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未検証

PDF出力(CubePDF/Microsoft Print to PDF)

このページでできるようになること

Jw_cadで作図した図面をPDFファイルとして出力できるようになります。Jw_cad本体には独自のPDF保存機能がないため、Windows標準の「Microsoft Print to PDF」または無料のPDF作成ソフト「CubePDF」をプリンタとして経由してPDF化する方法が現場の標準です。あわせて、両ツールの違いと使い分け、PDFの品質設定、メール添付・電子納品・タブレット閲覧といった実務シーン別の運用ノウハウまで理解できます。

背景: Jw_cad には「PDF として保存」コマンドはありません。PDF 出力は Microsoft Print to PDFCubePDF などの PDF プリンタを「印刷先プリンタ」として選択 することで実現します。つまり PDF 出力は 印刷の一種(プリンタの送り先が紙ではなく PDF ファイルなだけ)であり、図面縮尺・印刷倍率・線幅・線色の挙動は通常の紙印刷と完全に共通です。印刷操作に慣れていれば、プリンタ名を切り替えるだけでそのまま PDF 出力も使えるようになります。


PDF出力に使う2つの定番ツール

ツール入手特徴おすすめ用途
Microsoft Print to PDFWindows 10/11 標準搭載追加インストール不要・操作シンプルとりあえず1枚をPDFにしたい・社内共有
CubePDF公式サイト無料配布高機能(フォント埋込・PDFバージョン指定・パスワード設定)電子納品・社外提出・長期保管

PERSCの推奨: 個人や社内利用はMicrosoft Print to PDFで十分です。電子納品や顧客提出など「相手の環境を選ばずに開けてほしい」「長期保管に耐えてほしい」場合はCubePDFを選びましょう。両方インストールしておいて、用途で使い分けるのが現場のセオリーです。

要確認: CubePDFのライセンス条項・最新バージョン・配布URLは2026年時点で公式サイト(cube-soft.jp)で要確認。ライセンス変更があった場合は本文「無料配布」の記述を見直す必要があります。


共通の基本フロー

どちらのツールでも、PDF出力の手順は**「印刷時にプリンタを選ぶときPDFツールを指定する」**というだけです。

サマリー(全5ステップ)

#操作何が起きるか
1Jw_cadで Ctrl+P または「ファイル」→「印刷」印刷ダイアログが開く
2プリンタ名のプルダウンで PDFツール(Microsoft Print to PDF / CubePDF)を選択PDFツールが出力先に設定される
3必要に応じてプロパティで用紙サイズ・向きを設定 →「OK」印刷モード(赤枠表示)に入る
4印刷範囲・倍率・カラーを調整 → コントロールバー「印刷(L)」PDF保存ダイアログが表示される
5ファイル名・保存先を指定 →「保存」PDFファイルが指定先に出力される

通常の印刷との違いは、最後にプリンタへ送らずにPDFファイルとして保存する点だけです。印刷範囲の設定や倍率の指定は通常印刷と同じ操作です。


方法A: Microsoft Print to PDF を使う

前提条件

Windows 10 / 11 には標準で「Microsoft Print to PDF」プリンタが組み込まれています。追加インストール不要ですぐに使えます。

要確認: 「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」を開き、一覧に「Microsoft Print to PDF」があることを確認。Windows 10 / 11 のエディションによっては表示されない可能性があります。

手順

1. 印刷コマンドを起動

Ctrl+P または メニューバー「ファイル」→「印刷」をクリック。

2. プリンタ名で「Microsoft Print to PDF」を選択

「印刷」ダイアログのプリンタ名プルダウンから「Microsoft Print to PDF」を選びます。

3. プロパティで用紙サイズを設定

プロパティ」をクリックして、用紙サイズ(A3 / A4 等)と向き(縦 / 横)を設定します。「OK」をクリックして印刷ダイアログに戻り、もう一度「OK」で印刷モードに入ります。

4. 印刷範囲を確認・調整

赤い印刷範囲枠が表示されます。位置・倍率・カラーを必要に応じて調整します。詳しくは 印刷範囲の指定 を参照。

5. 「印刷(L)」ボタンでPDF保存ダイアログを開く

コントロールバーの「印刷(L)」ボタンをクリックすると、Windowsの「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

