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柱の作図と配置(管柱・通し柱の配置パターン)
このページでできるようになること
Jw_cad で平面図を描く際の 柱の作図手順と配置パターン を、通り芯を引いた直後の段階から順を追って習得できます。木造住宅の管柱・通し柱・隅柱、RC造の柱割り、鉄骨造のH型鋼柱まで、構造種別ごとの寸法・表現・配置上の判断基準を一通りカバーします。矩形コマンドで柱寸法を作って通り芯交点に正確に置き、複写で他の柱位置に展開する一連の流れを、実務で迷わず実行できるレベルまで落とし込みます。
背景: 平面図における柱は単なる「四角形」ではなく、構造種別・階数・位置によって表現と寸法が変わります。木造の通し柱は四隅と中央付近に強度上の理由で必須配置、RC造は柱割りピッチと耐震壁との関係で位置が決まる、鉄骨造はH型鋼の向きで強軸・弱軸が決まる、といった建築実務の判断が伴います。この記事は「四角を描く」のさらに一歩奥、「どこに何を何mmで置くか」までをまとめたものです。
前提とこの記事の位置づけ
この記事は 平面図ワークフローの中の「柱の配置」工程 を扱います。前後の工程は別記事に委譲しています。
| 工程 | 担当記事 |
|---|---|
| 0. 平面図の全体ワークフロー | 平面図作成の流れ ※準備中 |
| 1. 通り芯を引く | 通り芯の描き方 ※準備中 |
| 2. 柱を配置する(この記事) | — |
| 3. 壁を引く | 壁の描き方 ※準備中 |
| 4. 建具を配置する | 建具の配置 ※準備中 |
PERSCの推奨: 通り芯までは描き終わっている前提でこの記事を読み進めてください。通り芯がない状態で柱だけを配置すると、後から位置補正が極めて面倒になります。先に通り芯記事で基準線を整えてから戻ってきましょう。
矩形コマンド・複写コマンドそのものの基本操作は別記事を参照してください。この記事は「平面図の柱配置」というシナリオ側に特化しています。
- 矩形コマンドの基本: 矩形コマンドの基本
- 寸法指定での矩形作図: 寸法を指定した矩形の作図
- 図形複写: 図形複写
構造種別ごとの柱寸法(早見表)
平面図に描く柱寸法は、構造種別ごとに概ね以下の範囲に収まります。実物件では設計者・構造計算結果に従ってください。
| 構造 | 柱種別 | 一般的な寸法 | 図面表現 |
|---|---|---|---|
| 木造在来軸組 | 管柱 | 105×105mm(3.5寸)/ 120×120mm(4寸) | 実線の正方形 |
| 木造在来軸組 | 通し柱 | 120×120mm(4寸)/ 135×135mm(4.5寸) | 実線の正方形を「○」で囲う |
| 木造在来軸組 | 隅柱(通し柱兼用) | 120×120mm 以上 | 実線の正方形を「○」で囲う |
| 2×4(枠組壁工法) | 縦枠材(スタッド) | 38×89mm(206材) | 細線の正方形・連続表現 |
| RC造(住宅) | 一般柱 | 300×300mm 〜 500×500mm | 実線の正方形+ハッチング |
| RC造(中規模) | 大梁柱 | 600×600mm 〜 800×800mm | 実線の正方形+ハッチング |
| 鉄骨造(住宅) | H型鋼柱 | H-200×200×8×12 等 | H断面記号(強軸方向で配置) |
| 鉄骨造(中規模) | 角形鋼管柱 | □-200×200×9 等 | 中空正方形+線色強調 |
要確認: 木造の管柱寸法は地域・工法・施主要望で変わります。105mm(3.5寸)が一般的でしたが、近年は 120mm(4寸)以上を標準とする工務店も増えています。RC造の柱寸法は構造計算で決まるため、ここに示したのは住宅・小規模建築での目安値です。
