌─────────────────────────┐
│ ←─── 4500 ───→建物 │
15000 │ │ 18000
│ │
│ 建物 ←── 5000 ──→ │
└─────────────────────────┘
25000(南側辺長)画像準備中 — 敷地寸法と建物位置寸法を記入した状態
詳しくは 寸法(直線寸法)の基本 を参照してください。
8-2: GL(地盤面)と道路レベルの記入
配置図には 敷地のレベル基準 を文字で記入します。
| レベル記号 | 意味 |
|---|---|
| GL ±0 | 設計GL(敷地のゼロ基準) |
| ▽GL ±0 | GL記号(三角形) |
| ▽道路 -300 | 道路面が GL より 300mm 低い |
| ▽BM +1500 | 役所のベンチマークから 1500mm 高い |
画像準備中 — GL記号と道路レベル記号を配置した状態
背景: GL(敷地のゼロ)と 道路レベルの差 を明記することで、敷地内に 段差・盛り土・切り土 が必要かどうかが分かります。確認申請では原則として GL は道路レベルとほぼ同じ高さに設定し、明らかな段差がある場合は注記必須です。
8-3: 段差・スロープの表記
道路から建物玄関までに段差がある場合は、配置図に 段差・スロープ・階段 を記号で示します。
- 段差: 「+150」「-300」のような数値で高さを明記
- スロープ: 矢印 + 「勾配 1/12」など
- 階段: 段数 + 上り方向矢印
画像準備中 — 段差・スロープ・階段を表記した状態
手順9: 求積表・建ぺい率・容積率を記載する
9-1: 敷地面積の計算
敷地面積は次の方法で求めます。
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 面積測定コマンド | Jw_cad で描いた敷地形状から自動計算 |
| 三斜法 | 不整形敷地を三角形に分割して計算 |
| 座標法 | 確定測量図の座標値から算出 |
詳しくは 面積測定 を参照してください。三斜法・座標法の求積図は次の記事に委譲します。
9-2: 建築面積・延べ床面積の計算
| 用語 | 計算根拠 |
|---|---|
| 建築面積 | 建物の 水平投影面積(軒の出 1m を超える部分は加算) |
| 延べ床面積 | 各階の 床面積の合計 |
| 建ぺい率 | 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100 (%) |
| 容積率 | 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100 (%) |
注意: 軒の出が 1m を超える部分 は建築面積に算入されます(建築基準法施行令2条1項2号)。配置図上で軒の出が 1m を超えていないか視覚的にチェックする習慣を持ちましょう。
9-3: 求積表の作成
書き込みレイヤを レイヤ 7(文字) に切り替えて、敷地面積・建築面積・建ぺい率・容積率を表形式で記載します。
┌────────────────────────┬──────────────┐
│ 敷地面積 │ 200.00 m² │
│ 建築面積 │ 80.00 m² │
│ 建ぺい率(許容60%) │ 40.0% │
│ 延べ床面積 │ 150.00 m² │
│ 容積率(許容200%) │ 75.0% │
│ 用途地域 │ 第一種低層住居専用地域 │
│ 防火地域 │ 準防火地域 │
└────────────────────────┴──────────────┘画像準備中 — 求積表を配置した状態
文字記入の操作は 文字記入の基本 を参照してください。
手順10: 図面名・縮尺・地名地番を付与する
10-1: 図面名と縮尺
配置図の下に 「配置図 S=1/100」 のような図面名と縮尺を記入します。
10-2: 地名地番
配置図の余白に、敷地の 地名地番(「○○市○○町○丁目○番○」)を記載します。確認申請では必須項目です。
10-3: 用途地域・建築主の情報
確認申請用には、図面隅または欄外に以下を記載します。
- 用途地域・防火地域
- 建築主氏名・住所
- 設計者氏名・建築士登録番号
- 縮尺・図面番号・改訂日
画像準備中 — 図面名・地名地番・建築主情報を記載した状態
派生パターン
パターンA: 戸建住宅の配置図(最も典型)
戸建住宅では 敷地 30〜50坪、敷地形状 矩形〜台形、建物 30〜40坪、駐車場 1〜2台 が標準的です。
