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未検証

JWW形式とJWC形式の違い

このページでできるようになること

Jw_cadで扱う2大ネイティブ形式である JWW形式(拡張子 .jwwJWC形式(拡張子 .jwc の違いを、歴史的経緯・保持できる情報量・現在の業務での遭遇シーンの3軸で理解できるようになります。あわせて、JWCファイルを受け取った時の安全な開き方、JWWからJWCへ変換した時に失われる情報、変換時の事故を防ぐ実務上のチェックポイントまで把握できます。

背景: Jw_cadには「Windows版(jw_win.exe)」と、その前身となる「DOS版(JW_CAD)」があります。Windows版のネイティブ形式が JWW、DOS版のネイティブ形式が JWC です。両者は同じJw_cadファミリーですが、保持できる図形情報の幅が大きく異なります。現在新たに作図するファイルは原則としてJWWで保存しますが、古い物件資産・先輩設計事務所からの受領データなどでJWCに遭遇する場面が今でも残っています。


JWW形式とJWC形式の概要比較

まず両形式の基本情報を1枚の表で押さえます。

項目JWW形式JWC形式
拡張子.jww.jwc
ネイティブ対象Windows版 Jw_cad(jw_win.exe)DOS版 JW_CAD
主な現役世代現行(推奨)旧資産・互換用途のみ
文字コードWindows系(Shift_JIS)DOS系(Shift_JIS)
Windows版での読み書き標準(メニュー「開く」「上書き保存」「名前を付けて保存」)専用コマンド「JWCファイルを開く」「JWC形式で保存」
保持できる図形要素線・円弧・楕円・文字・寸法図形・ソリッド(任意色含む)・画像・ブロック・曲線属性 など現行の全要素線・円弧・文字・基本ハッチ等の古典要素(ソリッド/任意色/画像/ブロック/寸法図形/曲線属性は非対応)
レイヤ構成16レイヤグループ × 16レイヤ16レイヤグループ × 16レイヤ(同等)

要確認: JWC形式の図形要素サポート範囲(ソリッドの色数制限・画像不可・ブロック不可・寸法図形不可・曲線属性不可)はJw_cadの内部仕様に基づく代表的な記述です。公式最新版(Version 10.02.1)の実機で「JWWで作図 → JWCで保存 → JWWで開き直し」を行い、消失・劣化要素を実際に観察して本文に反映します。

PERSCの推奨: 新規に作図するすべての図面は JWW形式 で保存することを推奨します。JWC形式は「DOS版資産の取り回し」や「相手先がDOS版しか持っていない」という限定的な場面のみで使う、と整理しておくと事故が減ります。


それぞれの形式の歴史的経緯

JWC形式(DOS版)

JW_CAD のDOS版は、Windowsが普及する前の MS-DOS時代 に生まれた汎用CADの先駆けです。建築設計の現場で広く使われ、その時代の図面資産は今も書庫に紙図と一緒に .jwc ファイルとして保管されていることがあります。

DOS版時代の制約から、JWCは以下のような特徴を持ちます。

  • 任意色のソリッド(塗りつぶし)はサポートされない
  • 画像(ラスタ)の貼り付けはできない
  • 寸法図形(寸法線+寸法値の連結)の概念がない
  • ブロック(部品グループ化)の概念がない
  • スプライン・ベジェ等の曲線属性は持てない

JWW形式(Windows版)

その後、Windows環境向けに作り直されたのが Windows版 Jw_cad(jw_win.exe) です。ネイティブ形式は JWW に拡張され、ソリッド・画像・寸法図形・ブロック・曲線属性など、現代のCADに必要な要素を扱えるようになりました。

背景: 拡張子が「JWC」→「JWW」と1文字変わっているのは、DOS版(C)とWindows版(W)の頭文字を取ったというよりは「DOS版とWindows版で扱える情報が異なるので、別ファイル形式として識別する」ための設計判断と理解しておくと迷いません。同じ Jw_cad ファミリーですが、両者は別形式 です。


保持できる情報の差(JWW → JWC で失われるもの)

JWWで作成した図面をJWC形式に保存し直すと、JWCがサポートしない要素は 失われる・劣化する・別の表現に置き換わる ことがあります。代表的な要素を整理します。