背景: 「寸(すん)」は日本古来の単位で、1寸 = 約30.3mm。木造柱で「3.5寸角」と呼べば 105mm角、「4寸角」なら 120mm角を指します。製材所・大工さんとの会話では寸表記が今も使われており、図面上の寸法表記(mm)と実物の呼称(寸)の両方を理解しておくと現場とのコミュニケーションが取りやすくなります。
柱配置の準備(レイヤ・グリッド・通り芯)
準備1: 柱用レイヤに切り替える
通り芯と柱は別レイヤに分けて管理するのが標準です。同一レイヤに混在させると、後の編集(柱だけ非表示・色変え・削除)で苦労します。
建築図面のレイヤ分け実践 の標準テンプレでは以下のように配置しています。
| レイヤ | 用途 |
|---|---|
| レイヤ 1 | 通り芯(X通り・Y通り) |
| レイヤ 2 | 柱・梁(構造体) |
| レイヤ 3 | 壁(外壁・内壁・間仕切) |
書込レイヤをレイヤ 2 に切り替え、通り芯のレイヤ 1 は 「表示のみ」状態(参照だけできて編集できない状態)に変更します。表示のみ状態にしておくことで、柱を描く際に通り芯交点を読取り点として使えるのに、間違って通り芯を編集してしまう事故を防げます。
PERSCの推奨: 通り芯レイヤを「非表示」にしてしまうと交点位置を読取れなくなるため、必ず「表示のみ」にしましょう。レイヤ状態の切替詳細は レイヤ状態切替 を参照してください。
画像準備中 — レイヤバーで書込みをレイヤ 2 に・通り芯のレイヤ 1 を表示のみに切替えた状態
準備2: 目盛グリッドを通り芯ピッチに合わせる
目盛グリッドを通り芯のモジュール(910mm/1000mm/1820mm 等)に合わせておくと、柱の中心位置を右クリックの読取りで一発で拾えます。
- 木造の標準モジュール: 910mm(3尺)または 1000mm(メーターモジュール)
- RC造・鉄骨造: 1500mm/2000mm/3000mm が多い
「設定」→「軸角・目盛・オフセット」で目盛間隔を入力し、目盛表示をONにします。
Tips: 目盛グリッド設定の「1/2」または「1/4」分割表示にチェックを入れておくと、柱の中心線だけでなく、柱の角や間柱の位置も目盛で拾えるようになります。木造の壁内に間柱(455mmピッチ)を入れる工程で重宝します。
詳細は 目盛グリッドの設定 ※準備中 を参照してください。
準備3: 通り芯交点と柱位置データを整理する
柱を配置する前に、「どの通り芯交点にどの種類の柱を置くか」を一覧化 しておきます。手で描き出した簡単なメモで十分です。
X1×Y1: 通し柱 120角 (北西の隅柱)
X1×Y2: 管柱 120角
X1×Y3: 通し柱 120角 (西側中央・梁スパン分割)
X2×Y1: 管柱 120角
...
X4×Y4: 通し柱 120角 (南東の隅柱)背景: kantancad.com 等の参考サイトでも、平面図の柱配置例として「X1:Y1 通し柱/X1:Y2 管柱」といった位置データを準備してから作図する手順が紹介されています。準備データなしで現場合わせで描き始めると、柱の種類を間違えたり、配置漏れが出たりしやすいため、この一覧化はベテランほど省きません。
柱を1本作図する(基本手順)
矩形コマンドで柱寸法の正方形を作り、通り芯交点を中心に配置する流れです。
柱1本の作図サマリー(全6ステップ)
| # | 操作 | 所要 |
|---|---|---|
| 1 | 書込レイヤを柱レイヤ(レイヤ 2)に切替 | 数秒 |
| 2 | 矩形コマンドを起動 | 数秒 |
| 3 | コントロールバー「寸法」に 120,120 を入力 | 数秒 |
| 4 | マウスを動かして基準点を「中・中(中心)」に合わせる | 数秒 |
| 5 | 通り芯交点で右クリックして配置 | 数秒 |
| 6 | 1本目を確認して完了 | — |
合計: 1本あたり 10〜15秒程度で配置できます。
手順1: 矩形コマンドを起動
メニューバー「作図」→「矩形」、またはツールバーの「□」アイコンをクリックします。
画像準備中 — 矩形コマンドの起動位置
手順2: 寸法を入力する
