Skip to content
未検証

サイン曲線の作図

このコマンドでできること

Jw_cadの「曲線」コマンドで「サイン曲線」を選ぶと、山と谷が一定の間隔で繰り返される正弦波形のカーブを作図できます。装飾的な波模様、水面の波紋表現、装飾モール(壁見切りや天井見切りの波形ライン)、波板屋根・波板外壁の表現、内装の曲線アクセントウォール、サイン波で表現する添景植栽など、図面の中で「規則正しい上下の波」が必要なときに使うコマンドです。基準線・原点・振幅の頂点・1サイクル点・始点・終点と、合計6点を順に指示すれば、振幅と周期が指定どおりのきれいな波形が一発で描けます。コントロールバーの「分割数」を増やすと、より滑らかな曲線になります。

背景: Jw_cadには独立した「サイン曲線コマンド」というものはありません。サイン曲線は「曲線」コマンドの中でサイン曲線ラジオボタンを選択することで切り替わる作図モードです。同じ「曲線」コマンド内で、2次曲線・スプライン曲線・ベジェ曲線も切り替えて使えるため、起動方法は4種類すべて共通です。詳しくは 2次曲線の作図スプライン曲線の作図ベジェ曲線の作図 を参照してください。


起動方法

サイン曲線の作図は、まず「曲線」コマンドを起動してから、コントロールバーで「サイン曲線」を選ぶ流れです。曲線コマンド自体の起動方法は3つ用意されており、どの方法でも同じコマンドが立ち上がります。

方法操作
ツールバー ★推奨左側「作図(2)」ツールバー内の「曲線」ボタンを左クリック
メニューバー作図」 → 「曲線」を左クリック
クロックメニュー作図ウィンドウ内で2時方向へ左ドラッグ中に右クリック

起動したらコントロールバーの「サイン曲線」ラジオボタンを左クリックして選択します。これで作図モードが「曲線→サイン曲線」に切り替わります。

PERSCの推奨: 曲線コマンドは作図(2)ツールバーに配置されています。作図(1)ツールバーが普段表示されていて、作図(2)が隠れている場合は、ツールバーの表示切替で作図(2)を呼び出すか、メニューバー「作図」→「曲線」から起動するルートも併用できます。詳しくは 画面構成 を参照してください。

要確認: クロックメニュー2時方向の起動仕様(左ドラッグ中に右クリック)は実機で確認します。クロックメニューの基本動作については マウス操作の基本クロックメニュー入門 を参照してください。


サイン曲線の作図サマリー(全7ステップ)

サイン曲線の基本フローは以下のとおりです。線コマンドが2点(始点→終点)、円コマンドが2点(中心→円周)だったのに対し、サイン曲線は基準線+5つの点指示の合計6操作になります。最初に戸惑いやすいので、まず全体像を頭に入れてから個別の手順に進むのがおすすめです。

#操作所要
1曲線コマンドを起動(ツールバー「曲線」)数秒
2コントロールバー「サイン曲線」ラジオボタンを選択数秒
3コントロールバー「分割数」を確認・必要なら変更数秒
4基準線を左クリック(または右クリック)で指示数秒
5原点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示数秒
6振幅の頂点を左クリック(読取点なら右クリック)で指示数秒
71サイクル点 → 始点 → 終点の3点を順に指示。サイン曲線が確定数秒×3

サイン曲線を描く(基本手順)

サイン曲線コマンドのもっとも標準的な使い方は、基準線に沿って規則正しい波形を描くことです。建築実務では、装飾モールの波形ライン、波板屋根の表現、添景の水面波紋、装飾アクセントウォールの輪郭などに使われます。

手順1: 曲線コマンド起動 →「サイン曲線」を選択

左ツールバーの「曲線」ボタンを左クリックして曲線コマンドを起動します。コントロールバー左寄りの「サイン曲線」ラジオボタンを左クリックして選択します。これで作図モードがサイン曲線に切り替わります。