要素JWWでの扱いJWCに保存した時の挙動
任意色のソリッド(塗りつぶし)自由色で保持失われる、または基本色に丸められる
画像(ラスタ・JPEG/BMP等)図面に貼付・配置可能保持できず欠落
寸法図形(線+値の連結)連動性を保ったまま保存連動が解除され、線分・文字へバラバラに分解
ブロック(部品グループ化)入れ子構造を保持グループ解除され、構成要素が個別図形に展開
スプライン・ベジェ等の曲線属性制御点情報を保持多数の短い線分(折れ線)に分解・近似
拡張線色・任意色256色超の任意指定が可能8色の基本線色に近い色へ丸められる
文字種・フォント情報Windowsフォント(メイリオ等)を選択可DOS時代のフォント前提に丸められる場合あり

注意: JWCに保存し直す時、Jw_cadは「失われる情報」を逐一警告してくれるとは限りません。「JWWで作図 → JWCで保存 → JWWで開き直し」という往復を行うと、見た目は似ていても内部データが別物になっていることがあります。元のJWWファイルを残さずにJWCで上書きしてしまうと、後から復元できません。

要確認: 上記表のうち「丸められる」「分解される」の挙動は、公式最新版(Version 10.02.1)での実機検証で確定する必要があります。検証手順は _notes.md の検証ワークフロー参照。


現在の業務でJWCに遭遇するシーン

新規物件ではほぼ使わないJWC形式ですが、設計実務では今でも以下のような場面で遭遇します。「JWCを送ります」と言われて慌てないよう、典型シーンを把握しておきましょう。

シーン1: 古い物件改修・リニューアル設計

20年〜30年前に建てられた既存建物の改修設計を行う際、当時の図面が DOS版 JW_CADで作図された .jwc として残っていることがあります。施主側または前任の設計事務所が当時のデータを電子で残している場合、改修設計の元データとしてJWCを受け取るパターンです。

シーン2: 先輩設計事務所からの図面資産引継ぎ

長年Jw_cadを使ってきた事務所では、Windows版に切り替わる前のDOS時代の図面資産(標準図・部品集・タイトルブロック等)がJWCで蓄積されています。事務所継承・部品集流用の場面でJWCを受領することがあります。

シーン3: 役所・公共機関への古い形式での提出依頼

ごく稀ですが、公共発注の長期保存案件などで「DOS版でも開ける形式で」という指定が混じることがあります。最近は電子納品基準で SXF(SFC/P21) が標準なので大幅に減りましたが、過去案件の資料更新で出くわすことがあります。

シーン4: ベテラン設計者の個人運用

DOS版時代から個人でJW_CADを使ってきた設計者が、慣れ親しんだJWC形式で部品集を管理しているケースもあります。図形登録(部品)として .jwc を渡されることがあります。


JWCファイルを安全に開く

WindowsのJw_cadでJWCファイルを開く方法は2通りあります。

方法A: 「JWCファイルを開く」専用コマンド(推奨)

メニューバー「ファイル」→「JWCファイルを開く」を選びます。ダイアログには 拡張子 .jwc のファイルのみ が表示されるため、目的のファイルを素早く見つけられます。

  1. メニューバー「ファイル」→「JWCファイルを開く
  2. ファイル選択ダイアログでJWCファイルを選び、「開く」または Enter
  3. 作図ウィンドウにJWC図面が読み込まれる

要確認: 「JWCファイルを開く」のメニュー項目名・ダイアログ内拡張子フィルタ表記は実機で照合します。

方法B: 通常の「ファイルを開く」コマンド

通常の「ファイルを開く」コマンド(Ctrl + O)でも、ダイアログのファイル種類で .jwc を選ぶか「すべてのファイル」表示にすることで開けます。複数形式が混在するフォルダから目的のJWCを探したい時は、こちらが便利な場合もあります。

詳細は ファイルを開く(基本) を参照してください。

開いた直後にやっておきたいこと

JWCを開いたら、まず JWWで別名保存 することを強く推奨します。

  1. JWCを開く
  2. メニューバー「ファイル」→「名前を付けて保存
  3. 保存形式を .jww に設定して別名で保存
  4. 以降の編集は新しいJWWファイルに対して行う

詳細は 名前を付けて保存(フォルダ作成含む) を参照してください。

PERSCの推奨: 元のJWCファイルは「受領原本」として別フォルダ(例: _received/01_受領データ/)に保管し、編集はすべて新しく作ったJWWファイル側で行います。これで「先方からもらった原本がいつのまにか上書きされていた」事故を防げます。


JWC形式で保存する(必要な場合のみ)