コントロールバーの「寸法」テキストボックスに、柱寸法を 横,縦 の形式で入力します。木造120mm角なら 120,120、RC造300mm角なら 300,300 です。
数値だけ(カンマなし)で入力すると、横も縦も同じ寸法として扱われます。120 と入れるだけで 120×120mm の正方形になります。
画像準備中 — コントロールバーの寸法欄に「120,120」を入力
Tips: 木造柱で正方形寸法(120×120 等)しか使わない場合は、
120のように1つの数値だけで済みます。RC造の長方形柱(例: 300×500)の場合だけ300,500のようにカンマ区切りが必要です。
手順3: 基準点を「中心」に合わせる
寸法を入れた状態でマウスを動かすと、赤い仮線で柱の輪郭が表示されます。マウス位置に合わせて、矩形のどこを基準点とするか(左上/中央/右下 等9箇所)が切り替わります。
柱を通り芯交点に置く場合は 「中・中」(矩形の中心) が基準点になるよう、マウスを矩形中央付近に合わせます。
画像準備中 — 9点基準のうち「中・中」を選択した状態
背景: 矩形コマンドは寸法を入力した状態で「左・中・右」×「下・中・上」の9点から基準点を選べます。柱は通り芯の交点を中心に置くのが標準なので「中・中」、壁は壁芯位置を基準に置くため「中・上」や「中・下」を使う、といった使い分けがあります。詳細は 寸法を指定した矩形の作図 を参照。
手順4: 通り芯交点で右クリックして配置
「中・中」基準のまま、配置したい通り芯交点の上で 右クリック(読取り)します。通り芯の交点に柱の中心が来るように、120×120mm の正方形が作図されます。
注意: 必ず 右クリック(読取り) を使ってください。左クリック(任意点)では通り芯交点に正確に吸着せず、目視で合わせた状態の微妙にズレた位置に配置されてしまいます。
画像準備中 — 通り芯交点で右クリックして柱が配置された状態
手順5: 1本目の配置を確認
配置した柱を拡大表示して、通り芯の交点がちょうど柱の中心になっているかを確認します。これで1本目の柱が完成です。
画像準備中 — 拡大表示で通り芯交点と柱中心が一致していることを確認
残りの柱を配置する(複写による展開)
1本目を作図したら、同じ寸法・同じ向きの柱は複写で配置するのが効率的 です。1本ずつ矩形コマンドで描き直すこともできますが、複写を使えばクリックだけで次々と配置できます。
複写による展開のサマリー(全5ステップ)
| # | 操作 |
|---|---|
| 1 | 範囲選択コマンドで1本目の柱を選択 |
| 2 | 複写コマンドを起動 |
| 3 | 基準点を柱の中心に指定(右クリック読取り) |
| 4 | 配置先の通り芯交点で右クリックして配置(連続可) |
| 5 | 必要本数まで繰り返し |
手順1: 1本目の柱を範囲選択
ツールバー「範囲」コマンドで、1本目の柱を範囲選択します。柱が4本の線(矩形)で構成されているため、4本まとめて選択します。
画像準備中 — 範囲選択で1本目の柱を選択した状態
手順2: 複写コマンドを起動
メニューバー「編集」→「図形複写」、またはツールバー「複写」アイコンをクリックします。
手順3: 基準点を柱の中心に
複写コマンドを起動すると基準点指示の状態になります。柱の 中心位置で右クリック(読取り)します。柱の交差点(対角線の交点)が読取れる状態であれば中心点を直接拾えます。
Tips: 中心点を直接読取れない場合は、柱の角を基準点にしてから配置側でも同じ柱の角を拾う方法でも構いません。重要なのは「基準点と配置点の対応関係が一致していること」です。
画像準備中 — 柱の中心を基準点として指定
手順4: 配置先の通り芯交点で右クリック
仮表示で柱が表示された状態で、次に配置したい通り芯交点で右クリックします。柱が複写されます。
Jw_cadの図形複写は 連続して複数箇所に配置できる ので、配置したい通り芯交点を順々に右クリックしていくだけで、すべての柱を一気に配置できます。