要確認: 「サイン曲線」の表示形式(ラジオボタンかチェックボックスか)は実機で確認します。s-projects・kantancadではラジオボタン、jwdojoではラジオボタンと記述されており、いずれも単一選択UIです。

手順2: 「分割数」を確認する

コントロールバーの「分割数」入力欄に、サイン曲線を構成する短い直線の数が表示されています。分割数を大きくすると個々の直線が短くなり、より滑らかな波形になります。逆に小さくすると直線がカクカクと見える簡素な波形になります。

背景: Jw_cadのサイン曲線は、内部的に多数の短い直線をつなげた折れ線として描かれます。分割数=20なら20本の短い直線で1サイクルが構成され、分割数=100なら100本の短い直線で構成されます。直線数が多いほど滑らかに見えますが、データ容量も増えるため、図面全体のバランスで決めましょう。

Tips: 装飾モールや小さな波形(1サイクル50〜200mm程度)なら分割数20〜30で十分滑らかに見えます。大きな波形(1サイクル1m以上)や、A1判のような大判印刷で目立たせたい場合は分割数50〜100を目安にしてください。建築図面の標準的な使い方であれば、デフォルト値のまま運用しても問題ない場面が大半です。

手順3: 基準線を指示

サイン曲線の進行方向を決める基準線を左クリック(または右クリック)で指示します。基準線は作図ウィンドウ内にすでに描かれている直線を1本選ぶ形式で、波形は基準線に沿って横方向に伸びていきます。

Tips: 基準線は補助線色(線色6)の長い直線をあらかじめ引いておくのが効率的です。サイン曲線を描き終わったあとは補助線を消去するか非表示にすれば、純粋な波形だけが残ります。基準線は実線・破線・補助線・連続線など、線種を問わず選択できます。

要確認: 基準線として指示できる線種の範囲(円弧・スプライン・ベジェなどの曲線も基準線にできるか)は実機で確認します。s-projects・jwdojoの記述では「直線を基準線として指示」とのみ書かれています。

手順4: 原点を指示

サイン曲線の起点となる原点位置を左クリック(読取点なら右クリック)で指示します。原点は基準線上、または基準線の延長上の点として扱われ、ここからサイン波形が伸び始める位置になります。

Tips: 原点を読取点(既存の点・線端・交点)に合わせたい場面では、迷わず右クリックを使います。基準線上の特定位置に原点を合わせるには、基準線と垂直な補助線をあらかじめ引いておき、その交点を右クリックで拾うのが確実です。

手順5: 振幅の頂点を指示

原点指示後、マウスを動かすと振幅の高さ(波の山の高さ)が変化します。希望の振幅位置で左クリック(読取点なら右クリック)して頂点を確定します。基準線から頂点までの垂直距離が、そのまま波の振幅(山の高さ・谷の深さ)になります。

Tips: 振幅の頂点は基準線の上側に指示すれば最初の山が上向き下側に指示すれば最初の山が下向きになります。装飾モールでは上向き、水面波紋では下向きから始める、など意匠の意図に合わせて使い分けましょう。

要確認: 振幅の頂点を基準線の上下どちらに指示したときに波形の向きが反転するかを実機で確認します。s-projectsの記述では「振幅の頂点を指示する」とのみあり、上下の方向性については明記されていません。

手順6: 1サイクル点を指示

頂点指示後、マウスを動かすと1サイクル分の長さ(=1波長)が変化します。原点から1サイクル点までの基準線方向の距離が、そのまま1サイクルの長さ(波の周期)として確定します。希望の1サイクル長さの位置で左クリック(読取点なら右クリック)します。

背景: 「1サイクル」とは、波が「山→谷→山」と1回繰り返す距離のことです。たとえば1サイクル点を原点から500mm離れた位置に指示すれば、500mm進むごとに山と谷が1セット繰り返される波形になります。1サイクル長さを短くすればギザギザした細かい波、長くすればゆったりとした大きな波になります。