| 主要要素 | 配置の慣例 |
|---|---|
| 道路 | 4m 幅員の北側 or 東側公道 |
| 玄関 | 道路側に向けて配置 |
| 駐車場 | 道路に直接面した位置 |
| 建物本体 | 道路から 1〜3m 後退 |
| 庭・植栽 | 南面または西面 |
PERSCの推奨: 戸建住宅の配置図は A3 1/100 が最もバランスが良い組み合わせです。敷地全体・建物・外構・寸法・求積表が1枚に収まります。
パターンB: 小規模ビル・店舗併用住宅の配置図
3階建て以下の小規模建物では、敷地いっぱいに建てる ことが多くなります。
| 要素 | 特徴 |
|---|---|
| 敷地 | 50〜100坪の市街地敷地 |
| 建物 | 敷地境界から 50cm の最小後退 |
| 駐車場 | 1階ピロティ式(建物内) |
| 設備 | 道路側にメーターボックス・PSなど |
画像準備中 — 店舗併用住宅の配置図例
パターンC: 不整形敷地(旗竿地・台形)の配置図
旗竿地(道路から細い通路で奥に拡がる敷地)や台形敷地では、境界の角度・接道幅員 が建築計画上の制約になります。
| 要素 | 注意点 |
|---|---|
| 接道長さ | 2m 以上の確保が建築可能の必要条件 |
| 旗竿の通路幅 | 通常 2〜3m。駐車場兼用なら 2.5m 以上必要 |
| 境界の角度 | 確定測量図の度・分・秒を正確に入力 |
注意: 旗竿地の通路部分は 車路として使う場合の幅員規定(消防法・条例)を確認する必要があります。
パターンD: 確認申請用と工事用の差異
配置図は 目的によって記載粒度が異なります。
| 用途 | 必要な記載 | 省略できる項目 |
|---|---|---|
| 確認申請用 | 敷地境界・道路境界・建物外形・軒の出・方位・寸法・求積表・地名地番・用途地域・接道長さ・建ぺい率・容積率 | 詳細外構・植栽の樹種 |
| 工事用 | 上記すべて + 外構詳細・舗装仕上げ・排水経路・桝位置・仮設計画 | 用途地域・建築主情報の重複 |
| 施主プレゼン | 着色版・植栽詳細・家具配置のシルエット | 寸法・面積計算 |
| 登記関連付属図 | 敷地形状・境界座標・面積のみ | 建物・外構詳細 |
Tips: 1ファイル内で レイヤ非表示 を切り替えれば、確認申請版・工事版・プレゼン版を共存できます。確認申請用にはレイヤ 9(植栽詳細)を非表示、施主プレゼン用にはレイヤ 6(寸法)を非表示、といった運用が便利です。
実務での使い方 ★PERSC独自
配置図はテンプレ化して使い回す
事務所の標準として、矩形敷地・台形敷地・旗竿地の3パターン をテンプレJWWファイルとして用意しておくと、新規物件の初期作業時間が大きく短縮されます。
配置図テンプレJWWファイルの作り方
- 標準的な敷地形状(10m×15m、20m×15m、旗竿型)を仮想設定
- 敷地境界線・道路境界線・隣地境界線をレイヤ別に作図
- 方位記号(真北上向き・装飾型・シンプル型の3種類)を図形登録
- 求積表のひな型を文字で配置
- レイヤ構成を整える(レイヤ 1 = 敷地境界、レイヤ 5 = 外構、…)
- 「テンプレ_配置_矩形敷地_1-100.jww」として保存
- 新規物件では、このファイルを「名前を付けて保存」で複製してから編集
詳しいテンプレ運用は レイヤテンプレート ※準備中 を参照してください。
平面図の通り芯と配置図を整合させる
配置図と平面図は 同じ建物の異なる縮尺の表現 です。配置図 1/200 で描いた建物の幅・奥行きが、平面図 1/100 と1mmたりとも違うと、確認申請で補正対象になります。
整合の取り方
- 平面図(Gp.0)の通り芯を配置図(Gp.8)に コピー で持ち込む
- 配置図のグループ縮尺を 1/200 にしておけば、コピー時に自動で縮尺変換される
- 通り芯の交点に建物外形が乗っていることを確認
- 建物位置を動かすときは 通り芯ごと 動かして整合を保つ
PERSCの推奨: 配置図には通り芯を 薄表示で残す (非表示にするのではなく、「表示のみ」状態で参照 する)と、後で平面図側を修正したとき配置図の整合チェックが視覚で素早く行えます。
確認申請の補正指示でよく出る項目
確認申請の配置図で 役所から補正指示が出やすい項目 をまとめました。事前にチェックすれば、申請後の往復ロスを減らせます。
| 補正指示項目 | 対処 |
|---|---|
| 接道長さの記入漏れ | 道路に接する辺長を寸法で明記 |
| 真北方向の不明確さ | 方位記号 + 「真北 ○度」の角度値を明記 |