画像準備中 — 複数の通り芯交点に連続で複写配置した状態
手順5: 必要本数を配置したら別コマンドへ
すべての柱を配置したら、別コマンド(矩形・線等)に切り替えると複写モードを抜けられます。
注意: 通し柱と管柱で寸法が異なる場合(通し柱120mm/管柱105mm 等)は、寸法ごとに1本目を作図してから複写を行います。複写中に寸法を変更することはできません。寸法の異なる柱は別グループとして扱う、と覚えておきましょう。
配置パターン別の手順
パターンA: 木造在来軸組住宅(管柱+通し柱)
最も典型的な木造平面図の柱配置パターンです。
1. 通し柱を先に配置
建物の四隅と、桁行(けたゆき)方向で梁スパンが大きい中間位置に 通し柱を先に配置 します。通し柱は管柱より太い(120〜135mm角)ため、寸法を入れて先に作図しておきます。
代表的な配置位置:
- 建物の 四隅(北西・北東・南西・南東)/隅柱として
- 建物中央の 十字交差部(耐力壁が集中する位置)
- 上下階の 柱心が一致する位置
背景: 建築基準法施行令では、3階建て以上の木造建築物に隅柱・通し柱の規定があります。住宅2階建てでも、構造的健全性のため四隅は通し柱とするのが慣例です。設計者の構造判断によりますが、平面図上での配置はこの慣例に従うケースが多いです。
2. 管柱を後から配置
通し柱以外の柱位置(1階・2階それぞれの間仕切壁の交点等)に 管柱(105〜120mm角) を配置します。木造の場合、間仕切壁が交差する位置と、外壁の桁行方向に等間隔で必要になります。
3. 通し柱を「○」で囲って表現
平面図上では通し柱を識別できるよう、通し柱の周囲に「○」(円)を描いて区別 するのが慣例です。円コマンドで柱中心を中心とする円(半径は柱寸法の1.5〜2倍程度)を描き加えます。
画像準備中 — 通し柱を○で囲った状態の平面図
PERSCの推奨: 通し柱の○表現は線色を変える(例: 線色 5 紫)ことで、印刷時にも識別しやすくなります。文字で「通」と書き加える流派もあります。事務所の標準に合わせましょう。
パターンB: 2×4住宅(枠組壁工法)
2×4工法は柱(縦枠材=スタッド)が壁の中に密に配置されるため、平面図では 個別の柱を1本ずつ描かず、壁線で代表させる のが一般的です。
- 平面図縮尺 1/100 では柱を個別表現しない
- 壁見え掛けで「壁=柱の集合体」として表現
- 詳細図(1/30 等)でのみ枠材を個別作図
パターンC: RC造(柱型のある平面)
RC造は柱が大きい(300〜800mm角)ため、柱型を平面図上ではっきり表現 します。
配置の手順
- 通り芯交点に矩形コマンドで柱を作図(例:
300,300) - 柱内部に コンクリートのハッチング(点描表現)を入れる
- 通り芯と柱の関係を寸法で記入
RC造特有の注意点
- 柱と梁の取り合い(柱型から梁が伸びる位置)を厳密に
- 柱と耐震壁の取り合いを優先
- 大梁直下の柱は柱型を太く表現
Tips: RC造のハッチング表現は、Jw_cad のハッチコマンドで「点」または「線(45度斜め)」を使います。コンクリート断面の標準表現として日本建築学会の建築製図通則に準拠するのが標準です。詳細は 線種・線色の使い分け を参照。
パターンD: 鉄骨造(H型鋼・角形鋼管)
鉄骨造は柱の 断面形状そのものに方向性がある ため、平面図上での向きが構造性能に大きく影響します。
H型鋼柱の表現
- H断面記号を通り芯に合わせて配置
- 強軸(フランジに直交する方向) がどちらを向くかを設計図と整合
- 柱寸法は H-200×200×8×12 のように4数値で表記
角形鋼管柱の表現
- 中空の正方形で表現(外形と内形の二重線)
- 板厚を内側ラインで示す
- 角部はR形状を細線で表現することも
注意: H型鋼柱の向きを間違えると構造性能に重大な影響があります。意匠平面図でも構造図と必ず整合をとり、構造設計者の指示に従って向きを決めてください。
