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伸縮(基本/包絡伸縮/突出長指定)
Jw_cadの「伸縮」コマンドは、描いた線や円弧の長さを指定した位置まで伸ばしたり縮めたりする機能です。基準線との交点まで揃える「基準線指定」、数値で突出量を決める「突出寸法」の3つのパターンを1コマンドで使いこなせます。
建築実務では壁線の端部を開口位置に合わせる場面、隣接する壁線端部を基準線まで一気に揃える場面でほぼ毎日使うコマンドです。この記事では1本ずつ操作する基本伸縮・基準線への包絡伸縮・突出長の数値指定による伸縮の3つに絞って解説します。
背景: 複数線を一括伸縮する「一括処理」は 複数線の一括伸縮 ※準備中、伸縮コマンドでの間隔切断は 間隔切断 ※準備中で別途解説します。
伸縮コマンドの起動方法
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| メニューバー | 編集 → 伸縮 |
| ツールバー | 「編集(1)」ツールバー内の「伸縮」ボタンをクリック |
| クロックメニュー | 作図ウィンドウ内で8時方向へ右ドラッグ |
画像準備中 — ツールバーの「伸縮」ボタンの位置(矢印付き)
要確認: クロックメニューの起動方向(右ドラッグ8時方向)を実機で確認してください。
コントロールバーの構成
伸縮コマンドを起動すると、ウィンドウ上部のコントロールバー(CB)が切り替わります。
| CB項目 | 役割 |
|---|---|
| 突出寸法(入力ボックス) | 基準線からの突出量をmm単位で指定。0の場合は基準線ちょうどで伸縮 |
| 指示位置優先(チェックボックス) | 基準線選択時に、基準線側ではなく伸縮させる線をクリックした位置に近い交点を優先する |
| 一括処理(ボタン) | 複数の直線を一括伸縮するモードに切り替え(詳細は 複数線の一括伸縮 ※準備中) |
| 切断間隔(入力ボックス) | 線を指定間隔で切断するモード用(詳細は 間隔切断 ※準備中) |
画像準備中 — 伸縮コマンド起動直後のコントロールバー全体
要確認: 「指示位置優先」チェックボックスのラベル名(「指示位置優先」が正確な文言か)を実機で確認してください。
基本操作:1本の線を自由に伸ばす・縮める
基準線を指定せず、クリックした位置を目的地として直接伸縮します。最もシンプルな使い方です。
基本操作サマリー(全3ステップ)
| # | 操作 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 伸縮させたい線上を左クリック | クリックした位置が「残る端点の側」を決める |
| 2 | 伸縮先の位置までマウスを移動 | 仮点が表示され、伸縮後の状態をプレビューできる |
| 3 | 伸縮先で左クリックして確定 | 読取り点・交点のスナップを使うと精度が上がる |
画像準備中 — 線を選択した直後(仮点が表示された状態)
線を縮める場合
伸縮させたい線の上で左クリックします。このときクリックした位置に近い端点の側が残り、反対側が縮みます。続けて縮めたい位置をクリックすると、その位置まで線が短くなります。
Tips: 「どちら側が残るか」はクリック位置で決まります。残したい端点に近い側をクリックしてください。
画像準備中 — 縮める操作(クリック位置・縮小後の比較)
線を伸ばす場合
伸縮させたい線の上で左クリックします。続けて伸ばしたい位置をクリックすると、クリックした位置に近い端点の側が伸びます。
Tips: 伸ばす位置を既存の端点や交点に正確にスナップさせたい場合は、読取り点(右クリック)または交点スナップを使いましょう。
画像準備中 — 伸ばす操作(クリック位置・伸長後の比較)
円弧の伸縮
円弧も同じ操作で伸縮できます。
- 縮める場合: 円弧上を左クリックした位置に近い端点の側が残り、そこから伸縮先の位置まで短くなります。
- 伸ばす場合: クリックした位置に近い端点の側が伸びます。
画像準備中 — 円弧を縮める操作例
基準線指定:別の線を目標に揃えて伸縮する
壁線の端部を別の壁線に正確に合わせたい場合など、「あの線との交点まで伸ばしたい(縮めたい)」というケースに最適な操作です。基準線を指定すると、その線との交点まで自動で伸縮してくれます。
