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テンキーだけでX/Y数値入力(カンマ→ドット2回)
このページでできるようになること
矩形・移動・複写などでX/Y座標を数値指定するときに、カンマ「,」の代わりにテンキーの「.(ドット)2回」を打って 200..100 のように入力できるようになります。テンキーから手を離さずに座標入力を完結させられるため、図面1枚で何十回も繰り返す数値入力の累積時間を短縮できます。Y軸が小数になる場合の 200...1(ドット3回)パターン、テンキーがないノートPCでの代替策、混乱しやすいつまずきポイントまでを一通り扱います。
背景: Jw_cadのX/Y数値入力欄は 「X,Y」のカンマ区切り が公式仕様です。ところがフルキーボードでカンマ「,」キーはテンキーから離れた位置にあり、テンキーだけで完結したい場面では一拍ロスが発生します。Jw_cadはこの不便さを解消するため、ドット「.」を2回続けて打つとカンマ「,」に内部変換する入力エイリアスを備えています。あくまで入力時のショートカットで、確定すると
200,100という正規表記に置き換わるため、JWWファイルの保存形式は変わりません。
このページの範囲
「X/Y数値入力欄でテンキーだけで完結させる」小技に絞って扱います。矩形・移動・複写そのものの操作は別記事に委譲します。
- 矩形コマンドで寸法を指定して描く方法 → 矩形コマンドの寸法指定
- 図形を数値で複写・移動する操作の本体 → 図形複写・移動の基本 ※準備中
- 数値入力欄での電卓的な式入力 → 数値入力欄での式計算 ※準備中
注意: ここで扱う「ドット2回」は、半角の ピリオド
.を2回連続で打つ入力です。全角の「。」や「.」では機能しません。IMEがOFF(半角直接入力) の状態で操作してください。
基本のしくみ
200,100 と 200..100 は等価
Jw_cadの数値入力欄は、確定時に以下のような変換を行います。
| 入力した文字列 | 内部解釈 | X | Y |
|---|---|---|---|
200,100 | そのまま | 200 | 100 |
200..100 | .. を , に置換 | 200 | 100 |
1500..2500 | .. を , に置換 | 1500 | 2500 |
つまりカンマと「ドット2回」はどちらを使っても結果は同じで、お好みで使い分けられます。
Tips: 入力中の見た目は
200..100ですが、コマンドを確定すると入力欄の表示が200,100に書き換わります。「入力した字面が変わって戸惑った」という相談がたまにありますが、内部で正規表現に置き換えているだけなので問題ありません。
Y軸が小数の場合は「ドット3回」
200..0.1 のように書きたい場合、テンキー縛りで打つと 200...1 となります。これは次のように分解できます。
| 部品 | 意味 |
|---|---|
200 | X軸の値 |
.. | カンマの置き換え(区切り文字) |
.1 | 小数点以下のみ書く慣習で 0.1 を表す |
合計で 200...1 とドットが3回連続します。X軸が小数の場合(例: 0.5,100)も .5..100 と書けば、テンキーだけで打てます。
背景: 「整数部の0は省略してよい」という入力慣習はJw_cadの数値入力欄全般で有効です。たとえば
0.5を.5、0.001を.001と書いても通ります。これと「カンマ→ドット2回」のルールが組み合わさることで、ドットが2〜3回連続する一見奇妙な見た目になります。
操作例: 矩形コマンドで 200×100 の長方形を描く
矩形コマンドの寸法入力を例に、両方の打ち方を比較します。
通常のカンマ入力
- メニューバー「作図」→「矩形」を実行します
- コントロールバーの「寸法」テキストボックスをクリックします
- テンキーで
200、フルキーで,、テンキーで100を入力 →200,100 - 図面上の任意の位置を左クリックして矩形を配置します
画像準備中 — 矩形コマンドの「寸法」欄にカンマ入力した状態
テンキー縛りのドット2回入力
- メニューバー「作図」→「矩形」を実行します
- コントロールバーの「寸法」テキストボックスをクリックします
- テンキーだけで
200..100と入力します(200→.→.→100) - 図面上の任意の位置を左クリックして矩形を配置します
- 配置後、寸法欄の表示が
200,100に変わります
画像準備中 — 寸法欄に `200..100` を入力した瞬間
画像準備中 — 矩形配置直後に寸法欄が `200,100` に書き換わった様子
Tips: 寸法欄に既に古い値が残っている場合は、