| 建ぺい率・容積率の計算ミス | 軒の出 1m 超の建築面積算入を再確認 |
| 道路後退(2項道路)の表現漏れ | 中心後退ラインを破線で明記 |
| 軒の出が境界線を越えている | 軒の出を短くするか、建物を後退 |
| 隣地境界からの後退(民法234条) | 50cm 以上の後退を確認 |
| 用途地域・防火地域の記載漏れ | 求積表内に明記 |
Tips: 確認申請の補正指示は 役所の建築主事の判断 によることもあるため、地域差があります。事前に役所相談(事前協議)で確認するのが安全です。
道路斜線・北側斜線の制限ライン
配置図に 斜線制限ライン を重ねて表現する場合は、別レイヤ(例: レイヤ A 法規)に 線色 8(赤)・破線 で描き、建物の高さが制限内に収まっていることを視覚的にチェックします。
| 制限種別 | 起点 | 勾配 |
|---|---|---|
| 道路斜線(住居系) | 反対側道路境界 | 1.25/1(道路後退距離 + 道路幅員 から) |
| 道路斜線(商業系) | 反対側道路境界 | 1.5/1 |
| 北側斜線(住居系) | 真北方向の隣地境界 | 1.25/1(5m 立ち上がり後) |
| 隣地斜線 | 隣地境界 | 1.25/1(20m 立ち上がり後) |
要確認: 斜線制限の数値は用途地域・物件条件で異なります。法規確認は実務担当者の責任で行い、この記事の数値はあくまで参考値です。
立面図側の斜線表現は 立面図の描き方 を参照してください。
配置図 → 求積図への展開
配置図で敷地形状が確定したら、次のステップは 求積図 の作成です。求積図は敷地面積を 三斜法または座標法 で計算根拠とともに示す図面で、確認申請時に配置図と並べて提出します。
PERSCの推奨: 確認申請では 座標法での求積図 が最も精度が高く役所からの信頼度も高い方式です。確定測量図がある物件では座標法を選びましょう。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 敷地形状を入力したら最後の辺が閉じない
→ 辺長の入力で 角度の度・分・秒 が正確に取れていない可能性が高いです。確定測量図の角度値(例: 89°59′35″)を Jw_cad に入力する際、度(小数)表記 に変換するとわずかな誤差が出ます。対処は次の3つ。
- 確定測量図に座標表があれば 座標ファイル読込 で入力する
- 最後の辺だけ「線コマンド」で「始点 → 終点」を指定して 強制閉鎖 する(誤差が大きい場合は座標値の確認必須)
- 「伸縮」コマンドで端点を一致させる(誤差が 1mm 以下なら許容)
詳しくは 座標ファイル を参照してください。
Q: 真北方向と図面の上方向が一致しない
→ 確定測量図の真北方向(例: 真北 12°西偏)に従って 敷地全体を回転 する必要があります。範囲選択で敷地全周を選び「回転」コマンドで角度を指定して回転させてください。または、敷地はそのまま残して 方位記号だけ回転 する方法もあります。
PERSCの推奨: 「真北を上にする」のが確認申請の慣例ですが、敷地形状が極端に細長く真北方向に揃えると図面が縦長になりすぎる場合は、「真北を斜めに表現」 + 方位記号で対応します。役所により判断が異なるため、事前協議で確認しましょう。
Q: 方位記号の図形登録ファイルがどこにあるか分からない
→ Jw_cad に標準同梱されている図形ファイルは C:\JWW\Jww\図形\ 配下にあります。方位記号は通常 Jw_opt0.jws などのファイルに含まれていますが、実機で確認が必要です。
要確認: 標準同梱の方位記号ファイル名・場所は実機で確認してください。
代替策として、自前で方位記号を作って登録する方が早いケースも多いです。詳しくは 図形登録 ※準備中 を参照してください。
Q: 道路境界の▼マークがズレて配置されてしまう
→ 道路境界マークは 読取点(右クリック) で境界線端点にスナップして配置します。任意点(左クリック)で配置するとわずかにズレます。マークを 図形登録 しておくと、基準点を指定して呼び出せるためズレが起きません。
Q: 建ぺい率・容積率の計算結果が役所と合わない
→ 主な原因は次の3つ。
- 軒の出 1m 超部分 を建築面積に算入していない(建築基準法施行令2条1項2号)
- バルコニー・庇の張り出し が 1m を超えている
- 2項道路の中心後退を反映していない
これらを再確認し、建築面積を再計算してください。求積方法の詳細は 面積測定 を参照してください。