基準線指定サマリー(全3ステップ)
| # | 操作 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 基準にしたい線または円弧を右ダブルクリック | 選択色に変わったら基準線として認識されている |
| 2 | 伸縮させたい線を左クリック | 基準線との交点まで自動で伸縮される |
| 3 | 続けて別の線を左クリック(任意) | 同じ基準線に対して複数の線を続けて揃えられる |
画像準備中 — 基準線(右ダブルクリック後)が選択色に変わった状態
操作手順(詳細)
ステップ1: 基準線を右ダブルクリックで指定
伸縮の目標となる線(基準線)の上で右ダブルクリックします。クリックした線が選択色(ピンクまたは仮表示線色)に変わり、基準線として登録されます。
注意: 右クリック1回は「切断」の操作になります。基準線指定には必ず「右ダブルクリック」(素早く2回)を使ってください。
ステップ2: 伸縮させたい線を左クリック
基準線が選択された状態で、伸縮させたい線の上を左クリックします。その線は基準線との交点まで自動で伸縮されます。
画像準備中 — 伸縮させる線をクリック→交点まで揃った完成状態
ステップ3: 続けて複数の線を揃える(任意)
同じ基準線に対して、別の線を左クリックすれば連続して伸縮できます。壁線端部を一本ずつ揃えるなど、繰り返し操作が必要な場面に便利です。
基準線の変更
別の線を新しい基準線にしたい場合は、その線を右ダブルクリックすれば基準線が切り替わります。
円弧・円を基準線にした場合
円や円弧も基準線として指定できます。ただし、直線との交点が2か所生まれる場合があります。その際は基準線を右ダブルクリックした位置に近い交点まで伸縮されます。
要確認: 基準線選択位置に近い交点まで伸縮されるという挙動を実機で確認してください。
指示位置優先チェックボックスについて
通常は「基準線をクリックした位置に近い交点」が伸縮先になります。コントロールバーの「指示位置優先」にチェックを入れると、基準線ではなく伸縮させる線をクリックした位置に近い交点が伸縮先になります。交点が2か所あって意図しない側に伸縮されてしまう場合に使います。
要確認: 「指示位置優先」チェックボックスの動作を実機で確認してください。
突出長指定:基準線から一定量だけ突き出す
基準線との交点ちょうどで止めるのではなく、そこから指定した寸法だけ突き出した状態で伸縮させる機能です。壁端部が開口幅の基準線から少し飛び出す仕上げや、内装の見切り材端部を正確に出す場面などで使います。
突出長指定サマリー(全4ステップ)
| # | 操作 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | CBの「突出寸法」入力ボックスに数値を入力 | 単位はmm(実寸) |
| 2 | 基準にしたい線を右ダブルクリック | 基準線が選択色に変わる |
| 3 | 伸縮させたい線を左クリック | 基準線との交点から指定寸法分だけ突き出して伸縮 |
| 4 | 続けて別の線を左クリック(任意) | 同じ設定で連続処理できる |
画像準備中 — 「突出寸法」入力ボックスに数値を入力した状態のCB
操作手順(詳細)
ステップ1: 突出寸法を入力
コントロールバーの「突出寸法」入力ボックスに、基準線から突き出させたい長さをmm単位で入力します。
Tips: 突出寸法が「0」の場合は、通常の基準線指定(交点ちょうど)と同じ動作になります。
要確認: 突出寸法に負の値を入力した場合の挙動(基準線の内側で止まるのか)を実機で確認してください。
ステップ2〜3: 基準線指定→伸縮線を左クリック
突出寸法の入力後は「基準線指定」と同じ操作です。基準線を右ダブルクリックし、伸縮させたい線を左クリックします。クリックした線は、基準線との交点から突出寸法の分だけ飛び出した位置まで伸縮されます。
画像準備中 — 突出寸法を指定して伸縮した結果(基準線から〇mmはみ出した状態)
実務での使い方
壁の開口端部を揃える(平面図)
住宅・集合住宅の平面図で窓・ドア開口部を描くとき、開口の境界線(縦の壁線)と交差する横壁線を正確に揃える作業が発生します。
作業手順の例は次のとおりです。