Backspaceでクリアしてから打ち直すか、テキストボックスを全選択(Ctrl+Aではなくダブルクリック→ドラッグなど)してから上書きします。テキストボックスの先頭にカーソルがあるだけだと、既存の値の前に追記される形になり200..100200,100のような誤入力につながります。
どんな場面で効くか
ドット2回が効く場所は、X/Y両方を1つのテキストボックスで受け取る入力欄全般です。代表例は以下の通りです。
| 場面 | 入力欄 | 例 |
|---|---|---|
| 矩形を寸法指定で描く | コントロールバー「寸法」 | 1820..910 |
| 図形を数値で複写・移動 | コントロールバー「数値位置」 | 910..0(X方向910mm、Y方向0mm移動) |
| 図形コマンドで貼り付け倍率を指定 | コントロールバー「倍率」 | 2..1(X倍率2・Y倍率1) |
| 基準点をオフセットで指示 | オフセット入力ダイアログのX/Y欄 | 個別欄なので不要(参考) |
要確認: 「倍率」欄など、矩形・複写以外の入力欄でも同じドット2回が効くかは実機で網羅確認します。原則として「X,Y形式の1テキストボックス入力」であれば効くと考えて差し支えありません。
PERSCの推奨: 図面1枚で寸法入力・移動・複写を合わせて30回以上行うのが普通です。ドット2回の入力に体を慣らしておくと、テンキーから手を離さず作業が進むため、1日あたりの数値入力ロスが目に見えて減ります。最初の3日間は意識的に使い、それ以降は自然に手が動くようになります。
マイナス値・式入力との組み合わせ
ドット2回はマイナス値や簡単な式とも組み合わせられます。
マイナス値(複写・移動の方向反転)
複写・移動の数値位置欄では、マイナス値で逆方向への移動が指定できます。
| 入力例 | 意味 |
|---|---|
-910..0 | X方向に -910mm(左へ)、Y方向に 0mm |
0..-1820 | X方向に 0mm、Y方向に -1820mm(下へ) |
-910..-1820 | 左下へ斜め移動 |
マイナス記号 - はテンキーにも備わっているため、テンキー縛りのまま打ち切れます。
簡単な式
Jw_cadの数値入力欄は + - * / などの四則演算をその場で計算してくれます。ドット2回と組み合わせると、たとえば910mmの倍寸を計算しながら矩形を描くような書き方ができます。
| 入力例 | 内部解釈 |
|---|---|
910*2..910 | X=1820、Y=910 |
1820/2..910 | X=910、Y=910 |
Tips: 式入力の詳細(使える演算子・関数・優先順位)は 数値入力欄での式計算 ※準備中 を参照してください。
テンキーがないノートPCでの代替案
ノートPCの内蔵キーボードには独立したテンキーがないことが多く、ドット2回の恩恵を受けにくいケースがあります。代替案を3つ挙げます。
代替1: ホームポジションのまま使う
ノートPCの , キーは右手の中指、. キーは右手の薬指 で押せる位置にあります。フルキーボードと違って指の移動量がそもそも小さいため、ドット2回より素直にカンマを打つ方が早いことがあります。
代替2: 外付けテンキーパッドを使う
USB接続の外付けテンキーを1つ用意すると、ノートPCでもデスクトップ同様の入力環境が手に入ります。数値入力中心の作業(建具表・面積表・寸法入力の多い図面)では、2,000〜3,000円程度の投資で体感速度が大きく変わります。
PERSCの推奨: 自宅・事務所どちらでもJw_cadを使うなら、外付けテンキー+ドット2回の組み合わせが最も速いです。配線が邪魔ならBluetoothテンキーでも構いません。
代替3: NumLockによるテンキーエミュレーション
一部のノートPCにはNumLockキーがあり、U I O J K L などの文字キーを一時的にテンキーとして使う機能があります。緊急用の代替として知っておくと便利ですが、文字入力との切替が煩雑なため常用は推奨しません。
実務での使い方 ★PERSC独自
シーン1: 木造平面図の通り芯ピッチで矩形を量産する
木造住宅の通り芯は 910mmグリッド が基本です。1820×910、2730×910、910×1820 のような寸法の小さな矩形(壁・柱・収納など)を1枚の平面図で20〜30個描くことも珍しくありません。
このとき矩形コマンドで 1820..910 2730..910 910..1820 をテンキー縛りで打てると、マウスとテンキーから視線を外さず作業が流れます。フルキーボードのカンマを毎回押すと、視線が一瞬テンキー左下に流れて図面に戻すロスが累積します。
シーン2: 部材複写での既製品ピッチ指定