Q: 隣地境界からの後退距離が分からない
→ 隣地境界からの後退は 民法234条で 50cm 以上 が原則です(特例: 商業地域・準商業地域では条例で別規定あり)。配置図上で建物外形と隣地境界線の最短距離を 「測定」コマンド で実測し、50cm 未満の箇所がないかチェックします。
Q: 配置図が複数の用紙にまたがってしまう
→ 縮尺を 1/100 → 1/200 → 1/300 と落とすか、用紙サイズを A3 → A2 → A1 と上げます。敷地が極端に大きい場合は、全体配置図 1/500 + 拡大配置図 1/100 の2枚構成にする方法もあります。
Q: 平面図の建物外形を配置図に貼り付けたら大きさが違う
→ 配置図グループ(Gp.8)の縮尺と平面図グループ(Gp.0)の縮尺が異なる場合、コピー&ペーストの倍率 に注意が必要です。Gp.0 が 1/100、Gp.8 が 1/200 なら、貼り付けた図形は 半分の大きさで作図される のが正しい挙動です。
背景: Jw_cad はグループごとの縮尺で図面寸法(実寸)を保つため、異縮尺グループ間で同じ建物を貼り付けると見かけのサイズが変わります。これはバグではなく仕様です。
詳しくは レイヤグループ縮尺 ※準備中 を参照してください。
Q: 外構の植栽記号が同じパターンばかりになる
→ 植栽は 5〜10種類のパターン を図形登録しておき、敷地ごとに使い分けます。シンボルツリー(玄関脇の象徴木)、生垣(境界沿い)、低木(アプローチ脇)、芝生(庭中央)など、配置位置に応じて使い分けると配置図が単調になりません。
詳しくは 外構素材集 ※準備中 を参照してください。
Q: 確認申請用と工事用で1ファイル運用したいが、レイヤが足りない
→ レイヤは 16×16=256枚 あるため、通常は十分足ります。それでも足りない場合は 改訂版を別ファイル分岐 するのが現実的です。「○○_確認申請版.jww」「○○_工事用版.jww」のように分けて管理します。
関連項目
- 線コマンドの基本 — 敷地境界線・道路境界の作図
- 寸法(直線寸法)の基本 — 敷地寸法・建物位置寸法の入力
- 文字記入の基本 — 図面名・地名地番・求積表の文字入力
- 面積測定 — 敷地面積・建築面積の自動計算
- 座標ファイル — 確定測量図の座標値からの敷地形状読込
- 線種使い分けルール — 実線太・一点鎖線・破線の使い分け
- 縮尺ルール — 1/100・1/200・1/300 の使い分け
- 建築図面のレイヤ分け実践 — 配置図のレイヤ構成テンプレ
- 立面図の描き方 — 北側斜線・道路斜線の立面表現
- 平面図作図の全体ワークフロー — 平面図と配置図の整合
- 通り芯の描き方 — 平面図側の通り芯を配置図に流用
- 断面図の描き方 ※準備中 — GLとの段差表現の根拠
- 求積図(三斜法) ※準備中 — 三斜法での敷地面積算定
- 求積図(座標法) ※準備中 — 座標法での敷地面積算定
- 図面枠(簡易版) ※準備中 — 配置図の図面枠
- 図面枠(タイトル付き) ※準備中 — 確認申請用の図面枠
- 外構素材集 ※準備中 — 駐車場・植栽・舗装の図形ライブラリ
- 図形登録 ※準備中 — 方位記号・植栽の登録
- 日影図 ※準備中 — 真北線を活用した日影計算
- レイヤグループ縮尺 ※準備中 — 平面図と配置図の異縮尺運用
- プロテクトレイヤ ※準備中 — 建物外形の誤操作防止
- レイヤテンプレート ※準備中 — 配置図テンプレJWWの整備
- 用紙サイズと縮尺の設定 ※準備中 — A3/A2/A1 の選定
まとめ
- 配置図は 敷地・道路・建物・方位 を1枚に集約する確認申請の必須図書
- 縮尺は戸建住宅で 1/100 〜 1/200 が標準。敷地サイズに合わせて選択
- 敷地境界線は 線色 5(紫)・実線太 で描き、道路境界・隣地境界を文字で明記
- 敷地形状は 辺長指定(4〜6辺の単純形状)または 座標法(不整形・確定測量図あり)で入力
- 真北方向は確定測量図の角度値で確定し、真北を上向きに敷地全体を回転 するのが慣例
- 方位記号は 3〜5パターンを図形登録 しておき、用途で使い分ける
- 建物は平面図から外形を コピー して配置。軒の出は 破線 で範囲を明示
- 求積表(敷地面積・建築面積・建ぺい率・容積率)は文字で配置し、用途地域・防火地域も併記
- 確認申請用と工事用は レイヤ非表示 で1ファイル共存可能
- テンプレJWW化(矩形敷地・台形敷地・旗竿地の3パターン)で新規物件の初期作業時間を大幅短縮