6. ファイル名と保存先を指定して「保存」

ファイル名(例: 平面図_2026-05-04.pdf)と保存先フォルダを指定して「保存」をクリックします。指定先にPDFファイルが生成されます。

Tips: ファイル名はあとからでも変更できますが、保存時点で プロジェクト名_図面種別_日付.pdf の形式にしておくとファイル整理が楽です。命名規則の標準は ファイル命名規則 ※準備中 を参照してください。


方法B: CubePDF を使う

前提条件

公式サイト(cube-soft.jp の CubePDF ページ)からインストーラをダウンロードしてインストールしておきます。インストール後、Windowsのプリンタ一覧に「CubePDF」が自動追加されます。

要確認: CubePDFの最新バージョン・配布URL・ライセンス条件は実機検証時に公式サイトで再確認。インストーラのファイル名(例: cubepdf-x.x.x.exe)も最新版で更新する必要があります。

背景: CubePDFは日本のキューブ・ソフト株式会社が開発・配布している無料のPDF作成ツールです。フォント埋込・PDFバージョン指定・パスワード設定など、ビジネス利用に必要な機能が揃っています。

手順

1〜4. 印刷コマンド起動〜印刷範囲確認まで

Microsoft Print to PDF と同じです。プリンタ名で「CubePDF」を選択する点だけが違います。

5. 「印刷(L)」で CubePDF メイン画面が起動

印刷(L)」ボタンをクリックすると、CubePDF独自の保存ダイアログが起動します。Microsoft Print to PDF より細かい設定ができます。

CubePDF の主要設定項目

項目設定内容推奨値
ファイルタイプ出力形式PDF(PNG/JPEG/BMP/TIFF も選択可)
PDFバージョンPDF/A、PDF 1.7 等電子納品なら PDF/A-1b、汎用なら PDF 1.7
解像度DPI 値標準は 600 dpi、高画質出力は 1200 dpi
フォント埋込図面内文字のフォントをPDFに含めるON(環境依存をなくすため)
PDFのプロパティタイトル・作成者・キーワードプロジェクト名・担当者名を入力
セキュリティ(パスワード)開封・印刷・編集の各パスワード機密図面は開封パスワード必須
保存パス出力先フォルダ・ファイル名プロジェクトフォルダ配下に統一

6. 「変換」ボタンでPDF生成

すべての設定を確認したら「変換」ボタンをクリックします。指定先にPDFファイルが出力されます。

Tips: CubePDFは設定をプリセットとして保存できます。「電子納品用(PDF/A-1b+フォント埋込)」「社内共有用(PDF 1.7+標準解像度)」のように用途別プリセットを作っておくと、毎回の設定操作が省けます。


Microsoft Print to PDF と CubePDF の使い分け

比較項目Microsoft Print to PDFCubePDF
インストール不要(Windows標準)必要(無料)
操作のシンプルさ◎ 名前と保存先だけ○ 設定項目が多い
PDF/A対応×
フォント埋込指定△ 自動◎ 明示指定可
パスワード設定×
解像度指定× プリンタ任せ◎ 600/1200 dpi 等
複数ページPDFの結合× 1印刷=1ファイル△ 別途設定が必要
プロパティ(タイトル等)△ 自動◎ 明示入力可

使い分けの目安

シーン推奨ツール
「とりあえずPDFにしてメール添付したい」Microsoft Print to PDF
社内打ち合わせ資料Microsoft Print to PDF
顧客提出(プレゼン用)CubePDF(フォント埋込ON)
電子納品・公共物件提出CubePDF(PDF/A-1b 指定)
機密図面の社外提出CubePDF(パスワード設定)
長期保管(5年以上)CubePDF(PDF/A-1b 指定)

背景: PDF/A-1b は ISO 19005 で規定された長期保存向けPDF規格です。フォント埋込・色空間明示などが必須化されており、何十年後でも同じ見た目で開ける保証があります。電子納品要領で指定されることもあるため、公共案件は最初から CubePDF + PDF/A-1b に統一しておくと安全です。