手順7: 始点・終点を指示してサイン曲線を確定

1サイクル点指示後、最後に作図する範囲の始点と終点を順に指示します。始点を左クリック(読取点なら右クリック)→ 終点を左クリック(読取点なら右クリック)と続けて指示すると、その範囲のサイン曲線が確定します。

背景: 始点と終点は「実際に描く波形の左端と右端」を決める指示です。原点・1サイクル点で波の周期と位相を決め、始点・終点で作図する区間を切り取るイメージです。始点を原点と同じ位置にして、終点を1サイクル点と同じ位置にすれば、ちょうど1サイクル分の波形が描けます。終点を1サイクル点よりさらに先に指示すれば、複数サイクル分の波形が連続して描けます。

要確認: 始点と終点が原点・1サイクル点を超えた範囲を指定したときに、複数サイクルの波形が描けるか・1サイクル分しか描けないかを実機で確認します。

Tips: 「ちょうど1サイクルだけ描きたい」場合は、始点を原点と同じ位置(右クリック)、終点を1サイクル点と同じ位置(右クリック)で指示すれば、原点・1サイクル点をそのまま始点・終点として再利用できます。kantancadのキャプチャー動画でも「同じところを指示している」のは、この理由によるものです。


「分割数」を変更してサイン曲線の滑らかさを調整する

コントロールバーの「分割数」入力欄に数値を入れると、サイン曲線を構成する短い直線の本数を変えられます。分割数が多いほど滑らかな波形になりますが、データ容量も増えます。

分割数の目安

分割数見た目用途
10〜20直線がカクカクと見える簡素な波形マーク・装飾用途で目立たせたくない場合
30〜50(標準)バランスのいい滑らかさ一般的な装飾モール・波板表現・水面波紋
80〜100非常に滑らかな曲線大判印刷・拡大表示・意匠重視の意匠図

手順1: 「分割数」入力欄に数値を入力

コントロールバーの「分割数」入力欄をクリックし、数値(直線本数)を入力します。たとえば「30」と入力すれば、1サイクルが30本の短い直線で構成される波形になります。

手順2: 通常どおり基準線・原点・振幅・1サイクル点・始点・終点を指示

分割数を変更したあとは、通常どおりサイン曲線の作図手順を進めます。確定後の波形が、指定した分割数で描かれていることを確認しましょう。

Tips: 分割数は同じ図面内でも作図ごとに変更できます。装飾モールでは分割数50、添景の水面波紋では分割数20、というように用途別に使い分けると、図面全体の表現バランスがとりやすくなります。

要確認: 「分割数」の入力可能な数値範囲(最小値・最大値)を実機で確認します。極端に大きな数値(1000以上)を入れたときに描画パフォーマンスがどう変化するかも、必要に応じて検証します。


振幅・1サイクルの調整パターン

サイン曲線の振幅(波の高さ)と1サイクル長さ(波の周期)は、それぞれ独立して指定できます。実務でよく使う組合せパターンを以下にまとめます。

振幅1サイクル長さ見た目用途
(10〜30mm)(50〜100mm)細かいギザギザ波装飾モール・小さな添景の波形
(10〜30mm)(500〜1000mm)ゆるやかな緩い波長尺の見切りライン・スカートライン
(50〜100mm)(200〜400mm)大胆な波装飾アクセントウォールの輪郭・装飾エッジ
(50〜100mm)(1000〜2000mm)ゆったり大きな波意匠重視の曲面壁の輪郭・地形の起伏表現

振幅と1サイクル長さの関係

パラメータ決まる場所操作
振幅(波の高さ)基準線から振幅頂点までの垂直距離振幅頂点指示時のマウス位置で決まる
1サイクル長さ(波の周期)原点から1サイクル点までの基準線方向の距離1サイクル点指示時のマウス位置で決まる