パターンE: 隅柱(通し柱兼用)の特殊配置
建物の四隅は最も負担の大きい柱になるため、以下の配慮が必要です。
- 寸法を1ランク太く(例: 一般通し柱 120mm に対して隅柱 135mm)
- 柱の方向を建物の対角線方向に合わせる流派もあり
- 開口部(窓・玄関)が隅柱に近接する場合は構造補強
実務での使い方 ★PERSC独自
木造平面図での「柱伏図」「軸組図」との連携
意匠平面図で柱を配置したら、構造図側でも同じ位置に柱を表す必要があります。Jw_cad の レイヤグループ を使えば、意匠平面図と構造図(柱伏図・軸組図)を同一ファイルで管理できます。
| グループ | 内容 | 柱の表現 |
|---|---|---|
| Gp.0 | 平面図 1/100 | 矩形+通し柱○記号 |
| Gp.6 | 構造図 1/100 | 柱記号(種類別マーク)+耐力壁線 |
意匠平面図の柱レイヤを構造図グループでも 「表示のみ」で参照 すれば、意匠と構造の柱位置整合を視覚的に確認できます。
詳細は 建築図面のレイヤ分け実践 の「グループ × レイヤの全体構成」を参照してください。
柱を「図形登録」してテンプレ化する
毎回同じ寸法の柱を描くなら、矩形を1本作図したものを「図形登録」 しておくと、以降の物件で図形コマンドから配置できます。
- 木造120mm角の管柱
- 通し柱(120mm角+○)
- RC造300mm角+ハッチング
- H型鋼 H-200×200
これらをテンプレ図形ファイルに登録しておけば、新規物件でも再描画不要です。
詳細は 図形登録 を参照してください。
柱割りの検討段階での使い方
設計初期段階の 柱割り検討 にもJw_cadは有効です。
- 通り芯候補を複数引く
- 仮の柱(薄い線色)を配置
- 柱間距離が構造的に成立するかを確認
- 不成立なら通り芯位置を調整
この検討段階では柱を 薄い線色(線色1や線色7) で配置しておき、設計確定後に正式線色(線色2や線色5)に変更すると、検討履歴が見やすくなります。
既存図面への柱追加・撤去の表現
リフォーム・既存改修案件では、既存柱と新設柱・撤去柱の区別 が必須です。
| 種別 | 表現 |
|---|---|
| 既存柱(残す) | 通常の実線 |
| 新設柱 | 太線または赤系線色 |
| 撤去柱 | 破線または×印を上書き |
レイヤを「既存」「新設」「撤去」で分けておくと、印刷時にレイヤごとに色分けが可能です。
柱位置を変えた時の連動修正
柱位置を1本動かすと、関連する以下の要素も連動修正が必要になります。
- 壁の取り合い(柱の角に壁線が接続している)
- 寸法線(柱中心からの距離寸法)
- 室名・面積(柱位置で部屋の有効面積が変わる)
PERSCの推奨: 柱位置の変更は 設計初期にまとめて行う のが鉄則です。後工程で柱を動かすと、壁・建具・寸法・面積計算まで連鎖修正が発生し、修正漏れの温床になります。柱位置を確定してから次工程に進みましょう。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 柱が通り芯交点からズレて配置される
原因: 左クリック(任意点)で配置している。読取り点として右クリックを使う必要があります。
対処:
- 矩形コマンドの状態で配置先の通り芯交点に近づく
- 必ず 右クリック で読取り
- ズレた柱は削除してやり直す
詳しくは 読取り点と任意点の使い分け ※準備中 を参照してください。
Q: 寸法を入れたのに、マウスを動かすと矩形のサイズが変わる
原因: 寸法欄に数値を入れる前に始点を指示してしまっている。
対処:
- 矩形コマンドを起動した直後(始点を指示する前)に寸法を入力
- 寸法を入力すると赤い仮線で固定サイズの矩形が表示される
- その状態で基準点(中・中など)を選んで配置
Q: 通し柱と管柱を間違えて配置してしまった
対処:
- 間違った柱を範囲選択
- 「消去」コマンドで削除