サッシ・建具・什器など既製品の取付ピッチは規格化された値(455、910、1820、2275 など)が頻出します。複写コマンドで 910..0 0..1820 のように打つと、Y方向のみゼロ移動などゼロを片側に置く頻度が高いことに気づきます。910..0 も 1820..0 もドット直前にゼロが続かないため、910. までで一拍置く感覚を体に入れておくと誤入力が減ります。
シーン3: 設備図でmm未満の小数点入力
スプリンクラー配管・ダクト寸法などで、m単位で図面を描いているチームではY軸が小数になる場面があります。たとえば「X方向に1m、Y方向に0.5m移動」は 1..0.5 と書けますが、テンキー縛りなら 1...5 で済みます。「ドット3回 = カンマ+小数点」と覚えておくと手が止まりません。
シーン4: 建具表・面積表の矩形枠を一括作図
建具表や仕上表で同サイズの矩形を縦横に並べるときは、矩形コマンドの寸法欄に 120..15 等を入れたまま、配置位置だけクリックで連打していきます。ドット2回で寸法を一度打ち込んでしまえば、あとは寸法欄に触れずクリックだけで矩形を量産できます。
つまずきポイント・対処 ★PERSC独自
Q: 200..100 と打ったのに矩形が描かれない・エラーが出る
→ 以下を順に確認します。
- IMEがONになっていないか(
半角/全角キーで切り替え)。全角の「.」「。」は数値として解釈されません - テキストボックスにフォーカスが入っているか(クリックして青く反転している状態か)
- 既存の値の後ろに追記していないか(
200,100200..100のような連結になっていないか)。先にBackspaceでクリアしてから打ち直す - 数値の前後に余分な空白が入っていないか
Q: 200..100 を打つと 200,,100 のようにカンマ2個になってしまう
→ Jw_cadのバージョン・環境設定によっては自動変換タイミングが異なる場合があります。確定(左クリックで矩形配置やコマンド実行)すれば最終的に 200,100 として処理されるため、表示上の見た目は気にしなくて構いません。気になる場合はカンマ入力に戻すのが確実です。
要確認: ドット2回が一時的に
,,に見える挙動の有無は実機で再確認します。
Q: 「ドット3回 200...1」が意図通り動かない
→ 200...1 は X=200・Y=0.1 として解釈されます。X=200・Y=1 ではない点に注意します(後者は 200..1)。「ドット3回」は .. + .1 の組み合わせなので、Y軸が 0.1 になることを覚えておきます。
| 入力 | X | Y |
|---|---|---|
200..1 | 200 | 1 |
200...1 | 200 | 0.1 |
200..01 | 200 | 1(先頭0は無視される) |
200..0.1 | 200 | 0.1(明示書き、ドット2回) |
Q: マイナス値で -910..-1820 と打ちたいが、テンキーの - がうまく押せない
→ ノートPCのテンキーレス環境ではフルキーの - を使います。デスクトップのテンキー側 - は問題なく機能します。Num Lock がOFFになっているとテンキーの数字自体が押せないため、まず Num Lock の状態を確認します。
Q: 「数値位置」欄で 0..0 と打ったのに移動しない
→ 0..0 は X=0・Y=0 で移動量ゼロの指示です。意図通りの挙動です。何も動かない=バグではなく、入力した通りの結果です。
Q: ドット2回の小技は移動・複写でも本当に効くのか
→ 公式素材(jwdojo recommend_0200)でも「矩形のサイズ指定で解説したが、移動や複写などのX/Y数値指定でも置き換え可能」と明記されています。コントロールバー上のX/Yを1つのテキストボックスで受け取る入力欄なら、原則として共通で効くと考えて構いません。実務でも矩形・移動・複写の3つで日常的に使われています。
関連項目
- 矩形コマンドの寸法指定 — 矩形をサイズ指定で描く方法の本体
- 図形複写・移動の基本 ※準備中 — 数値位置で図形を動かす操作の本体
- 数値入力欄での式計算 ※準備中 —
+-*/を使った式入力 - PERSC推奨ショートカット集 — テンキー周りを含む効率化ショートカット
- 線コマンドで水平垂直と斜線を簡単に切り替える — マウス4回移動の小技
まとめ
- X/Y数値入力欄では カンマ「,」の代わりにドット2回
..が使える(200..100=200,100) - Y軸が小数のときは ドット3回
200...1(..+.1の連結でY=0.1) - 矩形・移動・複写など、X/Y両方を1つのテキストボックスで受け取る入力欄で共通に効く
- 効果が大きいのはフルキーボード+テンキーで作業する環境。ノートPCではホームポジション維持か外付けテンキーで補う
- マイナス値・四則演算とも組み合わせ可能で、
910*2..910のような式入力も成立する