Tips: 振幅と1サイクル長さを正確な数値で指定したい場合は、事前に補助線を引いておき、その線端や交点を右クリックで拾うのが確実です。たとえば「振幅50mm・1サイクル200mmの波形」を描くなら、基準線から50mm離れた補助線、原点から200mm離れた縦補助線をあらかじめ作図しておき、振幅頂点・1サイクル点をそれぞれ右クリックで読取れば、寸法が完全一致した波形が描けます。


波数(サイクル数)を増やす

サイン曲線は、始点と終点の指示範囲を1サイクル長さよりも長く取ることで、複数サイクルの波形を一発で描けます。1サイクル点で「波1つ分の長さ」を決めたあと、終点を遠くに指示すれば、その距離に収まる分だけ波が連続して描かれます。

2サイクル以上の波形を描く手順

#操作ポイント
1基準線・原点・振幅頂点・1サイクル点を通常どおり指示1サイクル長さを決定
2始点を原点位置で右クリック(または任意位置)波形の左端を確定
3終点を1サイクル点よりも遠い位置に指示終点までの距離分、波が連続

サイクル数の目安

終点位置描かれるサイクル数
原点+1サイクル長さちょうど1サイクル(1波)
原点+2サイクル長さちょうど2サイクル(2波)
原点+3サイクル長さちょうど3サイクル(3波)
任意の中途半端な距離始点・終点位置で切り取られた波形

Tips: 「波形の長さは決まっているが、何サイクル入るかは決まっていない」場面(たとえば「壁の長さ3000mmにできるだけ細かい波で装飾を入れたい」)では、1サイクル長さを意匠の好みで決め、始点を壁の左端、終点を壁の右端に指示する運用が直感的です。1サイクルが300mmなら3000mm÷300mm=10波が連続して描かれます。

要確認: 始点・終点が1サイクル点を超えたときに、波形が連続して伸びる挙動を実機で確認します。kantancadの解説では「サイクル数を増やせば沢山の曲線を描ける」とあり、2サイクルの作例画像も掲載されているため、複数サイクル作図は対応済みと推測されますが、最大サイクル数の上限などは実機検証が必要です。


書込線色・線種の継承

サイン曲線で作図される線は、現在の書込線色・線種で描かれます。線コマンドや連続線コマンドと同じ仕様で、コマンド起動時の書込線属性がそのままサイン曲線全体に適用されます。

書込線属性を変えたいとき

途中で線色・線種を変えたくなった場合は、いったん曲線コマンドを終了 → 線属性を切替 → 再度曲線コマンドを起動する流れになります。サイン曲線の作図中に線色を変えることはできない仕様のため、「同じ図面に色違いの波形を複数本描きたい」場合は、線色ごとに分けてサイン曲線を作図します。

Tips: 装飾モールを線色2(黒)で描き、添景の水面波紋を線色4(青)で描く、というように線色を使い分けることで、図面の意匠表現に深みが出ます。線色ごとにまとめてサイン曲線を作図すれば、線属性切替の頻度が減って作業テンポが落ちません。詳しくは 線属性(線色・線種)の設定 を参照。

要確認: サイン曲線の作図中に線属性ダイアログを開いて変更したときの挙動(途中から書込線色が切り替わるか、変更が無視されるか)は実機で確認します。


サイン曲線は「短い直線の集合」として記録される

サイン曲線で描かれた波形は、内部的には多数の短い直線をつなげた折れ線としてデータに記録されます。範囲選択すると分割数と同じ本数の直線として選ばれ、複写・移動・消去・伸縮の操作はそれぞれの直線に対して効きます。

作図方法データ上の扱い
サイン曲線多数の短い直線の集合(分割数=N なら 1サイクルにつきN本)
円弧コマンドひとつの円弧(単一要素)
連続線コマンド個別の直線の集合(端点共有)

背景: サイン曲線が「短い直線の集合」として記録される仕様のため、後から「波形の振幅だけ変えたい」「波の数を増やしたい」といった編集はできません。形を変えたい場合は、いったん消去して再度サイン曲線コマンドで描き直すのが標準ルートです。事前に振幅・1サイクル長さ・分割数を決めてから作図に入る運用がおすすめです。