- 正しい寸法(通し柱120/管柱105 等)で再作図
- 通し柱の場合は「○」記号も忘れずに
Tips: 柱の種類を間違えやすい場合、配置前に 柱位置データの一覧表(X1×Y1: 通し柱、X1×Y2: 管柱 ... 等)を紙やメモに書き出しておくと事故が減ります。
Q: 柱が線4本でバラバラに扱われる
原因: Jw_cad の矩形コマンドは「ソリッド」にチェックを入れない限り、4本の線として作図されます。これは仕様です。
対処:
- 範囲選択時は4本まとめて選択する(柱全体を囲うように選ぶ)
- 1本だけ選択されてしまう場合は、選択範囲を広げる
- ハッチングや塗りつぶしが必要なら別コマンドで追加
Q: 通し柱の「○」記号がうまく描けない
対処:
- 円コマンドを起動
- 半径を柱寸法の1.5倍(120mm柱なら180mm程度)に設定
- 柱中心を右クリックで読取って配置
円が大きすぎると壁線と干渉、小さすぎると柱と区別できないため、120mm柱に対して 直径240〜300mm(半径120〜150mm)程度が見やすいバランスです。
Q: 1本ずつ柱を描いていくと時間がかかりすぎる
対処:
- 同じ寸法の柱はまず1本だけ作図
- 図形複写で他の通り芯交点に展開
- 寸法が違う柱(通し柱120/管柱105)はそれぞれ1本ずつ作図して別々に複写
詳しくは 図形複写 を参照してください。
Q: RC造で柱内部のハッチングがうまくいかない
対処:
- 柱の矩形(4本の線)を範囲選択
- ハッチコマンド起動
- ハッチパターン「点」または「線」を選択
- 範囲指定で柱内部を指定
柱の線が連結していない(4本がそれぞれ独立した線)ため、ハッチングの「閉じた範囲」として認識されないケースがあります。その場合は柱の角点を順に右クリックで指示する方法を使います。
Q: H型鋼柱の向きをどちらにすべきか分からない
対処:
- 構造設計図を確認(必ず構造設計者の指示に従う)
- 一般的に 強軸を桁行方向(建物の長辺方向)に向ける
- 不明点は構造設計者に確認
意匠図独断でH型鋼の向きを決めることは絶対に避けてください。
Q: 既存図面の柱と自分の作図する柱で寸法が違う
対処:
- 既存図面の縮尺を確認(1/100か1/50か)
- 寸法線で実寸を計測
- 自分の柱寸法を既存に合わせる
- それでも矛盾があれば設計責任者に確認
リフォーム案件では既存柱の寸法が現代基準と異なる場合があります(古い木造で90mm角・3寸角など)。
関連項目
- 矩形コマンドの基本 — 矩形の基本操作
- 寸法を指定した矩形の作図 — 9点基準と寸法指定
- 図形複写 — 柱の連続配置に必須
- 図形移動 — 柱位置の調整
- 図形登録 — 柱をテンプレ化
- レイヤ状態切替 — 通り芯を「表示のみ」に
- 建築図面のレイヤ分け実践 — 柱レイヤの位置づけ
- 線種・線色の使い分け — 構造種別ごとの線色運用
- 平面図作成の流れ ※準備中 — 平面図全体ワークフロー
- 通り芯の描き方 ※準備中 — 柱配置の前工程
- 壁の描き方 ※準備中 — 柱配置の次工程
- 建具の配置 ※準備中 — 壁の次工程
- 読取り点と任意点の使い分け ※準備中 — 右クリック読取りの基本
- 目盛グリッドの設定 ※準備中 — モジュール設定
まとめ
- 柱は通り芯と別レイヤ(標準ではレイヤ 2)に配置し、通り芯レイヤは「表示のみ」状態にする
- 1本目は矩形コマンドで寸法(例
120,120)を入れ、基準点「中・中」で通り芯交点を右クリック配置 - 残りの柱は図形複写で連続展開すると効率的(同じ寸法の柱に限る)
- 構造種別ごとに寸法の標準が違う(木造 105〜135mm/RC 300〜500mm/鉄骨 H型鋼)
- 木造平面図では通し柱を「○」で囲んで識別表示するのが慣例
- 柱位置は設計初期に確定させ、後工程(壁・建具・寸法)への波及を防ぐ
- 異種柱(管柱・通し柱・隅柱)の配置は事前に一覧データを準備してから作図するとミスが減る