- 開口の端部線(縦線)を基準線として右ダブルクリック
- 横向きの壁芯線・壁面線を左クリックして伸縮
- 反対側の開口端部線に切り替えてもう一方を揃える
この操作を繰り返すことで、複数の壁線端部を正確な位置で揃えられます。端部に少し壁が残る「壁端仕舞い」のディテールが必要なケースでは、突出寸法に壁の仕上げ代を入力して調整します。
PERSCの推奨: 開口端部の整形は「伸縮」→「コーナー処理」の順で行うのが最も効率的です。伸縮で端部を基準線に揃えた後、コーナー処理(5-22)で壁の入隅・出隅を仕上げます。
外壁線の角を揃える(平面図)
建物外壁の隅部では、外壁の縦・横のラインが直角に交わります。複線で引いた壁の外面線と内面線は端部がバラバラになりやすいため、伸縮コマンドで基準線(外壁の縦ライン)まで横ラインを揃えていきます。
基準線指定モードを使えば、横外壁線・横内壁線の2本を連続してクリックするだけで、縦外壁線ちょうどの位置まで揃えられます。消去と再作図を繰り返すより大幅に速く、かつ正確に仕上がります。
設備配管の端部処理(設備図)
設備の平面図・アイソメ図では、壁に沿って引いた配管線の端部を壁面線の位置で止める作業があります。配管が短すぎた場合は「伸ばす」、長すぎた場合は「縮める」で壁面線の位置まで調整します。
基準線指定モードを使えば、配管線の端部を壁面線にクリック一発で揃えられます。目測で微調整するより格段に正確です。
つまずきポイントと対処
Q: 基準線を指定したいのに、右クリック1回を押してしまった
→ 右クリック1回は「線の切断」操作になります(伸縮コマンドでの右クリック = 切断)。誤って切断してしまった場合は 戻る・進む(取り消し・やり直し) で取り消してください。基準線の指定には「右ダブルクリック(素早く2回)」が必要です。初めのうちは意識して「ダブル」を確認しながら操作する習慣をつけましょう。
Q: 伸縮しようとしたら、意図した端点と逆側が伸びた(縮まった)
→ 基本伸縮では、最初に線をクリックした位置に近い端点の側が残ります。残したい端点に近い側をクリックしてください。伸ばす場合は「伸びる端点に近い側をクリック」と覚えると操作しやすくなります。
Q: 基準線を指定したのに、意図しない側の交点まで伸縮された
→ 円弧・円を基準線にした場合や、基準線と伸縮対象の線が2か所で交わる場合に起こります。コントロールバーの「指示位置優先」にチェックを入れると、伸縮させる線をクリックした位置に近い交点を優先するよう切り替えられます。
Q: 線をクリックしても選択できない
→ 線の真上を正確にクリックする必要があります。ズーム倍率が低い状態では細い線をクリックしにくいため、対象の線付近を拡大してから操作してください。
Q: 突出寸法を設定したのに、交点ちょうどで止まってしまう
→ 突出寸法は基準線を指定(右ダブルクリック)した後にも変更できます。突出寸法の入力後に基準線を選択しているか確認してください。また突出寸法が「0」のままになっていないかもCBで確認してください。
Q: 円弧は伸縮できますか
→ できます。操作方法は直線と同じで、縮める場合はクリックした位置に近い端点側が残り、伸ばす場合はその端点側が伸びます。円弧を基準線にすることも可能です。
Q: 複数の壁線端部を一気に基準線に揃えたい
→ 基準線指定モードで1本ずつ左クリックして連続処理するか、「一括処理」ボタンを使います。一括処理の詳細は 複数線の一括伸縮 ※準備中 で解説します。
関連項目
- 戻る・進む(取り消し・やり直し) — 伸縮の取り消し・やり直し
- 線コマンドの基本 — 伸縮対象となる線の作図方法
- 複線の基本(間隔指定・端点指定) — 平行線の作成
- 複数線の一括伸縮 ※準備中 — 複数の線を一度に基準線に揃える
- 間隔切断 ※準備中 — 伸縮コマンドでの線の間隔切断
- コーナー処理 ※準備中 — 伸縮後の端部を角でつなぐ
まとめ
- 基本伸縮: 線上をクリックした位置に近い端点の側が残り、2回目のクリック位置まで伸縮される
- 基準線指定: 右ダブルクリックで基準線を選んでから伸縮する線を左クリックすると、基準線との交点まで自動で揃う
- 突出寸法: CBの数値入力で基準線から一定量だけ突き出した位置で止められる。壁端仕舞いなど実務のディテール処理に活用できる