カラー/モノクロ・線幅・図面縮尺・印刷倍率の扱い

PDF出力は PDF プリンタを経由した印刷 なので、Jw_cadのコントロールバー「カラー印刷」チェック、基本設定「色・画面」タブの「プリンタ出力 要素」の線幅設定がそのまま反映されます。図面縮尺(レイヤグループの縮尺設定)と 印刷倍率(コントロールバーの拡大縮小率)の関係も紙印刷と完全に同じです。

設定PDF出力への影響
カラー印刷チェック ONカラーPDFとして出力
カラー印刷チェック OFFモノクロPDFとして出力
プリンタ出力 要素「線幅」PDF内の線幅として反映
印刷倍率(100% / 80% 等)PDFの図面サイズに反映(用紙に対する拡大縮小)
図面縮尺(1/100 等)図面そのものの縮尺。PDF 出力でも変わらない
印刷範囲(赤枠)PDFの出力範囲

Tips: PDFプリンタの線幅出方は紙のプリンタとはやや異なります。PDF出力用に線幅セットを別調整しておくと、画面プレビュー(PDFビューア)と紙印刷の見た目を揃えやすくなります。設定方法は 印刷時の線幅変更 を、線幅 mm の建築標準値は 印刷時の線太さ標準 を参照してください。図面縮尺と印刷倍率の使い分けは 印刷倍率(拡大・縮小・任意倍率) 冒頭の整理表を参照してください。


連続印刷でのPDF出力

Jw_cadの連続印刷(複数ファイル一括) 機能と PDF プリンタの組み合わせで、複数ファイルから連続でPDFを生成できます(PDF プリンタも印刷先プリンタの一種なので、紙への連続印刷と同じフローが使えます)。

ツール連続印刷時の挙動
Microsoft Print to PDFファイルごとに保存ダイアログが開く(1ファイル=1PDF)
CubePDFファイルごとに変換ダイアログが開く(1ファイル=1PDF)

要確認: 連続印刷時にファイルごとに保存ダイアログが出るのか、自動で連番ファイル名で保存されるのかは実機要確認。手作業介入が必要な場合、ファイル数が多いと連続印刷の利点が減ります。

Tips: 「複数ファイルを1つのPDFにまとめたい」場合は、まず各ファイルをPDFに出力してから、Adobe Acrobat / PDFsam Basic / CubePDF Page などの結合ツールで1ファイルに統合するのが確実です。結合ツールの選び方は 外部補助ツール ※準備中 を参照してください。

背景: Jw_cad の連続印刷自体に「複数ページの単一 PDF を生成する」機能はありません。これは PDF プリンタが「1 印刷ジョブ = 1 PDF ファイル」として動作する仕様だからです(紙のプリンタでいう「1 ジョブ = 1 まとまりの紙束」と同じ考え方が PDF にも適用されています)。


実務での使い方 ★PERSC独自

メール添付・クラウド共有の標準形

Jw_cad図面(.jww)をそのままメール添付しても、相手にJw_cadがインストールされていないと開けません。社外の関係者(施主・行政・業者)に図面を送るときは PDF 化が必須です。

シーン出力形式サイズ目安
施主向けプレゼンカラーPDF(A3相当・印刷倍率 100%)1〜3MB/枚
行政・確認申請副本モノクロPDF(A3相当・PDF/A-1b・印刷倍率 100%)0.5〜1MB/枚
工事業者向け施工図モノクロPDF(A3相当・印刷倍率 100%)0.5〜2MB/枚
設備業者向け平面図抜粋モノクロPDF(A4相当・印刷倍率 70.7% で A3 を縮小可)0.3〜1MB/枚

iPad / Androidタブレットでの現場閲覧

PDFにしておくと、現場でタブレットから図面を確認できます。タブレット用PDFは以下の点を意識すると見やすくなります。

  • A3で出力した図面を 印刷倍率 70.7% で A4 に縮小するとタブレット画面で読みづらいため、ピンチアウト前提で 印刷倍率 100% のまま A3 で PDF 化するのがおすすめ(図面縮尺は元のまま変えない)
  • 線幅は紙印刷より太め(オフィスレーザープリンタ用設定の1.2〜1.5倍)に調整するとピクセル表示で見やすい
  • フォント埋込ONで作っておくと、タブレットに対応フォントがなくても文字化けしない