新規作図でJWC形式を選ぶ理由はほぼありませんが、相手先がDOS版しか持っていない・古い形式での提出を求められた等の場合に使います。

手順

  1. メニューバー「ファイル」→「JWC形式で保存
  2. ファイル選択ダイアログの「新規」ボタンをクリック
  3. 「新規作成」ダイアログで保存形式が jwc になっていることを確認
  4. 名前・メモを入力し「OK」をクリック

要確認: 「JWC形式で保存」のメニュー項目名、保存ダイアログの初期保存形式表示、警告ダイアログ有無は実機で確定します。

注意: JWC形式で保存すると、前述の「失われる情報」(ソリッド/画像/寸法図形/ブロック/曲線属性等)は復元できません。必ず先にJWWで保存し、その上でJWCに別名保存 してください。JWCで上書きしてしまうとJWW側に戻すことはできなくなります。


拡張子だけで判断しないチェックポイント

「拡張子が .jwc だからJWCだろう」と早合点せず、以下の観点も併せて確認すると事故が減ります。

拡張子は手動で書き換えられる

エクスプローラーで拡張子表示を有効にしていれば誰でも .jww.jwc を書き換えられますが、拡張子を変えてもファイルの中身は変換されませんhoge.jww の拡張子だけ .jwc に変えたファイルは、JWCとして開こうとするとエラーになります。

ファイル一括変換でJWWに揃えると管理が楽

複数のJWCファイルをまとめて受領した場合、メニューバー「ファイル」→「ファイル操作」の ファイル一括変換 を使うと、フォルダ内のJWCを一括でJWWに変換できます。詳細は ファイル一括変換 ※準備中 を参照してください。

補助変換ツールの存在

Jw_cad本体以外にも、JWC ↔ JWW を相互変換する有志製のツールが配布されています。本体機能で対応できない一括処理や、特殊な互換要件がある場合に使うことがあります。詳細は JWC2JWW等の変換ツール ※準備中 を参照してください。


レイヤ・図形登録ファイルの拡張子

Jw_cadには、図面ファイル本体(.jww / .jwc)以外にも以下の関連拡張子があります。混同しないよう整理しておきます。

拡張子内容
.jwwWindows版のネイティブ図面ファイル
.jwcDOS版のネイティブ図面ファイル
.jws図形ファイル(部品)/Windows版用
.jwk図形ファイル(部品)/DOS版用
.jwf環境設定ファイル
.jw$自動保存ファイル

背景: 図形(部品)にも .jws.jwk の2系統があるのは、図面ファイル本体が .jww.jwc に分かれているのと同じ理由です。DOS時代の部品集を引き継ぐと .jwk で配布されているものに出会います。

JWK図形の取り扱いは別記事で扱います。詳細は JWK図形ファイルの読み込みと変換 ※準備中 を参照してください。


実務での使い方 ★PERSC独自

先輩設計事務所からのJWC受領時のチェックフロー

実務では、先輩事務所や元勤務先から 古い物件のJWCデータ を受領する場面があります。PERSCで運用している受領フローは以下のとおりです。

  1. 受領原本を別フォルダに退避(例: 01_受領データ/_original/ 配下)
  2. Jw_cadで「JWCファイルを開く」で読み込み
  3. すぐに「名前を付けて保存」でJWWへ別名保存(保存先は作業フォルダ)
  4. JWWで開き直し、消失・劣化要素の有無を目視確認
    • 塗りつぶし(ソリッド)が消えていないか
    • 寸法線と寸法値がバラバラになっていないか
    • 部品(ブロック)が分解されていないか
    • 曲線が折れ線に分解されていないか
  5. 失われた要素は新しいJWW側で 再作図して補修
  6. 受領原本は _original/ から動かさず、編集はJWW側だけで進める

DOS版資産の引継ぎ判断

事務所継承・人材引継ぎで大量の .jwc 資産が出てきた場合、すべてを今すぐ変換するか「使う時だけ変換するか」の判断が必要です。

判断軸一括変換都度変換
資産量数十〜数百件で常用千件以上、または利用頻度低
部品集としての利用即時利用したいアーカイブ保管が主目的
検索性JWWに揃えると一覧性が上がる元のフォルダ構成を崩したくない

PERSCの推奨: 常用する部品集・標準図はJWW一括変換、案件アーカイブは都度変換 が現実的です。一括変換は「ファイル一括変換」コマンドが使えるので、フォルダ単位で一気に変換しておきます。