要確認: 描かれたサイン曲線の内部記録仕様(個別の短い直線の集合か、単一の曲線要素か)を実機で範囲選択して要素数を確認します。s-projectsの記述では「曲線は短い直線をつなげて作図される」とあり、個別線の集合と推測されます。


コントロールバーの主要オプション(サイン曲線モード時)

「サイン曲線」選択時にコントロールバーへ表示される主なオプションは以下のとおりです。各曲線種類の詳細は専用記事に委譲します。

オプション役割解説位置
サイン曲線(ラジオ)サイン波形モードを選択この記事で解説
2次曲線(ラジオ)凸形の2次曲線モード2次曲線の作図
スプライン曲線(ラジオ)3点を通る滑らかな曲線モードスプライン曲線の作図
ベジェ曲線(ラジオ)制御点を持つ自由曲線モードベジェ曲線の作図
分割数(テキスト)曲線を構成する短い直線の本数この記事で解説

Tips: コントロールバーのラジオボタンは曲線4種類のうち1つだけ選択できる仕様です。サイン曲線で描いたあと、続けて2次曲線を描きたい場合は、ラジオボタンを「2次曲線」に切り替えるだけで作図モードが変わります。コマンド自体を抜ける必要はありません。


実務での使い方 ★PERSC独自

装飾モール・見切りラインの波形装飾

住宅・店舗・サービス業の意匠図で、装飾モール(壁見切り・天井見切り・腰壁見切り)に波形ラインを使うケースがあります。一定の振幅・周期で繰り返される正弦波は、機械的なギザギザよりも柔らかく、エレガントな印象を与えます。

  • 基準線として腰壁の天端ラインを補助線で引く
  • 振幅10〜30mm程度の小さな波形で
  • 1サイクル長さは100〜300mm程度
  • 線色2(黒)または線色4(青)で立面図に描き込む

仕上表に「装飾モール=サイン波(H=20、L=200)」のように振幅と周期を明記しておけば、施工側が現場で再現できる情報量になります。

波板屋根・波板外壁の表現

工場・倉庫・農業施設・カーポートなどで使われる波板(鉄板やプラスチックの波形成形板)の断面表現は、サイン曲線で正確に描けます。波板の規格寸法は製品ごとに決まっており、たとえば**JIS規格スレート波板(大波)**は1サイクル130mm前後、振幅18mm前後です。

波板の種類1サイクル長さ振幅(山の高さ)
大波スレート(JIS)約130mm約18mm
小波スレート(JIS)約63.5mm約8mm
ガルバ波板(一般)約76mm約25mm
ポリカ波板(一般)約32〜76mm約8〜18mm

断面詳細図で波板の厚みや葺き重ね位置を表現する場面では、サイン曲線で1サイクルあたり30〜50分割の滑らかな波を描き、その上に板厚分だけオフセットした並行波形を重ねる運用が現実的です。

水面・池・噴水の波紋表現

外構・造園図で池・水盤・噴水まわりの水面を表現する際、サイン曲線で水面の波紋を描くと、平面図に動きと表情が出ます。一般的には振幅3〜10mm程度の小さな波を、池の幅に合わせて複数サイクル並べます。

線色を青系(線色4または線色5)にして、線種を破線または1点鎖線にすると、「水面=波形」という記号化が伝わりやすくなります。設計提案図やプレゼン用平面図で特に効果的です。

装飾アクセントウォール・曲面壁の輪郭

意匠重視の住宅・店舗で、波形のアクセントウォール(リビングのアクセント壁、店舗のディスプレイ壁)を計画する場面では、サイン曲線で壁の平面輪郭を描きます。

  • 振幅50〜100mm程度の中〜大きな波
  • 1サイクル長さは1000〜2000mm程度
  • 平面図に壁芯線として波形を描き、両側に壁厚分のオフセット線を複線コマンドで派生