電子納品時の運用

公共工事の電子納品では、図面PDFに以下の規格が要求されることが多いです。

規格項目要求内容
PDFバージョンPDF/A-1b(長期保存規格)
フォントすべて埋込(環境依存をなくす)
解像度300 dpi 以上
ファイル名工事名_図面種別_図番.pdf 等の指定形式
カラーカラー指定の有無は発注者要領による

CubePDFの設定を「電子納品プリセット」として保存しておくと、案件ごとに設定し直す手間が省けます。

自動押印・透かしを入れる

CubePDF Utility(CubePDFと同じ会社の別ツール)を使うと、PDFに**透かし(DRAFT / 社外秘 等)**を後付けで入れられます。打ち合わせ用ドラフトと最終提出用を区別したい場合に有効です。


つまずきポイント・対処 ★PERSC独自

Q: プリンタ一覧に Microsoft Print to PDF が表示されない

→ Windows の「設定」→「アプリ」→「オプション機能」→「Windows の機能の有効化または無効化」で「Microsoft Print to PDF」にチェックを入れて再起動してください。エディションによっては利用できないこともあります。

Q: CubePDFをインストールしたのにプリンタ一覧に出ない

→ インストール時にプリンタドライバの追加が失敗した可能性があります。CubePDFのアンインストール → PCを再起動 → 管理者権限で再インストール、を試してください。Windowsのプリンタスプーラサービスが停止している場合も同症状になります。

Q: PDFが文字化けする

→ フォント埋込が無効になっている可能性があります。CubePDFの場合は設定で「フォント埋込」を ON にしてください。Microsoft Print to PDF はフォント埋込を明示指定できないため、特殊フォントを使っている図面は CubePDF への切り替えを推奨します。

Q: 線がギザギザに見える

→ 解像度が低すぎる可能性があります。CubePDFで解像度を 600 dpi 以上(高画質なら 1200 dpi)に設定してください。Microsoft Print to PDF は解像度指定ができないため、画質に厳しい用途では CubePDF を使ってください。

Q: PDFのファイルサイズが大きすぎる

→ 解像度を上げすぎていないか、また図面内に**画像(写真等)**が含まれていないか確認してください。1200 dpi は印刷会社入稿向けで、メール添付には 600 dpi で十分です。画像を含む図面は、画像挿入時の同梱/参照設定(画像同梱・分離 ※準備中)も影響します。

Q: A3で出力したのにPDFがA4で開く

→ プリンタプロパティの用紙サイズが A4 のままになっている可能性があります。「印刷」ダイアログで「プロパティ」→ 用紙サイズを A3 に設定してから OK してください。Microsoft Print to PDF も A3 出力に対応しています。

Q: カラーで出力したのにモノクロPDFになった

→ Jw_cad コントロールバーの「カラー印刷」チェックが入っていません。Ctrl+P →「OK」のあとコントロールバーで「カラー印刷」にチェックを入れてから「印刷(L)」をクリックしてください。PDF プリンタも紙のプリンタと同じくカラー印刷チェックの ON/OFF を見ます。詳しくは カラー印刷とモノクロ切替 を参照。

Q: PDF出力時にエラーで止まる

→ 保存先に書き込み権限がない、同名のPDFを開いたままになっている、ディスク残量不足、のいずれかが原因のことが多いです。保存先を別フォルダに変えて再試行してください。

Q: 複数ファイルを1つのPDFにまとめたい

→ Jw_cad本体・CubePDF・Microsoft Print to PDF のいずれにも結合機能はありません。Adobe Acrobat(有償)/PDFsam Basic(無料)/CubePDF Page(無料) などの結合ツールを使ってください。詳しくは 外部補助ツール ※準備中 を参照。


関連項目


まとめ

  • Jw_cad本体にはPDF保存機能がなく、PDF プリンタを「印刷先プリンタ」として選ぶのが標準(PDF 出力 = 印刷の一種)
  • 個人・社内利用は Microsoft Print to PDF(Windows標準)で十分
  • 電子納品・社外提出・長期保管は CubePDF + PDF/A-1b で安全に運用
  • カラー/モノクロ・線幅・図面縮尺・印刷倍率・印刷範囲は通常の紙印刷と同じ設定がそのまま適用される
  • 複数PDFの結合は別ツール(Adobe Acrobat / PDFsam Basic / CubePDF Page)が必要