変換時の事故防止チェックリスト

JWW ↔ JWC の変換で起きやすい事故の予防策をまとめます。

  • [ ] 変換前に元ファイルのバックアップを取る(変換後の上書きを防ぐ)
  • [ ] 変換後は 必ず開き直して目視確認 する(自動チェックは効かない)
  • [ ] ソリッド(塗りつぶし)を多用した図面はJWC化を避ける
  • [ ] 画像を貼り付けた図面はJWC化すると画像が消える
  • [ ] 寸法図形を多用している図面は、JWC化後に寸法の連動性が失われる
  • [ ] 部品(ブロック)化した図形はJWC化で分解される。再ブロック化できるか確認
  • [ ] スプライン・ベジェ等の曲線は折れ線に分解される

案件命名規則との連携

PERSCのファイル命名規則では、形式を見分けるための工夫として 拡張子をフォルダで分離 する運用も併用しています。

物件名/
├── 01_設計図/
│   └── *.jww          ← 編集中・現行
├── 02_受領データ/
│   ├── _original/
│   │   └── *.jwc      ← 先方からの原本(凍結)
│   └── *.jww          ← JWW変換後の作業用
└── 03_提出データ/
    └── *.dxf or *.sfc  ← 電子納品形式

詳細は ファイル命名規則 ※準備中 を参照してください。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: JWCファイルが開けない・「ファイルを開けません」と表示される

考えられる原因と対処は以下のとおりです。

  • ファイルが破損している: 受領元に再送を依頼する
  • 拡張子だけ .jwc に書き換えられたJWWファイルだった: 拡張子を .jww に戻して通常の「ファイルを開く」で読み込む
  • DOS版の独自カスタマイズが入った特殊形式: 一般的な変換では復元不可。受領元にDOS版での再書き出しを依頼

詳細なトラブルシュートは ファイルが開けない・読込エラー を参照してください。

Q: JWCで開いたら塗りつぶしが消えていた

これは JWC形式の仕様による消失 です。元データがJWWで作成されてからJWCに保存し直された場合、ソリッド(塗りつぶし)情報は失われています。受領元にJWW形式での再送を依頼するのが最短ルートです。

Q: JWWをJWCで保存したら寸法線がバラバラになった

JWC形式は寸法図形(寸法線と寸法値の連結)をサポートしていないため、保存時に 線分と文字に分解 されます。元のJWWファイルを残しておけば連動性は失われていません。JWCで上書きしないこと が予防策です。

Q: JWC化しても情報が失われない作図にしたい

Jw_cadには「JWC互換モード」のような設定はありません。JWCに保存することを前提とした作図 をしたい場合は、以下のような制約を意識します。

  • ソリッド(塗りつぶし)を使わない
  • 画像を貼り付けない
  • 寸法は寸法図形ではなく線+文字で構成する
  • ブロック化しない
  • 曲線はスプライン/ベジェではなく多角形・連続線で代用する

実務的には現実的でないため、**JWCはあくまで「受け渡し時の互換形式」**と割り切るほうが健全です。

Q: 拡張子 .jwc のファイルをダブルクリックしたら別ソフトで開いた

Windowsの関連付けが他のソフト(古いビューア等)に取られている可能性があります。エクスプローラーで .jwc ファイルを右クリック →「プログラムから開く」→「別のプログラムを選択」→ Jw_cad を選び「常にこのアプリを使って .jwc ファイルを開く」にチェックして開きます。

Q: JWCファイルをまとめてJWWに変換したい

メニューバー「ファイル」→「ファイル操作」内の ファイル一括変換 で、フォルダ単位の一括変換ができます。詳細は ファイル一括変換 ※準備中 を参照してください。


関連項目


まとめ

  • JWW = Windows版 Jw_cad のネイティブ形式(現行・推奨)/ JWC = DOS版 JW_CAD のネイティブ形式(旧資産・互換用途)
  • JWC形式は ソリッド・画像・寸法図形・ブロック・曲線属性 を保持できない。JWW → JWC で失われる情報がある
  • JWCファイルを受け取ったら すぐにJWWで別名保存 し、原本は別フォルダで凍結保管する
  • JWC形式での保存は「相手先がDOS版しか持っていない」など限定場面のみ。通常の新規作図はすべてJWWで進める
  • 変換後は 必ず開き直して目視確認。自動チェックは効かない。元ファイルのバックアップを必ず残しておく