詳しくは 複線コマンド ※準備中 を参照してください。サイン曲線を芯線にして両側に複線を引けば、波形の壁が一発で立ち上がります。

添景の樹冠・植栽の輪郭

樹木の樹冠を円ではなくサイン波形のふくらみで表現する流派があります。針葉樹の枝張りや、刈込み生垣の上端ラインを連続した小さな波形で描くと、機械的な記号よりも自然な印象になります。

振幅50〜200mm程度、1サイクル300〜800mm程度で、樹冠の輪郭に沿って波形を配置します。記号化したパターンが定まったら図形登録しておけば、再利用が速くなります。

装飾エッジ(カーペット・ラグ・テキスタイル)

インテリア図面でカーペット・ラグ・テキスタイルの装飾エッジ(フリンジ・スカラップ)を表現する場合、サイン曲線で輪郭を描くと、直線エッジよりも柔らかい印象が出ます。家具配置図や仕上表のディテール図で活用できます。

サイン波図形の登録活用

繰り返し使う波形パターン(装飾モール・波板断面・水面波紋など)は、図形登録機能 ※準備中を使ってライブラリ化しておくと再利用が速くなります。一度作図した「振幅20mm・1サイクル200mm・分割数30」のサイン波を図形登録しておけば、次回からは図形コマンドで呼び出すだけです。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: 「サイン曲線」を選んだのに作図できない・基準線で止まってしまう

→ サイン曲線は基準線として既存の直線が必要です。作図ウィンドウに直線が1本も描かれていない状態では基準線を指示できません。先に 線コマンド で基準線になる直線(補助線でも可)を1本引いてから、サイン曲線コマンドを実行してください。

Q: 基準線を指示したが、原点が思った位置に入らない

→ 原点を左クリック(任意点)で指示すると、マウス位置がそのまま原点座標になります。基準線上の特定位置に原点を合わせたい場合は、基準線と垂直な補助線を事前に引いておき、その交点を右クリック(読取点)で拾ってください。建築実務では原点も右クリック中心の運用が安全です。

Q: 振幅が思った高さにならない

→ 振幅は基準線から頂点指示位置までの垂直距離で決まります。希望の振幅を正確に出すには、基準線から指定距離だけ離れた補助線(たとえば基準線から50mm離れた水平補助線)を事前に作図し、その線上の点を右クリックで頂点として拾います。マウスの目分量で頂点を指示すると、振幅にバラつきが出やすくなります。

Q: 1サイクル長さが思ったとおりに決まらない

→ 1サイクル長さは原点から1サイクル点までの基準線方向の距離で決まります。希望の1サイクル長さを正確に出すには、基準線上で原点から指定距離(たとえば200mm)離れた位置に読取点を作っておき、そこを右クリックで1サイクル点として拾います。基準線と垂直な補助線を事前に2本引いて、その交点を読取点として活用するのが定石です。

Q: 波形が左右逆向き(最初の山が下から始まる)になる

→ 振幅の頂点を基準線の上側に指示すれば最初の山が上向き下側に指示すれば下向きになります。意図と逆向きになった場合は、Escキーで戻って振幅頂点を反対側に指示し直してください。

Q: 波形がギザギザに見えて滑らかにならない

→ コントロールバーの「分割数」が小さい可能性があります。分割数を30〜50に増やしてから作図し直すと、滑らかな波形になります。装飾モールや意匠重視の波形では分割数50以上を推奨します。

Q: 波形を後から振幅だけ変えたい

→ サイン曲線は多数の短い直線の集合として記録されるため、後から振幅・周期だけを変える編集はできません。形を変えたい場合は、いったん範囲選択 → 消去コマンドで削除 → 再度サイン曲線コマンドで描き直す流れになります。事前に振幅・1サイクル長さ・分割数を決めてから作図に入る運用がおすすめです。

Q: 始点と終点を指示したのに、思ったよりも短い・長い波形になった

→ サイン曲線の作図範囲は始点・終点の位置で切り取られます。原点と1サイクル点で「波の周期」を決めたあと、始点を原点と同じ位置・終点を希望の波数分だけ離れた位置に指示してください。「ちょうど1サイクルだけ」なら始点=原点・終点=1サイクル点で右クリックすれば一致します。

Q: 描いたサイン曲線を後から複線でオフセットしたい

→ サイン曲線は内部的に多数の短い直線の集合のため、複線コマンド ※準備中 で範囲選択して一括オフセットする際は、「連続線」オプションを有効にする必要があります。連続線オプションをONにしないと、各直線が個別にオフセットされて意図しない結果になります。

Q: 曲線コマンドが起動できない・反応しない

→ 曲線コマンドは「作図(2)」ツールバーに配置されています。標準で表示されている「作図(1)」ツールバーには曲線ボタンがないため、ツールバーの表示切替で作図(2)を呼び出すか、メニューバー「作図」→「曲線」から起動してください。詳しくは 画面構成 を参照。

Q: 「サイン曲線」ラジオボタンを選んだはずなのに別の曲線が描かれる

→ コントロールバーで他の曲線(2次曲線・スプライン曲線・ベジェ曲線)のラジオボタンが選択されている可能性があります。改めて「サイン曲線」ラジオボタンを左クリックで選択し直してから作図し直してください。ラジオボタンは1つだけ選択できる仕様で、最後に選んだ曲線種が有効になります。

Q: 分割数を変更しても波形の見た目が変わらない

→ 分割数の変更は次に描くサイン曲線から有効になります。すでに描き終わったサイン曲線の分割数を後から変えることはできません。分割数を変えた効果を確認するには、新しいサイン曲線を作図して比較してください。

Q: 振幅と1サイクル長さを数値で正確に指定したい

→ Jw_cadのサイン曲線コマンドには、振幅・1サイクル長さを直接数値入力する機能はありません。正確な数値で指定したい場合は、事前に補助線を引いて読取点で拾う方法が確実です。基準線・振幅頂点・1サイクル点の3つの位置を補助線+読取点で押さえれば、寸法どおりのサイン曲線が描けます。

Q: 波数を増やそうと終点を遠くに指示したのに、1サイクルしか描かれない

→ 始点と終点の指示が1サイクル点よりも内側にある可能性があります。複数サイクル分を描くには、終点を原点+1サイクル長さの整数倍以上の位置に指示してください。基準線上で「原点から600mm離れた点」を終点として右クリックで拾えば、1サイクル200mmの波形が3サイクル分描かれます。


関連項目


まとめ

  • サイン曲線は「曲線」コマンド(作図(2)ツールバー)→ コントロールバーの「サイン曲線」ラジオボタンで作図モードに切替える
  • 基本フローは基準線 → 原点 → 振幅頂点 → 1サイクル点 → 始点 → 終点の合計6操作。基準線で進行方向、原点で起点、振幅頂点で波の高さ、1サイクル点で周期、始点・終点で作図範囲が決まる
  • コントロールバー「分割数」で波形を構成する短い直線の本数を指定する。30〜50が標準、簡素な波形なら10〜20、滑らかな大波なら80〜100
  • 振幅は基準線から頂点までの垂直距離、1サイクル長さは原点から1サイクル点までの基準線方向の距離で決まる。正確な数値で指定したい場合は補助線+読取点運用が確実
  • 始点・終点が1サイクル点を超える範囲を指示すれば、複数サイクルの波形を一発で描ける
  • 描かれたサイン曲線は多数の短い直線の集合として記録される。後から振幅・周期の変更はできず、変えたい場合は消去して描き直す
  • 装飾モール・波板表現・水面波紋・装飾アクセントウォール・添景の樹冠など、建築実務で「規則正しい波」を描く全ての場面で使う基幹コマンド